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2階建てアパート

アパート経営で修繕費の目安とは?賃貸マンション・アパートの大規模・中規模・小規模修繕の費用相場を解説

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住民の皆に大規模修繕の内容を周知する必要はある?

アパートの修繕費用の目安について教えて!

賃貸アパートの経営をしているオーナーさんの中には、将来的に莫大な維持費がかかるのでは?と不安に感じている方も少なくないのではないでしょうか。

逆に、アパートの大規模修繕の必要性を感じていないオーナーさんも中にはいらっしゃるのではないでしょうか。

こちらの記事では、大規模修繕を行う必要性やかかる費用などをまとめています。

賃貸アパート大規模修繕はなぜ必要なのか?

アパートの資産価値を維持できる

どんな建物でも、年月の経過とともに劣化がすすみます。

同じ築年数の建物でも、大規模修繕をはじめとした修繕工事を定期的に行っているかどうかで、その建物の資産価値は大きく変わります。

将来的に売却することになった場合も、高値で売却することが可能となります。

賃貸物件の資産価値は家賃にも直結します。

長く安定した経営を行うためにも、資産価値を維持する大規模修繕は必要不可欠です。

入居率があがる

大規模修繕では、外壁や屋根部分など外観に関わる工事を多く行います。

近年ではインターネットで物件を探す人も多く、外観が悪いと写真だけで検討から外されてしまうことも少なくありません。

賃貸物件は外観や設備を中心に選ぶ人が多い傾向があり、古くても安ければいいと考える入居者は少ない傾向があります。

空室を減らし入居率を上げるためには、大規模修繕は必要不可欠といえます。

減価償却の対象となり節税効果がある

大規模修繕にかかる費用は、新築の費用と同様に減価償却の対象となります。

不動産所得から控除されるため、その減税効果は非常に高いと言えます。

入居者の安全を守る

アパートの経営者には、入居者の安全を守る義務があります。

万が一建物の不具合による事故が発生すれば、多額の賠償金を支払わなければなりません。

具体的には、雨漏りによる漏電・外壁や屋根の落下・てすりの破損などが考えられます。

そういった不要な事故を防ぐためにも、大規模修繕や小規模修繕は定期的に行う必要があります。

賃貸の収益物件として長く活用できる

劣化がすすみ古くなったアパートは空室が増え、収益もあがらなくなります。

収益が少ないと建て替えることも難しくなってしまい、経営事態が暗礁に乗り上げてしまうこともあるでしょう。

定期的な修繕を行い正しくメンテナンスをしていくことで、同じ築年数の建物でも住み心地や外観に大きな違いが出ます。

大規模修繕には多額の費用がかかりますが、長期的な視点で考えると適宜大規模修繕を行う方が、大きな収益が見込めます。

賃貸アパートで行われる修繕工事3つ

アパートの劣化や不具合を改善するために、主に3つの修繕が必要とされています。

原状回復・小規模修繕・大規模修繕の3つです。それぞれの工事内容や必要性を確認していきましょう。

原状回復

入居者が退去したタイミングで、ハウスクリーニングや壁紙、フローリングの張り替えなどを行います。

畳の場合には畳を交換したり、網戸の交換なども行います。

基本的には入居者が入居した時と同じ状態へと戻す修繕となります。

これにより、室内が綺麗な状態となり、次の入居者が入居しやすくなります。

小規模修繕の内容と費用相場

必要に応じて行うのが小規模修繕です。

入居者からの依頼や要望によって行うこともあります。

設備の故障や、小さな修理などもこれにあたりますが、シロアリ予防剤の散布やコーキング打ち替えなど予防的に行う工事もこれに含まれます。

小規模修繕は部分的な補修や塗装、防水などで、数十万円~100万円程度が一般的です。

定期的にこうした小規模修繕を行うことで、大規模修繕にかかる費用を抑えることに繋がります。

中規模修繕の内容と費用相場

中規模修繕とは、建物の経年劣化や日常的な使用による不具合を修繕するための工事で、大規模修繕ほどではないが、定期的に行われるメンテナンスの一環です。

具体的には、外壁の部分補修、防水工事、配管設備の一部交換、共用部分の修繕などが含まれます。

中規模修繕は外壁や共用部、設備の修繕などが含まれ、100万円~500万円程度の費用がかかります。

大規模修繕の内容と費用相場

長期計画のもと、外壁工事や防水工事など大掛かりな工事を行います。

費用も非常に高額となり、施工期間も長くなるので事前の準備等が必要です。

大規模修繕を行う目安としては10〜15年程度と考えられていますが、賃貸アパートの場合にはオーナーに一任されています。

修繕工事の費用は、規模や内容によって大きく異なりますが、以下は目安となります。

大規模修繕は建物全体の修繕や改修を行い、数千万円~1億円以上かかることが多いです。

規模や建物の状態によって費用は変動します。

大規模修繕を実施する時期と工事の内容

先ほどもお伝えした通り、大規模修繕を行う時期について、特に決められたルールは存在しません。

分譲マンションでは、新築時に大規模修繕の長期計画が作成されているので、それに基づいて行われることが多いでしょう。

アパートなどの賃貸物件においては、オーナーの一存でその時期を決めることができます。

どのくらいの頻度で行うのが最適なのでしょうか。

一般的には10〜15年

特に決められたルールはありませんが、一般的には10〜15年に一度の頻度で行うのが理想とされています。

理由としては、使用される資材の多くが10年を保証期間としていることが挙げられます。

もちろん使用される資材や建物の立っている向き・場所によって、大規模修繕が必要となるタイミングは変わってきますので、建物の劣化調査などを利用して、その建物の状態をよく理解することが必要です。

その他鉄部の塗装などは5年程度が寿命と言われています。

これらの工事は大規模修繕に分類されることもありますが、5年に一度のペースで行った方がよいとされていますので、注意しましょう。

アパート大規模修繕で行われる工事内容と費用相場の目安

アパートの大規模修繕は、建物の耐久性を保ち、入居者の安全と快適な生活環境を確保するために不可欠です。修繕内容や費用は、建物の規模や劣化状況、使用する材料や工法によって異なります。以下は、一般的に行われる主要な工事とその費用相場の目安です。

工事の種類費用相場
外壁塗装工事1㎡あたり2,500〜5,000円程度
外壁タイル補修工事1㎡あたり5,000〜10,000円程度
屋上防水工事1㎡あたり4,000〜7,000円程度
共用部塗装工事1㎡あたり2,000〜4,000円程度
シーリング工事1mあたり500〜1,500円程度
給排水管工事1戸あたり20万〜50万円程度
ベランダ防水工事1㎡あたり3,000〜6,000円程度
鉄部塗装工事1㎡あたり3,000〜5,000円程度

外壁塗装工事

外壁塗装は建物の美観を向上させるとともに、耐久性や防水性を強化するための工事です。定期的な外壁塗装によって外壁の劣化を防ぎ、長期的な建物の価値を維持します。塗装の種類や環境によって耐用年数が異なるため、適切な塗料選びが必要です。

外壁タイル補修工事

タイル外壁の剥がれや浮き、ひび割れの補修を行うことで、建物の耐久性を向上させます。外壁タイルの剥がれを放置すると、雨水が浸入し内部にダメージが生じる恐れがあるため、早めの補修が必要です。見た目の修復だけでなく、構造上の安全性を保つ目的もあります。

屋上防水工事

屋上防水工事は、建物の内部を雨水の浸入から守るための必須工事です。シート防水、ウレタン防水などの工法があり、建物の形状や用途に合わせた方法が選ばれます。適切な防水工事を行うことで、建物の劣化を抑え、長寿命化を図れます。

アパートの共用部塗装工事

共用部の廊下や階段は、日常的に使用されるため摩耗が早い部分です。塗装により摩耗や劣化を抑えることで、美観維持と安全性の向上を目指せます。共用部分の塗装工事は、入居者の快適さにも直結するため、より丁寧な施工が求められます。

シーリング工事

シーリング工事は、外壁や窓枠、ドア枠などの隙間にシーリング材を充填する作業です。経年劣化でシーリングが割れたり剥がれたりすると、雨水が浸入しやすく、建物内部の腐食やカビの発生につながります。適切なシーリング工事ができれば、建物の気密性と防水性を高められます。

給排水管工事

経年劣化により老朽化した給排水管の交換や補修は、建物の水まわりのトラブルを防ぐための工事です。特に築年数が経過したアパートでは、定期的な点検と交換が推奨されます。給排水管の劣化を放置すると、漏水や詰まりなどが発生し、住環境に大きな影響を及ぼします。

ベランダ防水工事

ベランダは雨水や湿気にさらされやすく、放置すると建物内部に水が浸透する恐れがあります。ベランダ防水工事では、ウレタンやシートなどの防水層を施工し、水分の浸入を防ぎます。また、防滑性のある仕上げにすることで、入居者の安全性も確保します。

鉄部塗装工事

鉄部塗装は、手すりや階段、バルコニーなどの鉄製部分を保護するための工事です。特に屋外に露出した鉄部は錆びやすいため、定期的な塗装で防錆処理を行い、耐久性を確保します。鉄部塗装によって、安全性と建物の美観が向上します。

ここであげた工事とは別に、水回りの設備やエアコン、給湯器などは一斉に交換を行うのが一般的です。これらの修理や交換は、入居率をあげることにも大きく影響を与える部分となるため、大規模修繕の際には検討してみるといいでしょう。大規模修繕は建物の状態をよく確認したうえで、適切な工事を行いましょう。

大規模修繕費の積立について

分譲マンションの場合は区画所有者が共同で費用を負担しますが、賃貸アパートの場合はオーナーが全て負担しなければなりません。

多額の費用がかかる大規模修繕において、修繕費は必ず積み立てておく必要があります。

もちろん大規模修繕にはまとまった費用が必要となりますが、それ以外にも小規模修繕による出費も想定されるため、余裕のある計画が必要です。

また工事をいつ頃行うのか、といった長期計画もオーナー自らが立てなければなりません。

大規模修繕については不動産投資を始める段階から検討し、その準備をしていく必要があります。

修繕を先延ばしにすれば、入居率が下がり収益が減少します。結果としてさらに修繕が難しい状況になりかねません。

赤字経営を避けるためにも、計画的に修繕費を積み立て、必要なタイミングで修繕を行うことが大切です。

コツコツ修繕費を準備する自信がないという方は、修繕積立のできる保険に加入したり、管理会社や不動産会社に相談してみるのも手です。

アパートの大規模修繕の費用を抑えるポイント

高額な修繕費用を少しでも安く抑えたいと考える方は多いのではないでしょうか。

ここからは、費用を抑えるポイントをお伝えしていきます。

こまめな点検と小規模修繕

日常的な点検と小規模修繕をしているかどうかで、大規模修繕時にかかる費用が大きく変わってきます。

不具合が起こる前に対応することで、建物本体へのダメージを減らし、費用も最小限に抑えることができます。

まとめて工事を行う

複数の工事をまとめて行うことで費用や入居者への負担を減らすことができます。

足場が必要な外壁塗装と屋根塗装は、一度にまとめて行うことで、別々に行うより費用を抑えることができます。

その他にも足場工事が必要となる工事は、大規模修繕のタイミングでまとめて行うようにしましょう。

火災保険を活用する

経年劣化による破損等は対象外となりますが、自然災害による屋根や外壁の破損、雨漏りなどは火災保険の対象となることが少なくありません。

大規模修繕の際には、該当するものがないかよく確認し、利用できるのであればぜひ利用しましょう。

大規模修繕工事でよくある質問

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

Q

大規模修繕工事の費用相場は一般的にいくらですか?

A

大規模修繕工事の費用について一般的な相場としては、1戸あたり約100万円前後が目安です。マンション全体の規模が大きい場合には、修繕費用が1億円を超えることもあります。また、マンションの劣化が激しい場合や、質の高い塗装を希望する場合には、さらに費用が高くなることがあります。

アパート経営で修繕費の目安まとめ

アパートの大規模修繕について、基本的な費用、頻度、費用を抑えるポイントなどを解説しました。

  • 資産価値の維持や入居者の安全確保のために大規模修繕は不可欠
  • 大規模修繕費用は減価償却の対象となるため節税効果も高い
  • 大規模修繕の頻度に特に決まったルールはないが、10年〜15年が一般的
  • 主に外壁・屋根等外観に関わる工事が多い
  • 築年数により行う工事は変わってくるが、1回の工事費用は数十万円から数百万円かかる
  • 修繕費用は計画的に積み立てておくことが大切

大規模修繕は安定したアパート経営に欠かすことのできない大切な工事です。

事業計画作成のタイミングで大規模修繕を視野に入れて、修繕費を積み立てていくようにしましょう。

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