
【個人オーナー様】東京都練馬区アパート 階段・廊下の塗装工事+長尺シート工事 費用公開
2025/08/16
目次
工事の全体像とポイント
東京都練馬区にある2階建てアパートにて、共用部の鉄骨階段と廊下に関する改修工事を実施しました。対象は合計8戸分。老朽化が進みつつある鉄部の劣化対策と、防水機能の再構築、安全性の向上を目的とした施工です。全体の工期は10日間で、居住者の生活動線を確保しながら効率的に進めました。
まず鉄骨階段および廊下上裏部分の塗装については、シリコン系塗料を使用しました。シリコン塗料は、耐候性・防汚性に優れており、屋外の金属部材に適した塗料として長期間の耐久性を期待できます。ケレン(下地処理)を丁寧に行った上で塗装し、見た目の回復だけでなく、錆の進行を抑える機能的な改修を施しました。
次に、廊下の側溝には**ウレタン塗膜防水(密着工法)**を採用。密着工法は、防水層を下地に直接密着させることで、防水性能を安定的に保つ施工方法です。排水機能が集中する側溝部は特に水の影響を受けやすいため、適切な下地処理と均一な塗膜厚の確保が重要となります。施工後は、漏水リスクの抑制とともに、側溝周辺の劣化防止効果も得られます。
最後に、廊下の床面全体に長尺シートを施工しました。長尺シートは耐久性・防滑性・防音性に優れており、アパートなどの共用部においては非常に有効な床材です。特に雨天時でも滑りにくく、安全性が向上するだけでなく、見た目の清潔感やグレード感も高まります。下地の不陸調整を行ったうえで、シートの端部はしっかりと圧着・溶接処理を行い、長期的な耐久性を意識した仕上げとしました。
今回のようなアパート共用部のメンテナンスは、建物全体の価値維持・安全性確保・入居者満足度向上のすべてに関わる重要な工事です。「まだ大丈夫」と思われがちな部分ほど、計画的な修繕が将来のコスト削減につながります。
アパートオーナーのための修繕工事の重要性と施工タイミングの見極め方
アパートを所有されている個人オーナーの方にとって、「修繕工事」は資産価値を守るための“経営戦略”のひとつです。建物は年月とともに確実に劣化し、外観だけでなく、安全性・快適性・入居者満足度にも影響を及ぼします。適切なタイミングで必要なメンテナンスを行うことは、空室対策・長期安定経営・突発的なトラブルの予防に直結します。
■ なぜ修繕工事が必要なのか?
築10年、15年を過ぎる頃になると、鉄部のサビ、外壁のひび割れ、バルコニーの防水層の劣化など、目に見える“傷み”が現れ始めます。これを放置すると、やがて雨漏りや構造部の腐食、階段や廊下の安全性低下など、入居者の暮らしに直接的なリスクを与える可能性も出てきます。
さらに、外観や共用部の美観が損なわれると、「管理が行き届いていない物件」という印象を与え、入居率や家賃設定にも悪影響を及ぼしかねません。
■ 修繕工事のタイミングと計画の立て方
最も大切なのは、「壊れてから直す」のではなく、劣化が進む前にメンテナンスを計画的に行うことです。具体的な目安としては:
- 築10年頃:防水層、外壁、鉄部塗装などの点検・部分補修を検討
- 築10~15年頃:長期修繕計画に基づいた大規模修繕(防水、塗装、給排水管など)の実施
- 季節的には春・秋がベスト:気候が安定しており、乾燥や温度条件が施工に適しているため
■ 春(3月〜5月)
春は大規模修繕工事に最も適している季節のひとつです。気温・湿度ともに安定しており、塗装や防水材の乾燥・硬化に良い条件が揃います。また台風や梅雨前のため、天候の急変による工期遅延も少なく、仕上がりの品質を確保しやすい時期です。
■ 秋(9月〜11月)
春と並び、秋もおすすめの施工シーズンです。夏の猛暑を過ぎ、気温が下がることで塗装の仕上がりが安定しやすくなります。台風シーズン直後であるため、建物の被害確認を兼ねて修繕計画を進めるケースも多く見られます。
■ まとめ:修繕工事はコストではなく“投資”
賃貸物件のオーナー業は「放置すれば収入が得られる」という時代ではありません。設備・外観・防災面すべてにおいて、“手をかけた分だけ結果が返ってくる”のが現代の賃貸経営です。
「そろそろ外壁が色あせてきた」「廊下の床が滑りやすくなってきた」「入居者からサビの指摘があった」――そんな小さなサインを見逃さず、早めの対応を行うことで、建物の寿命を延ばし、結果的にコストを抑えることができます。
工事金額:57万円
塗装工事
廊下上裏


鉄骨階段


■参考リンク:日本ペイント株式会社
防水工事
側溝


■参考リンク:シーカジャパン株式会社
長尺シート工事
廊下


■参考リンク:タキロンマテックス株式会社
監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄