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ビルの外壁防水工事の種類・費用は?マンションで屋上防水と同時がオススメ

ビルの外壁防水工事を知りたい人

ビルの外壁防水工事を知りたい人

ビルの外壁防水工事は?
ビルの外壁塗装工事と外壁防水工事の違いは?
外壁防水工事は建物の資産価値向上につながる?
ビルの屋上防水と外壁の防水工事は同時に行うのがお得?

ビルやマンションの屋根や外壁は、時間とともに劣化し、ひび割れや雨漏りのリスクが高まります。そのため、適切なタイミングでの屋上防水工事や外壁塗装は建物の維持に不可欠です。しかし、「いつ修繕すべきか」「どの防水工法を選ぶべきか」と悩む方も多いでしょう。

本記事では、ビルの防水工事をすべき理由や外壁塗装工事との違い、施工タイミングや劣化症状について詳しく解説します。またアスファルト防水をはじめとする様々な工法から、外壁防水工事に最適な種類と特徴、さらには費用相場と工事の流れまでカバー。

建物の資産価値を高め、長寿命化を図るための重要な情報が満載です。ビル管理の成功の鍵がここにあります。

目次

ビルに外壁防水工事をすべき理由

ビルの外壁塗装や防水工事をすると、見た目がよくなるほか、建物自体の耐久性を保つことにもつながります。

ビルの外壁塗装、防水工事の目的、メリットは以下のことが挙げられます。

  • ビルの耐久性を保つ
  • ビルの美観を保つ
  • 資産価値の向上

以下で、詳しく解説していきます。

ビルに外壁防水工事をすべき理由1.耐久性を保つ

ビルが古くなると、耐久性や防水性が低下します。

耐久性が保てなくなると、雨漏りや建物の構造部分の腐食が進み、建物自体の寿命が短くなる危険性が高いです。

ビルの外壁を補修することで、劣化した塗装面を竣工時と同じ状態に戻し、劣化による建物の損傷を防ぐことができます。

定期的なメンテナンス工事でビルの耐久性を保つことができれば、長い目で見て修繕費用を抑えられる点がメリットです。

ビルに外壁防水工事をすべき理由2.美観を保つ

ビルの外壁は、年月とともに剥がれや色あせ、汚れ、カビなどが目立ち始めます。

ビルの外観の劣化は入居者数にも大きく影響するため、建物の美観を維持しなければなりません。

また、ビルの外観には流行り廃りがあります。

竣工当時は最新のデザインであっても、年月が経つと古臭く感じることもあるため、外壁のリニューアルも含めて防水工事やメンテナンスをするのがおすすめです。

ビルに外壁防水工事をすべき理由3.資産価値の向上

外壁塗装が必要な理由のひとつは、ビルの資産価値を向上させるためです。

一般的に、ビルは老朽化すると資産価値が低下します。

資産価値の下落を遅らせるためには、定期的なメンテナンスが必要であり、ビルの手入れ方法のひとつとして外壁塗装があります。

基本的に、古いビルの価値が新しいビルの価値を上回ることはありません。

しかし、古いビルであっても、ビルの性能を向上させるための改修を行うことで、資産価値が部分的に向上するケースもあります。

外壁塗装であれば、より高性能な塗料を使用したり、劣化している部分を改善したりすることで、資産価値を高めることが可能です。

ビルの外壁防水工事と外壁塗装の違い

一般的な外壁塗装と外壁防水工事の違いは、目的が異なる点です。

外壁塗装の目的

  • 建物の美観を向上させる
  • 外壁を外的要因から守る

外壁防水工事の目的

  • 外壁を水から守る

外壁塗装、外壁防水工事、それぞれの最大の目的は異なります。

外壁の寿命を長く保つためには、10年周期程度で定期的に外壁を塗り替えすることで十分ですが、築年数が古く、躯体の劣化が著しい建物や、さまざまな理由から外壁のメンテナンスを行ってこなかった建物には、外壁防水工事が必要です。

なぜなら、これらの建物は、外壁の劣化症状であるひび割れが多く発生しているとみられ、雨水が建物内部に浸透している可能性が高いと考えられるからです。

下記の表にそれぞれの工事方法をまとめました。

外壁塗装工事外壁防水工事
工事の種類・ローラー塗装
・吹付け塗装
・刷毛塗装
・目地防水
・塗膜防水
・シート防水
・複合防水
工程上塗り中塗り下塗り下地処理:目地、ひび割れ、欠損補修
塗装:防水材塗布(下塗り中塗り上塗り)

外壁塗装工事と外壁防水工事の違いは、目的が異なる点だけではなく、施工方法、使用材料も異なります。

対象の建物の外壁に、塗装工事か防水工事か、必要な工事を施すことは非常に重要です。

ビルの外壁防水工事を行うタイミング

外壁に防水工事を行うタイミングに悩む方も多いでしょう。そんな方は、下記の2つのポイントを参考にしてください。

所有される建物の立地環境・劣化状況とあわせて最適な防水工事のタイミングを図りましょう。

ビルの外壁防水工事のタイミング|一般的な工事周期

ビルの外壁に防水工事を行うタイミングの一つとして、劣化が著しく目立つようになる時が挙げられます。

外壁の劣化が酷くなるタイミングは、新築では10年〜15年、新築以外では前回のメンテナンスから10年〜12年程度です。

外壁の劣化症状が目立つようになる時が、外壁に防水工事を考えるタイミングだといえます。下記の外壁の劣化症状を参考にしてください。

外壁の劣化症状

  • 色あせ
  • 剥がれ
  • チョーキング
  • ひび割れ

外壁の劣化症状は、南面など、紫外線を浴びやすい面は早期に劣化が進みやすく、各面のタイミングを考えるバランスも難しい判断です。

ビルの外壁防水工事のタイミング|防水塗料の耐用年数

建物に使われている材料、それぞれには耐用年数があります。外壁に塗られている塗料にも耐用年数があり、約10年から20年に設定されていることが多いです。

外壁防水に使われる種類は主に4種類です。それぞれの耐用年数と特徴を表にまとめました。

防水塗装耐用年数特徴
アクリル塗料約3~5年工事が比較的安く済む
つやと発色性がある
ウレタン塗料約6~8年工事が比較的安く済む
密着性と防水性に優れている
シリコン系塗料約11~13年値段と効果のバランスが良い
住宅などによく使われている
ウレタン塗料と大差ない値段
密着性・伸縮性に弱い
フッ素系塗料約11~15年最高品質の塗料
塗膜の寿命が長い
塗膜が硬い分、ひび割れしやすい
耐水性・耐熱性・防水性・防カビ性に優れている

外壁に使用されている塗料はどのタイプの塗料なのか、また、その耐用年数を知っておくと防水工事のスケジュールが組みやすいですね。

防水工事が必要な状態とは?ビルの外壁に現れる劣化症状

ビルの外壁に現れる劣化症状は、防水工事を考えるうえで大きな参考になります。

外壁の劣化症状を一つずつ解説します。

チョーキング現象

外壁を素手で触ったとき、白い粉が付着する現象をチョーキングと呼びます。

原因は、外壁塗装が日光や雨風にさらされ、塗膜が劣化したためです。

外壁塗装は外的環境から建物を守る重要な役割を担っていますが、塗膜の劣化により機能を果たせなくなっているため、防水工事やメンテナンスが必要です。

外壁のひび割れ

外壁のひび割れは、外壁内部への浸水の入口となり、建物の劣化を進める大きな要因です。

モルタル、コンクリート、タイル面などでみられ、放置すると雨漏りへと発展する恐れがあるため、早急な補修が必要です。

外壁にひび割れが発生する原因は以下の通りです。

  • 乾燥・湿気
  • 紫外線
  • 揺れ

建物の躯体はコンクリートと鉄筋で作られています。躯体は外壁材であるモルタルやタイルで覆われていて、内部のコンクリートが湿気や乾燥で収縮を繰り返し、表面の外壁材にひび割れを発生させます。

ひび割れは、細微なものが幅広いものに発展し、雨水の浸水リスクが大きいひとつの原因で、代表的な外壁の劣化症状です。

シーリングの縮み・割れ

シーリング材は、サイディングボードの継ぎ目に使用されるゴムに似た素材です。

ビルは常に動いているため、シーリングもビルの動きに追従します。

しかし、紫外線などによりシーリング材が劣化すると弾力性が低下し、ビルの動きに追従できなくなり、縮んだり割れたりします。

シーリング材の劣化を放置しておくと、隙間から雨水が建物内に浸入し、雨漏りを起こします。

環境によって異なりますが、シーリングは紫外線の影響により5年程度で劣化が始まることが一般的です。

劣化が始まると、徐々に「防水性」や「伸縮性」が失われ、最終的には外壁のひび割れや雨漏りにつながります。

外壁のひび割れや雨漏りは、ビル全体の劣化を早めるため注意が必要です。

塗装の膨れ・剥がれ

原因としては、経年劣化、施工不良、外壁への水の侵入、蓄熱蒸気の膨張、カビの発生、乾燥不足などが考えられます。

なかでも膨れは、塗膜が剝がれる原因のひとつです。

膨れが発生すると剥がれやすくなり、外壁塗装の効果がなくなってしまうでしょう。

柱や屋根などの主要構造部が腐食し、耐久性や耐震性の低い建物になります。

放っておくと雨水がしみ込んで雨漏りの原因になることもあるため、早急な補修が必要です。

外壁の汚れ

外壁の汚れが目立つと、建物の美観が失われるだけではなく、劣化を早めてしまいます。

所有される建物の汚れの原因を知って対策を考えましょう。

外壁の汚れの原因

  • 排気ガス
  • 雨だれ
  • 錆び

建物の立地条件や、外壁の色によって汚れ方が異なります。交通量の多い道路に面して建っているビルは排ガスによる汚れが多く、

外壁の色が白っぽかったり、黒っぽかったりすると、汚れが目立ちやすいなど、条件によって汚れ方、汚れの種類が異なります。

また、外壁についた汚れが雨によって流され、跡として残ることを雨だれといい、新築の時には塗膜に撥水効果があるため雨だれは残りにくいのですが、経年により撥水性が低下してしまうと目立ちやすくなります。

外壁の汚れを放置すると、見た目が悪くなるだけではなく、塗膜の防水効果を失わせ、外壁内部への浸水を促進させてしまいます。

定期的に洗浄し、外壁をきれいに保ちましょう。

色褪せ

外壁の色褪せは、前述のチョーキング現象の前触れと言われる現象です。チョーキングは塗膜が紫外線や雨風にさらされることによって起こる現象で、色褪せも同様の原因で発生します。

そのため、日当たりの良い場所に色褪せが目立つことが多く、色褪せが目立ってきたタイミングで、外壁のメンテナンスを考えてもいいでしょう。

カビ・藻・コケの発生

外壁の日に当たらない北側など、風通しの悪い場所には湿気が多く、カビ・藻・コケが生えやすいです。また、経年によってひび割れが発生している外壁は、雨水が浸透している可能性が高いこともカビなどが発生する原因になります。

カビ・藻・コケが外壁に発生したまま放置していると、外壁の劣化の速度を早めてしまいかねません。

カビの胞子が空気中浮遊すると人体への影響も否めないため、早期の対策が必要です。

雨漏り

ビルの外壁を保護する塗膜が劣化し、ひび割れや剥がれが生じると隙間から雨水が浸入し、雨漏りの原因となります。

さらに、内部に水が浸入すると、柱にサビが発生して腐食し、ビル全体の耐震性が低下します。

内部工事を行う場合は費用がかさむため、メンテナンス費用を抑えるためにも早めの対策が重要です。

雨漏りは防水だけでなく、躯体や内装も大きく損傷します。

そのため、雨漏りを見つけたらすぐに専門家に相談しましょう。

ビルの外壁防水工事の種類

ビルの外壁防水工事の方法は、主に5種類が挙げられます。

  • 防水塗装工事
  • 張り替え工事
  • 重ね貼り工事
  • 外壁タイル工事
  • コーキング打ち替え工事

それぞれの防水工事の特徴、メリットを紹介します。

ビルの外壁防水工事の種類|防水塗装工事

ひび割れには弾性塗料、塗膜の劣化を防ぐためには低汚染塗料などを選択して防水塗装を行います。

弾性塗料とは、力を加えると動き、力を除くと元に戻る性質のことです。

弾性塗料は、外壁が動いても塗膜自体が伸縮するため、ひび割れしにくいことが特徴です。

さらに、非常に作業性が良く、外壁に密着する性質があるため、カバー力で建物の防水機能を高めることができます。

また、施工時に弾性塗料を厚く塗るため、完成した塗膜は厚い防水層となり、外壁に雨水が当たるのを防ぐことも可能です。

外壁用低汚染塗料は、セルフクリーニング機能により外壁に付着した汚れの除去が期待できる親水性の高い塗料です。

汚れに強いため塗膜の劣化を防げるほか、美しさを保てることもメリットだといえるでしょう。

ビルの外壁防水工事の種類|張り替え工事

張り替え工事とは、元の外壁材をすべて撤去し、新しい外壁材に張り替える工事のことです。

既存の外壁材を解体・撤去し、新しい外壁材を施工する工程があるため、単純な塗装工事よりは高額になります。

しかし、塗装工事だけでは家を守ることが難しい場合があり、築30年以上のビルであれば張り替え工事の方が良いケースも多いです。

また、建物の外観を変えたい場合に、張り替え工事を行うケースもあります。

ビルの外壁防水工事の種類|重ね貼り工事

重ね張り工事とは、既存の外壁を残したまま、上に新しい外壁を貼り付ける工事のことです。

既存の外壁を撤去する必要がないため、壁を張り替えるよりもコストを抑えられます。

外壁の重量は増えますが、断熱性や遮音性が向上するのが大きなメリットです。

ビルの外壁防水工事の種類|外壁タイル工事

タイルと外壁下地との間に隙間が生じる「浮き」やひび割れ、欠損などの劣化を放置すると、タイルが剥がれて落下する恐れがあります。

タイルにひび割れや欠損がある場合は、早めに交換しましょう。

また、タイルの表面に現れる白い汚れはエフロレッセンスと呼ばれるものです。

エフロレッセンスは、タイルの接着面の隙間から雨水が入り込み、タイルの裏面に塗られたモルタルに含まれる水酸化カルシウムが溶けたものです。

健康を害することはないといわれていますが、ビル内部の強度が低下する可能性があるため、洗浄剤による高圧洗浄での対処がおすすめです。

ただ、高圧洗浄の力加減を間違えるとタイルが破損することがあるので、タイルの洗浄は業者に任せるのが安心です。

ビルの外壁防水工事の種類|シーリング打ち替え工事

シーリングとは、建物と外壁ボードのつなぎ目や、外壁とサッシの隙間などに充填し、気密性や防水性を高めることです。

シーリングが紫外線により劣化すると、ひび割れや亀裂、ズレなどが生じ、雨漏りにつながります。

シーリングの補修は、既存のシーリングを完全に撤去して打ち替える「打ち替え」と、傷んだ部分のみを打ち替える「増し打ち」から適した方法を選択しましょう。

ビルの外壁防水工事の費用相場

ビルの外壁防水工事を予算内で行うためには、工事ごとにかかる費用も確認しておくことが大切です。

そこで、工事別の費用相場を紹介します。

工事内容費用相場
防水塗装(単層弾性仕上げ)2,600~4,000円/㎡
防水塗装(多層弾性仕上げ)5,000~6,800円/㎡
ひび割れのコーキング2,500円/m
サイディングの張り替え14,000~円/㎡
外壁塗装3,500~円/㎡
コーキングの打ち替え950~1,200円/m

予算に余裕がある場合は、防水塗装工事で耐久性の高いトップコートを使う方法も有効です。

また、サイディングの張り替えは費用がかかりますが、サイディングが新しくなり、仕上がりも美しくなります。

ビルの外壁防水工事の流れ

ビルの外壁防水工事の流れを解説します。

それぞれの工程の内容注意点を把握し、スムーズに防水工事に取り組みましょう。

ビルの外壁防水工事の流れ1.仮設足場設置

ビルの外壁防水工事には、仮設足場を設置する必要があります。

仮設足場は、2m以上の高所での作業で必要で、作業の安全性、施工品質を維持するために設置します。

しかし、建物が密集している場所ではそもそも仮設足場の設置が可能なのか、と心配されている方もいらっしゃるでしょう。

そんな方に、仮設足場の設置ができない場所には「無足場付き」工法が取られ、ビルの周りが狭い場所でも、安心して防水工事に取り掛かることが可能です。

仮設足場工事の足場付き工法と無足場付き工法は、それぞれビルの形状や立地条件で決める必要がありますが、足場付き工法が可能な場所ではできる限り、仮設足場を設置するのがよいでしょう。

しかし、設置できない場合でも、無足場付き工法で外壁防水工事の施工が可能な点は押さえておきましょう。

足場付きとは

足場付き工法とは、ビルの周りに仮設足場を組む、一般的な方法です。

メリットとしていえることは、足場がしっかりと安定するので、作業員が安心して工事に集中できることです。作業員の安心感は、丁寧な作業につながり、工事の効果も満足なものになるでしょう。

また、足場を細かな目のネットで囲うことで、塗料やほこりの飛散が近隣への被害に繋がる事を防ぎます。

工事中に、近隣に迷惑が掛からないような配慮は大切です。

万が一、近隣の洗濯物や車に塗料が飛散すると、今後の信用問題にも影響し、ビルの所有者や施工業者にとっては大きな問題です。

できる限り仮設足場を設置し、安心安全に外壁防水工事を進めましょう。

また、「足場付き」工法にもデメリットがあります。それは、工事中のビルの景観が悪くなることです。

テナントが入居しているビルはお店の看板が隠れてしまうため、客足が遠のいてしまうかもしれないという心配もあるでしょう。

仮設足場の外側に看板を設置するなど、対策が必要です。

また、仮設足場の設置費用は、工事全体の30%かかるといわれるほど高額な工事です。

これまでの仮設足場の設置における「足場付き」工法のメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリットデメリット
安定した足場があることで安心・丁寧な作業ができる
近隣への塗膜・ほこりの飛散を防げる
看板などが隠れる
費用が高い

無足場付きとは

無足場付き工法は、近隣との距離が近すぎて仮設足場の設置ができない場合に行う工法です。

高層ビルや、部分塗装の場合に使われる工法で、メリットは、仮設足場の設置をするよりも費用が抑えられる点です。

なぜなら、「無足場付き」工法の場合、仮設足場を設置する人件費と工期が必要ないためです。

また、仮設足場を組むスペースがない場合でも、高層での作業が可能な点もメリットだといえるでしょう。

そして、マンションなどで足場を組んでいる期間に足場を利用して不審者が侵入する可能性はゼロではないため、防犯面でも「無足場付き」工法は安心ですね。

「無足場付き」工法のデメリットとしてあげられることは、三角屋根にはロープやゴンドラを吊るすことができないため、採用することができない、また施工箇所の確認は施工した作業員しか確認することができない点です。

「無足場付き」工法のメリット・デメリットを以下にまとめました。

メリットデメリット
工期・費用を抑えることができる
スペースがなくても作業が可能
防犯面でも安心
ビルの形状によっては採用できない
施工後の確認は作業員しかできない

ビルの外壁防水工事の流れ2.高圧洗浄

次に、塗装を行う前に、高圧洗浄で外壁の汚れを落とします。

汚れが付いたままでは塗料が付着しにくいためです。

高圧洗浄後は24時間の乾燥時間が必要です。

ビルの外壁の面積応じた水道代が掛かることも頭に入れておきましょう。

ビルの外壁防水工事の流れ3.養生

次に、塗装をしない箇所にブルーシートなどで養生を施します。

塗料の飛散で汚れが付かないために行います。

ビルの場合、養生する場所は窓が開けられない、洗濯物が干せないなど、制限があることを入居者に伝える必要があります。

気持ちよく工事を進めるために、事前に告知しておきましょう。

ビルの外壁防水工事の流れ4.下地処理

塗料を塗る前に、外壁への下地処理が必要です。

下地処理とは、外壁に発生したひび割れ、欠損などを補修する作業を指します。

下地処理を行わないまま、塗料を塗ると、塗膜のひび割れや剥がれにつながります。

塗膜に耐久性を持たせるためにも、丁寧な下地処理は大切です。

ビルの外壁防水工事の流れ5.下塗り

下地処理を施した外壁に塗料を塗る前に、防水効果を最大限に引き出すためにも下塗りは必要です。

下塗りをする理由は3つあります。

  • 外壁と塗料の密着性を高める
  • 外壁への塗料の染み込みを防ぐ
  • 塗膜の耐久性を高める

下塗りをせずに塗装をすると、外壁と塗料のなじみが悪く、すぐに塗膜の浮きやはがれなど、施工不良を起こしかねない事態に陥ります。

塗料を塗る前には、丁寧な下塗りが大切です。

また、塗料との相性も見極める必要があり、専門的な知識が必要です。

ビルの外壁防水工事の流れ6.中塗り

下塗り材が乾燥したら、中塗りを始めます。中塗りには、塗膜を平滑に仕上げる効果が得られます。

下塗り材と上塗り材の密着性を高めるためにも、中塗りは必要な工程です。

ビルの外壁防水工事の流れ7.上塗り

中塗りが乾燥すると、上塗りを行います。上塗りは、塗装の仕上げ作業となり、中塗りで起きた色ムラをなくしていきます。

中塗り材と上塗り材は同じ塗料を使用し、さらに防水効果を高めます。

下塗り、中塗り、上塗りをそれぞれ丁寧に行うことで、耐久性のある塗膜を作り、外壁に防水効果をもたらします。

ビルの外壁防水工事の流れ8.完了

塗料が乾燥したら外壁の塗装工事は完了です。

画像引用:【企業様】東京都墨田区 自社ビル外壁修繕工事

ビルの外壁防水工事の注意点

ビルの外壁防水工事を行う際の注意点を何点か紹介します。

工事の内容以外にも、気を配るべき点があり、工事が無事に終わるように事前に確認しておきましょう。

できる限りの準備をしておくと、工事期間中のトラブルにも余裕がある対応ができるでしょう。

ビルの入居者・近隣住民に告知を行う

ビルの入居者・近隣住民には外壁防水工事を行うことや、不便が生じる旨を早めに告知しておきましょう。

例えば、洗濯物が干せない期間を提示するなど、丁寧な告知があると入居者も安心して対応ができます。

飲食店など、看板が見えなくなるなど、集客にも影響する場合も、簡易の看板が設置できる場所を確保するなど、積極的に協力姿勢を示しましょう。

臭い対策の周知

ビルの外壁防水工事を行う際には、塗料のにおいが気になる方もいらっしゃるでしょう。事前に施工業者へにおいの程度、発生する期間を確認しておきましょう。

何より、入居者の健康を害することのないよう、マスクや換気扇などでできる限りの対策を提案しましょう。

防犯対策をする

外壁防水工事を行う際の仮設足場の設置期間中は、足場から不審者の侵入が心配されます。

特に高層階では、普段窓の施錠をしないなど、防犯において意識が薄いことが考えられます。

防犯カメラの設置、窓の施錠やカーテンを閉めるなど、入居者に防犯対策を促しましょう。

万一、空き巣などの被害にあった場合は、家主に責任が問われることも考えられます。

入居者とビルのオーナーのお互いが今後気持ちよく関係を維持するためにも、防犯にも気を配ることは大切です。

防水工事でよくある質問

Q

防水工事の種類にはどんなものがありますか?

A

主な防水工事の種類には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれの工法にはメリットとデメリットがあり、適した場所や耐用年数も異なります。

Q

防水工事の費用はどのくらいかかりますか?

A

工法や使用する材料、建物の状態によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000円〜7,000円程度が相場です。

Q

工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

工法や天候、建物の規模によりますが、通常は数日〜1週間程度で完了することが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

騒音や臭気が発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。また、バルコニーや屋上の使用が一時的に制限されることがあります。

Q

防水工事のタイミングはいつが良いですか?

A

一般的には10年〜15年ごとに定期的なメンテナンスが推奨されています。また、ひび割れや雨漏りが発生した場合は早急に工事を行うことが重要です。

ビルの外壁防水工事のまとめ

これまで、ビルの外壁防水工事について、そのメリット、施工を考えるタイミング、また塗装工事との違いなどを解説してきました。

また、工程や、それぞれの作業がもたらす効果など、事前に知っておくと、工事中も施工業者とのやり取りがスムーズに行えるよう、情報をお伝えしてきました。

特に押さえておくべきポイントをおさらいしましょう。

  • 外壁防水工事を行うと、ビルの資産価値が向上する
  • ビルの外壁の劣化症状は放置すると建物内部への漏水につながる
  • 外壁材や劣化状況によって防水工事の工法は異なる
  • 仮設足場の設置ができない箇所へも防水工事は可能
  • ビルの入居者への告知は早めにする

ビルの外壁工事を行うタイミングは、外壁に劣化症状が現れ、目立つようになってからではすでに外壁の劣化が進んでいる場合も考えられます。

防水工事を先延ばしにすることでさらに外壁の劣化が進み、予定していた以上の工期、費用が掛かる場合もあります。

気になる箇所を見つけた際には、施工業者と連絡を取り、相談するなど、早期の対策を図りましょう。

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