マンション玄関ドア交換の価格と費用を安く抑えるコツを紹介

2025/11/06

マンションの玄関ドアを交換したいと思ったとき、最初に気になるのが「価格はいくらかかるのか」という点です。

防犯性や断熱性を高めるための交換はもちろん、老朽化や見た目のリニューアル目的で検討する方も増えています。ただし、マンションでは共用部分と専有部分の区別があるため、自由に交換できるわけではありません。

本記事では、マンション玄関ドアの価格相場、工法の種類、価格を抑えるコツ、そして交換時の注意点まで詳しく解説します。

目次

マンション玄関ドア交換の一般的な価格相場

マンションの玄関ドアの価格は、ドア本体の材質や性能、工法、工事規模によって大きく異なります。一般的な価格帯を知っておくことで、見積り時に過剰な費用を請求されるリスクを減らせます。

マンション玄関ドアの交換費用は、30〜50万円前後が相場とされています。これは、ドア本体価格・工事費・撤去費を含んだトータルコストです。

項目内容目安価格
ドア本体アルミ製・断熱仕様など15〜40万円
施工費カバー工法・持ち出し工法など10〜30万円
撤去・処分費既存ドアの取り外し・廃棄約1万円

ドアの種類やグレードによって価格は変動します。例えば、防火ドア・断熱ドア・採風ドアなどの機能付きタイプでは、標準ドアよりも5〜10万円高くなる傾向にあります。

  • 低価格帯(20〜30万円):扉交換工法、シンプルなデザイン。
  • 中価格帯(30〜50万円):断熱・防音・カバー工法を採用。
  • 高価格帯(50万円以上):高断熱・スマートキーなどオプション付き。

マンション玄関ドアの工法別特徴と価格

工法はドア交換のコストと工期を決める重要な要素です。ここでは代表的な3つの工法「カバー工法」「持ち出し工法」「扉交換工法」の特徴と価格を比較します。

工法特徴メリットデメリット価格目安
カバー工法既存枠の上から新しい枠を被せる工期が短く仕上がりが美しい枠が狭くなり開口幅が減少約40万円
持ち出し工法外側に新しい枠を設置開口幅を確保できるドアが外側に出る見た目になる約30万円
扉交換工法扉だけを交換費用が安く短時間で完了枠の劣化が残る場合も約20万円

マンション玄関ドアの工法|カバー工法

既存のドア枠をそのまま残し、その上に新しい枠を被せて施工するのがカバー工法です。工事期間は1日以内と短く、外壁や内装を壊す必要がないため、住みながらでも施工できます。仕上がりも美しく、外観を一新できる点が大きな魅力です。

ただし、既存枠の内側に新枠を設けるため、開口部が数センチ狭くなり、大きな家具の搬入などでは注意が必要です。費用はおおよそ40万円前後が相場です。

マンション玄関ドアの工法|持ち出し工法

持ち出し工法は、既存のドア枠の外側に新しい枠を取り付ける方法です。カバー工法のように開口部が狭くならず、広い出入り口を確保できるのが特徴です。外観を損なわずに施工できるため、共用廊下側のデザインを重視するマンションにも適しています。

ただし、ドアが外側にわずかに出っ張る形になるため、見た目のバランスに好みが分かれる点があります。費用の目安は30万円前後です。

マンション玄関ドアの工法|扉交換工法

扉交換工法は、既存のドア枠をそのまま使用し、扉本体だけを新しいものに交換する方法です。枠の撤去や加工が不要なため、施工時間は数時間と短く、費用も最も抑えやすい工法です。費用は20万円前後が目安で、予算を重視する方に向いています。

ただし、枠自体が古くなっている場合は見た目や耐久性がアンバランスになりやすいため、状態を確認してから工法を決めることが重要です。

管理組合で採用されるのは、外観を統一しやすく耐久性の高い「カバー工法」が主流です。また、全戸同時交換の場合はコスト削減のために「持ち出し工法」を選ぶケースもあります。

マンションの玄関ドア交換価格を左右する主な要因

マンションの玄関ドア交換費用は、一見同じように見えても建物の条件やドアの仕様によって大きく変わります。価格を正しく理解するためには、どの要素がコストに影響するのかを把握することが重要です。

ここでは、マンション玄関ドアの価格を左右する6つの代表的な要因を具体的に解説します。

  1. ドアのタイプ
  2. 素材・性能
  3. 施工工法
  4. オプション機能
  5. マンションの構造・共用部分
  6. デザインとメーカー

それぞれ詳しくみていきましょう。

玄関ドア交換の価格を左右する要因1.ドアのタイプ

マンション玄関ドアの基本構造は、片開き・親子ドア・両開きなど複数のタイプがあります。最も一般的なのは片開きタイプで、費用も抑えやすく施工もスムーズです。

一方、親子ドアや両開きタイプはデザイン性に優れ、開口幅を広く確保できる反面、ヒンジや固定金具が増えるため施工コストが上がります。

荷物の搬入が多い家庭や高級仕様のマンションでは、見た目や利便性を重視して親子ドアが選ばれることもあります。

玄関ドア交換の価格を左右する要因2.素材・性能

玄関ドアの素材は、アルミ・スチール・木製・断熱材入り複合タイプなど多様です。一般的に、アルミ製は軽量で安価、スチール製は防犯性に優れるものの重く高価になります。

また、断熱性能を持つドアは外気温の影響を受けにくく、冷暖房効率を高めるため光熱費削減にもつながります。価格は素材によって5〜10万円の差が出ることも珍しくありません。

マンションの構造や立地に合わせて、外廊下型なら断熱重視、内廊下型ならデザイン重視といった選択が求められます。

玄関ドア交換の価格を左右する要因3.施工工法

施工方法は価格を大きく左右する最重要ポイントです。

代表的なのは「カバー工法」「持ち出し工法」「扉交換工法」の3種類で、工法によって工期や費用が変わります。

カバー工法は既存枠を残したまま新しい枠を被せる方法で、1日以内に完了し仕上がりも美しい反面、開口部が若干狭くなります。

持ち出し工法は開口幅を保てる一方、外側に枠が出るため見た目の好みが分かれます。

扉交換工法は枠を残して扉のみを交換する手軽な方法で、費用も20万円前後と最も低コストです。

玄関ドア交換の価格を左右する要因4.オプション機能

スマートキーや採風窓、防火仕様、電子ロックなどのオプションは利便性や安全性を高めますが、同時に価格を押し上げます。例えば、スマートキー機能を追加すると約3〜5万円、防火ドア仕様では約5〜10万円上がることもあります。

また、採光ガラスや通風パネルを組み合わせるとデザイン性は高まりますが、重量が増すため施工コストも上がる傾向にあります。自宅の立地環境やライフスタイルに合わせ、必要な機能を取捨選択することが費用を抑えるコツです。

玄関ドア交換の価格を左右する要因5.マンションの構造・共用部分

マンションの廊下構造や共用部分の扱いも価格に直結します。

外廊下型では風雨にさらされやすく、耐候性や防錆性能の高い仕様が求められるため工事費が上がりやすいです。

内廊下型は天候の影響を受けにくく、比較的軽量なドアでも問題ありませんが、防火規制が厳しい地域では防火設備認定が必要になります。

また、共用部分扱いのため施工範囲が制限されることもあり、管理組合との調整費や書類作成費が発生するケースもあります。

玄関ドア交換の価格を左右する要因6.デザインとメーカー

ドアのデザインやメーカーによる違いも無視できません。

国内ではYKK APとLIXILが代表的なメーカーで、デザイン・カラー・機能のバリエーションが豊富です。LIXILの「RSⅡシリーズ」やYKK APの「リフォームドア」は、施工性とデザイン性を両立しており人気があります。

高級ラインでは質感や防音性能が向上する一方、価格が10万円以上高くなることも。メーカー純正の保証やメンテナンスサポートも考慮し、トータルコストで比較することが重要です。

マンション玄関ドアの価格要因一覧

要因価格への影響度補足説明
工法★★★★★工期・作業範囲によって最も差が出る
素材・性能★★★★☆断熱性・防火性などの付加価値で上昇
オプション★★★☆☆採風・スマートキー等の追加仕様

マンションの玄関ドア交換価格を抑えるためのポイント

マンションの玄関ドア交換は、工法や仕様によって高額になるケースもあります。しかし、少しの工夫で費用を抑えることが可能です。

ここでは、無理なくコストを抑えるための具体的なポイントを紹介します。

  1. 複数社に見積もりを依頼する
  2. 工事のタイミングを調整する
  3. 補助金や助成制度を活用する
  4. 必要な機能を見極める
  5. まとめ発注を検討する

以下より詳しく解説していきます。

玄関ドア交換の価格を抑える方法1.複数社に見積もりを依頼する

マンション玄関ドアの交換費用は業者によって大きく異なるため、必ず複数社に見積もりを依頼しましょう。

最低でも3社程度を比較することで、価格の妥当性やサービス内容を客観的に判断できます。メーカー系リフォーム業者、地元工務店、サッシ専門業者など、それぞれの強みが異なるため、同条件で見積もりを揃えることが重要です。

見積書では「ドア本体価格」「施工費」「撤去費」などの内訳を確認し、後からの追加費用がないかもチェックしましょう。

玄関ドア交換の価格を抑える方法1.工事のタイミングを調整する

玄関ドアの交換は、単独で行うよりも他の工事と同時に実施するほうが経費を抑えられます。特に大規模修繕や共用廊下の改修時期に合わせると、足場・共通経費を共有でき、全体コストが減少します。

また、業者が忙しい春〜秋の繁忙期を避け、冬季のオフシーズンに発注すると、見積額が安くなるケースもあります。計画的なタイミング調整によって、同じ内容でも数万円のコスト削減につながることがあります。

玄関ドア交換の価格を抑える方法2.補助金や助成制度を活用する

玄関ドアの断熱性能向上やバリアフリー化を目的とした交換では、自治体や国の補助金制度を利用できる場合があります。たとえば「住宅省エネ2025キャンペーン」や各市区町村の省エネ改修助成などが代表的です。

これらの制度は申請期限や対象製品が定められているため、工事前に施工業者へ相談し、条件を満たしているかを確認しましょう。補助金を活用することで、実質負担を5〜20%程度抑えられるケースもあります。

玄関ドア交換の価格を抑える方法3.必要な機能を見極める

玄関ドアには、防犯性・断熱性・採風機能など多様なオプションがありますが、すべてを搭載すると費用が膨らみます。

自宅の環境や生活スタイルに合わせて、本当に必要な機能を選ぶことが大切です。例えば、外廊下型のマンションでは断熱性能が重視され、内廊下型では採風機能は不要な場合が多いです。

防犯性能を高めたいなら、スマートキーや複数ロック構造を採用するなど、目的に応じた機能を選定しましょう。

玄関ドア交換の価格を抑える方法4.まとめ発注を検討する

玄関ドア交換を複数戸でまとめて発注すれば、材料や施工コストをまとめて交渉できるため、1戸あたりの単価を下げやすくなります。管理組合が主導して一括見積もりを取ると、スケールメリットが生まれ、最大で10〜20%のコスト削減が期待できます。

また、全戸同時施工は外観の統一感も保ちやすく、マンション全体の資産価値向上にもつながります。理事会や管理会社を通じて、他住戸と連携して進めることをおすすめします。

マンション玄関ドアの交換を依頼する業者の選び方

マンション玄関ドアの交換を依頼できるのは、主に以下の3種類の業者です。それぞれの特徴を理解して、自分の目的に合った業者を選ぶことが大切です。

業者タイプ特徴メリット注意点
サッシ専門業者建具交換のプロで施工精度が高い仕上がりがきれい、専門知識が豊富広告が少なく見つけにくい
工務店地元密着型で柔軟な対応が可能費用が比較的安い実績確認が必要
リフォーム会社見積り比較やデザイン提案が豊富窓口が一つで手間が少ない下請け発注のため中間マージンが発生することも

複数業者から提案を受け、価格・工期・保証内容の3点を基準に比較しましょう。メーカー系の工事では保証期間が長い傾向があります。

マンション玄関ドア交換や価格でよくある質問(FAQ)

マンション玄関ドアの交換を検討する際、多くの方が「個別で交換してよいのか」「費用はいくらかかるのか」「工期や補助金は?」といった疑問を抱きます。

ここでは、特に質問の多いポイントを整理し、費用面・手続き面・施工後の管理など、実際に工事を進めるうえで知っておきたい注意点をわかりやすく解説します。交換をスムーズに行うための参考にしてください。

Q1. 自分の部屋だけ玄関ドアを交換してもいいですか?

マンションの玄関ドアは外側が共用部分にあたるため、個人の判断では交換できません。管理組合の承認を経て、共用部分のデザインを統一する必要があります。

Q2. 工事の期間はどのくらいかかりますか?

工法によりますが、1戸あたりの作業時間はおよそ半日〜1日です。全戸交換でも1〜2週間で完了するケースが多く、騒音や立ち入り時間をあらかじめ調整しておくと安心です。

Q3. 工事後のメンテナンスは必要ですか?

通常は10年〜15年ほどで再塗装や部品交換を行うと長持ちします。特に外廊下型マンションでは、風雨や紫外線による劣化が早いため、定期点検をおすすめします。

Q4. 補助金はどのような場合に使えますか?

断熱性能の高いドアを採用する場合、省エネ改修や住宅省エネキャンペーンの補助金対象になることがあります。工事を依頼する前に、施工業者か自治体のサイトで最新情報を確認しましょう。

Q5. 鍵の引き渡しや再発行のトラブルはありますか?

工事中に鍵を業者に預ける場合、受け渡し記録を残すことが大切です。交換後は必ず動作確認を行い、スペアキーも含めて全数を受領しましょう。

マンション玄関ドアの交換価格について|まとめ

マンション玄関ドアの交換価格は30〜50万円前後が相場であり、ドア本体・工法・機能によって変動します。カバー工法・持ち出し工法・扉交換工法のどれを選ぶかで工期やコストが異なり、管理組合との調整も不可欠です。

この記事のポイントを以下にまとめました。

  • 相場は30〜50万円前後が目安
  • 工法で費用・工期が変わる(カバー工法が主流)
  • 共用部分扱いのため個人判断で交換不可
  • 管理組合・理事会の承認が必要
  • 断熱・防火・スマートキーなど機能で価格変動

マンション玄関ドアの交換は、建物の印象や資産価値を高める有効なリフォームです。費用や工法を正しく理解し、信頼できる業者と計画的に進めることで、安心・快適な住環境を実現できます。

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