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マンション大規模修繕工事の管理組合の役割とは?管理会社との関わりも紹介

大規模修繕におけるマンションの管理組合の役割を知りたい人

大規模修繕におけるマンションの管理組合の役割を知りたい人

大規模修繕におけるマンションの管理組合の役割は?
マンションの修繕は管理会社に任せるのがいい?
マンションの管理組合は大規模修繕で何をする?

マンションでの快適な暮らしを長く維持するために欠かせないのが「大規模修繕工事」です。多くの住民が生活するマンションでは、この工事が10年から15年ごとに実施されます。

大規模修繕工事では、マンション管理組合が中心的な役割を担います。管理組合は、理事会や修繕委員会を通じて、工事の計画立案から業者選定・工事監理まで、重要な役割を担います。

一方マンション管理会社は、専門的な知識やノウハウを提供し、管理組合をサポートします。両者が協力することで、効果的な修繕工事が可能となります。

本記事では、大規模修繕工事におけるマンション管理組合の具体的な役割や、理事会・委員会の運営方法、そして管理会社との連携について詳しく解説します。マンション管理に携わる方々は、ぜひ最後までお読みください。

目次

マンション大規模修繕とは?管理組合が理解しておくべきこと

マンション管理において、大規模修繕は非常に重要な概念です。

大規模修繕とは、建物の主要構造部分や設備の一斉更新・改修工事のことを指します。

管理組合は、大規模修繕の意味と必要性を十分に理解しておく必要があります。

建物の資産価値を維持・向上させ、安全性や居住性を確保することを目的としているため、数年に一度、計画的に実施することが欠かせません。

マンション大規模修繕の周期について

一般的に、大規模修繕は概ね12~15年の周期で実施されます。

しかし、この周期は目安に過ぎず、建物の状況によっては早まったり遅れたりする可能性があります。

建物の構造や築年数、地域の気候条件などを総合的に勘案し、エビデンスに基づいて適切な修繕時期を判断することが重要です。

修繕の遅れは、建物の損傷を深刻化させる危険性があります。

大規模修繕は、マンション管理において欠かせない重要な取り組みです。

管理組合は大規模修繕の目的と必要性を正しく認識し、建物の状況に応じて適切な時期に計画的に実施する必要があります。

将来を見据えた賢明な対応が、マンションの資産価値の維持・向上につながります。

マンション大規模修繕にて管理組合や理事会の役割とは

分譲マンションを購入すると、購入者は自動的に管理組合の組合員になります。

具体的には、マンションを購入した方は「区分所有者」となり、区分所有者全員がマンションを管理する管理組合の組合員です。

区分所有法で義務づけられていることなため、区分所有者は全員参加しなければなりません。

さらに、区分所有者全員が管理組合に加入し、毎月の管理費と建物維持のための修繕積立金を支払います。

日常的な維持管理業務は、マンション管理会社に委託することが一般的です。

しかし、定期的な建物の修繕工事や大規模修繕工事は、管理組合の代表者で組織される理事会が行います。

つまり、マンション管理組合・理事会の日常的な役割はマンションの維持管理であり、大規模修繕工事では、管理組合・理事会が重要な役割を果たすのです。

マンション大規模修繕における管理組合の役割(タイミング別)

大規模修繕を行う場合、着工前だけではなく、工事期間中や竣工後も管理組合や理事会の役割は多岐にわたります。

ここでは、大規模修繕工事を「工事前」「工事中」「完了後」の3つの段階に分け、それぞれの段階における管理組合と理事会の役割を紹介します。

マンション大規模修繕における管理組合の役割1.工事前の役割

大規模修繕の着工1~2年前に、修繕委員会を立ち上げます。

修繕委員会とは、マンションの区分所有者で構成された大規模修繕についての専門委員会です。

管理組合や理事会の負担を軽減し、適切な大規模修繕を推進する大きな役割を担っています。

修繕委員会設置には、理事会が中心となって委員を公募し、数名を選出しなければなりません。

公平性を維持するために、年齢を問わず委員を選出することが理想的です。

しかし、現実的には応募者が少ないため、応募した方を積極的に委員として選出します。

修繕委員会は、管理組合や理事会の「諮問機関」という位置づけです。

そのため、理事会の代表者も可能な限り修繕委員会に出席し、管理組合と修繕委員会が対立しないように管理することが大切です。

修繕委員会は管理組合の負担を軽減

修繕委員会が活動を行ううえでのポイントは、修繕委員会は理事会の諮問機関であるということです。

修繕委員会は大規模修繕に関する実務を行いますが、業者選定などの最終決定権はありません。

マンションの大規模修繕に関する最終判断は理事会が行います。

修繕委員会は理事会の下部組織であり、理事会の意思決定のための資料を取りまとめ、報告するチームです。

修繕委員会として活動するときは、理事会を補助する役割であることを念頭に置いて活動しなければなりません。

マンション大規模修繕における管理組合の役割2.工事中の役割

大規模修繕中の対応は修繕委員会に一任されますが、着工後も管理組合や理事会には次のような役割があります。

  • マンション居住者からの苦情の受付や対応
  • 近隣住民からの苦情の受付や対応
  • 工事に関する情報発信
  • 工事定例会に出席する
  • コンサルタントとの工事進捗状況の確認

工事に関するクレームは、工事業者の現場代理人が対応することが一般的です。

ただし、マンション管理組合や理事会が一切関知しないような態度をとると、問題がより大きくなる可能性があります。

マンション住民や近隣住民からの苦情やクレームへの対応については、理事会を中心にしっかりとした体制を整えておかなければなりません。

大規模修繕工事中の生活

大規模修繕工事中は、マンション居住者の日常生活に大きな影響が出ます。

例えば、マンション全体に足場が組まれ、外壁やバルコニーなどの工事が行われます。

そのため、自宅のバルコニーには作業のために人が出入りし、足場には養生シートが張られているため、洗濯物を外に干すことができません。

さらに、工事時間中は臭いやホコリの侵入を防ぐために窓を開けられないこともあり、住民に様々なお願いをする場合があります。

  • ベランダにあるものを全て屋内に入れる(ウッドデッキ、植木等の撤去)
  • 網戸を取り外して屋内に保管する
  • BSアンテナやCSアンテナを取り外して保管する
  • エアコンの室外機の移動
  • 駐車場の車の移動
  • 廊下や階段の工事中は建物内を職人が迂回する旨の周知

一定期間、ストレスや不便を感じることは否定できませんが、工事をスムーズに進めるためには居住者の協力や理解を得る必要があります。

ただし、作業日程や立会いが必要な場合の一時的な荷物の持ち出しなど、協力が難しい場合には大規模修繕委員会や管理組合が相談に乗ることが大切です。

マンション大規模修繕における管理組合の役割3.工事完了後の役割

工事完了時には、監理を依頼したコンサルタントによる竣工検査が行われ、修繕委員会だけではなく、管理組合や理事会も立ち会います。

竣工検査で手直しが行われた場合、手直しの状況が確認されれば引き渡しとなりますが、管理組合や理事会は工事業者と引き渡し書類を取り交わさなければなりません。

引き渡しに関する書類は工事の種類ごとに異なりますが、マンションの大規模修繕では主に次のような引き渡し書類を取り交わします。

  • 竣工図
  • 図面
  • 各工事保証書(防水・塗装等)
  • 工事工程写真
  • 完成写真
  • 材料出荷証明書
  • 工事日報
  • 打ち合せ議事録

書類を取り交わした後は、定期修繕工事や次回の大規模修繕工事に備えてマンション内で厳重に保管し、長期修繕計画の見直しにも活用します。

最終的な決定権は管理組合と理事会が開催する総会にあることを十分に認識し、各項目をチェックしながら工事を進めていくことが大切です

マンション大規模修繕の施工業者選定を管理組合が行う

大規模修繕工事は膨大な費用が発生する大がかりな工事なため、適切な施工業者を選定することが重要になります。

施工業者の選び方を誤ると、工事の品質が下がったり、コストがかさんだりする可能性があるからです。

そのため、施工業者選定には十分な時間を割いて、複数の業者から見積もりを取るなど、慎重に検討する必要があります。

統計データによると、施工業者の選定ミスが原因で、大規模修繕工事の35%がトラブルに見舞われているといわれています。

主なトラブルとしては、工期の大幅な遅延、想定外のコストの発生、アフターフォローの不備などが挙げられます。

実際に、東京都内の老朽マンションで大規模修繕工事を行った際、安価な見積もり金額だけを重視して施工業者を選定したところ、工事の品質が非常に劣っていたケースがありました。

結局、工事をやり直す羽目になり、当初見積もりの2倍近い費用がかかってしまったのです。

このように、施工業者選定を誤ると、大きな損失を被る可能性があります。

施工業者選定で重視すべき点は、価格だけでなく、過去の実績、アフターフォローサービスの有無、現場監督の態勢など、総合的に判断することです。

特に実績については、同規模の修繕工事の実績があるかどうかをチェックする必要があります。

実際に工事を行ったマンションの管理組合に確認するのも一つの手です。

価格については、過去の修繕工事の単価と比較して、妥当な金額かどうかを検討しましょう。

このように、施工業者選定には細心の注意が必要なため管理組合の理事長を始め、検討委員会を立ち上げて、しっかりと検討を重ねることが大切です。

マンション管理組合の大規模修繕時のポイント

大規模修繕では、マンションの長期的な価値を維持するため、計画的で透明性のある進行が重要です。管理組合はまず、建物診断を実施し、修繕の必要性や範囲を明確にします。複数の業者から相見積もりを取り、費用や施工内容を比較しながら信頼できる施工会社を選定することが大切です。また、住民への事前説明や合意形成を丁寧に行い、騒音や作業の影響についての理解を促すこともポイントです。

マンション管理組合の中規模修繕時のポイント

中規模修繕では、外壁や共用部分などの経年劣化を防ぎ、居住者の快適性を保つために行います。管理組合は、劣化の進行状況を把握し、優先順位を決めて計画を立てることが重要です。大規模修繕と比べて費用は低いものの、予算内で効率的に工事を進めるため、施工会社と入念な打ち合わせを行います。また、住民への影響を最小限に抑えながら、円滑に工事を進める配慮も必要です。

マンション大規模修繕の積立金が不足した場合の管理組合の対処法

大規模修繕工事は長期にわたる計画的な準備が必要となります。

しかし、想定以上の費用がかかったり、工事内容の変更があったりする場合、修繕積立金だけでは足りなくなる可能性があります。

そのような場合の対処法をご説明します。

  1. 金融機関からの借入
    不足分を補うため、管理組合が金融機関から融資を受けるのが一般的です。以前は区分所有者全員の連帯保証が必要でしたが、最近は組合自体が借り入れできるケースも増えています。金利は0.5〜2%程度が相場です。
  2. 一時金の徴収
    区分所有者全員から一時金を徴収する方法もあります。この場合、家計への負担が大きくなりますが、金利を払う必要がなく、長期的には負担が軽くなります。金額については総会での決議が必要です。
  3. 工事範囲の見直し
    他に、工事範囲を見直して、実施する工事の優先順位をつけ、優先度の低い部分を先送りすることで、当面の費用を抑えることができます。ただし、放置すれば将来的に費用がかさむ恐れがあるため、注意が必要です。

実際のデータを見ると、大規模修繕工事で修繕積立金が不足した場合、約6割の管理組合が金融機関からの借入れと一時金徴収を併用しているそうです。

一方で、高経年マンションでは、借入が困難な場合もあり、その際は一時金徴収が中心となります。

各対処法にはメリット・デメリットがあるため、区分所有者の年齢構成や資金計画などを総合的に勘案し、最適な方法を選ぶ必要があります。

早期からのシミュレーションと十分な準備が重要です。

管理組合の対処法|金融機関からマンション大規模修繕費用を借入をする

区分所有者全員の同意を得ることが難しい大規模修繕工事では、修繕積立金が不足した場合、管理組合自体が金融機関から借り入れを行うケースが増えています。

借入の際は、以下のようなポイントが重要となります。

【借入の際の審査】
金融機関は、修繕積立金の状況や修繕計画の内容、区分所有者の収入状況などを総合的に審査します。高経年のマンション、区分所有者の高齢化が進んでいる場合は、借入が難しくなる可能性があります。

【金利の違い】
借入の金利は、マンション全体で借りる場合と区分所有者個人で借りる場合とでは異なります。マンション全体の場合は0.5〜2%程度、個人の場合は2〜5%程度が相場です。

【検討すべき点】
・借入期間は原則15〜20年以内が望ましい
・元利均等返済が一般的だが、後半の返済負担が重くなるため、注意が必要
・金利の上昇リスクに備えた上乗せ返済などの工夫が重要

【実例データ】
国土交通省の調査によると、大規模修繕工事で借入を行った管理組合のうち、約60%がマンション全体としての借入を選択しているそうです。個人借入は35%程度に留まっています。

金融機関の審査を通過するには、修繕計画の妥当性はもちろん、適正な修繕費積立と健全なマンション運営体制が重要です。

区分所有者の合意形成や将来を見据えた資金計画の立案など、事前の準備が不可欠となります。

管理組合の対処法|マンション居住者から大規模修繕費用の一時金を徴収

大規模修繕工事の際、修繕積立金が不足すると、管理組合が区分所有者全員から一時金を徴収することがあります。

この場合のメリットとデメリットは以下の通りです。

【メリット】
・借入れを行わないので、金利の支払いが不要
・将来へのツケを残さずに済む

【デメリット】
・一時的に区分所有者に大きな負担がかかる
・資金計画の見直しが必要
・高齢者世帯などには大きな負担

一時金徴収を行う際の難しい点は、区分所有者間の合意形成です。

特に高齢世帯や低所得世帯への配慮が必要となります。そのため、適正な徴収額の設定と、分納払いなどの配慮が求められます。

管理組合の対処法|マンション大規模修繕工事の範囲を見直す

大規模修繕工事の資金が不足する場合の対処法として、工事範囲を見直し、優先度の低い部分を先送りすることで、当面の費用を抑える方法があります。

これにより修繕積立金の範囲内で工事が完了できる可能性があります。

しかし一方で、見送った部分の劣化が進行すれば、将来的に大がかりな工事が必要となり、かえってコストがかさむリスクもあります。

そのため、工事範囲の見直しは、建物の状況を的確に診断し、優先順位を適切に判断することが重要です。

国土交通省の調査では、大規模修繕工事で資金が不足した場合、約2割の管理組合が工事範囲の見直しを行ったと回答しています。

主な見直し内容は、屋上防水工事や外壁タイル工事などの先送りだったそうです。

工事範囲の見直しは、建物の状況や将来の修繕計画など、様々な要素を総合的に検討して慎重に判断する必要があります。

単に費用削減だけを優先してはいけません。場合によっては融資や一時金徴収と組み合わせて、最適な対応を検討することが賢明でしょう。

管理組合と居住者が協力!マンション大規模修繕工事の進め方

マンション大規模修繕工事は、入念な事前準備と、適切な進め方が成否の鍵を握ります。

ここでは大規模修繕工事の一般的な進め方をステップごとにご説明します。

  1. STEP

    事前調査と修繕計画の立案

    • 修繕の必要性を専門家に診断してもらう
    • 長期修繕計画の見直しを行う
    • 優先工事と将来の修繕工事を列記する
  2. STEP

    設計・見積もり

    • 設計監理者の選定と設計図書の作成
    • 複数の施工業者から見積もりを徴収する
    • 工事費、工期、施工方法を比較検討する
  3. STEP

    資金計画と施工業者選定

    • 修繕積立金の状況を確認し、不足分の対処を検討
    • 入札など公平な施工業者選定プロセスを経る
    • 選定委員会などで慎重に業者を決定する
  4. STEP

    総会での決議

    • 修繕工事内容と資金計画について総会で説明
    • 過半数の賛成を得て、工事実施を決議する
  5. STEP

    工事の実施と監理

    • 工程会議などで工事の進捗を管理組合と共有
    • 設計監理者による工事監理を徹底する
    • 完了検査を経て、工事の引渡しを受ける

国土交通省が示す大規模修繕工事の標準的なスケジュールは、事前調査から引渡しまで概ね2年半程度を見込んでいます。

スムーズに工事を進めるには、十分な準備期間を設けることが重要です。

見通しと計画性を持って、段階を踏みながら着実に進めることで、無駄なコストを抑え、良質な工事を実現できるはずです。

管理組合とマンション居住者全員で協力し合い、建物の資産価値を次の世代に確実に引き継いでいきましょう。

大規模修繕はどちらが主体?マンションの管理組合と管理会社の関係

「管理費を払うということは、管理会社がマンションを管理しているのではないのか」と考える方も多いでしょう。

清掃やメンテナンス、設備点検などの管理業務を行う管理会社は、管理組合と契約を結び、入居者の代わりにマンションを管理します。

管理会社と契約せずに、住民が管理業務を行う自主管理のマンションもあります。

委託でも自主管理でも、管理するのはマンションの所有者です。マンション管理は管理会社が行うものと考える方も多いですが、主体は管理会社ではなく管理組合です。

管理組合が行うマンション大規模修繕工事の実施方法

管理組合が行う大規模修繕工事には、4つの実施方法があります。

ここでは、4つの実施方法についてそれぞれ解説していきます。

管理組合が行うマンション大規模修繕工事|管理会社主導方式

管理会社主導方式は、その名の通り管理会社に依頼する方法です。

管理会社を中心として、建物診断・実施設計・施工・施工監理が行われます。

マンションについてよく理解している管理会社に依頼することで安心感があるほか、管理組合の負担が少ないこともメリットです。

また、責任の所在が明確となっていることもメリットのひとつです。

安心感がある一方で、第三者によるチェックがないことで無駄な工事項目が追加されるリスクがあります。

また、直接管理会社に依頼すると競争原理が働かないため、費用が高額になる傾向があることもデメリットと言えるでしょう。

管理組合が行うマンション大規模修繕工事|設計監理方式

設計監理方式は、建物診断・設計・工事監理を設計事務所などに依頼し、工事を公募方法などにより施工業者に発注する方式のことです。

施工チェックを第三者に依頼することになり、無駄な工事項目の追加を抑止できることや厳正な品質チェックが行われることがメリットです。

設計監理方式では工事を公募などで施工業者に発注するため、競争原理が働き比較的コストを抑えられることが多いといえます。

建物診断・設計・工事監理を依頼する設計事務所は慎重に決める必要があり、管理組合に負担がかかることがデメリットのひとつです。

設計と工事を別々に依頼するため、工事費と別に監理費がかかり、小規模マンションでは割高になることがあります。

管理組合が行うマンション大規模修繕工事|責任施工管理方式

責任施工管理方式は、建物診断・実施設計・施工監理までを一任する方式です。

相見積もりによって決定する場合もあれば、最初から一社を指定して発注する場合もあります。

設計から施工まで一任するため責任の所在が明らかであるほか、打ち合わせの手間や時間が軽減され管理組合の負担を減らせることがメリットです。

設計会社の監理費が含まれないためコストを抑えられる傾向がありますが、各社がそれぞれの基準で設計するため工事内容が異なり、価格の比較が難しいです。

また、見積もり期間が1ヶ月以上かかることも多く失注すると無駄になることや、手間の割に利益が少ないことから、小規模マンションでは引き受けてくれる会社を見つけるのがなかなか難しいでしょう。

管理組合が行うマンション大規模修繕工事|コンサルタントの採用

管理組合はマンションの居住者で構成されているため、大規模修繕に関しての知識がないことがほとんどです。

そのため、知識を持った専門家に適切な判断やアドバイスをしてもらうため、コンサルタントを採用する方法があります。

修繕計画から設計、住民説明会や施工監理など大規模修繕のすべてに関わり支援してもらえるため、管理組合の負担を大きく減らすことができるでしょう。

デメリットとしては、コンサルタントの採用にかかる費用が必要となることが挙げられます。

コンサルタント選定のポイント

コンサルタントを採用して大規模修繕を進めていく場合、重要となるのはコンサルタントの選定です。

以下のポイントを押さえて、採用するコンサルタントを選びましょう。

  • マンションの大規模修繕工事の実績がある
  • 管理組合の運営について知識を持っている
  • コンサルタント費用の報酬が明確になっている
  • 公にノーリベート宣言を行っている
  • 工事後も継続的に付き合えるなど、アフターサポートが充実している
  • 説明が丁寧で円滑にコミュニケーションが取れる

コンサルタントを採用して大規模修繕工事を進めていく場合、スムーズで円満に工事を終えるためにも、コンサルタントの選定が非常に重要です。

契約する際は以上のポイントを参考に、慎重に選定してくださいね。

管理組合必見!マンション大規模修繕工事における施工業者の選び方

大規模修繕工事施工業者は、以下のポイントを押さえて選びましょう。

  • 大規模修繕工事の実績が豊富
  • 保証やアフターサービスが充実している
  • 工事に取り組む方針が整理されている
  • 見積書の内容が丁寧かつ明確
  • 建設業許可の有無

紹介したポイントをしっかりと押さえて、信頼できる施工業者に依頼してくださいね。

マンション大規模修繕工事における管理組合の役割についてのまとめ

マンションの大規模修繕工事において、管理組合は非常に重要な役割を担います。

管理組合の担う役割を理解して、定期的に必要となる修繕工事に備えましょう。

  • 管理組合が行う大規模修繕工事には、4つの実施方法がある
  • 4つの方法のメリット・デメリットを理解した上で依頼方法を決めよう
  • 大規模修繕工事施工業者やコンサルタントは慎重に選定する

マンションの大規模修繕工事をトラブルなく終えるためにも、業者選びは慎重に行う必要があります。

今回紹介した管理組合の役割から工事の実施方法までをよく理解して、大規模修繕工事に備えてくださいね。

大規模修繕工事の施工業者選びの参考に!

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