ウレタン防水工事の単価を知りたい人
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ウレタン防水は、建物や構造物の保護に欠かせない重要な工法です。屋上やベランダなど、様々な場所に適用でき、その耐久性と施工の容易さから、多くの建築業界や住宅オーナーに支持されています。
しかし、防水工事を検討する際、費用や施工方法について疑問を持つ方も多いでしょう。ウレタン防水の単価や価格相場はどれくらいなのか、見積もりのチェックポイントは何か、といった疑問が浮かびます。
また、密着工法や通気緩衝工法など、複数の種類があり、それぞれに特徴があります。ウレタン防水とシート防水の違いも気になるところです。
この記事では、ウレタン防水の単価相場から見積書の確認ポイント、優良業者の選び方、さらには防水機能を長持ちさせるコツまで、幅広く解説します。これから防水工事を考えている方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
ウレタン防水工事の基礎知識|工事金額を知る前に防水工事について
ウレタン防水の基礎知識を紹介していきます。
初めにウレタン防水の基礎知識を理解しておくことで、ウレタン防水の費用についてわかりやすくなります。
ウレタン防水工事とは?
ウレタン防水とは、建物や構造物に施す防水工事の一種で、液体状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて防水層を形成する手法です。
かつては耐久性が劣るとされていましたが、ウレタン樹脂の研究が進むにつれ、高い防水性を必要とする屋上などでも広く使われるようになりました。
ウレタン防水工事で作る防水層は、つなぎ目がなく美しい仕上がりです。耐摩耗性にも優れ、長期間にわたって防水効果を発揮します。また、建物の揺れに追従するため、耐震性にも優れています。さらに、比較的低コストで施工できるのも特徴です。
ウレタン防水は10〜12年程度の耐用年数がありますが、紫外線に弱いため、トップコートの塗り替えなど、定期的なメンテナンスが必要です。
高い防水性を得るには、施工箇所にウレタン樹脂を均一に塗布する正確な技術が求められるため、確かな技術と知識を持つ施工業者を選ぶことが重要になってきます。その点を踏まえると、施工業者を選ぶ手間がかかることが、ウレタン防水工事のデメリットだと言えるでしょう。
ウレタン防水のメリットとデメリットを以下にまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・低コストで施工が可能 ・複雑な形状の場所にも維ぎ目なく施工 ・伸縮性が高い | ・職人によって仕上がりのばらつきがでる ・塗料の乾燥に時間がかかる ・紫外線に弱いため定期的なメンテナンスが必要 |
ウレタン防水工事の3種類の工法
ウレタン防水工事には3つの工法があります。
ウレタン防水工事の種類1.密着工法
密着工法は、下地に直接ウレタン防水材を塗布する方法です。この工法は、下地との密着性が高く、施工が比較的簡単であるため、広く使用されています。特に、複雑な形状の場所や狭いスペースでも施工が可能です。
下地との密着性が高いため、下地の影響を受けやすく、ひび割れが起こりやすい傾向にあります。下地を充分に乾燥させる必要があり、湿気が多い場所への施工には不向きな工法だと言われています。その場合は、後述する通気緩衝工法が使われます。
ウレタン防水工事の種類2.密着メッシュ工法
密着メッシュ工法は、密着工法にメッシュシートを加えた方法です。メッシュシートを挟むことで、強度が増し、耐久性が向上します。この工法は、ひび割れや動きのある下地に対しても効果的で、長期間にわたって防水性能を維持することができます。
しかし、密着工法と同じく、下地に水分が含まれていると膨張するという欠点があります。
ウレタン防水工事の種類3.通気緩衝工法
通気緩衝工法は、通気層を設ける方法です。下地とウレタン防水層の間に「通気緩衝シート」と呼ばれる無数の穴が開いた防水シートを貼り、脱気筒という装置も設置して通気層を確保します。この通気層により、下地からの湿気や水蒸気が逃げやすくなり、膨れや剥がれを防ぐことができます。特に、湿気の多い場所や温度変化の激しい場所に適しています。
ウレタン防水工事の工法別の特徴と単価相場について
ウレタン防水の単価相場は、1平方メートルあたり4,000円~7,000円とされています。
ただし、施工場所や施工方法、工期、材料費、人件費などによって異なるので注意が必要です。
ここでは、ウレタン防水の工法である密着工法、密着メッシュ工法、通気緩衝工法それぞれの単価相場を紹介していきます。
ウレタン防水工事の特徴と単価|密着工法
密着工法は、ウレタン樹脂を直接下地に密着させて塗布する工法です。
- 特徴:
- 簡便な施工: 下地にプライマーを塗り、ウレタンを直接塗布するシンプルな手順で、防水層を一体化するため施工が比較的容易です。
- 経済的: 比較的材料費と施工費が安く、工期も短縮できるためコストパフォーマンスが高いです。
- 下地の影響を受けやすい: 下地の状態に大きく依存するため、クラックがある下地や動きが多い場所には向きません。下地のひび割れや膨れなどの問題がそのまま反映される可能性があります。
この工法でのウレタン防水の単価相場は、1平方メートルあたり約4,000円〜6,000円です。
ウレタン防水工事の特徴と単価|密着メッシュ工法
密着メッシュ工法は、ウレタン層の中にガラス繊維などのメッシュシートを挟み込むことで、強度と耐久性を高めた密着工法です。
- 特徴:
- 強度アップ: メッシュシートを組み込むことで、通常の密着工法よりも引張強度や耐ひび割れ性が向上します。
- ひび割れに強い: 下地の小さなひび割れに対してもメッシュが補強材となるため、クラックが発生しやすい場所でも防水層を守ることができます。
- 施工がやや手間: メッシュシートの取り扱いやウレタンとの一体化に若干の手間がかかり、通常の密着工法よりも施工に時間がかかることがあります。
この工法でのウレタン防水の単価相場は、1平方メートルあたり約5,000円〜7,000円です。
ウレタン防水工事の特徴と単価|通気緩衝工法
通気緩衝工法は、下地とウレタン防水層の間に通気層を設けて、下地の湿気や水分を逃がしやすくする工法です。
- 特徴:
- 湿気に強い: 下地からの湿気が通気層を通して逃がされる仕組みで、膨れが発生しにくく、特に湿気が溜まりやすい下地に適しています。
- クラックや膨れのリスク低減: 緩衝シートを使用して、下地の動きが防水層に直接伝わることを防ぐため、ひび割れや膨れのリスクが低減します。
- やや高価: 通気層の設置やシートの使用により、材料費と施工費が高くなるため、他の工法に比べてコストが高くなることがあります。
この工法でのウレタン防水の単価相場は、1平方メートルあたり約5,500円〜9,000円です。
ウレタン防水工事に必要な作業と単価相場
ウレタン防水工事に必要な作業と単価相場を表にまとめました。
作業内容 | 単価相場 |
---|---|
高圧洗浄 | 約200円〜300円/㎡ |
下地処理 | 約200円/㎡ |
下地補修(必要な場合のみ) | 約200円〜300円/㎡ |
改修用ドレンの設置 | 約15,000円/箇所 |
脱気筒の設置(通気緩衝工法の場合) | 約10,000円〜12,000円/箇所 |
発生材処分費 | 約10,000円〜30,000円 |
管理費 | 約10,000円〜30,000円 |
諸経費(荷下ろしなど) | 約10,000円〜30,000円 |
足場設置・撤去(必要な場合のみ) | 約700円〜900円/㎡ |
具体的な作業内容は現場の状況や施工業者の方針によって異なります。
専門業者に相談し、適切な施工方法を確認することが重要です。
ウレタン防水の平米単価と平均の施工価格について
ウレタン防水は、ベランダと屋上の防水工事で採用されることが多いです。
ベランダと屋上、それぞれの施工価格の相場を確認してみましょう。
ベランダをウレタン防水工事する場合の平米単価
ベランダのウレタン防水工事の価格は、施工方法や面積によって異なりますが、一般的には1平方メートルあたり約4,000円〜7,000円が相場です。例えば、20平方メートルのベランダであれば、約8万円〜14万円程度になります。
ベランダをウレタン防水で工事する場合の内訳は次の通りです。
工事内容 | 金額 |
---|---|
高圧洗浄/10㎡ | 2,000円 |
下地処理・ケレン/10㎡ | 2,000円 |
改修用ドレン設置/1個 | 12,000円 |
発生材処分費/一式 | 10,000円 |
ウレタン防水/10㎡ | 55,000円 |
防水層の劣化が激しい状態で防水工事を行う場合は、既存の防水層を一度撤去してから新しい防水層を形成するため、撤去費が追加されます。
施工価格は、ベランダの状態や面積、使用する防水材のグレードによって、変動します。
上記で紹介した金額はあくまで「相場」ですので、目安としてお考えください。
屋上をウレタン防水工事する場合の平米単価
屋上をウレタン防水で工事する場合の単価相場は、一般的に1平方メートルあたり6,000円〜8,500円程度です。
通気緩衝工法の場合の内訳は次の通りです。
工事内容 | 金額 |
---|---|
高圧洗浄/80㎡ | 16,000円 |
下地処理・ケレン/80㎡ | 16,000円 |
改修用ドレン設置/1個 | 12,000円 |
伸縮目地撤去/一式 | 1,200円 |
入隅部シール打ち/一式 | 500円 |
脱気筒設置/3個 | 45,000円 |
発生材処分費/一式 | 15,000円 |
ウレタン防水工事/80㎡ | 600,000円 |
具体的な費用は、施工場所や工法、材料費、人件費などによって異なります。
上記で紹介した金額はあくまで「相場」ですので、目安としてお考えください。
ウレタン防水工事の単価見積もりに関するチェックポイント・注意点
ウレタン防水工事の見積書をチェックする際のポイントをいくつかご紹介します。
- 高圧洗浄…施工前に下地の汚れを落とすための高圧洗浄が含まれているか確認しましょう。この工程が省かれていると、施工後に問題が発生する可能性があります。
- 下地清掃・下地補修…下地の状態が悪いと防水効果が低下します。見積書に下地清掃や補修の項目が含まれているか確認しましょう。
- プライマー塗布…ウレタン防水材の接着性を高めるために、プライマー(下塗り材)の塗布が必要です。これが見積書に含まれているか確認してください。
- 通気緩衝シート貼り付け…通気緩衝工法を採用する場合、緩衝シートの貼り付けが必要です。これが見積書に反映されているか確認しましょう。加えて、脱気筒の金額が明記されているかも、確認してください。
- ウレタン防水中塗り・上塗り…ウレタン防水は中塗りと上塗りの工程が必要です。見積書にこれらの工程が含まれているか確認し、何回塗り重ねるかもチェックしましょう。
- トップコート塗布…防水層の耐久性を高めるためにトップコートの塗布が必要です。これが見積書に含まれているか確認してください。
- 諸経費…駐車場代や交通費などの諸経費が適正に計上されているか確認しましょう。
- 廃材撤去費用…既存の防水層や下地の撤去費用が見積書に含まれているか確認してください。
これらのポイントを確認することで、適正な見積書かどうかを判断しやすくなります。
ウレタン防水工事の費用単価を抑える3つのコツ
ここでは、ウレタン防水工事の費用を安く抑えるコツを3つご紹介します。
- 定期的なメンテナンス
- 火災保険や補助金の活用
- 防水工事DIYで行う
以上の3つで工事費用を安く抑えられますが、DIYで行う場合は無理のない範囲で行ってください。
ウレタン防水工事の定期的なメンテナンス
定期的なメンテナンスは、長期的には費用節約につながる場合があります。
小さな問題を早期に発見し、修復することで、大規模な修繕や再施工の必要性を減らすことが可能です。
定期的なメンテナンスによって、建物の寿命を延ばし、修繕費用を抑えることができます。
また、費用面だけでなく、耐久性の維持や予防的な対策、業者が設けている保証内容の適用範囲を確保するメリットもあります。
ウレタン防水工事に関わる火災保険や補助金の活用
ウレタン防水工事では、火災保険や補助金が活用できる場合があります。
火災保険が適用されるケースとしては、防水工事を行った建物が火災に遭った場合に防水層の損傷や破損が発生した場合、自然災害の影響で発生した雨漏りによる損害などです。
ただし、火災保険の適用には条件があります。
例えば、建物の使用目的や建築年数、保険金額などによって異なります。
火災保険ができるかどうかは、防水工事を行う前に保険会社と相談することが重要です。
また、国や自治体から防水工事の補助金をもらえる場合があります。
一般的には、申請が可能な居住地域や、所得制限などの条件がありますが、条件がクリアできていれば申請は可能です。
詳しくは、国や自治体の補助金担当窓口に問い合わせてみましょう。
ウレタン防水工事をDIYで行う
防水工事をDIYで行うことで、費用は安く抑えられます。
ただし、防水工事は非常に高難度の工事であるため、よほど自信がない限りおすすめはできません。
施工不良が発生して、急遽業者を呼ばなければならなくなったケースも実際にあるようです。
費用を安く抑えたいからといって、素人が手を出すものではありません。
少し費用がかかっても、業者に依頼すれば安心できるでしょう。
ウレタン防水工事における優良業者の選び方
防水工事は特殊な工事であるため、業者の選び方も重要なファクターです。
以下に、防水工事業者の選び方を紹介します。
- 防水工事専門で多くの施工実績があること
- 職人が防水施工技能士の資格を保有していること
- 施工中の写真を見せながら説明してくれること
これらの条件がクリアであれば、安心して工事を任せられることでしょう。
防水工事を行うためには、専門資格である防水施工技能士を取得している職人でなければ工事は行えません。
中には資格を保有していない悪徳業者もいるので十分に注意しましょう。
ウレタン防水工事の効果を長持ちさせる3つのこと
防水工事の施工後でも、効果を長持ちさせるためにやるべきことが3つあります。
- 定期的なドレンの清掃
- 業者による定期点検
- 5年ごとにトップコートを塗り替える
定期的にドレンを掃除することで、雨水が溜まることなくしっかりと流れてくれます。
雨水が流れずに水溜まりができていると、防水層にも影響が出る場合があるので注意が必要です。
また、定期的に施工してもらった業者に点検してもらうことも重要です。
防水工事で施工した1番上層部分であるトップコートを塗り替えることで、防水効果が持続します。
まずはできることから始めてみましょう。
ウレタン防水工事とその他防水工事の特徴比較|単価や工期の比較表
防水工事は、工法によって費用や工期、メリットなどさまざまな特徴が異なります。
防水工事の工法を決めるにあたって、ウレタン防水の特徴だけを見るよりも、他の工法の特徴と比較しながら考えることがおすすめです。
4つの防水工事についてそれぞれの工法の特徴を下記の通り表にまとめたので、参考にしてみてください。
ウレタン防水 | FRP防水 | シート防水 | アスファルト防水 | |
---|---|---|---|---|
単価 | 3,000円~7,000円/㎡ | 4,000円~7,500円/㎡ | 2,500円~7,500円/㎡ | 5,500円~8,000円/㎡ |
工期 | 3日〜10日程度 | 1日〜2日程度 | 1日〜5日程度 | 3週間程度 |
耐用年数 | 10〜12年程度 | 12〜20年程度 | 10〜15年程度 | 15〜25年程度 |
メリット | ・仕上がりに継ぎ目がない・既存防水層に重ね塗りできる | ・耐久性に優れている・軽量で建物への負担が少ない | ・施工費用・メンテナンス費用が安価・シートの色やデザインが豊富 | ・防水性能が高い・耐久性に優れている |
デメリット | ・耐用年数が短め | ・下地の伸縮に弱い・メンテナンス間隔が短い | ・シートの継ぎ目が劣化しやすい | ・重量があり建物に負担がかかる |
施工不可の場所 | ・幅広く施工できる | ・広い木造の場所 | ・複雑な形状の場所・強風の多い場所 | ・高重量が想定されていない場所 |
防水工事でよくある質問
Q
防水工事の種類にはどんなものがありますか?
A
主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。
Q
防水工事の費用はどのくらいかかりますか?
A
工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。
Q
工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。
Q
防水工事のタイミングはいつが良いですか?
A
一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。
ウレタン防水工事の単価や相場についてまとめ
ここまで、ウレタン防水の単価相場について解説してきました。
ウレタン防水の単価は他の防水材料よりも安価であるため、現在では1番多く採用されています。
ウレタン防水には、密着工法、メッシュ工法、通気緩衝工法と3つの工法があり、それぞれに適した施工箇所があります。
また、見積書は複数の業者から取って比較検討することが重要です。
条件が揃っていれば、火災保険や補助金の活用も検討しましょう。
最後に、日頃からのメンテナンスや定期点検を行うことで防水効果が長持ちするので、できることから始めてみましょう。
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