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防水工事業者と塗装業者の違いを解説|どちらに工事を頼めばいい?

防水工事業者と外壁塗装業者の違いを知りたい人

防水工事業者と外壁塗装業者の違いを知りたい人

防水工事業者と外壁の塗装工事業者の違いは?
防水工事屋さんは外壁塗装もやるのか?
防水工事と外壁塗装は一緒に行うべき?

自宅の工事を検討していて、どの業者に依頼すればいいの?と悩んだ経験のある方は多いのではないでしょうか。

中でも迷う方が多いのが、「防水工事業者」と「塗装業者」の違いです。

今回は、防水工事業者と塗装業者のどちらに工事を依頼すべきなのか、それぞれの得意な工事を紹介しながら解説していきます。

工事の依頼先に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

防水工事業者と塗装業者の違い

防水工事業者と塗装業者は、得意とする工事が異なります。

工事を依頼する際は、専門とする業者やその工事が得意な業者にお願いしたいですよね。

防水工事業者塗装業者
防水工事
得意
塗装工事
得意
雨漏り修理
得意

上記の表からもわかるように、塗装業者は塗装を専門としているため、塗装が関わる工事が得意です。

一方で防水工事業者の専門は防水に関わる工事なので、防水工事だけではなく雨漏り修理も防水工事業者が得意とする工事です。

ここからは、さらに詳しく防水工事業者と塗装業者の違いについて解説していきます。

防水工事業者

防水工事業者は、その名の通り防水工事のスペシャリストです。

防水層を形成し建物の防水工事を行うことや、雨漏りの修理を行って建物の防水性能を上げることがとても得意です。

防水層を形成する際に液状の防水塗料を塗る作業が発生することがあるため、塗装業者と混同されやすいと言えます。

工事の目的

防水工事は、建物内に雨水が侵入しないようにするための工事のことを言います。

水回りの工事をイメージされる方が多いのですが、水回りだけではなく建物全体の工事を指します。

水の侵入は、建物を劣化させる大きなの原因のひとつです。

防水工事を行うことで建物への水の侵入を防ぎ、建物全体を守ることを目的として防水工事を行います。

建物の防水機能が低下すると、雨漏りや水漏れのほかにも柱の腐食やシロアリ・カビなどの発生、漏電など、さまざまな二次被害を引き起こすリスクが上がります。

このような被害を予防して建物の耐久性を上げるためにも、防水工事は欠かせません。

工事の内容

防水工事は、ベランダやバルコニー、屋根や屋上など防水が必要なさまざまな場所に施工します。

防水工事の中でも、工事の内容な主に以下のふたつに分類されます。

  • 防水層の形成(塗膜防水・シート防水・アスファルト防水)
  • シーリング工事

防水層の形成は、防水工事のメインと言える工事です。

ベランダやバルコニーの防水工事における防水層の形成では、液状の防水材を使用する「塗膜防水」やガラス繊維強化プラスチックを使用する「FRP防水」などの工法が主に使用されます。

屋根や屋上の防水工事における防水層の形成では、「塗膜防水」やシート状の防水材を使用する「シート防水」などの工法が主流です。

防水層を形成するにあたってもさまざまな工法があり、施工場所や面積、形状などによって適切な工法を選んで施工します。

シーリング工事とは、外壁材や窓などの間や隙間、開口部周りなどに使用される「シーリング」という防水材を用いた工事です。

水の侵入経路となりやすい隙間を、シーリング材を使用して埋めることで建物の防水性能が上がります。

シーリング工事は塗装工事に近い内容であるとも言われていますが、防水のために施工するので防水に関する知識が豊富な防水工事業者が最も得意としています。

防水工事業者に依頼するメリット

防水工事業者は、防水に関する専門的な知識を持っていることがメリットです。

防水工事は専門である防水工事業者に依頼することで、専門家でないとわからない軽度の劣化を見つけてもらったり、既存の防水層の状態に合わせた工事を提案してもらったりすることができます。

防水工事を依頼する際は、防水工事に関する知識と経験が豊富な専門家である防水工事業者への依頼が最適です。

また、ハウスメーカーや塗装業者に防水工事を依頼すると、専門家である防水工事業者に工事を依頼し直して中間マージンを取られ、費用が高額になることがあります。

初めから防水専門の業者に依頼することで、適正価格で工事を行うことができるでしょう。

防水工事業者に依頼するデメリット

防水工事を防水工事業者に依頼するデメリットとしては、防水専門業者の数が少ないことがあげられます。

塗装業者に比べると防水工事業者は数が少なく、近所の業者を見つけることが難しい場合もあります。

インターネットを使用できる方は少し離れた業者を検索することができますが、そのような作業が苦手な方にとっては業者探しのハードルが高いと感じるかもしれません。

また、離れた場所にしか防水工事業者がなかった場合は、工事費とは別に出張料金がかかることも考えられます。

塗装業者

塗装業者は、塗りのスペシャリストです。

塗装作業をとても得意としていて、綺麗に塗装工事を行ってくれるでしょう。

外壁や屋根の塗装などの工事は、塗装業者の専門です。

工事の目的

塗装工事の目的は、

  • 建物を美しい状態で保つこと
  • 外壁を雨風や紫外線などさまざまな外的要因から保護すること

などがあります。

塗装によって防水もできると考える方も多いのですが、塗装工事の最大の目的は防水ではありません。

外壁に使用する塗料に防水効果が優れている材料を選んだとしても、防水工事ほどの効果は期待できず防水の観点としては不十分です。

劣化してきた外壁の塗装は、色褪せやひび割れなどの症状が現れて建物の見た目に影響し、古く汚いように見えてしまいます。

塗装工事には、こうした見た目の変化を改善して建物を美しく保つという目的があります。

工事の内容

塗装工事に使用される塗料にはいくつかの種類があります。

塗料の種類によって耐用年数や特徴、費用などが異なるため、目的に合ったものを検討しましょう。

中でも一般的な住宅に最も使われているのが、シリコン塗料という材料です。

品質とコストのバランスが良いことから、普及率は70%ととても人気が高いです。

塗装方法には、以下のようながあります。

  • 吹き付け塗装
  • ローラー塗装

最近では、主にローラー塗装で行って、細かい部分をさらに刷毛を使って仕上げする方法が主流です。

外壁塗装は基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3回にわけて行います。

3工程で丁寧に行うことで、耐久性を保ちます。

それぞれの工程でしっかりと乾燥時間を設定するため、塗装作業は数日をかけて行うことが一般的です。

メリット

塗装業者は、主に屋根や外壁の塗装を専門としています。

塗装業者は防水の専門家ではありませんが、塗りの作業が基本となる塗膜防水を塗装業者が行うこともあります。

塗装のスキルが高い塗装業者による塗膜防水の施工は、塗装面がとても綺麗に仕上がることがメリットだと言えるでしょう。

また、塗装業者は防水工事業者よりも塗膜防水の費用を安く設定している場合もあります。

塗膜防水を塗装業者に依頼する場合は、その業者の防水施工実績を確認しておくと安心です。

外壁工事と同じタイミングで、塗装工事と塗膜防水工事の両方を依頼できることもメリットだと言えるでしょう。

デメリット

塗装業者は防水の専門家ではないため、塗膜防水に対応している会社であっても塗膜防水以外の工法は対応していない場合があります。

既存防水層の種類によっては塗装業者では対応できないこともあるため、事前の確認が必要です。

すでに雨漏りしている場合、塗装業者に防水工事を依頼したところ十分な原因の解決にならなかったというパターンもあります。

また塗膜防水の塗装に関しても、防水工事業者は見た目重視ではなく、防水性能を1番に考えて水の流れを作るために塗料の厚みや硬さを変えて施工します。

塗装業者に依頼すると見た目がとても綺麗に完成しますが、防水性能の観点からはやはり専門家である防水工事業者による施工がおすすめです。

業者の選び方

「どの業者に依頼すればいいの?」と悩んだ時は、工事の内容を専門とする業者に依頼することが基本です。

中でも防水工事業者はあまり一般的に浸透していないようで、防水工事であるのに塗装業者をはじめとする防水工事業者以外の業者に依頼する方が多いです。

しかし、防水工事に必須である防水層の形成は、防水工事業者にしかできません。

施工の正確さや中間マージンをなくして費用を抑えるという意味でも、直接専門業者に依頼することが重要です。

外壁塗装は塗装業者に、防水工事は防水工事業者に依頼するべきだということを覚えておきましょう。

外壁塗装も防水層も、徐々に劣化してしまうため同じタイミングで補修を行いたいと考える方も多いです。

そのような場合でも、一度に同じ業者で済ませようとせずに、それぞれを専門とする業者に依頼することをおすすめします。

工事を依頼するタイミング

防水工事を依頼するタイミングとしては、防水材料の耐用年数である10〜15年ほどを目安にしましょう。

防水層の寿命は材料の種類や使用環境などによって変わってくるため、耐用年数より長持ちすることもあれば早く劣化が起こってしまうこともあります。

ただし、劣化症状が見られないからといって10年以上経ってもそのまま放置していると、知らないうちに劣化が進んでいたり重大な損傷が起きたりして、通常よりも大規模な改修が必要となり費用も高額となるケースが考えられます。

そのため、防水工事を行ってから10年ほどが経過したら、点検を含めて専門業者に工事の依頼をすることが好ましいです。

反対に、耐用年数が経過していなくても、ヒビや剥がれなどの明らかな劣化症状が現れている場合や雨漏りしている場合などは、早めに工事を依頼しましょう。

劣化症状の放置は、更なる劣化を早めるばかりか建物全体にも悪影響を及ぼすリスクあります。

優良業者を選ぶポイント

自宅の工事を依頼する際は、できるだけ技術がありコストパフォーマンスのいい優良業者にお願いしたいものです。

しかし、なかなか自分で優良業者を見分けるのは難しいと感じている方も多いのではないでしょうか。

そんな方のために、ここでは優良業者を選ぶためのポイントを5つ紹介します。

ぜひ工事を依頼する業者を決める際の参考にしてみてくださいね。

相見積もりをとる

複数の業者に見積もりを依頼することで、費用の比較を行いましょう。

価格だけではなく、どのようなサービスを行ってくれるのかについても確認することが大切です。

サービスの質とかかる費用を相見積もりをとって比べることで、優良業者を見分けることができます。

施工実績を確認する

業者が過去に行った工事や施工例など、施工実績を確認することは重要です。

施工実績を確認することで、業者が行う工事の品質や信頼性を確認することができます。

特に、自分が依頼したい工事と同じまたは類似した施工の実績があるかどうかは、必ず確認しておきたいポイントです。

施工会社の口コミ評判

施工業者の口コミや評判を確認できるのであれば、しっかりと見ておくことをおすすめします。

実際に工事をしてもらった方の生の声は貴重です。

口コミや評判が良ければ、その業者を信頼できるひとつの安心材料になるでしょう。

見積もり金額が適切か

見積もり金額が適切かどうか、またすべての費用の明細がはっきりと記載されているかどうかを確認しましょう。

費用相場から大きく外れていないかは、相見積もりをとっていれば簡単に確認できます。

費用明細の中に曖昧な表現や疑問点があった場合は、遠慮せずに業者に質問してくださいね。

保証内容・アフターフォローの有無

工事が完了した後の保証内容やアフターフォローの有無は、工事を依頼する前に事前に確認しておきましょう。

工事後に何かトラブルが発覚した場合、保証内容やアフターフォローが非常に重要になります。

また、塗装工事や防水工事は徐々に劣化していってしまうものです。

アフターフォローの有無は将来的なメンテナンスにも大きく影響するので、期間や内容をしっかりと確認しておきましょう。

悪質業者に注意

残念ながら、中には悪質な業者も存在します。

気付かずに悪質業者に依頼してしまい、トラブルになったという方も少なくありません。

悪質業者を避けるためにも、以下のような業者には注意しましょう。

  • 突然訪問してきて工事を勧める業者
  • ホームページがない業者
  • 会社の所在地を明らかにしない業者

特に気をつけたいのが、突然訪問してきて「すぐに工事が必要な状態です」などと不安を煽って工事を勧めてくる業者とのトラブルです。

中でも外壁は建物の外からでも見える部分のため、外壁について指摘されると専門業者の方が言うならとそのまま工事を依頼してしまうケースも多いようです。

このように言われても、一度業者のホームページを調べるなど信頼できるかどうかをチェックするようにしましょう。

調べた結果不安に感じる要素がある業者には、依頼するべきではありません。

このように自衛することで、悪質業者とのトラブルをある程度予防することができるでしょう。

まとめ

防水工事業者と塗装業者では、それぞれ専門とする工事が異なることがわかりました。

  • 防水工事は防水工事業者、塗装工事は塗装業者など専門の業者に依頼する
  • 費用だけではなく施工や保証の内容、評判など確認して業者を選ぶ
  • 悪質業者とのトラブルには注意しよう

自宅の工事を検討している方は、以上のポイントをおさえて依頼する業者を決めてくださいね。

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