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マンションの大規模修繕に多いトラブルと原因・対策を解説

マンションの大規模修繕で起こるトラブルを知りたい人

マンションの大規模修繕で起こるトラブルを知りたい人

マンションの大規模修繕で起こるトラブルとは?
マンションの大規模修繕でベランダはトラブルが発生しやすい?
マンション大規模修繕の不具合や問題点とは?
マンションの大規模修繕で多いクレームは?うるさいが多い?
マンション大規模修繕の注意点とは?
大規模修繕の騒音はストレスになりやすい?体調不良になる原因は?

大規模修繕工事では、マンションの修繕委員会の結成から施工業者の選定、工事着工、検査完了まで、膨大な時間と費用がかかるため、さまざまなトラブルが予想されます。

住民や事業者とのトラブル、金銭トラブルなど内容は様々で、管理組合や当人同士では解決できない問題もあるでしょう。

トラブルを未然に防ぐためには、どのようなトラブルが起こりうるのかをあらかじめ確認し、予防することが最も重要です。

そこで今回は、マンションの大規模修繕開始前、工事中、工事後で起こりがちなトラブルや原因、対策や予防策を紹介します。

大規模修繕工事前に起こりがちなトラブルと予防法

大規模修繕工事中や工事後だけではなく、前の準備段階でも様々なトラブルが発生します。

特に準備段階でのトラブルは、大規模修繕のスケジュールや作業内容に大きな影響を与えます。

しっかりと対策を考えてから臨みましょう。

まず、大規模修繕前に起こりやすいトラブルの代表例と対処法から紹介します。

修繕積立金が足りない

大規模修繕には多額の費用が必要となるため、計画を立てて修繕積立金を準備します。

しかし、長期修繕計画の内容が甘く予想よりも予算が高額になったり、居住者が修繕積立金を滞納したりすることで、大規模修繕の際に修繕積立金が不足してしまうことがあります。

このように修繕積立金が不足してしまった際は、以下のような方法で費用を集めることになるでしょう。

  • 追加徴収
  • 修繕積立金の値上げ
  • 金融機関からの借り入れ

それぞれの方法について、詳しく紹介していきます。

追加徴収する

大規模修繕工事の内容や費用がある程度決定して修繕積立金が不足していることがわかった場合、不足分の費用を居住者で割って、一時金として修繕積立金の追加徴収を行うことがあります。

資金を効率的に集められる方法ではありますが、金額が大きい場合は住民から不満の声が上がったり、金銭的負担が大きいためなかなか全居住者から徴収できずに困ってしまったりする場合も多い方法です。

修繕積立金の不足額が少額であれば、住民の不満や負担も少なく比較的費用が集まりやすいといえます。

大規模修繕の直前に追加徴収を行おうとすると、支払いまでの期間が短いため住民の負担が大きく、さらに費用を集めることが難しくなってしまいます。

費用が集まらない場合、工事内容を変更することになったり施工会社への支払いが遅れてしまったりする原因となるため、大規模修繕工事の直前に追加徴収を実施することは避けたほうがいいでしょう。

修繕積立金の追加徴収を行う際は、住民とのトラブルが起こりやすいです。

住民からの理解を得るためにも、大規模修繕にかかる費用や修繕積立金で集まっている金額、不足額などをはっきりと開示し、丁寧に住民に事情を説明するようにしてくださいね。

修繕積立金を値上げする

修繕積立金の不足がある程度先に判明した場合は、修繕積立金を値上げすることで費用を集めることもあります。

一時金として追加徴収するよりも住民に対して一度にかかる金銭的負担が少ないため、比較的費用が集まりやすいことがメリットです。

しかし月々の修繕積立金が増額となるため、住民から反対意見が出ることがほとんどです。

一時金として追加徴収する場合と同様に、工事内容や費用の不足額について住民にしっかりと説明するようにしましょう。

修繕積立金の値上げは、大規模修繕工事までに十分な期間がある際に実施するべき方法です。

大規模修繕工事までの期間が長ければ長いほど月々の値上げ額を少なくできるため、住民への負担が少なく理解も得やすいでしょう。

金融機関から借り入れする

修繕積立金の不足額を大規模修繕工事までに住民から徴収する目処が立たない場合は、金融機関から借り入れを行う方法もあります。

金融機関から借り入れをすれば、大規模修繕工事までに確実に費用を用意できることがメリットです。

しかし金融機関から借り入れを行うと利息がかかるため、最終的な支払額が増えてしまうことがデメリットとして挙げられます。

また、その後集まる修繕積立金に関しても借り入れの返済にまわるため、次回の修繕に使うための費用がなかなか積み立てられなくなってしまうでしょう。

デメリットもありますが、大規模修繕までに確実に費用を集める方法としては最も現実的です。

修繕委員会が機能しない

修繕委員会はマンションの住民で構成される組織で、工事業者の選定、担当者との打ち合わせ、住民対応など大規模修繕に関する業務を担っています。

しかし、修繕委員会が役割を果たせず、大規模修繕の準備が進められないことは多いです。

一般的に、委員の人数が適切でないと機能不全に陥りやすいでしょう。

例えば、2~3人の少人数で運営している場合、それぞれが仕事や家事を抱えています。

集まって話し合う機会を作れず、結果的に管理会社に全面的に頼ることになり、コストが高くなってしまうといったトラブルです。

反対に人数が多すぎると、意見をまとめられません。

委員の人数は5人前後が適当で、公平性を保つためには年齢や性別に偏りがないことが望ましいでしょう。

第三者として、専門機関に助言を求めるのも効果的です。

コンサルタントとのトラブル

マンションの大規模修繕工事では、スムーズに実施するためにコンサルタントに依頼していることが多いです。

専門知識を持ってサポートしてくれるコンサルタントのおかげで管理組合の負担が減るなどメリットも多いのですが、悪質なコンサルタントに依頼していた場合にトラブルが起きることがあります。

コンサルタントのトラブルとしては、以下のようなものが考えられます。

  • コンサルタントが施工会社からキックバックを得るために、工事費用を高額請求される
  • 工事費用が水増しされる
  • 必要ない工事まで施工され、追加費用を請求される

悪質なコンサルタントは施工会社と癒着していることがあり、その結果マンション側は必要以上に高額な工事費用を請求される場合があります。

マンションにとっては損失が大きいため、避けたいトラブルのひとつです。

このような場合では、相場よりも高い費用を請求されていることがほとんどなので、コンサルタントに任せっきりにせずに、費用相場や請求書の内容、工事内容などをしっかり確認するようにしましょう。

不自然な点があれば問い合わせを行ったり、少しでも不信感のあるコンサルタントや施工業者への依頼は行わないようしたりと、しっかり見極めてトラブルを回避してくださいね。

大規模修繕中に起こるトラブルと予防法

大規模修繕工事中は、多くのトラブルが発生します。

また、マンション居住者だけでなく、近隣住民からクレームが寄せられるケースもあり、適切な対策を講じることが大切です。

ここからは、大規模修繕工事を行っている期間中に起こりがちなトラブルと対処法を紹介します。

居住者とのトラブル

大規模修繕中は、居住者とのトラブルが起こりやすい期間です。

居住者との間に起きるトラブルとしては、以下のようなものが多いです。

  • 大規模修繕工事中に発生する騒音・におい・ほこりなどによる居住者からのクレーム
  • 工事中のプライバシー侵害へ不安を感じた居住者からのクレーム
  • 居住者のベランダの私物によって工事が妨げられる

ここからは以上のようなトラブルについて、対処法とともに詳しく紹介していきます。

騒音・におい・ほこりによるクレーム

マンションの大規模修繕工事中には、どうしても大きな音やにおい、ほこりなどが発生してしまうことがあります。

工事中の騒音や塗料のにおい、工事に伴って発生するほこりなどは仕方がない部分が多いのですが、居住者にとっては眠れない・洗濯物が干せないなどのストレスや不便さにつながる問題で、クレームがくることも少なくありません。

マンションの大規模修繕工事の期間は、マンションの規模にもよりますが、半年〜1年ほどかかることが多く、規模の大きいマンションや劣化が激しいマンションの場合、それ以上の期間が必要になることもあります。

期間が長い分、騒音・におい・ほこりに対する居住者の不満も大きくなってしまうでしょう。

しかしながら、マンションにとって大規模修繕工事は欠かせないものです。

できる限り住民のストレスを減らし理解を得るためにも、大規模修繕工事が始まる前から居住者にしっかりと説明しておくことが重要です。

工事の期間や内容をもとに、「この期間は塗装を行うためにおいが強く発生することがあります」「◯時〜◯時で騒音が発生する工事を行います」など、工事前や工事中に居住者へのお知らせをこまめに行っていきましょう。

このようなお知らせの内容を守り時間厳守で工事を行っていくことで、住民の理解が得られやすく、クレームやトラブルも減らすことができます。

プライバシー侵害への不安によるクレーム

大規模修繕工事では、ベランダや外壁の工事も行われます。

マンション全体に足場を組んで工事を進めていくため、「ベランダの窓から作業員に室内を覗かれてしまうのでは?」というプライバシー侵害への不安を感じる居住者は少なくありません。

実際にベランダ付近の足場で作業をしていることもあるので、カーテンを開けたら作業員と目が合ったということもよくあります。

このような居住者の不安を減らすためにも、工事の期間や時間をしっかりと居住者に通知しておくことが重要です。

大規模修繕工事は長期間にわたって行われるため、ベランダを自由に使える期間もあれば、カーテンを閉じてプライバシーを守る必要がある期間もあるでしょう。

事前に「この期間は作業員がベランダや外壁で作業します。◯時〜◯時の工事中はカーテンを閉めてお過ごしください」など、通知を徹底しておくことでトラブルを予防してください。

作業員に対しても、外壁やベランダで作業する場合には室内に目を向けないようにお願いしておくといいでしょう。

事前に居住者へのお知らせを徹底してお互いに配慮することで、プライバシー侵害の被害や不安を減らすことができます。

ベランダの私物による工事の妨げ

マンションの大規模修繕工事が始まる前には、基本的にベランダの私物を撤去するように居住者にお願いします。

しかし、大規模修繕工事が始まってからもベランダに私物が置いてあり工事の妨げになるというケースは、かなり多く見られるトラブルのひとつです。

工事の直前に撤去しようと思っていて忘れたままになっているという悪意のないパターンがほとんどではありますが、工事中に発覚して持ち主が不在だった場合、ベランダの私物を撤去できずに工事の妨げとなってしまいます。

作業日程の変更や工事の順序の変更などの対応が必要となる場合もあり、中にはそれによって修繕計画の見直しや追加費用が発生するケースもあります。

このようなトラブルを避けるためにも、工事前に余裕を持って私物撤去依頼のアナウンスを始め、直前まで何度もアナウンスして居住者の協力を仰ぎましょう。

「ベランダの私物によって工事が妨げられると、工事日程の変更や追加費用が必要となる可能性もある」ということを記載しておくと、より効果的です。

近隣住民とのトラブル

大規模修繕工事中のトラブルは、業者や居住者だけではなく近隣住民との間に発生する場合もあります。

工事中の騒音・におい・ほこりの影響や工事車両の駐車などの問題で、近隣住民からクレームがくることも少なくありません。

大規模修繕工事前には、居住者への工事の説明を行うことはもちろんですが、近隣住民に対しても工事の期間や内容、時間帯について説明しておくことが重要です。

また、クレームや問い合わせたいことがあった際に近隣住民との窓口となるよう、管理組合の連絡先も伝えておくようにしましょう。

事前に工事についてのしっかりとした説明があるかどうかだけでも、近隣住民とのトラブルを減らすことにつながります。

普段から近隣住民とのコミュニケーションが取れていれば、大規模修繕の際のトラブルもより軽減されるでしょう。

予定外の工事が始まる

大規模修繕工事では、どのような工事をどの期間に行うのか、バルコニーへの立ち入りは必要なのか、騒音や臭気の発生はないかなど、工事内容や工事に関する注意事項を打ち合わせます。

ただし、天候や各工程間の調整により、予定通りに作業が進まず、作業内容の変更・中止となる場合もあるでしょう。

一般的には、翌日の作業場所や作業内容の詳細については、作業前日に工事掲示板に掲示し、告知をします。

工事会社からの告知をこまめにチェックしていない方もおり、トラブルが起こる可能性があるため注意が必要です。

工事ができない住戸がある 

大規模修繕工事では、ベランダの片付けや網戸の撤去など、様々な面で住民の協力が必要です。

1戸でも工事への協力が得られない住戸があると、工事がスムーズに進まず、最悪の場合は工事が中断してしまうこともあります。

大規模修繕工事は全住戸の協力が必要なため、修繕できない住戸がある場合は、管理組合から該当住戸に通知し、改善を促さなければなりません。

トラブルを未然に防ぐためにも、日頃から全世帯とコミュニケーションをとり、各世帯の住まいの状況を把握しておきましょう。

工期の大幅な遅れ

大規模修繕では、工期が大幅に遅れるケースがあります。

修繕積立金が足りないときに融資が遅れる、計画の不備、天候、建設業者の人手不足など様々な要因が想定されます。

大規模修繕の工期が延びれば延びるほど、マンション居住者や近隣住民への影響が大きくなるでしょう。

また、犯罪や不審者侵入のリスクも高まり、トラブルが発生しやすくなります。

綿密な準備と計画を立てることはもちろん、管理会社にすべてを任せるのではなく、業者選びを慎重に行い、進捗状況を把握するなどの対策が重要です。

施工業者の倒産

大規模修繕工事にはある程度の期間がかかるため、その間に施工業者が倒産し、工事が継続できなくなることも考えられます。

施工業者が倒産すると、新たな業者を探すしかなく、時間も費用もかかります。

また、すでに大規模修繕が滞っているときに、「施工業者が倒産した」と聞けば、マンション居住者は不安を覚えるでしょう。

外から見ただけでは、施工業者の経営状態や倒産リスクの有無は判断しにくいものです。

しかし、良い業者を選べば倒産のリスクを減らせます。

特に、依頼する施工業者の規模や実績は事前に確認しておきましょう。

ある程度規模の大きな施工業者であれば、安心して工事を任せることができます。

空き巣被害

大規模修繕工事で足場が組まれるため、窓から侵入しやすい状況です。

また、オートロックが開けたままになり、人の出入りが多く、空き巣に狙われやすい条件が整っています。

空き巣の原因は防犯対策を十分に行わないことにあるため、業者とともに対策を考えましょう。

  • 防犯カメラの設置
  • サーチライトの設置
  • 窓サッシの補助キーの設置
  • 作業員共通の服装・マークを付ける

カメラやサーチライトは、死角に設置すると高い防犯効果が期待できます。

窓サッシの補助鍵は、住民に無料で貸与することが多いです。

また、空き巣対策として、作業員は共通のベストを着用し、不審者を見分けられるようにしましょう。

大規模修繕後に起こるトラブルと予防法

大規模修繕工事が完了し、引き渡し後も様々なトラブルが発生する恐れがあります。

大規模修繕をした直後に再度修繕が必要になったり、安心して暮らせない不具合があったりすると、マンション居住者は不信感を抱くかもしれません。

ここからは、大規模修繕後に起こりやすいトラブルと対処法について紹介します。

工事費の追加請求

一般的にマンションの大規模修繕の費用は、最初の手付金から数回に分けて支払われます。

しかし、まれに工事完了後に「当初の見積もりより費用がかかった」「工事中に新たな欠陥が見つかり、追加工事が必要になった」などの理由で追加費用を請求されることがあります。

追加費用が発生する可能性の有無、発生時の対応方法など、正式に依頼する前に確認が必要です。

施工不良

大規模修繕工事が完了した後でも、何らかのトラブルが発生することは比較的多いです。

代表的なものとして、水漏れによる雨漏りが挙げられます。

ほかにも、ひび割れや塗装の剥がれなど、様々なトラブルが起こることは珍しくありません。

多額の費用をかけて大規模修繕をしても、数年以内に問題が発生すれば、管理組合や居住者にとって大きな問題となるでしょう。

大規模修繕工事後に発生するトラブルの多くは、悪徳業者による「ずさんな工事」が原因です。

そのため、実績があり、評判の良い工事会社を選ぶ必要があります。

管理組合として大規模修繕トラブルを防ぐ対策

大規模修繕で起こるトラブルの多くは、未然に防ぐことが可能です。

そこで、大規模修繕開始前~終了後までに起こりうるトラブルを防ぐ方法を紹介します。

長期修繕計画を見直す

マンションの大規模修繕は、長期修繕計画をもとに行われます。

長期修繕計画はかなり前から計画をたてていくため、どうしても実際の工事費用にずれが生じることになります。

さらに、長期修繕計画はあくまで予想で工事内容を決定しているため、想定よりも劣化が激しく修繕工事が必要な箇所が増えたり、反対にまだ修繕しなくてもいいとなる箇所が出てきたりするでしょう。

工事内容が想定通りだったとしても、物価や人件費の値上がりなどのさまざまな影響を受けて、工事費用は変動してしまいます。

長期修繕計画の見直しが行われていない場合、このようなさまざまな要因によって、実際に工事を行う際に計画通りの修繕積立費では足りないというトラブルが起こりやすいです。

修繕積立金の不足は居住者とのトラブルにつながるため、予防するためにも定期的に長期修繕計画を見直すようにしましょう。

一般的には、5年ごとを目安に長期修繕計画の見直しが行われます。

長期修繕計画を定期的に見直すことで、修繕積立金にまつわるトラブルを予防しましょう。

住民への工事説明会の開催

大規模修繕工事の実施が決定した時点で全世帯に通知し、着工前に施工業者による工事説明会を開催することが重要です。

工事説明会では、大規模修繕工事の流れや工事内容、工事に関する注意事項や要望などを詳しく説明し、大規模修繕工事に対する住民の疑問や不安を解消してもらいましょう。

また、参加できない場合のフォロー体制や、連絡先、万が一トラブルが発生した場合の対応なども、事前に工事会社に確認しておくと安心です。

近隣住民への事前説明

大規模修繕工事の実施にあたっては、近隣住民への事前説明も重要です。

近くに学校があるか、通学路があるかなど、周辺環境をあらかじめ確認しておきましょう。

大規模修繕工事の計画段階から告知や説明を行い、事前に工事の了解を得ることで、工事前や工事中の近隣住民との思わぬトラブルを最小限に抑えることができます。

また、大規模修繕工事では着工前の挨拶と同時に、より詳細な工事内容や工事中の注意事項などを近隣住民に伝えることも大切です。

施工業者側も、近隣住民とのコミュニケーションを図る必要があります。

人とのつながり、地域とのつながり、近隣へのあいさつの範囲などを共有することがポイントです。

実績・対応・評判から信頼できる施工業者を選ぶ

大規模修繕を依頼する際、「大手だから大丈夫」「友人に勧められたから」など、 下調べをせずに安易に業者を選ぶことは非常にリスクが高いため止めましょう。

また、現場監督や担当者の対応や人柄が信頼できるかどうかも重要です。

大規模修繕工事を得意とする業者、評判の良い業者、トラブル回避のノウハウを知っている、アフターケアが充実しているなどもチェックしましょう。

徹底した現場管理

マンション修繕工事後のトラブルを防ぐためには、管理組合による現場管理も重要です。

トラブルを避けるために、外壁塗装や屋上の防水工事など、工事が完了するたびに仕上がりをチェックし、手抜き工事が行われていないか確認します。

そのため、大規模修繕がすべて終わってからマンションをチェックするのは避けましょう。

工事の進捗状況に応じて「中間検査」、足場を解体する際に計画通りに工事が進められているか、不具合はないかなどを確認する「完了検査」を行います。

保証内容やアフターサービスを確認

大規模修繕完了後に発生する不具合の多くは、施工会社の施工不良によるものです。

不具合が発生した場合は、すぐに施工会社に連絡し、厳正な対処をしてもらいましょう。

施工業者の保証や、アフターサービスを事前に確認しておくことが大切です。

一般的な施工業者であれば、数年ごとに定期点検を実施し、大規模修繕工事などで不具合が生じた場合は無償で対応してくれます。

また、万一の不具合に備えて「瑕疵保険」という保険があります。

保険は施工会社が加入するものなため、瑕疵保険に加入しているかどうか確認しておくとよいでしょう。

瑕疵保険に加入していれば、大規模修繕工事完了後に発生した瑕疵の補修費用は保険金から支払われ、管理会社が負担する必要はありません。

マンションの大規模修繕でトラブルが発生した場合の相談先

マンションの大規模修繕でトラブルが発生した際には、「公益財団法人マンション管理センター」に相談してください。

公益財団法人マンション管理センターとは、マンション管理についての相談を受け付けたり情報提供を行ってくれる、国土交通大臣指定の機関です。

大規模修繕はもちろん、管理費や理事会に関する相談なども受け付けてくれます。

また、以下のようなサービスについても安価で行っています。

  • 簡易的長期修繕計画の作成
  • 修繕積立金の額を算出するサービス

マンションの大規模修繕でトラブルが発生した際に的確に力を貸してくれるため、困った時の連絡先として必ず覚えておきましょう。

大規模修繕工事でよくある質問

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

まとめ

大規模修繕はマンションにとって必要なものですが、大規模な工事なのでさまざまなトラブルが起こりやすい期間でもあります。

  • 大規模修繕の際は、修繕積立金が足りないなど費用面のトラブルが多い
  • 長期修繕計画は定期的に見直すことがトラブル予防につながる
  • コンサルタントや施工業者選びは慎重に行う
  • 居住者や近隣住民への工事の説明をしっかり行い、トラブルを予防しよう
  • 大規模修繕でトラブルが起きたら、公益財団法人マンション管理センターに相談する

大規模修繕は、居住者にとってもストレスが大きいです。

居住者への配慮を忘れず、事前説明をしっかり行うことでトラブルを回避しましょう。

また、長期修繕計画の定期的な見直しなど、計画的な準備がトラブルを予防します。

今回の記事を、大規模修繕の際のトラブル予防や対策に役立ててくださいね。

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