
【管理組合様】東京都墨田区マンション 外部階段防水工事 費用公開
2025/07/16
目次
工事の全体像とポイント
東京都内にある地上11階建ての集合住宅にて、外部階段の防水工事を実施しました。本工事では、建物の耐久性向上と安全性の確保を目的に、1階から屋上階(R階)までの階段および踊場、側溝に対してウレタン塗膜防水の密着工法による施工を行いました。施工期間は約10日間で、気候や作業条件にも配慮しながら、効率的かつ高品質な仕上がりを実現しています。まず初めに、高圧洗浄機を用いた徹底的な洗浄を行い、既存の汚れや劣化層を除去しました。洗浄は防水材の密着性を確保する上で極めて重要な工程であり、下地処理の精度がその後の耐久性を大きく左右します。次に、表面のクラックや欠損部分に対してカチオン系モルタルを使用した下地補修を実施。平滑で均一な下地を形成することで、ウレタン防水材の密着性と防水性能を最大限に引き出します。防水層には、ウレタン塗膜防水の密着工法を採用。これは下地と防水材が密着することで、剥がれにくく、長期にわたって防水性を維持できる信頼性の高い工法です。また、仕上げには粗面(ざらついた)仕上げを施し、滑り止め効果を高めて歩行時の安全性にも配慮しています。外部階段という雨風にさらされやすい箇所においては、こうした防滑性の確保が特に重要です。
今回の工事では、住民の皆さまにご不便をおかけしないよう配慮しながら、丁寧かつ確実に防水処理を進めてまいりました。外部階段は雨風の影響を受けやすい場所ですが、今回の施工によって、安全で快適な通行環境をしっかりと整えることができました。建物を長く大切に使っていただくための、安心の防水工事となっています。
ウレタン塗膜防水の密着工法とは
ウレタン塗膜防水(密着工法)のメリット
1. 密着性が高く、剥がれにくい
密着工法は下地に直接ウレタン防水材を塗布するため、施工面と一体化しやすく、防水層が剥がれにくいのが特徴です。外部階段のように人の出入りが多く、雨風にさらされる場所でも、しっかりと密着することで防水性を長く維持できます。
2. 形状に合わせやすく施工しやすい
ウレタン塗膜は液状で塗布するため、階段や側溝など凹凸がある複雑な形状にもピッタリと対応できます。ジョイント部分が少なく、隙間からの漏水リスクも低減できます。
3. 歩行・通行時の安全性確保がしやすい
密着工法は表面の仕上げを「粗面」にすることで、滑りにくくする加工が可能です。雨天時のスリップ事故防止にもつながり、外部階段には非常に適した工法です。
4. 比較的低コストで施工可能
密着工法は機械的固定や通気層を必要としないため、施工手間が少なく、他の工法と比べてコストを抑えられるケースが多いです。
ウレタン塗膜防水(密着工法)のデメリット
1. 下地の状態に大きく影響される
密着工法は下地に直接施工するため、下地の状態が悪いと密着不良を起こす可能性があります。ひび割れや凹凸が多い場合は、丁寧な下地補修が必要です。
2. 通気性がないため、水分が残っていると膨れの原因に
下地に湿気や水分が残った状態で施工すると、防水層が膨れてしまう恐れがあります。下地の乾燥をしっかり確認し、気温・湿度に注意した施工管理が必要です。
工事金額:156万円
洗浄工事


防水工事
踊場


階段


側溝


■参考リンク:シーカジャパン株式会社
監修:一級建築士・一級建築施工管理技士 石川繁雄