外壁塗装の保証期間は10年?20年?保証の内容や塗料別の目安・注意点を徹底解説

2025/07/24

外壁塗装を検討している方にとって、仕上がりや費用と並んで気になるのが「保証期間」です。しかし、保証と一口に言っても、施工保証・メーカー保証・塗料別の違いなど、複雑でわかりづらい部分も多いのが実情です。

この記事では、外壁塗装における保証期間の相場や塗料ごとの年数目安、注意点やよくあるトラブル例などを詳しく解説します。また、保証期間の長さだけでなく、内容の違いや適用範囲、そして業者ごとの保証姿勢の違いにも踏み込んでご紹介します。信頼できる業者選びに役立つチェックポイントもあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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外壁塗装における「保証期間」とは?

外壁塗装における「保証期間」とは、施工後に万が一不具合が発生した際、その補修・再施工を無償で対応してもらえる期間のことを指します。保証があることで、施工後のトラブルに対する不安を軽減し、安心して依頼できる大きな判断材料となります。

施工保証とメーカー保証の違い

  • 施工保証:工事業者が発行する保証。主に施工不良による不具合(塗膜の剥がれ、浮き、塗りムラなど)を対象とし、業者の責任で対応されます。施工技術や管理体制によって品質が左右されやすいため、保証内容の明示は重要です。
  • メーカー保証:塗料メーカーが塗料の性能保証として提供するもの。塗料そのものの品質に起因する問題が対象になります。例えば、適切に塗装したにもかかわらず、塗料の成分不良で早期に劣化した場合などが該当します。

これら2つの保証は性質が異なり、片方だけではカバーしきれないケースもあるため、両方の保証が揃っていることが理想です。

外壁塗装で保証が付く範囲と付かない範囲

項目保証の有無補足説明
塗膜の剥がれ・膨れ○(施工保証)下地処理の不備や塗料の乾燥不足などが原因で発生
自然災害(地震・台風等)×天災による損傷は多くの場合、保証対象外
経年劣化による色あせ△(内容により)塗料の種類や環境条件により扱いが異なる
雨漏り(外壁由来)○(業者による)シーリングや防水処理の施工不良が原因の場合

保証の対象・対象外は業者によって内容が大きく異なるため、契約前に保証書をしっかり確認しましょう。また、保証内容に不明瞭な点があれば、必ず書面で明示してもらうようにしましょう。

外壁塗装の保証期間の相場は何年?10年?20年?

保証期間は、使用する塗料のグレードや施工内容、そして施工業者の方針によって大きく異なります。保証年数は信頼性のひとつの指標となりますが、単純に「長ければ安心」とも言い切れません。適正な保証年数とその根拠を確認することが重要です。

一般的な保証期間の目安(塗料グレード別)

塗料の種類保証期間の目安備考
ウレタン塗料3〜5年価格は安いが耐久性は控えめ
シリコン塗料5〜7年バランス型の定番塗料
フッ素塗料7〜10年高耐久・高価格で公共建築にも使用
無機塗料10〜15年耐久性が非常に高くメンテ回数を抑制
※メーカー保証と施工保証で年数が異なる場合があるため、両方の年数を確認しましょう。

外壁塗装の保証で戸建て・マンション・アパートで違いはある?

物件の種類や契約形態によって、保証の扱いにも違いがあります。

  • 戸建て住宅:塗装対象が明確であるため、保証内容も比較的シンプル。保証書は施主に直接交付され、内容の確認もしやすいのが特長です。
  • マンション(共用部):管理組合が施工を依頼し、保証書も管理組合が保管。居住者に直接内容が伝わらないこともあるため、総会などでの情報共有が必要です。
  • アパート(賃貸住宅):オーナーが保証書を持つ形になるため、入居者側では内容を把握できないことが多いです。入居中のトラブル時の対応体制も事前確認しておくと安心です。

施工範囲や契約主体の違いにより、保証年数や対象範囲に差が出ることがあるため、契約時には建物種別ごとの特徴にも注意を払いましょう。

外壁塗料の種類別|保証期間の目安と特徴

ここでは、使用される塗料ごとの保証期間の目安と、それぞれの特徴について詳しく解説します。価格帯だけで判断するのではなく、耐久性やライフサイクルコスト(再塗装までの年数×費用)を含めて比較検討するのがポイントです。

ウレタン塗料の保証期間と特徴

  • 保証期間:3〜5年
  • 特徴:柔軟性があり施工性が高く、下地に追従しやすいのが特長。ただし紫外線に弱く、耐候性はやや劣ります。
  • 向いている用途:短期間で再塗装予定の建物、予算を抑えたい方向け。仮住まい・中古住宅の一時対応などにも使われます。

シリコン塗料の保証期間と特徴

  • 保証期間:5〜7年
  • 特徴:価格・性能のバランスが良く、現在最も一般的な塗料。防汚性や耐久性に優れ、外壁・屋根いずれにも使用されます。
  • 向いている用途:一般的な戸建て住宅、築10年以上の建物、コストと品質を両立したい方に最適です。

フッ素塗料の保証期間と特徴

  • 保証期間:7〜10年
  • 特徴:優れた耐久性・防汚性を持ち、メンテナンス頻度を大幅に減らせる塗料。外観を長く美しく保てます。
  • 向いている用途:高層ビル、公共施設、商業施設など。長期間の保護性能を求めるケースに向いています。

無機塗料の保証期間と特徴

  • 保証期間:10〜15年
  • 特徴:無機成分を含み、非常に高い耐候性を誇る。塗膜の劣化が遅く、再塗装の周期が最も長い。
  • 向いている用途:長期的な維持管理を重視する方、将来的なメンテナンス費用を抑えたい物件におすすめです。

塗料別 保証期間・性能比較表

塗料種類保証期間耐久性費用の目安主な用途
ウレタン3〜5年安価短期的な対応・仮住まい
シリコン5〜7年中程度戸建て住宅・コスパ重視
フッ素7〜10年高額ビル・公共施設
無機10〜15年◎◎最も高い長期保護・メンテコスト削減

外壁塗装の施工後によくあるトラブルと保証の対応範囲

塗装工事が完了し、見た目には美しく仕上がっていても、数ヶ月から数年のうちにさまざまな不具合が発生するケースは決して珍しくありません。施工当初は問題がなくても、外壁は日々の紫外線・風雨・気温差など過酷な環境に晒されており、劣化の進行が早まることもあります。こうした場合、施工保証やメーカー保証が適用されるかどうかは大きな安心材料となります。

ここでは、実際に起こりやすいトラブルの具体例と、それぞれが保証対象になるかどうか、そしてその判断基準について詳しく解説します。

外壁塗装のトラブル事例と保証の対象例

トラブル内容保証対象になるか解説
塗膜の剥がれ○(施工保証)下地処理や乾燥不足による施工不良が原因であれば保証内。保証年数内であれば原則無償で補修対応。
色あせ経年劣化として扱われがちだが、1〜2年で著しく退色した場合は塗料不良の可能性があり保証対象となる場合も。
チョーキング現象(白い粉)紫外線劣化の一種。施工から数ヶ月で発生すれば施工ミス・塗料不良として保証交渉できるケースも。
コーキングの割れ○または×新築と同様に5年以内のひび割れは保証対象になりやすいが、経年変化と判断されると対象外に。
雨漏り○(施工保証)外壁の目地・シーリング不良が原因であれば保証対応。ただし屋根やバルコニーなど構造的な要因は別途判断されることも。

保証書にはこうした個別事例が明記されていないケースも多いため、不明点は事前に業者に質問し、口頭だけでなく書面やメールでやり取りを残しておくことが後々のトラブル回避につながります。

外壁塗装の保証トラブルを避けるために確認すべきポイント

いくら保証制度があると謳っていても、「実際に保証対応してもらえなかった」「話が違った」といった声は後を絶ちません。保証に関するトラブルは、内容を十分に理解せず契約してしまったことに起因することが多いため、以下の点を必ず確認しておくことが重要です。

よくある保証トラブルと対策

  • 保証書が交付されない:施工完了後に「後日渡します」と言われてそのままになるケースも。契約段階で保証書発行の有無を明記し、納品日も約束しておく。
  • 保証内容が曖昧:文面に「塗膜不良に対する保証」などとしか書かれていないと、解釈の違いで保証対象外とされてしまう恐れあり。事前に具体的な例(ひび割れ・膨れ・剥がれ等)を明示してもらう。
  • 業者が廃業・倒産:地元密着型の小規模業者ほど、数年で営業を終了するケースも。万一に備え、「リフォーム瑕疵保険」や「塗料メーカーとの共同保証制度」など第三者による保証制度の有無を確認。
  • メーカー保証のみで安心してしまう:塗料不良に対するメーカー保証があるから安心…と思いきや、実際の施工不良(下地処理や乾燥不足など)は対象外。両者の違いを正しく理解しておく必要があります。

契約書や保証書を交わすだけでなく、その中身を読み込み、「どんな不具合に、いつまで、誰が対応するのか」という点を具体的に確認しておくことが肝心です。施工前に少しの手間をかけることで、後のトラブルを未然に防げます。

信頼できる外壁塗装の業者選びのチェックポイント

「保証で安心」を得るためには、そもそも信頼できる施工業者を選ぶことが前提となります。施工力だけでなく、アフターフォローや保証制度への誠実さを持った業者かどうかを見極めることが、結果的に満足度の高い外壁塗装につながります。

外壁塗装業者選びの3つの視点+α

  1. 保証内容が明記された書面を交付しているか
    • 保証年数、対象となる施工部位、不具合の種類、免責条件などが明記されているかをチェック。口約束はNGです。
  2. 過去の施工実績と口コミの確認
    • 施工事例の写真や実績紹介ページを確認。Googleレビュー・SNS・口コミサイトでアフター対応の評判にも注目しましょう。
  3. 第三者保証制度の有無
    • 国土交通省管轄の「リフォーム瑕疵保険」や、塗料メーカーとの提携保証制度に加盟しているかを確認すると信頼度アップ。
  4. アフターフォロー体制の整備(+α)
    • 点検の実施時期(1年後・5年後など)や、問い合わせに対するレスポンスの速さも重要な判断材料です。

塗装工事は数十万円〜百万円以上の費用がかかるため、業者選びに妥協は禁物です。「どれだけ保証内容が明確か」「トラブル時に誠実に対応してくれるか」といった視点で比較することをおすすめします。

実録!新東亜工業の施工事例|2階建て戸建の外壁塗装・防水工事

雨漏りのトラブルから始まった緊急のご相談。
ここでは、杉並区にある2階建て戸建住宅で実施した「外壁塗装」と「屋上防水工事」の様子を、お客様との実際の会話を交えながらご紹介します。
雨漏りの原因調査から現地調査、見積り説明、打ち合わせ、施工、引き渡しまでを丁寧に追いかけており、これからご自宅の修繕をご検討される方にとっても参考になる事例です。

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ご相談内容

雨漏りをきっかけにお電話いただいたことが、今回の工事の発端でした。
地下階の天井から水が垂れてくるという深刻な状況で、当社としても迅速な対応が求められる現場でした。

担当者:お世話になっております。新東亜工業の担当です。
お客様:こんにちは、自宅なんですけど雨漏りしてて、見に来てもらえますか?
担当者:分かりました、早めに伺いますね。明後日の午前10時はいかがでしょう?
お客様:はい、大丈夫です。お願いします!

工事の概要|工事金額と期間

外壁塗装 施工前
外壁塗装 施工後

以下は、今回の工事内容と建物情報をまとめたものです。

項目 内容
建物種別 戸建住宅(2階建て+地下)
所在地 東京都杉並区
工事内容 外壁塗装、屋上防水、床タイル補修、シーリング打ち替え、鉄部塗装
工法 ウレタン防水(密着工法)、砂骨ローラー仕上げ、シリコン塗料3回塗り、防水クリア塗装など
特記事項 雨漏り対策として床タイルやシーリングの重点補修、改修用ドレン設置

工事金額:197万円 / 工事期間:30日間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、地下の天井からの雨漏りを確認し、屋上や外壁の複数箇所に劣化が見つかりました。
特にALC外壁のシーリング劣化、玄関床タイルのひび、屋上防水層の切れが深刻でした。

担当者:外壁のこの目地、シーリングが硬化してひび割れてますね。
お客様:ほんとだ…全然気にしてなかったです。
担当者:ここから雨水が侵入している可能性があります。タイルのひびも怪しいので補修しますね。
お客様:お願いします!

屋上も既存のウレタン防水が切れており、モルタル補修と再防水を行う必要がありました。

施工中のやり取りと配慮

施工中は進捗報告を欠かさず、生活への配慮も丁寧に行いました。
雨の日の洗濯、騒音、においへの配慮、また材料の仮置き場所や駐車スペースの確認も徹底しました。

担当者:防水工事中なのですが、雪止めが浮いていたので補強しておきますね。
お客様:ありがとうございます。雨漏りしないようにしてくれたら大丈夫です。

お客様のご予定も考慮しながら、帰宅時間に合わせて塗装工程を調整するなど、現場ごとの工夫も随所に。

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引き渡し時のご感想

工事が終わり、最も気がかりだった「雨漏り」が無事に止まり、安心されたご様子でした。

担当者:地下の雨漏り、止まりましたか?
お客様:おかげさまで止まってます。高井さんの言う通り、タイルとシーリングが原因だったみたいです。

施工完了後も、今後の相談窓口としてお声がけいただける関係性が築けました。

今回の工事では、以下のような課題を解決しました。

  • 地下の雨漏りを止めるため、外壁シーリング・床タイルの補修を実施
  • 屋上の防水層を密着工法で補修し直し、改修用ドレンで雨水排出機能を強化
  • 外壁の美観と耐久性向上のため、3回塗りでの外壁塗装を実施

また、進捗報告や相談体制、色の決定など、お客様との密なコミュニケーションによって、安心・納得の工事を実現できました。

外壁塗装のよくある質問(FAQ)

Q1. 外壁塗装の保証期間は何年が一般的ですか?
A. 塗料や業者によって異なりますが、ウレタン塗料で3〜5年、シリコン塗料で5〜7年、フッ素塗料で7〜10年、無機塗料で10〜15年程度が一般的です。施工保証とメーカー保証は別なので、両方を確認しましょう。

Q2. 保証書がない場合でも保証対応してもらえますか?
A. 基本的には書面がなければ保証を主張するのは困難です。口頭での説明では証明できないため、契約時に保証書を必ず交付してもらいましょう。どうしても交付が難しい場合は、最低限メールやLINEのやり取りでも記録を残すようにしましょう。

Q3. 業者が倒産した場合、保証はどうなりますか?
A. 残念ながらその業者が発行した保証は無効になります。ただし、事前に第三者保証制度(リフォーム瑕疵保険など)に加入していれば、その保証機関が補償を引き継ぐことも可能です。制度加入の有無を契約前に確認しましょう。

Q4. 保証期間が長ければ良い業者といえますか?
A. 必ずしもそうとは限りません。長期保証を謳っていても、実際には「免責項目が多い」「連絡が取れない」といったトラブルも存在します。保証の“年数”だけでなく、“中身”と“体制”に注目することが大切です。

Q5. 経年劣化と施工不良の違いはどう判断するのですか?
A. 専門的な判断が必要になりますが、1〜2年以内の不具合であれば施工不良の可能性が高いとされます。業者に依頼する際には、写真や状態の記録を残しつつ第三者の専門家に相談するのも有効です。

まとめ|外壁塗装の保証期間を正しく理解し、後悔のない選択を

外壁塗装の保証期間は、単なる年数の長短ではなく、その中身と信頼性が問われる重要なポイントです。施工保証とメーカー保証の違い、塗料ごとの保証年数、業者による対応の差などを把握しておくことで、施工後のトラブルを大きく回避することができます。

とくに、見積書や契約書だけでなく「保証書の内容をしっかり確認すること」は、外壁塗装において見落とされがちな落とし穴です。「どんなときに、誰が、どこまで保証してくれるのか」を契約前に明確にしておくことで、安心して塗装工事を進められます。

長期的なメンテナンスを見据えて信頼できる業者を選び、適正な保証制度のもとで外壁塗装を実施することが、住まいの資産価値を守る第一歩です。あなたの大切な住まいを長持ちさせるためにも、「保証」の視点を重視した施工計画を立てていきましょう。