【個人オーナー様】東京都品川区ビル　外壁塗装+防水工事　費用公開

2025/08/30

工事の全体像とポイント

東京都品川区にあるビルにて、約2か月間にわたり外壁塗装および防水工事を実施しました。本工事では、外観の美観を取り戻すだけでなく、建物全体の耐久性と防水性を強化することを目的とし、下地補修から仕上げ塗装、防水工事に至るまで総合的な施工を行いました。

まず安全確保と効率的な施工のため、外周に仮設足場を設置。その後、タイル貼替えや浮き補修、目地補修といった下地補修工事を徹底的に行い、劣化部位を確実に改修しました。下地補修は、外壁塗装や防水工事の耐久性を左右する重要工程であり、仕上がりの品質を長期にわたり維持するために欠かせません。

洗浄工事では、タイル面に対して薬品を用いた処理は行わず、高圧洗浄と中性洗剤を用いた洗い出しで汚れや埃を除去しました。これにより環境負荷を抑えながらも、塗料やシーリング材の密着性を高める効果を確保しています。

シーリング工事では、部位ごとに最適な材料を選定。石目地には変成シリコン、その他タイル面には高耐久性を誇るシリル化アクリレートを使用し、既存塗装面にはウレタンノンブリードを充填しました。これにより、シーリング特有のブリード現象（汚染や変色）のリスクを回避しつつ、高い止水性能を発揮します。

塗装工事では、外壁タイル面に艶有りのクリア塗料を塗布し、美観と防汚性を両立。モルタル面にはシリコン樹脂の砂骨仕上げを採用し、厚膜による防水性と高級感のある仕上がりを実現しました。さらに天井モルタル面には通気型塗料を使用し、内部の湿気を逃がしつつ塗膜剥離を防止。スパンドレルや雨樋、鉄管、鉄扉といった付帯部にはシリコン塗料を施し、統一感と耐久性を確保しました。

防水工事は斜壁のタイル面を対象に実施。剥離剤による旧塗膜除去、ケレン作業による素地調整、カチオン系材料による下地調整を経て、ウレタン塗膜防水の密着メッシュ工法を施工しました。メッシュ補強を併用することで、防水層の強度を高め、下地の動きにも柔軟に追従できる防水性能を確立しています。

今回の工事では、劣化部位の補修から仕上げ、防水まで一連の施工を一体的に行うことで、建物の資産価値を守りながら長期的な安心と美観を両立しました。外壁塗装や防水工事は、見た目の美しさを保つだけでなく、構造体を水や風から守る極めて重要なメンテナンスです。

外壁斜壁タイル面におけるウレタン塗膜防水の密着メッシュ工法の有効性と注意点

■ 密着メッシュ工法とは
密着メッシュ工法とは、ウレタン塗膜防水の密着工法に**ガラスメッシュシート（補強布）**を組み合わせて施工する方法です。下地にプライマーを塗布し、その上にウレタン塗膜とメッシュを一体化させることで、防水層の強度や耐久性を飛躍的に高めます。特に、下地のひび割れや動きが想定される箇所で効果を発揮します。

■ 外壁斜壁タイル面での有効性
外壁の斜壁は、屋上やバルコニー床のように人や物の荷重はかかりませんが、形状的に雨水が集中して流れる部位です。タイル面は目地や浮きから水が浸入するリスクがあるため、従来のクリア塗装やシーリングのみでは十分な防水性能を確保できない場合があります。そこで密着メッシュ工法を採用することで、タイル下地の細かなクラックも補強でき、防水層にひび割れが伝わりにくくなります。また、斜壁全体をシームレスに覆うため、雨水に対して高い耐久性を確保でき、仕上がりもフラットで美観的に優れています。

■ 注意点・専門的な観点
ただし、外壁タイル面にウレタン塗膜防水の密着工法を適用する場合は、いくつかの前提条件を満たす必要があります。まず、下地処理の徹底が不可欠です。タイルの浮き補修、剥離部の除去、ケレン、カチオン系モルタルによる下地調整といった工程を怠ると、防水層の密着不良や剥離につながります。また、密着工法は通気性がないため、含水率の高い下地では膨れのリスクがある点にも注意が必要です。さらに、斜面であるがゆえに塗布時に流れ垂れや膜厚不足が発生しやすく、高い施工管理技術が求められます。

■ まとめ
外壁斜壁タイル面におけるウレタン塗膜防水の密着メッシュ工法は、雨掛かりが強く既存仕上げでは防水性が不足する場合に有効な工法です。適切な下地処理と施工管理を行うことで、雨水侵入を防ぎ、建物の耐久性を長期的に確保することができます。ただし、水平部や屋上に比べて適用範囲は限定的であり、施工条件を十分に精査した上で採用すべき専門的な工法といえます。