建物の劣化の種類や原因は?建築診断とは

大規模修繕

建物の劣化の種類や原因は?建築診断とは

建物の劣化の種類や原因は?建築診断とは

マンションなどの建物は、経年とともに劣化していきます。

しかしそのまま、ひび割れやサビなどの症状を放置すると、建物全体の耐久性が落ちてしまいます。

 

そんな事態を防ぐには、定期的に建物の劣化度合いをチェックすることが大切です。

 

この記事では、建物の劣化の種類や原因について解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

建物の劣化の種類は?

 

ひとくちに「建物の劣化」と言っても、以下のようにさまざまな種類があります。

物理的劣化

コンクリートや鉄などの材料が、経年と共に劣化していく症状です。

それぞれの材料には寿命があるので、基本的に材料自体の寿命を延ばすことはできません。

 

また施工不良によっても材料が早く劣化してしまいます。

鉄骨へのサビ止めが不十分だと、早くサビてしまうでしょう。

 

物理的劣化は目視だけでは確認できない場合があるので、専門家に依頼してチェックすることが必要です。

機能的劣化

新築の時には最新だったエレベーターや給湯器なども、月日が経つと古くなっていきます。

毎年のように最新設備が発売されるので、いずれは「もっと使いやすい、新しいものに交換したい」という欲求が生まれてくるでしょう。

 

例えばマンションの設備が機能的に劣化した場合は、大規模修繕の際に最新設備に交換することで機能的劣化を改善できます。

社会的劣化

時代の変化とともに、住民の建物へのニーズも変化していきます。

「家族が高齢化してきたのでバリアフリー化したい」といったことですね。

 

また少子化によって部屋数が多い建物よりも、部屋数が少なく1部屋あたりの面積が広い建物が好まれる傾向に変わってきています。

 

こうしたニーズを満たすには、建物のリフォームが必要です。

建物が劣化する原因

建物が劣化する原因はさまざまです。

 

ここでは建物が劣化する原因を「外的要因」「経年劣化」「施工不良」の3種類に分けてご紹介していきます。

外的要因

風雨や紫外線、気温や湿度の変化によって建物が劣化していきます。

鉄部などは空気中の酸素と結びつくことで酸化し、サビが発生します。

 

また建物の日当たりが悪い北側は湿気が発生しやすいので、結露やカビにも注意が必要です。

 

交通量の多い場所や道路に面している場所に建物がある場合も、排気ガスやほこりで外壁が汚れやすくなります。

人的要因

日常的に人が使うだけでも、建物は劣化していきます。

 

例えば共有部分の手すりは普段から人が触るので、黒ずんだりひび割れたりしやすいです。

 

また人の出入りがあまりない場所も、劣化に気付きにくい傾向があるので注意しましょう。

施工不良

いくら質の良い材料を使っても、施工不良によって建物が早く劣化します。

 

特に新築時や大規模修繕を行なった数年後に、雨漏りなどの不具合が発生した場合は、施工不良の可能性が高いです。

 

施工不良が原因の場合は、再工事の費用を施工会社に請求できます。

場合によっては火災保険や住宅総合保険が適用されて、補修費用が0円になることもあります。

建物の劣化の例

 

ここでは建物の劣化の例を5つご紹介していきます。

コンクリートのひび割れ

コンクリートにひび割れ(クラック)が生じると、雨漏りの原因になります。

コンクリートのひび割れは乾燥や温度変化、施工不良、地震などが原因で起こります。

 

ひび割れが0.3㎜を超える場合は、放置すると建物自体の強度が低下する可能性があるので注意が必要です。

外壁タイルの剥落

外壁タイルは、砂とセメントと水を混ぜて作った「モルタル」で貼り付けられています。

乾燥や振動などによりモルタルの接着力が徐々に弱まり、外壁タイルが徐々に浮いてくる場合があります。

 

最悪の場合は落下した外壁タイルが人に直撃し、死亡事故につながります。

建物を修繕する際は目視だけでなく打診も使って、外壁タイルの状態をくまなくチェックしましょう。

外壁塗装の劣化

外壁塗装は雨や風、紫外線などによって劣化していきます。

外壁には見た目を良くするだけでなく、建物の寿命を延ばす保護膜の役割もあります。

 

外壁を触って手に白いチョークの粉のようなものが付く「チョーキング現象」が起こる場合もあります。

チョーキング現象は、塗料に紫外線が当たることにより、塗料が結合力を失うことで起こります。

 

この状態では、塗装による建物への保護機能がほとんど発揮されないので、いずれは外壁塗装をし直さなくてはなりません。

屋上防水の異常

最近の建物は屋上に傾斜がなく、雨水が溜まりやすい構造になっています。

 

こうした建物では屋上に防水層が必要です。

シート防水やアスファルト防水などを使って、浸水を防ぎます。

 

屋上防水に不具合が出ると雨漏りなどが発生し、建物が劣化しやすくなります。

金属部分のサビ

金属は加工しやすく便利な材料ですが、サビやすい特徴があります。

通常はサビを防ぐために塗装が施されますが、塗装の剥げによって金属が空気に触れて酸化し、サビが進みます。

 

サビてしまった部分は、サビ落としをしてから再塗装をする必要があります。

長期修繕計画を見直そう

 

マンションなど多くの建物では、建物の物理的劣化のみを考慮して「長期修繕計画」を立てています。

 

しかしこれでは、最新設備の導入やバリアフリー化などを求める住民のニーズに応えることはできません。

 

そこで定期的に長期修繕計画を見直す必要性が出てきます。

修繕する項目や修繕積立金などが妥当かどうかを、建物の劣化度合いや時代のニーズなどを考慮しながら、定期的に検討しなおすことが大切です。

 

マンション住人から毎月徴収している修繕積立金の値上げが必要な場合は、値上げの根拠となるデータをしっかり示すことで合意形成をしやすくなります。

建築診断とは

 

建物の劣化状況や不具合を確認する「建築診断」。

建物の大規模修繕を行う際は、修繕を行う前に建築診断を行います。

建築診断のメリット

建築診断を行うことで、次のようなメリットが得られます。

 

  • 大規模修繕の実施時期が検討できる
  • 現在の建物の状態を確認できる
  • 不慮の事故や災害へのリスクを軽減できる
  • 工事に必要な費用の概算が出せる

 

どの箇所を工事するのか優先順位も分かるようになるので、必要以上に工事費用が発生することを防げます。

また建築診断で工事が必要な箇所を把握できれば、図面や仕様書などの作成もスムーズに行なえるでしょう。

 

ちなみにマンションの大規模修繕は、12~15年ほどの周期で行われるのが一般的だと言われています。

「そろそろ大規模修繕が必要かな」と思ったら、ぜひ建築診断を検討してみてください。

建築診断の流れ

まずは建築診断を行う業者との打ち合わせを行います。

 

次に、建物の仕様書や修繕履歴などの書類を確認します。

マンションの場合は長期修繕計画も確認します。

 

実際の建築診断では、目視や触診、打診により建物の調査を行います。

場合によっては専門の機器も使います。

 

また建築診断では、建物の住民へのアンケートも行います。

これで「日常生活の中で気付いた不具合はないか」「使いにくい設備はないか」といったことが分かります。

 

建築診断後は、「建物のどの箇所を修繕していくか」「工事費用をどうするか」といったことを計画していくことになるでしょう。

建築診断の費用

建築診断に必要な費用は、以下のとおりです。

 

一戸建て住宅

5~15万円

マンション(30戸以下)

20~40万円

マンション(50~100戸)

30~80万円

マンション(200戸以上)

50~100万円

 

ただしこの金額はあくまでも目安です。

建物の劣化状況や工事面積、木造か鉄骨造か、などによって大きく変動します。

 

また建物診断だけでなく耐震診断も行うと、さらに費用が発生します。(鉄筋コンクリート造の場合は1,000円/㎡~2,500円/㎡)

耐震診断は必ずしも行う必要はありませんが、予算に余裕がある場合は検討しても良いでしょう。

まとめ

 

建物の劣化の種類や原因はさまざまなです。

まずは「現在の建物がどんな状況なのか」を把握するところから始めましょう。

 

建物の劣化を最小限に抑えるには定期的に建物診断を行い、劣化が小さいうちに補修しておくことが効果的です。

劣化している部分を放置すると、その部分からどんどん劣化が広がっていきます。

 

長期修繕計画の見直しや建築診断を定期的に行なって、ぜひ建物の資産価値を維持・向上させてみてください。

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