ウレタン塗膜防水密着工法について知りたい人
ウレタン塗膜防水の密着工法とは?
ウレタン塗膜防水の密着工法のメリット・デメリットとは?
屋上防水をウレタン塗膜防水の密着工法で施工できる?
ウレタン塗膜防水の密着工法で脱気筒は使う?脱気筒の特徴は?
屋根やベランダやバルコニーなどで行われる防水工事ですが、ウレタン防水やシート防水と行った種類があります。なかでも日本で最も主流なウレタン防水工事でも、いくつかの種類があることを知っていますか?
ウレタン防水は塗膜防水の一種ですが密着工法と通気緩衝工法と呼ばれる工法が存在し、それぞれ施工の違いなどが存在します。
今回は、ウレタン防水工事の工法のひとつである密着工法とは何かについて、特徴や施工工程、メリットとデメリットなどを徹底解説していきます。
密着工法がおすすめな施工場所や費用についても紹介しているので、ウレタン防水工事を検討している方はぜひ参考にしてみてくださいね。
目次
ウレタン防水の特徴について|樹脂を使って防水層を保護
ウレタン防水とは、液体状のウレタン樹脂を使って防水層を形成していく防水工事のことです。
塗膜防水の一種であるため、ウレタン塗膜防水と呼ばれることもあります。
かつてはベランダやバルコニーで使用されることの多かったウレタン防水ですが、ウレタン樹脂の研究が進み耐久性が高まった現在では、屋上や陸屋根にも施工されることが増えました。
ウレタン防水には目立った短所がないため、日本で最も多く施工されている人気の防水工事です。
ウレタン防水の耐用年数は10〜12年ほどですが、防水層を保護する役割のあるトップコートは5年ほどを目安に塗り替え工事を行ってメンテナンスしていくことが重要です。
ただしトップコートの材料によっては、10年ほど塗り替えを行わなくてもいい耐久性に優れたものもあります。
ウレタン防水工事のトップコート塗装の重要性
ウレタン防水工事において、トップコートは重要な役割を担っています。トップコートは防水層の最上部に塗布され、外部からの紫外線や雨風による劣化から防水層を守るための保護層として機能します。ウレタン防水自体は高い防水性を持つものの、紫外線や気候変化に弱く、定期的にトップコートを施すことで防水層の劣化を防ぎ、耐用年数を延ばすことができます。
また、トップコートには色や仕上がりの選択が可能で、見た目の美観にも影響を与えます。特に屋上やベランダなど日差しにさらされやすい場所では、トップコートの有無によって防水工事の効果が大きく異なります。定期的なトップコートの塗り替えは、ウレタン防水工事を長期的に保護し、メンテナンスコストを削減するうえでも欠かせません。
ウレタン防水の密着工法について|工法は2種類ある
ウレタン防水の工法には、大きく分けて以下の2つがあります。
- 密着工法
- 通気緩衝工法
ここではこの2種類の防水工法について掘り下げて紹介していきます。
ウレタン防水の密着工法の特徴|通気緩衝工法より費用面などコスパの良い工法
ウレタン防水の密着工法とは、下地に直接ウレタン防水材を塗り重ねる工法のことです。
ウレタン樹脂を下地に直接塗布し、下地と防水層を密着させる防水工法です。この工法は、下地がしっかりしている建物や、新築の建物でよく採用されます。
下地にプライマーを塗布した後、ウレタンを複数回重ね塗りすることで防水層を形成し、シームレスな仕上がりになります。密着工法は、複雑な形状の屋上やベランダでも施工が容易で、コストパフォーマンスも高いのが特徴です。
しっかりと下地を整えた上でウレタン防水材を塗布していくことが重要となり、ウレタン防水材は2mm以上で全体が均等な厚さになるように塗り重ねていきます。
工法に関係なくウレタン防水は紫外線に弱いため、表面にトップコートを塗布してコーティングします。
ウレタン防水の通気緩衝工法とは?密着工法と違い通気緩衝シートを敷く防水工法
ウレタン防水の通気緩衝工法とは、下地からの水蒸気や湿気が防水層を傷めないように工夫された防水施工法です。一般的に、建物の下地には湿気が含まれており、それが防水層に悪影響を与えることがあります。
通気緩衝工法では、ウレタン防水層の下に「通気緩衝シート」を敷くことで、湿気を逃がしながら防水効果を保つ仕組みを取り入れています。これにより、膨れや防水層の劣化を防ぎ、長期にわたって建物を守ることが可能です。特に、湿気の多い下地や古い建物で有効な工法です。
ウレタン防水密着工法のメリットを紹介
ウレタン防水密着工法のメリットには、以下のようなものがあります。
- 小面積で複雑な箇所の防水に適している
- 液状なので連続塗膜が形成できる
- 既存防水層の上から塗ることが可能
ウレタン防水は、液体状のウレタン樹脂を使用して防水層を形成します。
そのため、小面積や複雑な形状の箇所に対しても、継ぎ目のない防水層を形成することが可能です。
防水層の継ぎ目は、剥がれなどの劣化が起こりやすく雨漏りの直接的な原因にもなるため、継ぎ目のない防水層を形成できることはウレタン防水の大きなメリットだと言えるでしょう。
また、ウレタン防水は既存防水層の上からでも施工することができるため、リフォームの際にもよく採用される防水工事です。
ウレタン防水密着工法のデメリットとは?
ウレタン防水密着工法のデメリットには、以下のようなものがあります。
- 下地の調整が不十分な場合、防水層のひび割れや膨れが生じる
- 下地の影響を受けやすい
ウレタン防水の密着工法では下地に直接ウレタン防水材を塗っていくため、下地の影響を受けやすいです。
下地の調整が不十分だった場合、形成した防水層にはひび割れや膨れなどが生じる可能性があります。
このようなひび割れや膨れは、雨漏りや防水層の寿命を早めるなどの原因となってしまいます。
ウレタン防水の密着工法おすすめ箇所は屋上やベランダ・バルコニーなど
ウレタン防水の密着工法がおすすめな場所は、以下の通りです。
- ベランダ・バルコニー
- 屋上
ウレタン防水は面積や形状を問わずさまざまな場所に対して施工できます。
特にベランダやバルコニー、そしてマンションやビルの屋上は、ウレタン防水を密着工法で施工することの多いおすすめの場所です。
ウレタン防水は工期も一般的な戸建てで1週間程度と比較的短いため、工事の負担も少ないです。
ウレタン防水の密着工法の施工について|工程を流れで解説
ウレタン防水密着工法を検討している方は、工事がどのような手順で行われるか気になりますよね。
ウレタン防水の密着工法では、脱気筒は設置しません。
ここでは、下地調整から完了までのウレタン防水密着工法の施工工程を、それぞれ詳しく紹介します。
- STEP
下地調整
ウレタン防水の密着工法では、下地の調整がとても重要です。
下地に直接ウレタン防水材を塗っていく工法なので、下地が整っていなければひび割れや膨れなどの不具合が生じてしまいます。
ホコリやゴミなどはしっかりと除去し、モルタルなどを使用して下地調整を行います。 - STEP
プライマー(下塗り材)塗布
プライマーには、下地とウレタン防水材との密着をよくする役割があります。
プライマーをしっかり塗布していくことで、膨れや剥がれなどを予防することができます。 - STEP
ウレタン防水材の塗布
下地の準備ができたら、いよいよウレタン防水材を塗布していきます。
防水層を形成する上で1番重要な工程です。
液体状のウレタン防水材は、全体を均等に塗布していく必要があります。
防水層を形成するために十分な厚みに塗り重ねていきますが、薄すぎても厚すぎても十分な効果を発揮することができません。
適切な厚さで均等に塗布することが求められる、難しい工程です。 - STEP
トップコート塗布
ウレタン防水層は紫外線に弱いため、防水層を保護する役割のあるトップコートの塗布が欠かせません。
ウレタン防水材をしっかり乾燥させて防水層が形成できたら、トップコートを塗布してコーティングします。
トップコートは経年劣化していってしまうもので、5年ほどを目安とした塗り替え工事などのメンテナンスが必要です。
トップコートのメンテナンスを定期的に行えば、防水層全体の寿命を伸ばすことにもつながります。 - STEP
完了
トップコートが完全に乾燥すれば、ウレタン防水密着工法の工事は完了となります。
トップコートのメンテナンスを正しく行っていれば、ウレタン防水層の耐用年数は10〜12年ほどです。
使用環境などによって劣化症状が早くから生じてしまう場合もあるため、普段からトップコートや防水層の状態をチェックする習慣をつけておくといいでしょう。
ウレタン防水密着工法の費用について|施工面積などで相場は変化
ウレタン防水工事を検討している方にとって、どのくらいの費用がかかるのかが気になるポイントですよね。
ウレタン防水の密着工法では、1㎡あたり3,000円〜が費用の目安となります。
ウレタン防水の通気緩衝工法は1㎡あたり5,400円〜が費用の目安となるため、費用を抑えたい方にとってもおすすめの工法です。
ウレタン防水の施工費用は、使用する塗料や施工面積などによって大きく変わります。
既存防水層に劣化が見られる場合は、補修や撤去などに別途費用が必要となるでしょう。
それぞれの施工場所によって価格は変わってきますので、専門業者から見積もりを取ることがおすすめです。
この際、相見積もりを取ると費用相場がわかりやすく、依頼する業者を選ぶ決め手にもなります。
ただし費用だけで業者を決めるのではなく、防水工事を専門としているかどうか、希望する工事と同様の施工実績があるかどうかなどをよく確認してから決めるようにしてくださいね。
防水工事でよくある質問
Q
防水工事の種類にはどんなものがありますか?
A
主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。
Q
防水工事の費用はどのくらいかかりますか?
A
工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。
Q
工事の期間はどのくらいかかりますか?
A
工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。
Q
工事中の生活にどんな影響がありますか?
A
騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。
Q
防水工事のタイミングはいつが良いですか?
A
一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。
ウレタン防水の密着工法についてのまとめ
今回は、日本で最も多く施工されている防水工事であるウレタン防水の密着工法について、詳しく紹介しました。
ウレタン防水は、ベランダやバルコニー、屋上などのさまざまな場所に施工できます。
面積や形状を選ばず施工できるほか、目立った短所がない扱いやすい工事であることがメリットです。
紫外線に弱い点には注意し、しっかりとトップコートのメンテナンスを行いながら防水層を保護していきましょう。
今回の記事が、ウレタン防水工事を検討している方や密着工法について知りたい方の参考となれば幸いです。
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