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収益物件は大規模修繕工事を実施した方がいい理由!修繕内容やかかる費用

近年、不動産投資の人気の高まりもありマンションやアパートなど、収益物件を管理している人も多くいらっしゃるかと思います。

ただ、物件を管理するにあたって心配事も。

中でも大規模修繕工事には、不安を感じるケースも多いかと思います。

今回の記事では、収益物件の大規模修繕工事に関して解説していきます。

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目次

マンション等の収益物件が大規模修繕の実施で高値で売れる理由

収益物件の売却時には、建物の状態や維持管理の状況が価格に大きく影響します。特に、大規模修繕を実施している物件は、市場価値が高まり、より高値での売却が可能になります。その理由を詳しく見ていきましょう。

1. 建物の耐久性向上による資産価値の維持・向上

大規模修繕により、外壁や防水工事、給排水設備などの劣化部分が適切に補修されることで、建物全体の耐久性が向上します。買い手にとっては、築年数が経過していても適切にメンテナンスされている物件は、将来的な修繕リスクが少なく、安心して投資できる物件として評価されるため、価格が上がる要因となります。

2. 賃貸需要の向上による収益性の改善

マンションなどの収益物件では、入居率の高さが収益に直結します。外壁や共用部分の美観が向上し、設備が新しくなることで、入居希望者の増加が期待できるため、空室リスクが低減します。結果として、安定した賃料収入が見込める物件は、投資家からの評価が高まり、高値で売却しやすくなるのです。

3. 修繕リスクの低減により、購入後の負担が少ない

未修繕の物件は、購入後に大規模修繕が必要となる可能性があり、買い手にとっては大きなコスト負担となります。一方で、直近で大規模修繕を行っている物件は、当面の修繕コストが不要なため、買い手にとって魅力的です。購入後の予期せぬ出費が抑えられるため、売却価格の交渉時にも有利に働きやすくなります

4. 金融機関の評価が高まり、融資を受けやすくなる

金融機関は、物件の資産価値を評価基準の一つとしています。大規模修繕を実施済みの物件は、将来的な修繕リスクが低く、資産価値が維持されやすいため、融資を受けやすくなる傾向にあります。これにより、買い手の購入意欲が高まり、結果的に高値での売却が可能になるのです。

5. 売却時の印象が良く、交渉がスムーズに進む

外観や共用部分の状態は、物件の第一印象に直結します。大規模修繕後の物件は見た目が美しく、清潔感があるため、内覧時の印象が良くなることが特徴です。見た目の印象が良い物件は、買い手の購入意欲を高め、売却交渉がスムーズに進みやすくなります。

収益物件における大規模修繕の実施は、建物の耐久性向上、賃貸需要の増加、修繕リスクの低減など、多くのメリットをもたらし、売却価格の向上につながる要因となります。特に、投資家や金融機関の評価が高まることで、より好条件で売却しやすくなるため、売却を視野に入れている場合は、適切な修繕計画を立てておくことが重要です。

大規模修繕工事の修繕内容と項目別の相場費用

大規模修繕工事は、マンションや収益物件の資産価値を維持・向上させるために不可欠なメンテナンス工事です。修繕内容は建物の状態や築年数によって異なりますが、一般的な修繕項目とその相場費用を解説します。

大規模修繕工事の主な修繕内容と相場費用一覧

大規模修繕工事の主な修繕内容と相場費用一覧についてまずは一覧表にまとめました。以下を確認してみてください。

修繕項目主な工事内容相場費用(30戸規模のマンション)耐用年数の目安
外壁補修・塗装工事ひび割れ補修、塗装の塗り替え、防水性向上500万~1,500万円約10~15年
屋上・バルコニー防水工事ウレタン防水・シート防水の再施工、排水口清掃200万~800万円約10~20年
シーリング(コーキング)工事窓枠や外壁の目地補修、防水性向上100万~500万円約10~15年
給排水設備の修繕・更新配管の洗浄・交換、貯水槽の清掃・改修500万~1,500万円約20~30年
エレベーター改修・更新制御装置の更新、かご内装リニューアル1,000万~2,500万円約20~30年
共用部分の修繕・改修エントランス・廊下・階段の補修、照明交換300万~800万円約10~15年
駐車場・外構の整備アスファルト舗装の補修、フェンスや外灯の交換100万~500万円約10~20年

大規模修繕工事の詳細な修繕内容

ここからは、詳細な修繕内容ごとに大規模修繕工事の内容とポイントを解説します。

大規模修繕工事1. 外壁補修・塗装工事(500万~1,500万円)

外壁は雨風や紫外線の影響を受けやすく、経年劣化が進むとひび割れや塗膜の剥がれが発生します。適切な塗装工事を行うことで、防水性・耐久性を向上させ、資産価値を維持できます。

主な作業内容:

  • ひび割れ(クラック)の補修
  • 高圧洗浄による汚れの除去
  • 遮熱・防水塗料による再塗装

ポイント: 適切な塗料を選ぶことで、塗り替え周期を延ばし、メンテナンスコストを抑えられます。

大規模修繕工事2. 屋上・バルコニー防水工事(200万~800万円)

屋上やバルコニーの防水層は劣化すると雨漏りの原因となるため、定期的な防水工事が必須です。

主な工法と費用相場:

  • ウレタン防水:300万~600万円(柔軟性があり、施工が容易)
  • シート防水(塩ビ・ゴム):400万~800万円(耐久性が高いが、施工費が高め)

ポイント: 防水工事は適切な施工を行うことで、10年以上の耐久性が確保できます。

大規模修繕工事3. シーリング(コーキング)工事(100万~500万円)

シーリング(コーキング)は外壁の目地や窓枠部分の防水性を確保する重要な工程です。劣化すると、ひび割れや雨漏りの原因になります。

主な作業内容:

  • 劣化したシーリング材の撤去・打ち替え
  • 高耐久シーリング材(変成シリコン・ポリウレタン)の使用

ポイント: シーリングの打ち替えは足場が必要なため、外壁塗装と同時に行うことでコスト削減が可能です。

大規模修繕工事4. 給排水設備の修繕・更新(500万~1,500万円)

給排水設備の劣化は、水漏れや水圧低下、悪臭の原因となるため、築20年以上の物件では修繕計画が必要です。

主な作業内容:

  • 給水・排水管の洗浄または交換
  • 貯水槽・ポンプの清掃・更新
  • 排水桝・排水管の詰まり除去

ポイント: 配管の洗浄やライニング工法を活用することで、交換コストを抑えられます。

大規模修繕工事5. エレベーター改修・更新(1,000万~2,500万円)

エレベーターは築20~30年で部品の劣化が進み、制御装置や駆動部品の更新が必要になります。

主な作業内容:

  • 制御盤・モーターの更新
  • かご内装のリニューアル
  • 最新の安全装置(地震時自動停止機能など)の導入

ポイント: フルリニューアル(交換)ではなく、部分的な改修でコストを抑える方法もあるため、業者とよく相談することが重要です。

大規模修繕工事6. 共用部分の修繕・改修(300万~800万円)

共用部分の劣化は建物の印象を左右し、入居率や物件価値に影響します。

主な作業内容:

  • 廊下・階段の防滑処理や床材の張り替え
  • エントランスのリニューアル(照明・タイル・自動ドアの交換)
  • 集合ポスト・宅配ボックスの設置

ポイント: 照明のLED化や宅配ボックスの導入は、入居者満足度向上にもつながるため、投資効果が高いです。


7. 駐車場・外構の整備(100万~500万円)

駐車場や外構部分の整備は、安全性の確保や美観の向上に寄与します。

主な作業内容:

  • 駐車場のアスファルト補修・ライン引き直し
  • フェンス・防犯カメラの設置
  • 外灯のLED化

ポイント: 定期的な補修を行うことで、事故やクレームのリスクを低減できます。

大規模修繕工事は計画的な実施が重要

修繕内容と費用を把握し、適切なタイミングでメンテナンスを実施することで、コストを抑えながら建物の価値を維持できます。事前の点検と計画的な修繕を進め、無駄な出費を防ぐことが成功のカギとなります。

大規模修繕工事を行うタイミングや周期の目安

国土交通省が発行する【民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック】によると、建物に関して想定される不具合のタイミングについて以下のようにまとめられています。

屋根塗装・補修→11~15年目
防水・葺替→21~25年目
外壁塗装→11~18年目
タイル張り補修→12~18年目
給湯器・エアコン交換→11~15年目
階段・廊下鉄部塗装→4~10年目
塗装・防水→11~18年目
給排水管高圧洗浄→5年目
取り替え→30年目
引用・参考:民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック

この目安で改修工事が計画されることが多いですね。

収益物件の修繕費を抑えるポイント

収益物件の維持管理において、修繕費を抑えることはキャッシュフローの安定化に直結します。適切なメンテナンスを実施しながら、コストを最小限に抑えるためのポイントを紹介します。

収益物件の修繕費を抑えるポイント1. 計画的な長期修繕計画を立てる

突発的な修繕はコストがかさみやすいため、10~20年単位の長期修繕計画を策定し、計画的にメンテナンスを実施することが重要です。建物の劣化状況を定期的にチェックし、優先度をつけて修繕を進めることで、無駄な出費を抑えることが可能です。

収益物件の修繕費を抑えるポイント2. 相見積もりを取り、適正価格を把握する

修繕工事を依頼する際は、複数の業者から見積もりを取り、価格や施工内容を比較することが基本です。相場より高額な業者や不要な工事を提案してくるケースもあるため、見積もりの詳細を確認し、適正な価格で発注することが大切です。

収益物件の修繕費を抑えるポイント3. 定期的なメンテナンスで大規模修繕を回避

定期的に小規模な修繕を行うことで、劣化が進む前に補修ができ、大規模な修繕費を抑えることが可能です。たとえば、外壁のひび割れやコーキングの劣化を早期に補修することで、防水工事の頻度を減らせるため、結果的にコスト削減につながります。

収益物件の修繕費を抑えるポイント4. 補助金・助成金を活用する

国や自治体では、耐震改修、省エネ改修、防水工事などに対する補助金・助成金を提供している場合があるため、対象となる工事を計画的に実施するとコストを抑えられます。事前に補助金の条件や申請方法を確認し、活用できる制度を積極的に利用することが重要です。

収益物件の修繕費を抑えるポイント5. まとめて工事を発注し、コストダウンを図る

個別の修繕を都度発注するよりも、外壁塗装、防水工事、設備更新などを一括で発注することで業者の手間を削減し、割引を受けられる場合があるため、可能な範囲でまとめて依頼するのが有効です。

収益物件の修繕費を抑えるポイント6. 信頼できる業者を選び、適切な施工を行う

安価な業者を選ぶことだけを重視すると、施工品質が低く、短期間で再修繕が必要になる可能性があるため、信頼できる業者を選ぶことが大切です。過去の施工実績や口コミを確認し、適正価格で高品質な工事を提供する業者を選ぶことで、長期的なコスト削減につながります。

収益物件の大規模修繕工事にかかるコストと収益

収益物件は、通常の住居用マンションと違い、住人が変わったり年数がたてば家賃を下げないといけなくなることも。

そうなってくると住民の数によっては修繕工事のための、費用を準備するのも難しくなってしまうこともあります。

収益物件の修繕工事にはどれくらいかかるのか?コストと収益について考えていきましょう。

  • 月10万円の部屋が20ある賃貸マンション
  • 10年目の改修工事を行う
  • 収益は10万円×12カ月=1年で120万円×10年間=1200万円×20部屋=2億4000万円
  • 通常マンションの大規模修繕工事例から546,150円×20部屋=1億923万円

単純に見ると十分収益があるように感じられますね。

ただ、これはあくまでも10年目の改修工事をイメージしています。

築年数を重ねると、家賃は値下げする必要がありますし、建物の劣化が進むため修繕費用は上がっていきます。

また、マンションが常に満室であれば良いのですがもちろん空室の可能性もありますので、収益と修繕費用のバランスは考える必要がありますね。

マンションにかかる修繕費は?

マンションは、大勢の人が住む建物です。

定期的な点検や、修繕工事を中長期の期間で計画し行っていくことが基本となっています。

収益物件に関わらず、マンションの修繕工事にかかる平均的な修繕費について見ていきましょう。

大規模修繕工事の場合

大規模修繕工事は築10年前後で計画されることが一般的です。また、近年ではガイドラインの改訂が行われ18年周期で行われるケースもありますが、

マンションの規模にもよりますが、通常の居住用分譲マンションでは以下のような金額が想定されます。

11~15年目546,150円
(一戸当たり)
21~25年目1,158,580円
(一戸当たり)

マンションでは、この金額を修繕費用として修繕積立金として月々の支払いが必要になります。

中規模修繕工事の場合

中規模修繕工事は、大規模修繕工事までの中間くらいの期間で行われることが多く、汚れや亀裂など目に見えてわかる不具合を修繕することが多いです。

一戸当たりの負担額も、大規模修繕工事よりも抑えられた金額となります。

5~10年目85,250円
(一戸当たり)

小規模修繕工事の場合

小規模修繕工事は、日常で感じる不具合などを都度修繕を行うものです。

収益物件では、入居者退去の際に行うクリーニングや修繕工事が同じですね。

修繕内容によっては、大きい金額になることもある工事です。

収益物件の大規模修繕工事にかかるコストと収益の例

収益物件の大規模修繕工事は、建物の維持管理と資産価値の向上のために重要な投資ですが、適切なコスト管理が求められます。修繕工事にかかる費用と、それによる収益への影響を具体的な例を交えて解説します。

大規模修繕工事にかかるコストの目安

大規模修繕工事の費用は建物の規模、修繕範囲、使用する材料によって異なりますが、以下が一般的な費用相場です。

修繕内容費用相場(30戸規模の物件)耐用年数
外壁塗装・補修500万~1,500万円約10~15年
屋上防水工事200万~800万円約10~20年
給排水設備の更新500万~1,500万円約20~30年
エレベーター改修1,000万~2,500万円約20~30年
共用部分の改修300万~800万円約10~15年

築年数が経過した物件では、修繕費用が増加する傾向にあるため、早めの計画が重要です。

大規模修繕後の収益改善例

大規模修繕を実施することで、入居率の向上や家賃の見直しが可能になり、収益アップにつながるケースがあります。

例①:築15年のマンション(30戸)における収益改善

  • 大規模修繕前
    • 家賃平均:8万円
    • 入居率:85%(空室4~5部屋)
    • 月間収益:約204万円
    • 年間収益:約2,448万円
  • 大規模修繕実施後(外壁塗装・防水工事・共用部改修)
    • 家賃平均:8.5万円(5,000円アップ)
    • 入居率:95%(空室1~2部屋)
    • 月間収益:約242万円
    • 年間収益:約2,904万円

修繕費用が1,200万円だった場合でも、年間の収益増加額が約450万円となり、約3年で投資回収が可能になる計算になります。

例②:築30年の収益物件でエレベーター改修を実施

  • 修繕前:エレベーターの老朽化で居住者の不満が増加し、入居率80%
  • 改修後:新しい設備に更新し、物件価値が向上 → 入居率95%に改善
  • 結果:空室リスクが低減し、安定した収益確保が可能に

修繕工事と収益のバランスを考慮することが重要

大規模修繕工事はコストがかかるものの、計画的な修繕を行うことで収益改善につながり、長期的な資産価値を高めることが可能です。特に、賃貸需要が高いエリアでは修繕後の家賃アップが期待できるため、コストと収益のバランスを考えた投資計画が重要になります。

大規模修繕工事でよくある質問

ここでは大規模修繕工事に関する質問について回答します

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

Q

大規模修繕工事の費用相場は一般的にいくらですか?

A

大規模修繕工事の費用について一般的な相場としては、1戸あたり約100万円前後が目安です。マンション全体の規模が大きい場合には、修繕費用が1億円を超えることもあります。また、マンションの劣化が激しい場合や、質の高い塗装を希望する場合には、さらに費用が高くなることがあります。

まとめ

今回は収益物件と大規模修繕工事の関係性について解説しました、大規模修繕はマンションやアパートの工事で一定周期で行わなければなりません、修繕工事と収益についてはお互いのコストや修繕費用を考えつつ計画的な修繕を行なっていく必要があります。

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