4 min

ウレタン塗料とは?外壁塗装の費用相場やメリット・デメリットを解説

外壁塗装に使われる塗料にもいろいろな種類があります。

そのなかでウレタン塗装は、一定の条件下で使われるようになりました。

一般住宅でも利用されていますが、以前と比べかなり衰退しています。

シリコン塗料にとってかわられたとはいえ、ウレタン塗料にもさまざまなメリットがあり、あえて利用するケースもあるのです。

ウレタン塗装にすることで得られるメリットとはなにか、特別な存在として使われる理由も含め見ていきましょう。

ウレタン塗料とは?

ウレタン塗料とは、ウレタン樹脂を使った塗料のことです。

低価格で耐久性が高い塗料として知られています。

以前は外壁の塗装でも需要がありましたが、コストパフォーマンスのいいシリコン塗料の登場により外壁塗装に使われることは少なくなりました

ウレタン塗料の特徴

ウレタン塗料には、さまざまな特徴がありますので見ていきましょう。

特徴①油性と水性

塗料を使うには溶剤が必要です。

ウレタン塗料の溶剤には油性と水性があります。

油性のウレタン塗料水性のウレタン塗料
溶剤シンナー
臭い強い少ない
乾き方すぐ乾くやや遅い

油性のウレタン塗料は溶剤でシンナーを使い、水性は水を使います。

一般的な外壁材は周辺への影響や施工性を考え、水性のウレタン塗料が使われるようになりました。

しかし、梅雨や寒い時期は油性のウレタン塗料が選ばれます。

揮発性が高いため、水性のウレタン塗料よりも早く乾燥するからです。

このように、環境に合わせて種類を選べるのがウレタン塗料の特徴になっています。

特徴②1液型と2液型

ウレタン塗料には1液型と2液型の2種類があります。

1液型2液型
特徴すべて混ざっている主材と硬化剤に分かれている
価格リーズナブルやや高い
メリット・扱いやすい・耐久性を高めやすい・保存しやすい
デメリット・扱いにくい

1液型は缶のふたを開けたらすぐ使用できますが、2液型は硬化剤を添加して混合が必要です。

2液型は硬化剤をあとから添付することで、耐久性を高められます。

材料の維持としても、硬化剤が混ざっていない2液型は保存しやすい材料です。

一般的に外壁塗装工事では2液型が使われ、DIYでは1液型が主流になりました。

特徴③硬化剤の種類で機能が変わる

ウレタン塗料は、主材と硬化剤による化学反応によって硬化を促進させ、さまざまな性能を発揮させる塗料です。

ポリオールという樹脂とイソシアネートなどの硬化剤を組み合わせ化学反応を起こします。

これがポリウレタン樹脂塗料です。

もうひとつのアクリルウレタンは、アクリルポリオールを主材料で硬化剤にポリイソシアネートを使用しているところが違います。

例えば、

ポリウレタン樹脂塗料=ポリオール(主材)+イソシアネート(硬化剤)

上塗り用の塗料として、耐候性を求められる条件で使われます。

アクリルウレタン=アクリルポリオール(主材)+ポリイソシアネート(硬化剤)

外壁塗装としては、こちらが一般的です。

ポリウレタンは紫外線などの影響で、黄色くなりやすい特徴があります。

アクリルウレタンのポリイソシアネートは、無黄変性という特色があり、仕上がりに優れている硬化剤です。

上記のように、硬化剤との組み合わせで性能が変化するのが、ウレタン塗料の特徴です。

1液湿気硬化型や低温硬化型などは、硬化剤の種類の違いによって生まれた材料があります。

アクリルウレタンはウレタン塗料の一種

アクリルウレタンはアクリルの名前がついていますが、ウレタン塗料の一種です。

現在使われているウレタン塗料の大半はアクリルウレタン塗料で、適度な柔軟性を持ち耐候性にも優れているため、多くの工事現場で使われています。

ウレタン塗料のメリット

ウレタン塗料だからこそのメリットを見ていきましょう。

メリット①低コスト

ウレタン塗料のメリットのひとつは、コストがかからない点です。

アクリル塗料ほどではありませんが、かなり安価な塗料で低コストで使えます。

そのため、メンテナンスで使用されることが多い塗料です。

アクリル塗料と比べると耐久性が高いため、ライフサイクルで見るとさらにコスト削減できます。

メリット②弾力性に優れているためひび割れに強い

ウレタン塗料は弾力性があるため下地に密着します。

密着性が高いと水が侵入しにくく、耐久性が持続するのが特徴です。

ウレタン塗料は弾力性があり収縮力もあるので、ひび割れが起こりにくいため水の侵入を防ぎます。

近年では弾性に優れたウレタン塗料が販売されており、ひび割れの可能性が高い外壁などに使われるようになりました。

メリット③種類が豊富

外壁塗装を行う利用者のニーズに答えるために、様々な種類のウレタン塗料が生み出されてきました。

種類が豊富というのは、硬化剤の配合比率や種類を変えることでも生まれます。

作業性を重視したものも作れますし、密着性をさらに高めた製品も作れるのです。

万能な性能を持つことは、施工で見ても無駄が少ない塗料になります。

ウレタン塗料のデメリット

ウレタン塗料にもデメリットはあります。

このデメリットに問題がない場所であれば、使い勝手に優れた塗料です。

デメリット①耐久性が低い

ウレタン塗料にもいえますが、現在主流のシリコン塗料に比べると耐久性が低いのがデメリットです。

外壁塗装にも大きな影響を与える部分で、耐久性が低いと工事回数が増えて余計な経費がかかります。

塗料自体が格安でも、シリコン塗料に劣る耐久性の低さは、ウレタン塗料のデメリットになるでしょう。

あまり長く住まない、または建て替えも考えている場合はデメリットにはなりません。

デメリット②汚れに弱い

ウレタン塗料の表面には、実は細かなひびが入ります。

弾力性が裏目に出る部分です。

ひびといっても構造的なものではなく、表面的なもので見えません。

しかし、平滑面ではなくなり、汚れがたまりやすくなります。

特につや消しにすると、この汚れがはっきりわかります。

デメリット③色褪せ・ツヤの引きが早い

アクリル塗料よりは強いですが、ウレタン塗料はシリコン塗料より色褪せが早い塗料です。

ツヤの引きも早く、劣化している状態が一目でわかります。

ウレタン塗料と他の比較|費用相場・耐用年数

ウレタン塗料もほかの塗料と比較してみると、費用や耐用年数の特徴が見えてきます。

塗料費用相場耐用年数
ウレタン塗料1,700~2,500/㎡
70~110万円
8~10年
アクリル塗料1,400~1,800円/㎡
50~80万円
3~5年
シリコン塗料2,300~3,500/㎡
80~125万円
10~15年
フッ素塗料3,500~4,800円/㎡
110~165万円
15~20年

費用予測は30坪程度の一軒家を想定

ここからもわかるように、アクリルよりは費用相場が高く、シリコン塗料やフッ素塗料より耐用年数が劣ります。

コストパフォーマンスとしてみるならシリコン塗料が優れているため、一般的な外壁塗装でとってかわられるようになりました。

ウレタン塗料を使う外壁塗装はどんな人におすすめ?

ウレタン塗料を外壁塗装に使うなら、10年以内に建て替えを考えている人に向いています。

ウレタン塗料はライフサイクルが短いので、長期で住むなら別の塗料の使用を検討するのがいいでしょう。

弾性塗料が必要なケースもあります。

振動の多いところに住んでいる場合、外壁材によってはウレタン塗料が向いているケースがあるからです。

部分的ですが、剥がれ防止にはウレタン塗装が使えます。

高級感を出したいというときにもウレタン塗料はおすすめです。

ウレタン塗料に関するよくある質問

ウレタン塗料は、ほかの塗料に比べて特殊な部分があります。

よくある質問にも表れていますので見ていきましょう。

Q

毒性は大丈夫?

A

ウレタン自体の毒性が高いわけではありません。

有機溶剤に使われているシンナーを含め、毒性があるのは事実です。

しかし、外壁塗装に使われるウレタン塗料は毒性が弱い水性を使っていますので、ほぼ問題ありません。

Q

シンナーは塗装に使う?

A

ウレタン塗装は、油性でなければシンナーは使いません。

通常の工事では作業の効率性、安全性を踏まえ、水性塗料が使われます。

水性塗料の溶剤は水ですので、シンナーは使用しません。

まとめ

この記事のまとめです。

  • ウレタン塗料は弾性力があり、値段も安く、今でも一部の外壁塗装に使われる。
  • 種類は多いが、シリコン塗料にとってかわられてきた。
  • 10年以内に建て替えるなど、一定の条件に沿えば今でも十分に使える。

ウレタン塗料はシリコン塗料と比較するとライフサイクルは少し短いものの、アクリル塗料より費用対効果に優れています。

この特徴を生かすためにも、経験豊富な当社にご相談ください。

関連記事
公式サイト
施工実績344件突破!WEB割キャンペーン実施中!