【個人オーナー様】東京都世田谷区マンション 外壁修繕工事+防水工事 費用公開

2025/08/19

工事の全体像とポイント

東京都内にある地上3階建てのマンションで、約1か月間にわたる外壁修繕工事と防水工事を行いました。今回は、建物の外観をきれいに保つだけでなく、雨漏りや劣化を未然に防ぐための“建物の健康診断と治療”とも言える大切な工事でした。

まず、安全に作業を進めるための仮設足場を設置した後、外壁のタイル貼り替えや目地の補修など、細かな下地の修繕を行いました。タイルの浮きやひび割れといった劣化部分を丁寧に直すことで、外壁の耐久性がぐっと高まり、雨水の侵入も防げるようになります。

下地を整えたあとは、外壁や屋上まわりを高圧洗浄でしっかりクリーニング。長年の汚れやホコリを落とすことで、その後に行うシーリングや塗装、防水工事の効果がより長持ちします。

続いて、目地やサッシまわりなどには変成シリコン系のシーリング材を使って、柔軟性のある防水処理を施しました。この材料はひび割れに強く、タイル面にもよくなじむため、雨風の多い日本の気候にぴったりです。

塗装については、タイルの質感をそのまま活かすクリア塗装を採用しました。見た目はあまり変わらず自然ですが、汚れを付きにくくし、日差しや雨からタイルを守る“透明のコート”のような役割を果たします。

そして防水工事では、斜壁・屋上・ルーフバルコニー・庇の天端にかけて、ウレタン塗膜防水密着工法を用いました。特に斜壁はタイル面だったため、まずはモルタルで表面を平らに整えてから、防水層を施工しています。ウレタン防水は、どんな形の面にもなじみやすく、しっかり密着してくれるので、雨水の侵入を長期間にわたって防いでくれます。

このように、見えないところにも丁寧な手を加えることで、建物全体の安心感と美しさがぐっと引き立ちました。居住者の方にも長く快適に過ごしていただける、価値ある改修工事となりました。

外壁タイルは塗らなくていい…は間違い?専門家が教える“クリア塗装”とは

外壁タイルは、その耐久性や意匠性の高さから多くの建物で採用されていますが、「タイルだから塗装は不要」と思われがちです。しかし実際には、タイル面にも“クリア塗装”を施すことが非常に重要であり、建物の寿命を延ばすうえで効果的な対策となります。

クリア塗装とは、無色透明の保護塗料をタイル表面に塗布する工法で、主に次のような効果があります。

1. 防汚性の向上

タイルは比較的汚れにくい素材ですが、目地部分や表面の微細な凹凸に汚れが蓄積しやすく、経年とともに黒ずみやコケの発生が目立ってきます。クリア塗装を行うことで、表面に防汚性のある膜を形成し、雨だれや粉じん、排気ガスなどの汚れが付きにくくなります。

2. 撥水性・防水性の確保

タイルそのものは水を通しにくいものの、目地材やタイル接着面からの吸水や浸水が起きることがあります。クリア塗料を塗布することで、タイルと目地全体を撥水コートし、雨水の侵入を防ぐ効果が期待できます。特に凍害のリスクがある地域では、吸水→凍結→膨張→ひび割れといった劣化の連鎖を防ぐうえで重要です。

3. 紫外線(UV)による劣化の抑制

タイル自体は耐久性が高いですが、目地や下地モルタルは紫外線による劣化を受けやすい部分です。クリア塗装によるUVカット効果で、目地のひび割れやチョーキング(粉化)を抑えることができ、見た目の美しさと構造的な安定性を長く保つことができます。

工事金額:255万円

仮設足場工事

■参考リンク:仮設工業会認定済足場材

下地補修工事

タイル貼替え

目地補修

■参考リンク:コニシ株式会社

洗浄工事

薬品洗浄

高圧洗浄

シーリング工事

外壁(タイル面)

サッシ廻り(タイル面)

サッシ皿上

笠木ジョイント部ブリッジシール

■参考リンク:サンスター株式会社

塗装工事

外壁(タイル面)クリア塗装

■参考リンク:日本ペイント株式会社

防水工事

斜壁(タイル面)

屋上

ルーフバルコニー

庇天端

■参考リンク:シーカジャパン株式会社

監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄