
外壁塗装の見積もり150万〜160万円は高い?判断基準と適正価格の見極め方
2025/07/24
外壁塗装の見積もりを取ってみたけれど、「この金額は妥当なの?」「他の業者と比べるべき?」と感じたことはありませんか?塗装工事は決して安い買い物ではなく、金額も業者ごとに大きく異なるため、見積もりの内容や比較方法に不安を抱く方も多いはずです。
この記事では、見積書に記載される項目の見方や、相見積もりのポイント、悪質業者に騙されないためのチェック方法まで、外壁塗装の見積もりに関する実践的な情報をわかりやすく解説します。
目次
外壁塗装の見積もり相場|150万〜160万円は高い?
外壁塗装における費用の目安は、建物の大きさや使用する塗料の種類によって大きく変わります。延床面積が広くなれば、その分塗装面積も増え、使用する塗料の量や足場設置などのコストも高くなります。ここでは、戸建てとマンションそれぞれの費用相場を分かりやすく解説します。
戸建て住宅の外壁塗装費用相場
延床面積(坪) | 費用相場(概算) |
---|---|
25〜30坪 | 約80〜120万円 |
35〜40坪 | 約120〜150万円 |
45〜50坪 | 約150〜180万円 |
※上記はウレタン〜シリコン塗料を使用した場合の目安です。フッ素塗料や無機塗料などの高耐久グレードを選ぶと、さらに20〜30万円ほど高くなる傾向があります。
したがって、150万〜160万円という見積もりは、40〜50坪クラスの戸建住宅において、耐久性の高い塗料を使用した場合には相場内と考えられます。
マンション(共用部)の外壁塗装相場
マンションの外壁塗装費用は、建物の階数や総戸数、足場の設置環境によって変動します。以下は一般的な目安です。
規模(戸数) | 費用相場(概算) |
---|---|
小規模(10戸未満) | 約300万〜600万円 |
中規模(10〜30戸) | 約600万〜1,200万円 |
大規模(30戸以上) | 約1,200万〜2,000万円以上 |
マンションの場合は戸建てと異なり、バルコニーや廊下、階段など共用部の塗装や防水も含まれるため、費用は高額になります。また、修繕積立金の範囲内での施工計画や、管理組合の合意形成などの準備も必要です。
塗装の価格はなぜこんなに幅がある?
外壁塗装の価格に幅が出る主な要因は以下の通りです。
- 塗料の種類とグレード:シリコン・フッ素・無機など耐久年数によって単価が異なります
- 足場代や下地処理の内容:劣化が進んでいると下地補修が増え費用アップ
- 付帯部の塗装:破風板・雨樋・軒天などを含めるかで金額に差が出ます
- 業者の人件費や会社規模:大手と地場業者ではコスト構造が異なります
したがって、「安い見積もり=お得」とは限らず、内容に応じた金額であるかを見極める目が必要です。
外壁塗装の見積もりが150万円台になる主な要因
150万円〜160万円という金額には、以下のような要因が影響しています。
建物の延床面積・階数・外壁形状
建物の延床面積が30坪(約100㎡)を超えるような中〜大型住宅や、2階建て・3階建ての住宅では、足場の設置費用や塗装面積が増えるため、費用がかさみます。外壁に凹凸が多い、バルコニーや庇(ひさし)が複数ある場合も、施工手間が増える分コストに反映されます。
高耐久グレードの塗料を使用
見積もり金額に大きく影響するのが塗料のグレードです。耐用年数が15〜20年ある「フッ素系塗料」や「無機系塗料」を選んだ場合、1缶あたりの単価が高くなるため、総額で150万円を超えることも珍しくありません。
劣化が進行した下地補修の必要性
外壁塗装は単に色を塗るだけでなく、下地の補修が必要な場合には追加費用が発生します。クラック補修やシーリング(コーキング)打ち替え、モルタルの剥がれ補修など、建物の劣化状態によっては数十万円規模の補修費用が見積もりに含まれることがあります。
足場・養生・付帯部塗装も含まれる
塗装費用には「足場設置費用」や「養生費」、さらに「雨樋」「軒天」「破風板」などの付帯部塗装が含まれている場合が多く、これらを含めることで総額が150万円を超えるケースが多くなります。
外壁塗装の見積もりに含まれる費用内訳
外壁塗装の見積書には、多くの専門用語や工事項目が並んでおり、初めて目にする方にとってはわかりづらいものです。しかし、それぞれの項目が何に対する費用なのかを理解しておくことで、見積もり内容が妥当かどうか、比較検討の際にも冷静に判断できるようになります。ここでは、一般的な見積書に記載される代表的な費用項目について解説し、内容の透明性を確保するためのポイントを紹介します。
項目名 | 内容の説明 | 備考 |
---|---|---|
仮設足場工事費 | 高所作業のための足場設置に関わる費用。 | 高さや面積によって金額が変動 |
養生費 | 塗料の飛散防止のためのビニールシートやテープ施工費。 | 建物の立地・形状により異なる |
高圧洗浄費 | 外壁に付着した汚れや古い塗膜を落とす洗浄作業費。 | 劣化度合いに応じて必要作業時間も増加 |
下地処理費 | クラック補修、シーリング打ち替え、錆止め塗布などの前処理。 | 塗装前に必須の工程 |
主材塗装費 | 外壁に使用される塗料の材料費および塗布費。 | 使用塗料のグレードで価格差大 |
付帯部塗装費 | 雨樋、軒天、破風板、雨戸など建物の附属部の塗装費。 | 忘れがちだが重要な項目 |
安全対策費 | 落下防止ネットやヘルメット、現場掲示物など安全設備の設置費。 | 作業環境により有無が変動 |
廃材処分費 | 古い塗料片や養生材などの廃棄処理費用。 | 環境基準に準じた処理が必要 |
保証・アフター費用 | 工事後の定期点検や保証に関するコスト。 | 保証期間や内容は要確認 |
仮設足場費
塗装作業を安全かつ効率的に行うための足場設置にかかる費用です。建物の高さや複雑さによって費用は増減し、全体費用の15〜20%を占めるケースもあります。
高圧洗浄費
外壁の汚れやカビを落とすための洗浄工程にかかる費用です。下地処理の基本工程であり、塗膜の密着性に大きく影響するため重要です。
養生費
塗装時に塗料が飛び散らないよう、窓や地面などを保護するためのビニールシートなどの設置費です。作業品質と安全性を保つために欠かせません。
下地処理費
ひび割れや剥がれの補修、シーリングの打ち替えなどを含む工程で、仕上がりの美しさや耐久性を左右する重要な工程です。
塗料費(材料費)
使用する塗料の種類やグレードによって価格が大きく異なります。シリコン、フッ素、無機塗料などの選択により耐用年数と費用が変動します。
塗装工事費(施工費)
実際の塗装作業にかかる人件費で、職人の人数や工期に応じて費用が決まります。熟練度によって施工品質に差が出る部分でもあります。
付帯部塗装費
雨樋・破風板・軒天など外壁以外の細部に関する塗装費です。これらが見積書に含まれているかどうかも要チェックポイントです。
諸経費
現場管理費や交通費、事務手数料など、工事全体の間接費用を指します。全体の5〜10%程度を目安に設定されることが多いです。
これらの項目が丁寧に記載された見積書であれば、内容の透明性も高く、信頼性のある業者である可能性が高いといえます。逆に、「一式」や詳細不明な記載が多い場合は、注意が必要です。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント5つ
外壁塗装の見積書にはさまざまな項目が記載されていますが、すべてを細かく把握するのは難しいものです。そこで、最低限チェックすべき重要ポイントを5つに絞って解説します。これらの項目を押さえておくことで、手抜き工事や過剰請求のリスクを回避できます。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント1.塗料の種類とグレード
最もコストに影響するのが塗料の種類です。アクリル、ウレタン、シリコン、フッ素、無機などがあり、耐用年数も大きく異なります。見積書には塗料名(例:日本ペイントのパーフェクトトップ)やグレード、使用缶数などが明記されているかを確認しましょう。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント2.下地処理の内容
外壁塗装の品質を左右するのが下地処理です。高圧洗浄、クラック補修、シーリング打ち替えなど、建物の状態に応じた処理が記載されているかが重要です。これが不明確な場合、施工後に早期劣化を招く可能性があります。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント3.足場・養生の費用が含まれているか
足場代は10万円〜20万円ほどかかることが多く、見積もりに含まれていないと別途請求される恐れがあります。また、近隣住宅への飛散防止のための養生費も記載されているか確認しましょう。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント4.付帯部(雨樋・破風板など)の記載有無
付帯部の塗装は見た目だけでなく、耐久性にも関わる重要なポイントです。雨樋や破風板、軒天などの項目が明確に含まれているかチェックしましょう。これが省かれていると、後から別料金を請求される場合もあります。
外壁塗装の見積書で絶対に見るべきポイント5.保証内容と期間
施工後にトラブルが起きた場合の対応として、保証内容の明記は非常に重要です。塗膜の剥がれやひび割れに対する保証があるか、期間はどのくらいか(例:5年保証・10年保証)を確認しましょう。
外壁塗装の見積もりでありがちなトラブルと注意点
外壁塗装の見積もりでは、内容を十分に確認せずに契約してしまうことで後悔するケースも少なくありません。ここでは、よくあるトラブル例と注意すべきポイントを解説します。
外壁塗装の見積もりでありがちなトラブル|不明瞭な項目/一式表示
「塗装工事一式」や「下地処理一式」といった表記は、作業内容が不明瞭なため注意が必要です。どの作業にどれだけの費用がかかっているのかを把握できないと、手抜き工事のリスクが高まります。できるだけ詳細な内訳を提示してもらいましょう。
外壁塗装の見積もりでありがちなトラブル|必要ない高額オプションの追加
高機能塗料やオプション施工をすすめられて、気づけば見積もりが大幅に上がっていたというケースもあります。営業トークに流されず、費用対効果をよく検討したうえで判断しましょう。
外壁塗装の見積もりでありがちなトラブル|工期がやけに短い or 長い
「即日仕上げ」「1週間で完了」といった短すぎる工期は、乾燥不足による不具合の原因になります。一方で、必要以上に長い工期は費用増加や生活への支障を生むことも。適正な工期かどうかを確認し、不明点は事前に質問しておくことが大切です。
外壁塗装の見積もり比較のポイント|相見積もりの取り方
外壁塗装の見積もりを取る際は、必ず複数の業者に依頼する「相見積もり」が基本です。しかし、ただ金額だけを比較してしまうと、内容の違いに気づけず失敗につながることも。ここでは、正しい相見積もりの取り方と比較のポイントを解説します。
- 同じ条件・塗料で統一する
- 曖昧な見積書は避ける
- 訪問調査の丁寧さ・対応力も見る
詳しく見ていきましょう。
外壁塗装の見積もり比較のポイント|同じ条件・塗料で統一する
見積もりを比較する際には、塗料の種類、塗装面積、施工範囲などの条件を各社で統一することが重要です。たとえば、A社はフッ素塗料、B社はシリコン塗料というように条件が異なると、価格差が仕様によるものか工事費用によるものかが分かりづらくなってしまいます。同条件であれば、各社の単価やサービスの違いを客観的に比較でき、適正な業者選定につながります。事前に仕様書を作成するなど、条件のすり合わせを行いましょう。
外壁塗装の見積もり比較のポイント|曖昧な見積書は避ける
見積書に「一式」や「その他費用」など、内訳が不明瞭な表記が多い場合は注意が必要です。具体的な数量や単価が記載されていないと、後から追加料金が発生する可能性があります。信頼できる業者は、塗装面積、塗料の品番、足場費用、下地処理の内容まで詳細に明記しています。見積書が明瞭であることは、業者の誠実さや説明責任の現れでもあります。細かく記載された書類を提示してくれる業者を選びましょう。
外壁塗装の見積もり比較のポイント|訪問調査の丁寧さ・対応力も見る
相見積もりでは金額だけでなく、現地調査を行った際の担当者の対応にも注目しましょう。たとえば、建物の状態を丁寧に確認してくれるか、住まい手の希望をしっかり聞いてくれるか、疑問点に的確に答えてくれるかといった点は、工事後の満足度にも大きく影響します。見積もりは単なる価格比較の手段ではなく、業者の姿勢を見極める機会でもあります。対応に信頼がおけるかどうかも比較の重要なポイントです。
外壁塗装の優良業者かどうかを見抜くには?
どの業者に依頼するかによって、塗装の仕上がりや耐久性に大きな差が出ます。安心して任せられる業者を見極めるには、実績や資格、担当者の対応など、いくつかの観点でのチェックが欠かせません。信頼できる業者選びの基準を確認しておきましょう。
- 実績・口コミ:施工事例が豊富で、口コミ評価が高いか
- 担当者の対応:説明が丁寧で質問にしっかり答えてくれるか
- 資格・団体所属:塗装技能士などの資格保有や業界団体所属の有無
詳しく解説していきます。
外壁塗装の実績・口コミ:施工事例が豊富で、口コミ評価が高いか
外壁塗装業者を選ぶ際は、これまでの施工実績が豊富かどうか、そして過去の顧客からの口コミ評価が良好かを確認することが重要です。ホームページに掲載された施工事例の数や内容、Googleマップや比較サイトでのレビューなどをチェックすると、その業者の信頼度が見えてきます。施工実績が多ければ、多様な建物への対応力もあると期待できますし、高評価の口コミが多数ある業者は対応や仕上がりへの満足度が高い傾向にあります。
担当者の対応:説明が丁寧で質問にしっかり答えてくれるか
見積もり依頼から現地調査、契約前後のやり取りまで、業者の担当者の対応は非常に重要な判断基準です。施工内容や見積もりの内訳について、丁寧に説明してくれるか、不明点に対して誠実に答えてくれるかを確認しましょう。専門用語を避け、一般の方にもわかりやすく説明してくれる担当者は、顧客目線での対応を心がけている証拠です。こうした姿勢は、工事の品質にも直結するといえます。
資格・団体所属:塗装技能士などの資格保有や業界団体所属の有無
信頼できる業者を見極めるポイントとして、保有している資格や団体への加盟状況も確認しましょう。国家資格である「一級塗装技能士」や「建築施工管理技士」などを取得している職人が在籍しているか、または「日本塗装工業会」「リフォーム推進協議会」など信頼性のある団体に加盟しているかは重要な指標です。これらの資格・団体は、一定の技術力や施工品質、安全性を確保している証となります。
外壁塗装の見積もりキャンペーン価格や助成金の注意点
最近では「足場代無料」「◯万円キャッシュバック」など、外壁塗装業者がさまざまなキャンペーンを展開しています。一見お得に見えるこれらのキャンペーンですが、条件や中身をきちんと確認しないと、かえって総額が高くなったり、不要なオプションを付けられるケースもあるため注意が必要です。
キャンペーン価格の「落とし穴」に注意
足場代無料などのキャンペーンは、一部の費用を目立たなくすることで見積もりを安く見せているだけの場合があります。実際には他の項目で費用が上乗せされていたり、対象条件が厳しく、特定の期間・エリアのみといった制限がついていることも多いです。キャンペーン価格を提示された場合は、総額や詳細内訳を確認し、本当にお得かどうかを見極めることが大切です。
助成金・補助金の「対象条件」を理解する
自治体が実施する外壁塗装の助成金・補助金制度は、活用できれば非常にメリットがありますが、申請手続きや対象条件が細かく設定されています。たとえば「施工前に申請が必要」「市内業者による施工に限る」などが代表的です。制度の存在を知っていても、条件を満たさずに受け取れなかったというケースもあるため、事前に自治体窓口や施工業者とよく確認しておきましょう。
業者に「制度活用サポート」があるかもチェック
信頼できる業者であれば、地域の助成制度に精通しており、書類作成や申請サポートを行ってくれることがあります。制度活用を考えている方は、見積もり相談の段階で「助成金の対象になるか」「申請サポートが可能か」を尋ねておくと安心です。
外壁塗装の見積もりでよくある質問(FAQ)
外壁塗装の見積もりを依頼する際、初めての方が感じる疑問は多くあります。「何社に頼めばいい?」「訪問営業は信頼できるの?」など、よくある質問をまとめて回答します。見積もり取得前後の不安を解消し、納得のいく業者選びにつなげましょう。
Q:見積もりは何社くらい取るべき?
A:2〜3社を目安に取るのがおすすめです。多すぎると比較が難しくなり、少なすぎると相場感が掴めません。
Q:訪問営業で見積もりをもらったけど信頼できる?
A:訪問営業でも信頼できる業者はいますが、その場で即決を迫られたり、不安を煽るような営業トークをする業者は注意が必要です。
Q:外壁塗装に補助金は使える?
A:自治体によっては、省エネ改修などと合わせて補助金が使える場合があります。市区町村の窓口で確認しましょう。
Q:見積もり金額に消費税は含まれていますか?
A:業者によって異なります。総額表示かどうか、税込・税抜の明記を必ず確認しましょう。
Q:見積もりに有効期限はありますか?
A:多くの業者では1ヶ月〜3ヶ月程度の有効期限が設定されています。時期を過ぎると価格が変動する可能性があるため、確認しておくと安心です。
外壁塗装の見積もりに関するまとめ|価格だけでなく中身で見極めよう
外壁塗装の見積もりを取る際には、価格の安さや広告の派手さに惑わされず、内容の透明性と信頼性をしっかり見極めることが重要です。見積書には、塗料の種類やグレード、下地処理の内容、足場や養生の費用、付帯部の施工内容、保証期間など、多くの要素が含まれます。これらの項目が明確に記載されていない場合、施工後にトラブルが発生する可能性が高くなります。
また、見積もり比較の際には、必ず同条件で依頼することが大前提です。塗料の種類や施工面積が異なると、価格だけでは判断ができません。さらに、実際の訪問調査時に丁寧な説明をしてくれる業者かどうかも、信頼性を見極めるうえでの大きなポイントです。金額の違いだけで業者を決めず、提案内容のわかりやすさや施工実績、保証内容などを含めた総合評価で選ぶ姿勢が大切です。
相見積もりを活用して、価格と品質のバランスが取れた納得のいく外壁塗装工事を実現しましょう。