マンション大規模修繕は外壁も行うべき?役割や種類から工事すべき劣化サインまでわかりやすく紹介

2025/09/03

マンションの外壁修繕は建物の寿命や資産価値を大きく左右する重要な工事です。外壁は美観を保つだけでなく、防水性や断熱性、安全性といった機能を担い、日常生活の快適さや居住者の安全を守っています。
しかし、年月の経過や気候条件により劣化は避けられず、適切な時期に修繕を行わなければ深刻なトラブルに発展する恐れがあります。

本記事では外壁の役割や種類、劣化症状、修繕のタイミングを分かりやすく解説し、管理組合や居住者が知っておくべきポイントを整理します。

目次

マンション外壁の役割

マンションの大規模修繕において、外壁は最も重要な工事項目のひとつです。外壁は単に建物の見た目を整えるためのものではなく、建物の安全性や快適性を支える大切な役割を担っています。

ここでは、マンション外壁の役割について紹介します。

防水性

外壁は雨風から建物内部を守る最初のバリアです。ひび割れやシーリングの劣化を放置すると、雨水が侵入し、内部鉄筋の錆や躯体の劣化を招きます。特に日本は雨が多いため、防水性の維持はマンションの長寿命化に直結します。

さらに、防水性能が低下すると内部結露やカビの発生にもつながり、居住者の健康被害を引き起こす可能性もあります。したがって、定期的な点検と早めの補修は欠かせません。

断熱性

外壁材や塗装には断熱性を高める効果もあります。外壁の断熱性能が低下すると、冷暖房効率が落ちて光熱費が増加する可能性があります。適切に修繕・塗り替えを行うことで、快適な室内環境と省エネ効果を維持できます。

加えて、断熱性が高い外壁は結露を防ぎ、建物内部の仕上げ材や家具の劣化を防止します。長期的には、環境負荷の低減や居住者の快適性向上にも貢献します。

美観

外壁はマンションの「顔」といえる部分です。汚れや劣化が目立つと建物全体の印象が悪くなり、入居希望者や購入希望者にマイナスのイメージを与えます。賃貸物件では空室リスク、分譲では資産価値の低下につながるため、美観の維持は経済的にも重要です。

また、美しい外観は居住者の満足度を高め、地域におけるマンションの評価にも直結します。定期的に清掃や塗装を行い、美観を保つことでマンションのブランド価値を守ることができます。

安全性

タイルの浮きや剥がれは、落下して歩行者や車両に被害を与える危険性があります。特に高層マンションではリスクが大きく、重大事故につながる恐れがあります。大規模修繕では打診検査を行い、危険箇所を補修することで居住者や周囲の安全を確保します。

さらに、外壁が劣化して強度を失うと地震や強風時の被害が拡大する可能性もあります。そのため、安全性の観点からも外壁の健全性を定期的に確認することが不可欠です。

外壁は単なる装飾ではなく、建物を守り、資産を維持するための重要な要素であることを理解しておくことが大切です。

マンションで採用される外壁の種類

マンションで採用される外壁材にはいくつかの種類があり、それぞれに耐久性やコスト、修繕方法の違いがあります。長期的に資産価値を守るためには、自分のマンション外壁の特徴を知っておくことが重要です。

以下の表では代表的な外壁材を比較し、メリット・デメリットや修繕のポイントを整理しました。

マンション外壁の種類と特徴のまとめ表

外壁の種類特徴メリットデメリット・注意点修繕のポイント
タイル外壁高級感・耐久性が高い紫外線や風雨に強く、メンテナンス頻度が少ない経年劣化で浮き・剥がれのリスクあり。高層階での落下は重大事故に打診検査で浮きを確認し、注入補修や張り替えを行う
吹付け・塗装仕上げ施工性が高く、色や質感の自由度あり初期コストが低い、一般的に広く採用される劣化が早く、10〜15年ごとに塗り替えが必要チョーキングや色あせが出たら塗り替えサイン
ALCパネル軽量で断熱性に優れる耐震性・断熱性に優れ、近年も採用される吸水性が高く、防水塗膜の劣化で内部劣化の恐れ定期的な塗膜更新で吸水防止、防水性確保が必須
サイディングデザインのバリエーションが豊富見た目の自由度が高く施工も容易継ぎ目のシーリング材が劣化しやすく、漏水の原因にシーリング打ち替えを定期的に実施する

大規模修繕を行う際は、マンションの外壁がどの種類なのか把握し、適切な工法を選定することが大切です。

外壁の大規模修繕が必要な劣化症状

マンションの外壁は、年数が経つにつれて必ず劣化していきます。大規模修繕のタイミングを見極めるためには、劣化症状を正確に把握しておくことが欠かせません。

ここでは代表的な症状とそのリスクを詳しく紹介します。

ひび割れ(クラック)

外壁に見られるひび割れは、雨水の浸入経路となり、内部鉄筋の錆やコンクリートの爆裂を引き起こす原因になります。ヘアクラックと呼ばれる細いひび割れは見た目の問題だけでなく、防水性低下のサインでもあります。

幅0.3mmを超える大きなクラックは早急な補修が必要です。放置すると内部にまで水が浸透し、建物全体の耐久性を損なう恐れがあります。特に地震後などは小さなクラックでも進行している可能性があるため注意が必要です。

チョーキング(白い粉)

手で外壁を触ると白い粉が付く現象をチョーキングと呼びます。塗膜が紫外線や雨で劣化し、防水性能が失われているサインです。放置するとさらに劣化が進行し、下地のコンクリートやパネルに水が侵入する恐れがあります。

チョーキングは比較的わかりやすい劣化現象で、早めに塗り替えを行えば修繕コストを抑えることができます。見た目だけでなく、手触りで確認する点検方法を定期的に行うと安心です。

タイル浮き・剥がれ

タイル仕上げのマンションでは、浮きや剥がれが大きな問題になります。打診棒で調査すると「カンカン」と音が変わる部分があり、そこが浮いているサインです。剥落事故を防ぐためにも、注入工法や張り替え工法による補修が必要です。

特に人通りの多い場所や高層部分での剥落は重大な事故につながるため、定期点検を怠らないことが重要です。補修を怠れば資産価値の低下だけでなく、住民の安全を脅かす結果となります。

錆汁・爆裂

外壁に茶色いシミのような跡がある場合、内部の鉄筋が錆びている可能性があります。鉄筋が錆びると体積が膨張し、コンクリートを押し出して表面が欠け落ちる「爆裂」現象を引き起こします。

この状態は構造耐久性を低下させるため、放置は非常に危険です。錆汁や爆裂が見られる場合、内部にまで劣化が進行している可能性が高いため、早急に専門業者の診断と補修が必要です。

外壁の修繕を行うタイミング

外壁の修繕は、築年数や劣化症状に応じて適切な時期を見極めることが重要です。タイミングを誤ると修繕費用が高額化し、建物の寿命を縮める原因になります。

建物の安全性を守るためにも、以下で紹介する外壁の修繕を行うタイミングを把握しておきましょう。

築年数ごとの目安

一般的にマンションの大規模修繕は12年前後で計画されることが多く、外壁工事もこのサイクルに合わせて行われます。

塗装仕上げの外壁は10〜12年ごと、タイル外壁は15年前後で本格的な補修が必要になるケースが一般的です。立地や環境によってはこの目安より早い修繕が必要になる場合もあります。

劣化症状が出た時点での判断基準

築年数だけでなく、実際の劣化症状を確認することも大切です。小さなひび割れやチョーキングの段階で修繕を行えば費用は比較的安く済みますが、タイル剥落や爆裂まで進行すると大規模な補修が必要になります。

症状が出たら早めに専門業者の診断を受けることが望ましいです。劣化を放置すると雨漏りや内部腐食など二次被害が広がる可能性が高くなります。

長期修繕計画との関連性

多くのマンションでは長期修繕計画が策定されており、その中で外壁修繕の時期や内容が定められています。ただし、実際の劣化状況は建物ごとに異なるため、定期点検の結果を踏まえて柔軟に修繕時期を調整することが必要です。

長期修繕計画と実際の点検結果を照らし合わせて判断するのが理想です。さらに、資金計画と修繕内容をバランスよく組み合わせることで、無理のない修繕が可能になります。

外壁工事項目と費用目安

マンション大規模修繕の外壁工事は複数の項目があり、それぞれに役割や特徴、費用が異なります。修繕計画を立てる際には、工事内容ごとの費用感を把握しておくことが重要です。

以下の表では代表的な外壁工事を比較し、耐用年数や費用の目安を整理しています。

工事項目内容耐用年数・特徴費用目安
外壁塗装(シリコン・フッ素など)紫外線や雨風から外壁を守り、美観を保つ。塗料により耐用年数や性能が異なる。シリコン塗料:10〜12年、バランスが良い / フッ素塗料:15年以上、長期的に有利シリコン:2,500〜4,000円/㎡フッ素:3,500〜5,000円/㎡
タイル補修(浮き・剥離補修、注入工法など)打診調査で浮きを確認し、注入補修や張り替えを実施。安全性を確保する重要な工事。定期的な検査で異常を早期発見 / 高層階では落下事故防止が必須注入補修:1,500〜3,000円/箇所張り替え:5,000〜15,000円/㎡
シーリング工事(打ち替え・増し打ち)サッシ周りや外壁パネルの継ぎ目に使用。劣化すると漏水の原因に。耐用年数10〜15年 / 打ち替えが基本、増し打ちは一時的対応800〜1,200円/m
下地補修(ひび割れ・爆裂の補修)ひび割れや爆裂部分を補修し、鉄筋の防錆処理も行う。軽微な補修は短期対応可能 / 爆裂補修は構造安全性の回復に必須軽微:5,000円前後/箇所爆裂:1万円以上/箇所

マンションの状況によっては、さまざまな工事が必要になることもあるため、業者と相談しながら適切な施工を行いましょう。

外壁工事が居住者に与える影響

マンションの外壁工事は建物を守るために不可欠ですが、居住者の生活に少なからず影響を及ぼします。工事期間中は生活環境が一時的に制限される場面が多く、快適性や利便性に変化が生じます。

事前にどのような影響があるのかを把握し、準備をしておくことで、ストレスを最小限に抑えることが可能です。

足場設置による日照・視界制限

外壁工事では必ず足場を設置します。足場にメッシュシートが掛かることで日差しが入りにくくなり、室内が暗く感じることがあります。また、窓やベランダからの視界も制限されるため、閉塞感を覚える居住者も少なくありません。

これらは数カ月にわたって続くことが多いため、精神的な負担を軽減する工夫が求められます。管理組合や施工業者は、工事の開始前に十分な説明を行い、住民が安心して工事に協力できるように配慮する必要があります。

騒音・粉塵の発生

外壁の高圧洗浄やタイル補修、ハツリ作業では大きな騒音が発生します。さらに塗装作業では送風機やコンプレッサーの音も加わり、日常生活の妨げとなることがあります。在宅勤務を行う人や小さな子供がいる家庭では特にストレスを感じやすいため、作業時間帯を考慮した調整や、遮音シートを活用することが大切です。

また、工事中は粉塵が舞いやすいため、窓を開けにくくなるほか、アレルギー体質の方には注意が必要です。養生シートや定期的な清掃対応を徹底することで、生活環境への影響を和らげることができます。

洗濯物干しの制限

足場や養生シートの設置により、ベランダでの洗濯物干しが制限されます。特に塗装や防水工事中は塗料や粉塵が付着する恐れが高く、原則として室内干しやコインランドリーの利用を推奨されます。長期間にわたる場合、乾燥機の利用や近隣施設の活用を検討する必要があります。

工事の進行に合わせて「いつからいつまで干せないのか」を明確に示すことが住民の安心につながります。生活の利便性に直結する問題であるため、管理組合からのきめ細やかな情報提供が求められます。

プライバシーへの影響

足場が設置されると、工事関係者がベランダ付近を移動することが増えます。そのため、居住者のプライバシーが守られにくくなる場面もあります。カーテンやブラインドを閉めるなど、居住者側での対策も必要です。

業者側も作業員への指導や居住者目線での動線管理を行い、安心して生活できる環境を維持する努力が欠かせません。

外壁修繕を成功させるポイント

外壁修繕は単なる工事ではなく、マンションの寿命と資産価値を左右する大規模プロジェクトです。成功させるためには、計画段階から施工完了まで多角的な視点で進めることが必要です。

ここでは、外壁修繕を成功させるポイントについて紹介します。

管理組合・居住者の合意形成

修繕工事は全住民の合意をもとに進めることが理想です。工事の必要性や内容、費用負担について分かりやすく説明し、住民からの質問や不安に丁寧に対応することが信頼関係の構築につながります。

説明会や資料配布、アンケートなどを通じて意見を反映することで、合意形成がスムーズになり、トラブルの回避にもつながります。

業者選びの基準(実績・保証・診断力)

外壁修繕を任せる業者は慎重に選定する必要があります。施工実績の豊富さや技術力はもちろん、劣化診断の精度や修繕提案の妥当性も重要な判断材料です。さらに、施工後の保証が整備されているかどうかも大きな安心材料となります。

見積り比較の際は単に金額だけでなく、工事内容の詳細、使用する材料、保証年数などをチェックすることが欠かせません。長期的に信頼できるパートナーを選ぶことが成功の鍵です。

長期修繕計画との整合性

外壁工事は単独で考えるのではなく、長期修繕計画の一部として位置づけることが重要です。足場設置には多額の費用がかかるため、この機会に屋上防水や鉄部塗装、バルコニー修繕など複数の工事を同時に実施することでコスト削減が可能です。

さらに、工事の順序や優先度を見極め、資金計画と調和させることで無理のない修繕が実現します。効率的な修繕を行うことで、居住者の負担軽減にもつながります。

コミュニケーションの徹底

工事の進行中は予想外のトラブルや予定変更が生じることもあります。そのため、施工業者・管理組合・居住者の三者間で常に情報を共有することが大切です。

工事の進捗や注意事項を定期的に掲示板やメール、アプリで配信することで、居住者は安心して日常生活を送ることができます。円滑なコミュニケーションは、工事を成功に導く不可欠な要素です。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事

築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。

担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前

大規模修繕 施工後

項目 内容
建物種別 分譲マンション(8階建て)
所在地 東京都内(詳細非公開)
工事内容 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他)
工法 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他
その他特記事項 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり

工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。

担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。

施工中のやり取りと配慮

工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。

お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。

工事中の各工程は写真で丁寧に記録されており、お客様も仕上がりを写真で振り返ることができました。

引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。

お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。

今回の工事では、以下のような成果が得られました。

  • ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
  • 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
  • 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
  • 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
  • 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった

新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。

大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

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まずはメール・お電話からご相談ください!

マンション大規模修繕での外壁に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、マンション大規模修繕での外壁に関するよくある質問について紹介します。
疑問を解決できるような内容を集めましたので、ぜひ参考にしてみてください。

Q1. 外壁修繕は必ず大規模修繕で行うべき?

必ずしも大規模修繕と同時でなくても構いません。ただし足場設置を伴うため、他工事とまとめて行ったほうがコスト効率は良くなります。タイミングを調整することで、長期的に費用を抑えることが可能です。

さらに、工事を分散して行うと居住者の負担が大きくなるため、可能であれば同時施工を検討したほうが合理的です。費用や工期を含めた総合的な計画を立てることが大切です。

Q2. 外壁工事と屋上防水は同時にすべき?

はい。足場設置のコストを考えると同時に行うのが合理的です。屋上やバルコニーの防水工事を同時に進めれば、再び足場を組む必要がなく、結果的に大幅なコスト削減につながります。

将来的な資金計画を考慮したうえで、効率的に工事を進めるのが望ましいです。さらに、外壁塗装と防水工事を一体的に実施すれば、建物全体の耐久性が高まり、次回修繕までの期間を延ばす効果も期待できます。

Q3. 外壁タイルは必ず補修が必要?

タイル外壁は耐久性が高いですが、浮きや剥がれが生じれば落下事故のリスクがあるため補修が不可欠です。打診検査で異常が見つかれば、軽度であっても補修対象となります。

特に高層部分では安全確保のため優先的に実施されるべき工事です。美観を保つ意味でもマンション大規模修繕における外壁のタイル補修は重要であり、早めに対応することで大規模な改修を防ぐことにもつながります。

Q4. 工事期間中はベランダが使えない?

基本的に使用制限がかかります。塗装・防水作業中は立入禁止となることが多く、エアコン室外機の使用にも制約が生じる場合があります。生活への影響が大きいため、事前にスケジュールや代替手段を確認しておくと安心です。

場合によっては仮設の室外機設置や乾燥機利用の補助など、管理組合や施工業者が配慮策を用意することもあります。生活の質を守るため、具体的なサポート策を事前に確認しましょう。

Q5. 外壁修繕の助成金・補助金はある?

自治体や国の制度で外壁修繕を含む改修工事への補助金が用意されている場合があります。省エネ改修や耐震補強を伴う場合には補助対象となるケースも多いため、制度の有無や条件を事前に確認しましょう。

助成金を活用することで、住民の負担を軽減できる可能性があります。特に最近では、環境配慮型の塗料を使用した場合や断熱改修を含む工事に対して優遇措置が設けられている自治体もあるため、情報収集を怠らないことが重要です。

マンション大規模修繕で外壁の劣化を防ごう|まとめ

外壁修繕はマンションの寿命や資産価値を守るための重要な工事です。居住者への影響は避けられませんが、事前の理解と準備によって負担を和らげることができます。

また、合意形成や業者選びを丁寧に行い、長期修繕計画と連動させることで効率的に予算を活用することが可能です。さらに、工事中のコミュニケーションを密にすることで安心感が生まれ、住民全体で協力体制を築くことができます。

こうした取り組みを積み重ねることで、外壁修繕は単なる工事ではなく「住環境を未来へつなぐプロジェクト」となり、安心で快適な暮らしを長期にわたって維持できるでしょう。

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