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折板屋根の防水工事を解説|メンテナンスの種類は?工法の選び方は?

折板屋根の防水工事を知りたい人

折板屋根の防水工事を知りたい人

折半屋根・折板屋根の防水工事とは?
折半屋根・折板屋根にはウレタン防水がおすすめ?
折半屋根・折板屋根に防水塗装工事は必要?
折半屋根・折板屋根・鉄板屋根の違いは?

折板屋根(折半屋根)をご存知ですか?工場や倉庫など大型の建物、自転車置き場や駐車場など、さまざまな建築物に使用される蛇腹状の金属屋根で優れた建材です。耐久年数が30〜40年と長く、設置費用も比較的安価なため、多くの建築主に選ばれています。

しかし、長期間使用するには適切な防水工事とメンテナンスが欠かせません。ウレタン防水やシート防水・塗膜防水などから、建物の状況に応じて最適な工法を選択します。
      
本記事では、折板屋根の特徴や種類・寿命・そしてメンテナンスの必要性について詳しく解説します。さらにはケレン作業や防水塗料の塗装工事など、改修工事についても触れています。
建物を長く守るための大切な情報を、わかりやすくく説明していますので、ぜひ最後までお読みください。

防水工事の基礎|折板屋根とは?

折板屋根とは大型の倉庫や工場などに使用されることの多い屋根で、名前の通り金属板を折り曲げて造られた屋根のことです。

身近な場所でいえば、自転車置き場や車庫などにも用いられています。

使用される金属は、ガルバリウム鋼板や亜鉛メッキ鋼板、塩ビ鋼板などが挙げられ、丈夫で耐久性も高い屋根材の一つとなっています。

横向きには屋根の継ぎ目がありますが、縦向きには継ぎ目がなく屋根1枚の長さが10mを超えることも少なくありません。

防水工事の基礎|折板屋根の種類

折板屋根は水平面のつなぎ方によって下記の3つに分けられています。

折板屋根の種類|はぜ締めタイプ

屋根の一部を折り曲げて、つなぎ合わせる方法です。

ボルトやネジの露出がなく雨漏りしにくい一方で、強風にさらされると徐々に緩んで外れやすくなる可能性があります。

折板屋根の種類|重ねタイプ

屋根の継ぎ目をボルトで固定する方法です。

ボルト部分に錆が発生しやすく、定期的なメンテナンスが必要です。

折板屋根の種類|嵌合(かんごう)式タイプ

継ぎ目部分をキャップで覆う方法です。

ボルトが露出しないため美観が保たれますが、施工費用が高くなる傾向があります。

折板屋根の寿命は?防水工事が必要な時期

折板屋根の寿命は、35年〜40年程度と言われています。

より長く使用するためには定期的な塗装など、状況に合わせたメンテナンスが大切です。

また使用されている鋼板の種類や屋根の厚さによっても、その寿命が変わってきます。

防水工事の基礎|折板屋根のメリット・デメリット

折板屋根は大型の工場や倉庫にも用いられている屋根です。

どういったメリット・デメリットがあるのでしょうか。

メリットデメリット
工期が短い
継ぎ目が少ないため雨漏りが起きにくい
工事費用が安い
折板屋根を持ち上げるためのスペースが必要
断熱効果がない
定期的なメンテナンス(塗装)が必要

折板屋根は継ぎ目のない大きな屋根を持ち上げるため、クレーン車等の大型の機材を使用します。

そのため、大型の機材やトラック等が入れるスペースが必要になるので注意が必要です。

継ぎ目が少なく屋根1枚が大きければ大きいほど、工程が少なく工期や費用が抑えられます。

折板屋根にメンテナンス(防水・改修工事)が必要な理由

折板屋根は金属でできているため「錆」が天敵です。折板屋根を錆びさせないためにはメンテナンスが重要です。

折板屋根は勾配がほとんどない屋根に用いられることが多いです。勾配がなく、防水性能が低下した屋根では雨水は滞留し、鉄部を錆びつかせます。

錆の広がりが進行すると、美観は損なわれ、次第に穴が空き、雨漏りが起こります。

たかが雨漏りと侮ってはいけません。機械設備が多くある工場の場合、雨漏りは設備の故障・感電・火災などの漏電被害に繋がります。

また、折板の固定部品がさび、締め付けが弱くなると強風で板が折れ曲がったり、飛ばされる危険性も出てきます。

被害を未然に防ぐためにも、折板屋根のメンテナンスは必要です。

折板屋根の防水・改修工事

折板屋根の防水工事・改修工事(メンテナンス)の種類は3つです。

  • 塗装工事
  • カバー工法
  • 葺き替え

以下で、各工事の特徴やデメリットを解説していきます。

折板屋根の防水・改修工事1.塗装工事

屋根塗装は、折板屋根に防水材を塗布し、塗膜を作って表面を保護する工事です。遮熱塗料を塗り、断熱効果を高めることもできます。

折板屋根の多くは、ナットやボルトなどの固定部品が錆、その錆が板に移って劣化していきます。屋根塗装は錆の広がりを食い止める有効的な手段です。

折板屋根の表面が色あせていたり、軽い錆が現れている場合は塗装による工事が最適です。

しかし、屋根自体の痛みが激しい場合には、根本的な改修にはならず、雨漏りを修繕することはできません。雨漏りがすでに起こっている場合は他の工事を選択しましょう。

塗装工事の工程

折板屋根の塗装工事の工程は以下のとおりです。

施工前
①ケレン作業
②下塗り
③中塗り
④上塗り
完了

画像引用:【企業様】群馬県高崎市A物流倉庫|新東亜工業

折板屋根の防水・改修工事2.カバー工法

カバー工法は、既存の折板屋根の上に防水紙を敷き、そして新しい折板屋根を被せる改修工事です。屋根材を被せる工法なので、重ね葺きとも呼ばれています。

既存の折板屋根と新しい折板屋根の間に断熱材を挟むことも可能です。

固定部品はさほど劣化していないが、雨漏りが起こっている場合はカバー工法が適しています。

後述する葺き替え工事とは異なり、カバー工法は既存屋根材の撤去費用・廃材処分費用がかかりません。そのため、費用を抑えることができ、工期も短いです。

しかし、既存の屋根材に新しい屋根材を被せる工法なので、屋根自体の重量は増し、耐震性が下がるリスクがあります。

建物の構造を考慮して選択する必要があります。

カバー工法の工程

折板屋根のカバー工法は以下の手順で行われます。

  1. 棟板金・貫板を撤去
  2. 防水紙を敷く
  3. 新しい屋根材を葺く
  4. 棟板金・貫板を設置
  5. 棟板金にコーキング処理

折板屋根の防水・改修工事3.葺き替え工事

葺き替え工事は新しい屋根材に取り替える工事です。

折板屋根の劣化が激しく、台風などの強風に耐えられないと判断した場合は葺き替え工事を選択しましょう。

屋根塗装やカバー工法より費用は高くなりますが、屋根に使われているすべて新しいものに交換するため、これまで以上に頑丈な屋根になります。

折板屋根の防水・改修工事の選び方

折板屋根の工事は屋根の状態に合わせて選択しましょう。

しかし、どの工事を選べばいいのか判断しにくいですよね。

判断の目安を以下の表にまとめました。

折板屋根の状態工事方法
・雨漏りは発生していない
・チョーキング現象(白亜化)が発生している
・表面が色あせている
・表面が軽く錆びている
屋根塗装
・雨漏りが発生している
・表面に穴が空いている
カバー工法
・雨漏りが発生している
・固定部品の劣化が激しい
・強風で剥がれるおそれがある
葺き替え工事

折板屋根の防水・改修工事が必要な劣化症状

折板屋根の主な劣化症状は以下のとおりです。

  • チョーキング現象
  • 表面の色褪せ
  • 固定部品や表面の錆
  • 表面の穴空き
  • 固定部品のゆるみ
  • 強風時に屋根がカタカタと音が鳴る
  • 雨漏り

上記のような劣化症状が現れている際は防水工事や改修工事を検討しましょう。

強風時に音がなっていたり、雨漏りが発生している場合は工事の緊急性が高いと判断できます。できるだけ早く、業者に工事を依頼するのがよいでしょう。

上記の項目は点検時のチェック項目としても活用できます。

定期的な点検は工事費の節減に繋がります。劣化症状を早めに見つけて早急に手を打てば、屋根塗装だけで済む可能性があるからです。

防水工事でよくある質問

Q

防水工事の種類にはどんなものがありますか?

A

主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。

Q

防水工事の費用はどのくらいかかりますか?

A

工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。

Q

工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。

Q

防水工事のタイミングはいつが良いですか?

A

一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。

折板屋根防水工事の解説まとめ

折板屋根についてまとめると、

  • はぜ締めタイプ、重ねタイプ、嵌合式タイプの3つに分けられる
  • 折板屋根の寿命は30〜40年程度だが、材質・厚み・メンテナンスの頻度によっても変わってくる
  • メリットは、「工期が短い」「継ぎ目がないため雨漏りが起こりにくい」「工事費用が安い」
  • デメリットは「折板屋根を持ち上げるためのスペースが必要」「断熱効果がない」「定期的なメンテナンスが必要」
  • メンテナンス・改修としては、主に「塗装」「カバー工法」「葺替え」の3つが行われているが、近年は「防水改修工法」と呼ばれる新しい方法が注目されている。

となります。

非常に頑丈で耐用年数も長い折板屋根ですが、劣化を放置すると多大な改修費用がかかります。

適切なメンテナンスを行うことで、維持コストを抑え屋根の寿命を伸ばすことが可能です。

防水改修工法をはじめとした防水工事を検討してみてはいかがでしょうか。

折板屋根の防水工事|施工事例

東京都中野区Fコーポ|個人様

東京都足立区I会社自社ビル|企業様

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