
大規模修繕時のバルコニー・ベランダで必要な準備を知りたい人
マンションの大規模修繕でベランダの工事は行う?
マンション大規模修繕のベランダ工事で起こるトラブルとは?
マンション大規模修繕のベランダ工事で物置はどうすればいい?
マンション大規模修繕でベランダの修繕工事で室外機は移動させる?
マンション大規模修繕でベランダやバルコニーのタイルはどうする?
マンションの中規模・小規模修繕でバルコニー・ベランダの工事は行う?
屋上、外壁、廊下などのマンション共用部分が対象となる修繕工事ですが、各家庭のバルコニーも共用部分となるため、工事に含まれます。
バルコニーは専有部分だと勘違いされやすいですが、実は共用部分です。
特にバルコニーは個人空間でもあり、敷タイルやガーデニングのプランター、屋外工具など様々な私物が置かれていることが多いです。
片付けが億劫になるからといって、自分の家庭だけ修繕を止めてもらうわけにもいきません。
そこで本記事では、直前になってバタバタしないよう、大規模修繕時のバルコニーで必要な準備について紐解いていきます。
大規模修繕以外にも中規模修繕、小規模修繕がありますが、いずれのケースでも当てはまるので、ぜひご覧いただき、ご自身の住居修繕時にお役立てください。
目次
大規模修繕について解説
大規模修繕とは、マンションやビルなどの集合住宅において、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋上の防水工事や設備の劣化など、建物全体の劣化を防ぎ、修繕するために行われます。建物全体の劣化を防ぎ、長期的な安全性と快適性を維持するために行われる大規模な修繕工事です。通常、10年から20年ごとに計画され、外観の美観を保つだけでなく、建物の構造や設備の性能を向上させることを目的としています。
新東亜工業の大規模修繕工事は最大25%のコストカットを実現!
新東亜工業は修繕工事お客様満足度98%

大規模修繕は中間マージン0で全て自社施工の新東亜工業へ
マンション大規模修繕工事はバルコニー工事の重要性
マンションの大規模修繕工事では、バルコニーの工事も重要なポイントとなります。バルコニーは外部に面しており、風雨や紫外線にさらされるため、劣化が進みやすい部分です。
修繕工事では、まず防水処理を施し、ひび割れや浮き、腐食した部分を補修します。また、排水溝の点検や清掃、鉄部の錆び止め処理も必要です。これらの作業は、早期の劣化防止に繋がり、住民の安全・安心を確保するために欠かせません。適切な施工とメンテナンスを行うことで、バルコニーの耐久性を長期間維持できます。
マンション大規模修繕工事はバルコニーやベランダも工事範囲
バルコニー・ベランダの区分は共有部分です。
ベランダ・バルコニーは個人的な所有物が置けたり、区分所有者、またその家族の出入りしかないため、一見専有部分と考えがちですが、一般的に管理規約上「規的共用部分」とされています。
ベランダ・バルコニーには「専用使用権」が設定されていて、日常は専有部分的に使用できるのです。
また、マンションの共用部分は区分所有法第4条において、2種類に分類されています。
法定共用部分とは、廊下や支柱、耐力壁、外壁、エレベーター室、駐車場などのように構造上の独立性と利用上の独立性を持たず、その性質上当然に共用部分とされる部分のことを指します。
規約共用部分とは、専有部分を規約により共有部分にする部分のことを指します。
例えば、専有部分である101号室や別棟にある付属の建物を集会室などを多目的広場や集会室に利用したい場合、規約で定めて区分所有者全員の利益のための共用部分とすることです。
バルコニー・ベランダは規約共用部分として定められています。
なぜなら、バルコニー・ベランダは全住民が緊急事態時の避難経路として使用するからです。
ベランダには非常口や避難はしごが設置されていて、各住戸間の間仕切りは簡単にやぶけることができます。
したがって、ベランダ・バルコニーは緊急時の避難経路確保の観点において規約共用部分であり、通常時は各専有部分の区分所有者だけが使用できる「専用使用権」が設定されています。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容
バルコニーで行う工事内容は、一般的に以下のとおりです。
- シーリング工事
- 下地・タイル補修
- 高圧洗浄工事
- 防水補修工事
- 室内側の外壁塗装
- 鉄部塗装
- 窓やサッシの修理・交換
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|シーリング工事

バルコニーにおいて、サッシ廻りや建具廻りには雨など、水が入り込まないように、シーリング材で埋めています。
大規模修繕工事でのシーリング工事は、劣化したサッシ廻りなどのシーリング材を撤去し、清掃、プライマー塗付、シーリング材の充填、へらで押さえるなど、細かな工程での作業を施します。
塗料、シーリング材で周りを汚さないように養生をしっかり行いますが、汚れやにおいが気になる方は事前に作業員などに確認して、窓を閉め、網戸の撤去をしておく、などの対策は考えておきましょう。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|下地・タイル補修工事

マンションの大規模修繕工事でバルコニー・ベランダをメンテナンスする際、外壁タイルのひび割れ・欠損・浮きも補修していきます。
タイル・モルタル部分の不良箇所を削ったり、穴を開けたり、施工しやすいようにするため、ベランダでは騒音や埃が発生します。
また、その後は塗料の塗付、材料充填など、においも発生するでしょう。
工事期間中は窓を閉め、洗濯物は室内に干しましょう。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|外壁の高圧洗浄工事

シーリング工事、外壁の下地・タイル補修などの施工が終わると、バルコニーの床・天井、床などを高圧洗浄し、塗料や材料の密着性を高めます。
高圧洗浄は洗浄水が飛散しますので、バルコニーでは洗濯物を干すことができません。
また、広い範囲での洗浄水の飛散が考えられるので、左右、上下の部屋の高圧洗浄の日程も確認しておくべきでしょう。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|防水工事

床面に雨が浸透するのを防ぐための工事です。
下地である床材の上に塗料を重ねて塗り、防水層を形成し、その上に防水層を守るためのコーティングを行います。
ただし、一度行えば永続的に効果が続くわけではありませんので、修繕工事のたびに塗り直しを行うことが多いです。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|室内側の外壁塗装

ベランダの外壁にひび割れ等があれば、樹脂で埋めて塗装を塗り直します。
かつては、塗料の匂いで気分が悪くなることがありましたが、近年は匂いのきつくない塗料が主流であり、昔ほど気分を害することは少なくなっています。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|鉄部塗装

バルコニー・ベランダの手すりやパーテーション、庇など、鉄でできている箇所は経年により劣化します。
鉄部の劣化とは、下記の現象を指します。
- チョーキング
- 変退色
- 錆
チョーキングとは、チョークのような粉が付着する劣化現象で、錆や変色、退色も経年による劣化症状です。
マンションの大規模修繕工事の際には、鉄部にも劣化がみられる場合、塗装を施し、劣化の進行を防ぎます。
塗装期間中は、外壁などに塗料が付着しないようにビニールなどで養生を施します。
そのため、塗装工事期間中もバルコニー・ベランダの使用に制限が掛かり、洗濯物を干せないだけではなく、外部にも出れないので、スケジュールの確認をしておきましょう。
マンション大規模修繕でのバルコニー・ベランダの工事内容|窓やサッシの修理・交換
窓ガラスやサッシも修繕の対象となります。
劣化や破損している場合は修理や交換が可能ですが、窓ガラスの割れについては個人負担としているマンションもあります。
マンションによって異なるため、ご自宅のガラスが破損している場合は、事前に確認しておきましょう。
マンション大規模修繕や中規模修繕では共用部分と専有部分を正しく理解しよう
マンション大規模修繕や中規模修繕を計画するためには、共用部分と専有部分の違いを理解しておくことが非常に重要です。これらの区別を明確にしておくことで、修繕の対象範囲や費用分担がスムーズになります。
共用部分と専有部分の違いとは?
まず、マンションにおける共用部分と専有部分の違いを確認しましょう。共用部分とはマンション全体の住民が利用するスペースを指し、管理組合がその維持管理を行います。一方、専有部分は各住戸の居住者が専属的に利用するスペースで、その管理や修繕は住民自身が行う責任があります。
以下の表で、共用部分と専有部分を比較してみましょう。
項目 | 共用部分 | 専有部分 |
---|---|---|
定義 | 住民全員が利用する共有スペース | 各住戸の住民が専属的に利用するスペース |
具体例 | エントランス、廊下、階段、屋上、外壁、駐車場 | 室内の床、壁、天井、窓枠内側、専用庭 |
管理責任 | 管理組合が責任を負う | 各住民が責任を負う |
修繕費用 | 管理費・修繕積立金で賄う | 住民自身が負担 |
修繕対象の例 | 外壁塗装、防水工事、エレベーター点検 | 室内の壁紙の張り替え、設備の修理 |
マンションの大規模修繕・中規模修繕を行う際には管理側、住民側双方がしっかりと共用部分と専有部分を把握しておきましょう。
大規模修繕や中規模修繕におけるマンション共用部分と専有部分の関係
マンションの大規模修繕や中規模修繕では、主に共用部分が修繕対象となります。具体的には、外壁や屋上の防水工事、廊下や階段の補修が該当します。一方、専有部分については各住民が自費で修繕を行うことが原則です。
ただし、バルコニーや窓枠など、一部の専有部分が特例的に共用部分とみなされるケースもあります。管理規約によって異なるため、修繕計画を立てる際には必ず事前確認が必要です。住民全員で協力し、計画をスムーズに進めることが、マンションの快適な生活を守るポイントとなります。
マンションのバルコニー修繕費用の目安
マンションのバルコニーは、外部に面しているため、雨風や紫外線などの影響を受けやすく、定期的なメンテナンスが必要です。特に、ひび割れや塗装の剥がれ、水漏れなどの劣化が進行すると、早期の修繕が求められます。バルコニー修繕の費用は、劣化の度合いや修繕内容、マンションの規模によって異なりますが、一般的な目安としては以下のような費用感です。
1. 塗装の修繕費用
バルコニーの塗装が剥がれてきた場合、塗り直しを行うことで防水効果を再生できます。塗装の費用は、面積や使用する塗料によって異なりますが、通常1㎡あたり2,000~5,000円程度が目安となります。例えば、バルコニーの面積が10㎡の場合、20,000~50,000円程度の費用がかかるでしょう。
2. 防水工事の費用
バルコニーの防水工事は非常に重要です。防水効果が低下すると、雨水が浸入して建物内部にダメージを与える可能性があります。防水工事の費用は、使用する材料や工法によって異なりますが、一般的には1㎡あたり4,000~8,000円程度が目安です。バルコニーの面積が10㎡であれば、40,000~80,000円程度の予算を見込むとよいでしょう。
3. 修繕全体の費用
バルコニーの劣化状況に応じて、塗装や防水工事、さらにはひび割れの補修や排水溝の交換など、複数の作業が必要になることがあります。そのため、修繕全体の費用は、バルコニーの状態によって異なりますが、一般的には10㎡あたり20万円~40万円程度が目安となります。
4. 費用削減のためのポイント
バルコニーの修繕費用を抑えるためには、以下の点に注意するとよいでしょう。
- 早期対応:早期に小さな劣化を修繕することで、大規模な修繕を避けることができます。
- 業者の比較:複数の業者に見積もりを依頼して、価格や施工内容を比較検討することが大切です。
- 共用部分の修繕計画:マンション全体での修繕計画を立て、バルコニーの修繕も計画的に行うことで、費用の分担が可能になります。
バルコニーは外部に面しているため、早期の修繕が資産価値を守る上で重要です。定期的な点検と計画的な修繕を行うことで、長期的なコスト削減につながります。
マンション大規模修繕に向けたバルコニー・ベランダの事前準備
バルコニーの修繕工事では、基本的に以下の準備が必要となります。
- バルコニー・ベランダの片づけ
- 網戸の取り外し
- 床置きタイルやウッドデッキは一時剥がして片付ける
- 洗濯物・物干し竿の撤去
- 洗浄時に水が入らないための対策
バルコニー・ベランダの荷物や植物の片付け

まずはバルコニーの片づけをします。
バルコニーの修繕時には、ガーデニング用のプランターや机、椅子、物置、敷タイルなど基本的にバルコニーにあるものはすべて撤去します。
工事内容は一般的に、サッシ周りのシールの打ち替えや、塗装、防水等です。
小さなプランターなど、ちょっとした私物であっても工事の妨げとなるため、すべて撤去し室内等へ持ち込みましょう。
※ゴミコンテナへの不用品撤去について
修繕業者によっては、修繕時にコンテナを設置し、片付け時に不要となった私物の廃棄が可能な場合もあります。
詳細については修繕業者等へ確認してみてください。
バルコニー・ベランダの網戸の取り外し

網戸も取り外しましょう。
網戸が設置されたままの場合、作業員の方や作業工具等が作業中に接触して破損する恐れがあります。
また、外した編戸をバルコニーに置かれるケースもありますが、工事の妨げとなるため室内等へ持ち込むようにしましょう。
床置きタイルやウッドデッキは一時剥がして片付ける
ベランダをおしゃれにするために、タイルやウッドデッキ、人工芝などを置かれているご家庭もあるかと思います。これらも大規模修繕の際には撤去しなければなりません。
室内に置いておく、一時的な保管場所に置いておくといった方法があります。また、汚れや痛みが目立ってきたら、古いものは処分して大規模修繕工事後に新調するのも手です。
床置きタイルやウッドデッキは簡単に設置・撤去できますが、大規模修繕の際は撤去および室内での保管が必要になるので、その点はしっかり考慮してタイルを設置する範囲を考えましょう。
洗濯物・物干し竿の撤去

一般的なバルコニーにはどの居住区でも洗濯物を干し、物干し竿が設置されていますね。
マンションの大規模修繕において、バルコニー・ベランダでも作業が行われるため、工事期間中は洗濯物を干すことはできません。
なぜなら、マンションの大規模修繕では、バルコニー内の外壁補修・塗装工事が含まれるからです。
マンションの大規模修繕工事中に、バルコニー・ベランダに洗濯物を干せない理由は以下の通りです。
- 足場の設置の際に粉塵が飛散する
- 下地補修工事で高圧洗浄をする可能性があり、汚水が衣服に付着する
- 塗装工事で塗料・塗料のにおいが衣類に付着する
- 防水工事に使用する防水材・防水材のにおいが衣類に付着する
マンションの大規模修繕工事はさまざまな工程を足場を設置した面から進め、高圧洗浄、補修、塗装の間には乾燥期間も必要です。
工事期間中にバルコニー・ベランダを使用できないとなると日常生活にかなりのストレスが掛かりますが、工事のスケジュールによっては、バルコニーを使用できる日もあります。
施工業者や、マンションの管理組合などから事前にアナウンスされる工事スケジュールなどに気を配り、洗濯物をバルコニーで干せる期間を確認しておきましょう。
また、工事スケジュールは、マンションのエントランスなどに設置される工事用掲示板で確認ができます。
工事用掲示板には、工事の進捗状況、住居者に向けたお知らせなどが日々更新されます。
こまめにチェックして、ベランダに洗濯物を干せる期間を把握しておくといいでしょう。
物干し台について、工事期間中はどこかに撤去しておく必要があるの?と疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
基本的には、マンションの新築時から備え付けられている物干し掛などは、施工業者が撤去・再設置を行いますが、自分で設置したものは住居者自身が撤去・再設置を行わなければいけません。
物干し台は自分で撤去し、自宅で保管しておきましょう。
しかし、高齢の方など、ご自身で行えない場合は施工業者・管理組合などに相談してみましょう。
施工業者もベランダ・バルコニー修繕工事のプロなので、多くのケースにおいて柔軟な対応が可能です。
面倒で力が必要な物干し台の撤去をプロに任せるのも、選択肢の一つとして知っておきましょう。
洗浄時に水が入らないための対策
バルコニーの修繕工事では、天井や外壁、雨どい等の再塗装を行いますが、事前に高圧水洗浄を行い古い塗膜や埃を洗い流します。
その際に水が室内へ浸入しないよう、窓はしっかり閉めておいてください。
作業中に高圧洗浄の水流や、接触等ちょっとしたことで窓が動いてしまう可能性もあるため、鍵も閉めておくことをお勧めします。
また、高圧洗浄では一箇所に集中して水を吹きかけるため、水の侵入防止のため、室内側の窓枠に乾いたタオルや古新聞を置いておくとより安心です。
荷物の仮置き場やごみコンテナの設置を検討【管理組合】
マンション大規模修繕工事では、ベランダの床板の張り替えや手すりの改修、防水工事など、各戸のベランダにも手が入ります。
そのため、工事エリアを確保するため、一時的にベランダの荷物を撤去・保管する必要があります。
工事現場からは大量の廃材やごみが出ますが、通路に置くわけにはいきません。
そこでごみコンテナの設置スペースを確保しなければなりません。
十分なスペースを確保できないようであれば、近隣の空き地などを借りるなど、柔軟な対応が求められます。
実例としてA団地の大規模修繕では、空き家の駐車場を荷物置き場に利用することで費用はかかりましたが、入居者の理解も得られたそうです。
B団地では、ごみコンテナ設置場所が不足したため、近くの公園の端を借りざるを得なくなりました。
実例からもわかるようにマンション大規模修繕工事において、ベランダの荷物の一時置き場や、工事ごみの処理場所の確保は必須です。
管理組合は工事前に、十分な検討と対策を講じる必要があります。
マンションの大規模修繕でバルコニーの使用が制限される期間
マンション大規模修繕工事でベランダやバルコニーの工事が入る場合、一時的にそれらの使用を制限せざるを得ない期間が発生します。
修繕内容や工事規模により、数日から数週間程度の制限期間が想定されます。
管理組合は事前に入居者にその旨を通知し、理解を求める必要があります。
使用制限期間は複数の工程に分かれ、合計すると1ヶ月近くにもなる可能性があります。
Aマンションでは、ベランダ工事に伴い1世帯あたり5日間の使用制限を設けました。
休日は避け、平日のみ工事を進めたことで、入居者への影響を最小限に抑えられたそうです。
一方Bマンションでは、ある入居者がベランダに荷物を残したまま外出し、床板の張り替え工事に遅れが生じた事例がありました。
事前の通知不足が原因でした。
ベランダやバルコニーの大規模修繕工事では、安全を期すため工事期間中の使用制限は避けられません。
実例からわかるように管理組合は工事の内容と制限時期を事前に入居者へ十分に通知し、理解と協力を求める必要があります。
大規模修繕時にベランダの防水工事をする際の費用目安や費用相場
大規模修繕でベランダの防水工事を行う際、費用は工事内容や建物の状況によって異なりますが、一般的な目安を知っておくことで予算の計画が立てやすくなります。以下に、費用の目安やその内訳について解説します。
ベランダ防水工事の費用相場
- ウレタン防水:1㎡あたり約4,000〜6,000円
ウレタン防水は、弾力性があり耐久性が高いため、マンションのベランダ防水でよく選ばれる方法です。 - シート防水:1㎡あたり約5,000〜8,000円
塩ビシートを使用する防水工事で、施工が早く、耐用年数が比較的長いのが特徴です。 - FRP防水:1㎡あたり約7,000〜10,000円
強度が高く軽量な素材を使用する方法で、狭いベランダや小規模な防水に適しています。
施工面積による費用の違い
ベランダの広さが費用に大きく影響します。例えば、10㎡のベランダではウレタン防水の場合で40,000〜60,000円が目安ですが、面積が広がるとその分費用も増加します。
追加作業が必要な場合の費用
- 下地処理:1㎡あたり約1,000〜2,000円
既存の防水層が劣化している場合、下地処理費用が追加されることがあります。 - 手すりや排水口の補修:数千円〜数万円
ベランダの防水と併せて修繕が必要な場合、別途費用がかかることがあります。
足場費用を含めた総額
大規模修繕時にベランダ防水を行う場合、外壁工事などと足場を共有するため、足場設置費用が抑えられる点がメリットです。その結果、個別に工事を行う場合よりもトータルコストを削減できることがあります。
ベランダ防水工事の費用を抑えるポイント
複数の業者から見積もりを取ることで、適正価格を把握できます。また、大規模修繕の一環としてまとめて依頼することで、割引が適用される場合もあります。
ベランダ防水工事の費用は、使用する防水材や施工面積、現場の状態によって異なります。大規模修繕の計画段階で、防水工事の必要性をしっかり確認し、適切な予算を確保することが重要です。専門業者に相談し、複数の見積もりを比較することで、コストを抑えつつ品質の高い工事を実現しましょう。
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点について、見ていきましょう。
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点1.荷物の撤去や処分は時期で行う必要がある
マンションのベランダやバルコニーの大規模修繕に伴い、各戸の入居者は荷物の撤去や処分を行う必要があります。
その際、時期を逃さないよう注意が必要です。
管理組合から指定された期日までに、荷物の撤去や処分を完了させることが求められます。
期限に遅れると、工事に支障をきたす可能性があるため入居者は早めに対応を心がける必要があります。
ベランダの修繕工事では、入居者による荷物の撤去が欠かせません。
管理組合は十分に前もって入居者へ通知し、理解と協力を求める必要があります。
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点1.基本的にバルコニー修繕は拒否できない
マンションの共有部分であるベランダやバルコニーの大規模修繕については、区分所有者は拒否することができません。
ベランダやバルコニーはマンションの共有部分であり、建物の維持管理は区分所有法で義務付けられています。
そのため、工事の必要性が認められれば、個人の意向に関わらず大規模修繕は実施されます。
ベランダやバルコニーの大規模修繕工事は、区分所有者の同意がなくとも強行できます。
ただし管理組合は、工事の必要性を十分に説明し、入居者の理解を得るように努める必要があります。
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点3.荷物の保管場所がない場合の対応
ベランダやバルコニーの大規模修繕工事に際し、入居者が荷物を一時的に保管できる場所がない場合の対応が課題となります。
場所の確保が困難な場合は、外部の貸し倉庫の利用なども検討する必要があります。
ベランダの修繕工事に伴い、各戸の荷物の一時保管場所を準備することは、管理組合の重要な役割です。
自力で場所を確保できない入居者に配慮し、適切な対応を取る必要があります。
ベランダやバルコニーの大規模修繕時の注意点4.自力で荷物が移動できない場合の対処
ベランダの大規模修繕工事においては、高齢者世帯など、自力で荷物の移動が難しい場合の対処が課題となります。
管理組合では早めに対策を講じる必要があります。
マンションの高経年化に伴い、高齢の単身世帯が増加しています。
国土交通省の調査では、マンション居住世帯の約3割が高齢者世帯とされています。
こうした世帯では、体力的にベランダの荷物を自力で移動することが難しい場合があります。
介護を受けている方などは特に支援が必要です。
一方で、荷物を放置すれば工事に支障が出るため、管理組合として何らかの対応を取らざるを得ません。
入居者負担を減らすためにも、一定のサポートが求められます。
ベランダ修繕に伴う高齢者世帯などへの荷物移動支援は、管理組合の重要な役割です。
適切なサービスを用意し、費用の一部を修繕積立金から捻出するなどして、入居者の負担を軽減することが求められます。
ルーフバルコニーの場合は大規模修繕時にタイルの片づけも行う

マンションの最上階等、広いルーフバルコニーのあるお部屋に住んでいる場合、日当たりの良さを利用してガーデニングをされているケースも多いかと思います。
敷タイル、ガーデン用の椅子、机、ウッドデッキなど、様々な私物を置かれている場合には、これらも全て撤去してください。
その際に、取り外しが難しい私物があれば、業者によっては撤去のお手伝いを要請できる(有償のケースもあり)ので、一度ご相談してみてください。
冒頭記述したとおり、修繕工事は定期的に訪れます。
そのたびに大規模に片付けをするのが億劫に感じる場合は、敷タイルの購入をお勧めします。
マンション大規模修繕時はバルコニーを片付けておきましょう
大規模マンションのバルコニー修繕工事について見てきました。
バルコニーの修繕工事にあたっては、直前になっても慌てることの無いよう、事前の準備が欠かせません。
修繕工事のために準備をするのは大変ですし、また工期が長く数日程度では済まないために不便を強いられることも多いですが、修繕後は新築時のようなきれいなバルコニーが戻ってきます。
そんな生まれ変わったバルコニーで再び、ガーデニングができると思うとワクワクしませんか。
そのような日々が再び巡ってくることを想像して、修繕工事を乗り越えましょう。
以前よりもさらに快適になったバルコニーで気持ちのいい日々を送れますようお祈りしています。
\あわせて読みたいおすすめ記事/