防水工事の施工事例をマンション・ビル・アパート別に紹介|費用や工期・注意点なども解説

2025/09/09

建物の寿命を左右する「防水工事」。

雨漏りや劣化を防ぎ、資産価値を守るためには欠かせない工事ですが、実際にどのくらいの費用や工期がかかるのか、具体的なイメージが持てない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、マンション・ビル・戸建・アパートの施工事例を取り上げ、それぞれの費用相場や工事の流れ、注意点を分かりやすく解説します。

これから防水工事を検討される方にとって、見積もり比較や業者選びの参考になる内容をまとめました。

目次

防水工事とは?目的や工法の種類を紹介

防水工事とは、建物の屋上やバルコニー、外壁などに防水層を設け、雨水の侵入を防ぐ工事を指します。

雨漏りの予防だけでなく、建物内部の躯体や鉄筋の劣化を防ぎ、建物全体の寿命を延ばす役割があります。

特にマンションやビルなどの大型建物では、防水性能が低下すると修繕範囲が大規模になり、費用も膨らむため、計画的な防水工事が不可欠です。

防水工事の必要性と目的

屋上やバルコニーは常に雨や紫外線にさらされ、経年とともに防水層が劣化します。

防水性能が低下すると、ひび割れや膨れが発生し、やがて雨水が建物内部に侵入します。

雨漏りを放置すれば内装材の腐食、鉄筋の錆びによる構造強度の低下など深刻な被害につながります。

防水工事はこれらを未然に防ぎ、資産価値を守ることが最大の目的です。

代表的な防水工法の種類

防水工法にはいくつかの種類があり、建物の規模や用途に応じて使い分けます。

防水工法特徴主な適用箇所
ウレタン塗膜防水・液状のウレタンを塗布し防水膜を形成
・複雑な形状にも対応可能
屋上、バルコニー
シート防水(塩ビ・ゴム)・シート状の防水材を貼る工法
・耐久性が高い
大型屋上、マンション、ビル
FRP防水・繊維強化プラスチックを使用
・軽量で強靭
戸建住宅のベランダ
アスファルト防水・歴史が古く耐久性に優れるビル、大規模施設

防水工法にはそれぞれ特性があり、建物の種類や利用状況に応じて適切な選択を行うことが大切です。

戸建てでは軽量なFRP、防水性重視のマンションやビルではシートやアスファルトなどが選ばれます。

費用や耐用年数、施工条件を比較し、最適な工法を見極めることが建物を長期的に守るポイントです。

【マンション】防水工事の施工事例1|防水工事を含む大規模修繕

東京都世田谷区にあるRC造5階建てマンションの防水工事を含む大規模修繕の事例です。

隣家の火災による外壁や雨樋の損傷をきっかけに、経年劣化部分の補修もあわせて行われました。

以下では、オーナー様と担当者の実際の会話を交えながら、工事の流れを詳しくご紹介します。

お問い合わせと初期対応

最初のご連絡は火災被害を受けた直後でした。

オーナー様は被害箇所だけでなく、建物全体の劣化も心配されていました。

お客様:「隣の建物で火事があり、こちらの外壁や雨樋にも被害が出てしまいました。修繕をお願いできますか?」
担当者:「はい、対応可能です。火災による損傷部分だけでなく、全体の劣化も同時に確認したほうが効率的ですよ。」
お客様:「実は以前から外壁のひび割れや屋上の防水も気になっていたんです。」
担当者:「それでしたら、一度まとめて点検・修繕するのが最善ですね。費用も分けて見積りできますのでご安心ください。」

補足すると、この段階で「火災被害+経年劣化」という二重の課題が明らかになりました。

結果的に保険と通常修繕を組み合わせた計画が立案されることになります。

現地調査と劣化症状の確認

現地調査では、屋上や外壁に複数の劣化症状が確認されました。

オーナー様は雨漏りの不安を強く抱いていました。

担当者:「屋上の防水層は膨れやひび割れが進んでいますね。外壁のクラックも広がっており、シーリングの劣化も見られます。」
お客様:「雨漏りが心配ですが、どのくらい緊急性がありますか?」
担当者:「この状態ですと、次の梅雨や台風シーズンにはリスクが高まります。早めの防水工事をお勧めします。」
お客様:「防水工事はいくつか種類があると聞いたことがありますが…。」
担当者:「はい。今回は“通気緩衝工法”が適しています。湿気を逃がしつつ、耐久性を高められる工法です。」
お客様:「長持ちするなら安心ですね。」

ここでは「施工方法の選定」がポイントでした。

特に通気緩衝工法は、湿気による内部破損を防ぎ、再発リスクを減らせる点で有効です。

見積りと説明

次のステップは見積りの提示です。

オーナー様は保険利用や工事内容の分かりやすさを重視されていました。

お客様:「火災被害部分は保険でカバーできるんですよね?」
担当者:「はい、保険対応分と経年劣化分を分けた見積りを作成します。」
お客様:「工事項目ごとに細かく分かれていますね。素人なのでわかるか不安で…。」
担当者:「大丈夫です。例えば“外壁補修”はひび割れの補修と塗装を含みます。“屋上防水”は防水層の撤去・下地処理・新設までがセットです。」
お客様:「なるほど。保証はつきますか?」
担当者:「防水工事は10年保証、その他も項目ごとに保証をお付けします。」

このやりとりから分かるように、施工内容を具体的に説明することは、オーナー様の安心感につながります。

また保証制度が明確に提示されることで、長期的な信頼が構築されました。

契約と打ち合わせ

見積り内容に納得いただき、正式な契約となりました。

工程や近隣対応など、実際の準備が始まります。

お客様:「見積りも明確ですし、ぜひお願いしたいです。」
担当者:「ありがとうございます。工程表を作成します。工期は約2か月で、年末年始を挟みます。」
お客様:「近隣への説明はどうなりますか?」
担当者:「事前に担当者が直接ご挨拶に伺い、工期や騒音の説明を行います。」
お客様:「色の指定もできますか?」
担当者:「はい、カラーサンプルをお持ちしますのでお選びいただけます。」

契約段階では「工事中の住環境への配慮」と「仕上がりのデザイン性」が重視されました。

特に近隣挨拶は、トラブル防止に欠かせない要素です。

工事中のやり取り

工事が始まると、オーナー様は日常生活への影響を気にされました。

お客様:「雨の日は作業できるのでしょうか?」
担当者:「外壁や防水の作業は天候に左右されるので、雨天時は中止します。その場合も工程表を調整し、完成に遅れが出ないようにします。」
お客様:「足場の周りは暗くなりませんか?」
担当者:「照明を設置して暗くならないように対応します。安全面も徹底しています。」
お客様:「年末年始は足場が気になるのですが…。」
担当者:「メッシュシートを一部外し、風通しや防犯面にも配慮しますのでご安心ください。」

現場対応では、工事の進行だけでなく「生活への配慮」や「安全性の確保」が重要なテーマとなりました。

引き渡しとアフターフォロー

工事完了後、最終確認と引き渡しが行われました。

お客様:「外観が見違えるようにきれいになりました。雨漏りの不安も解消されましたね。」
担当者:「保証書をお渡ししますので、今後も安心してお住まいになれます。点検や不具合が出た際は、すぐにご連絡ください。」
お客様:「長尺シートも新しくなって歩きやすいです。入居者からも好評でした。」
担当者:「共用部は日常利用が多いため、耐久性のある素材を選びました。長期的に快適さを保てると思います。」

ここでは「完成後の安心感」と「入居者への価値」が大きなポイントとなりました。

単なる補修ではなく、建物全体の価値向上につながる事例といえます。

施工写真紹介とビフォーアフター解説

施工中の様子は写真で記録され、オーナー様への報告や安心材料となりました。

  • 足場設置:建物を囲い、安全性と作業効率を確保
  • 外壁補修:ひび割れ補修後に塗装を行い、美観を回復
  • 防水工事:既存防水層を撤去し、通気緩衝工法による新しい防水層を施工
  • 長尺シート:共用部の床が刷新され、安全性と快適性が向上

工事の様子を写真で振り返ることで、施工内容や改善点がより具体的に理解できます。

着工前と完成後を比較すると、劣化によるひび割れや防水層の不具合が解消され、美観と機能性の両面で大きく改善されたことが分かります。

写真はオーナー様への報告資料としても活用され、透明性の高い工事進行と安心感の提供につながりました。

工事概要と費用内訳

大規模修繕工事では、全体の工事費用や各工事項目の内訳を明確にすることが非常に重要です。

世田谷区マンションの今回の事例では、外壁補修や屋上防水、共用部の長尺シート張り替えなど幅広い工事が行われました。

下記の表に、総額や工事期間、主要な工事項目ごとの費用配分をまとめています。

項目内容費用目安
工事金額(総額)783万円
工事期間約60日間
足場設置仮設足場・メッシュシート約150万円
外壁補修・塗装クラック補修・塗装更新約200万円
シーリング打ち替え目地・サッシ周り補修約70万円
屋上防水工事通気緩衝工法(ウレタン塗膜防水)約220万円
長尺シート施工廊下・階段床張り替え約90万円
その他諸経費・近隣対応費など約50万円

総額783万円という金額の中で最も比率が高いのは屋上防水工事(約220万円)で、次いで外壁補修・塗装(約200万円)となっています。

防水や外壁の修繕は建物の耐久性や安全性を大きく左右するため、優先度が高い工事項目です。

また足場設置費用も150万円と大きな割合を占めていますが、これは安全性と効率的な施工のために不可欠な投資です。

内訳を把握することで「どの工程にどれだけのコストがかかるのか」を理解でき、修繕計画を立てる際の参考になります。

世田谷区マンション防水工事事例から学ぶポイント

今回ご紹介した事例では、火災被害と経年劣化を同時に解決するために、外壁補修・塗装・シーリング・屋上防水・長尺シート施工といった幅広い工事が行われました。

実際のオーナー様と担当者の会話を通じて、工事前に抱かれる不安や疑問に対して、どのように説明・提案しながら進めていくのかが具体的に伝わったのではないでしょうか。

特にポイントとなったのは以下の点です。

  • 保険対応と通常修繕を組み合わせる柔軟な計画
  • 通気緩衝工法を用いた防水工事による長期的な安心
  • 工事期間中の生活・安全面への配慮
  • 保証制度やアフターサービスによる信頼性の確保
  • 写真記録や報告での透明性確保と安心感

大規模修繕や防水工事は、費用や工期の負担が大きいため、信頼できる施工業者と綿密に相談しながら進めることが成功のカギです。

本事例のように「オーナー様の不安に寄り添いながら、一つひとつ疑問に答えていく姿勢」が、最終的な満足度の高さにつながります。

これから防水工事や修繕工事を検討される方は、本記事を参考に「どのような流れで進むのか」「どんな準備や確認が必要なのか」をイメージし、安心して工事を任せられるように準備していただければと思います。

参照元:新東亜工業「【実録】保険活用でお得に修繕!世田谷区マンションの大規模修繕の流れを完全公開!~問い合わせから完工までのリアルな会話~

【ビル】防水工事の施工事例2|施設併設ビルの雨漏り・外壁修繕事例

東京都板橋区にある施設併設4階建てビルの防水工事および外壁修繕の事例です。

屋上からの雨漏りが発端となり、外壁や塔屋のタイル浮きなども同時に修繕する大規模な工事が行われました。

オーナー様と担当者との実際の会話を交えながら、調査 → 提案 → 工事 → 完成の流れを詳しくご紹介します。

お問い合わせ(電話対応)

ビルのオーナー様からは「雨漏りが急に発生して困っている」という切実な相談が入りました。

施設併設型のビルだったため、利用者への影響を考えると早急な対応が不可欠でした。

事務員:「もしもし、屋上防水と外壁工事のお見積りをお願いしたいのですが…雨漏りがあって急ぎなんです」
事務員:「はい、もちろん大丈夫です。詳細は折り返し担当からご連絡させていただきます」
お客様:「よろしくお願いします。板橋区○○のビルです」

初動対応のスピードは、雨漏りのような緊急性の高い修繕工事では非常に重要です。

この段階で「すぐに動いてくれる業者」という信頼感を与えられるかどうかが、その後の契約にも影響します。

現地調査・診断

現地調査では、屋上の防水層のひび割れや膨れだけでなく、塔屋のタイル浮き・外壁の鉄筋露出といった劣化症状が確認されました。

高井(担当):「図面もありがとうございます。まずは現状について詳しく拝見します」
お客様:「屋上は必須ですが、外壁もできればこの機会に…」
高井:「全面施工の方がトータルコストでお得ですよ」
高井(屋上にて):「ここがひび割れ、塔屋のタイルが浮いて落下の危険があります」
お客様:「危険ですが、指摘してもらえて安心です」
高井:「防水だけでなく外壁全体の修繕も視野にいれましょう」

現場で劣化の状況を目で確認できるよう説明することで、オーナー様の理解が深まりました。

特に「タイル落下リスク」は安全面の観点からも無視できない問題であり、外壁補修を同時に実施する判断材料となりました。

見積り説明と内容の明確化

調査結果を踏まえ、詳細な見積りが提示されました。

単なる工事費だけでなく、道路使用許可や仮設工事などの付帯費用も明記されていました。

高井:「仮設工事費や道路使用申請費もまとめてご提案しています」
お客様:「工事に直接関係ない項目も見えて安心です」
高井:「仮設足場についても、安全性を考慮して仕様含め説明します」

大規模修繕では「目に見える工事費」だけでなく、仮設・養生・安全管理などの周辺費用も大きな割合を占めます。

こうした部分を透明に提示することで、信頼性が高まり「依頼してよかった」と思える重要なポイントとなります。

工事中の進行と配慮

工事中は日常業務や施設利用者への影響が最小限になるよう調整が行われました。

お客様:「施設利用者が多いので、騒音や粉じんが心配です」
高井:「足場を組む際には防音・防塵シートを併用し、作業時間も利用者が少ない時間帯を中心に行います」
お客様:「それなら安心です。安全第一でお願いします」

ビル工事の場合、テナントや施設利用者との関係性が重要です。

騒音・粉じん・通行規制といった配慮が不足するとクレームにつながるため、計画段階から徹底した調整が不可欠です。

施工写真紹介とビフォーアフター解説

施工の様子は逐一写真で記録され、オーナー様へ報告されました。

  • 施工前:屋上防水層に大きなひび割れ、塔屋のタイル浮きや外壁の鉄筋露出が確認
  • 施工中:モルタル補修・シーリング打ち替え・既存防水層撤去などを順次実施
  • 施工後:新しい防水層で雨漏りリスクが解消され、外壁も塗装により美観と安全性を回復

写真のビフォーアフターを提示することで、修繕の必要性と成果が一目でわかります。

オーナー様にとって「依頼してよかった」と感じられる要素であり、工事の透明性・信頼性を高める資料としても機能します。

工事概要と費用内訳

ビルの防水・外壁修繕工事では、雨漏りの原因となる屋上防水の改修に加え、外壁のタイル補修やクラック補修、仮設足場の設置など、複数の工程が必要となります。

今回の板橋区の事例では、施設併設型の4階建てビルという条件もあり、安全性を確保しながら効率よく工事を進めるために、各工事項目ごとに費用を明確化しました。

下記の表では、総額や工事期間、主要な工事内容の内訳をまとめています。

項目内容費用目安
総額屋上防水+外壁修繕(目安)約600万円
屋上防水通気緩衝工法(下地補修・防水層改修含む)約300万円
塔屋タイル補修浮き・ひび割れ補修、安全対策含む約100万円
外壁補修・塗装クラック補修・塗装更新約100万円
仮設工事・申請足場設置・道路占有許可など約50万円
その他諸経費・近隣対応費・報告書作成約50万円

費用配分を明確にすることで「何にどれだけの費用がかかっているか」が理解できます。

特に防水・外壁・タイル補修などは耐久性や安全性に直結するため、適切な投資として納得感を持ちやすい項目です。

板橋区のビル防水・外壁修繕事例からの教訓

今回の事例から学べる重要なポイントは以下の通りです。

  • 雨漏りは放置せず、早急に調査・修繕を行う必要がある
  • 防水工事は「通気緩衝工法」を用いることで耐久性を確保できる
  • 外壁タイルの浮き・剥落は落下事故につながるため早めの補修が不可欠
  • 見積りは付帯費用まで明確にすることで信頼感が高まる
  • 写真報告や保証体制により施工の透明性と安心感を提供できる

ビルの防水・外壁修繕は、建物の寿命延伸だけでなく、利用者やテナントの安全・快適性を守るためにも欠かせません。

今回の板橋区ビルの事例は、「不安の解消」「安全性の確保」「資産価値の維持」という3つの観点で非常に参考になるケースといえるでしょう。

参照元:新東亜工業「【実録】4階建てビルの防水・外壁修繕工事の流れを完全公開!~問い合わせから完工までのリアルな会話~

【アパート・戸建て】防水工事の施工事例3|江戸川区の戸建て屋上防水+遮熱塗装

東京都江戸川区の2階建て戸建住宅で行われた屋上防水工事と遮熱塗装の事例です。

「夏の暑さを少しでも和らげたい」「前回施工から年数が経ち、劣化が気になる」――そんな施主様の声に応えた今回の工事では、誠実な現地調査と柔軟な提案、そして丁寧な施工が信頼を生みました。

以下では、実際の会話形式を交えつつ、施工の流れを詳しくご紹介します。

お問い合わせ(メール)

最初のご連絡はメールからでした。

前回の防水工事から5年以上が経過し、表面の劣化が見られるとの相談です。

施主様は「今すぐ必要なのか」「どの工事が最適なのか」といった不安を抱えていました。

お客様(メール):
「屋上防水工事を検討しています。2019年6月にウレタン防水・通気緩衝工法で施工しました。表面が劣化してきて、屋上は約50㎡です。現地調査と見積をお願いします。」

営業・高井:
「お問い合わせありがとうございます。現地調査後、最適なプランをご提案します。」

お客様:
「迅速なご返信ありがとうございます。よろしくお願いいたします。」

問い合わせ時に「前回施工内容」「施工年数」「面積」を正確に伝えていただいたことで、現地調査がスムーズになりました。

お客様にとっても「誠実に対応してくれる業者か」を測る最初の判断材料であり、この段階の丁寧なやり取りが安心につながります。

現地調査

調査はすぐに実施されました。

実際に屋上へ上がり、既存防水層やトップコートの状態を入念に確認。

お客様が気にされていた「雨漏りのリスク」と「夏場の暑さ」について直接説明が行われました。

高井:「おはようございます。新東亜工業の高井です。」
お客様:「よろしくお願いします。」

高井:「5〜6年前に施工された防水層はまだ機能しています。すぐに雨漏りする状態ではありません。ただ、トップコートが劣化しており、細かなひび割れも確認できます。」

お客様:「そうですか。今すぐやる必要はないなら、様子を見てもいいのでしょうか?」

高井:「必須ではありませんが、夏場の暑さを和らげたいのであれば“遮熱塗装”を組み合わせるのがおすすめです。」

お客様:「遮熱塗装をすると、室内の温度が下がるのですか?」

高井:「屋上表面の温度を抑える効果があり、エアコン負担の軽減にもつながります。防水の寿命延長にも寄与します。」

現地で「工事の必要性を過大に言わない」誠実な説明が行われたことで、お客様の信頼感が増しました。

単なる補修だけでなく、遮熱塗装という「生活改善の付加価値」を提案した点も重要です。

見積り説明(メール)

現地調査をもとに、後日正式な見積書をメールで提出しました。見積書には工事の流れや材料の特徴も明記し、ただの数字ではなく「工事全体像」が理解できる形にまとめました。

高井(メール)
「屋上の遮熱塗料を使用した工事見積をご用意しました。ご確認いただければ幸いです。」

お客様
「早速のご対応ありがとうございます。確認いたします。」

メールでの見積送付は、時間を問わず確認できる利便性があります。

また、費用だけでなく「工事方法・保証・工程」を書面で明示することで、不安を解消しやすくなります。

契約

見積内容と工法の説明に納得いただき、契約となりました。

契約時には工事日程や担当者も明確化し、工事開始までの流れをスムーズに整えます。

お客様(メール)
「屋上防水工事をお願いしたいと思います。工事日程などご案内ください。」

高井
「ありがとうございます。契約書類・請求書を郵送します。工事は5月1日から開始予定で、担当は宮本です。」

お客様
「よろしくお願いいたします。」

契約段階で「工事責任者」を明示することは、お客様の安心につながります。誰が現場を担当するのかが明確なことで、信頼関係を築きやすくなります。

打ち合わせ(事前確認)

契約後は具体的な準備に入ります。

資材置き場や水道・電気の使用、近隣挨拶などを事前に調整することで、工事中のトラブルを防ぎます。

宮本(電話)
「工事全般のご連絡は私にお願いします。近隣挨拶はご同行いただけますか?」
お客様
「金曜日17時以降なら可能です。」

宮本(現地)
「こちらが防水材と塗料のカタログです。ライトグレーは汚れが目立ちやすいため、ミントグリーン系をおすすめします。」
お客様
「明るい色で良いですね。それにします。」

宮本
「工事初日は足場組立と洗浄作業です。車の移動などもご協力お願いします。」
お客様
「了解しました。水道・電気・駐車スペースもご自由にお使いください。」

事前調整は、工事の効率だけでなく「ご近所トラブルの予防」に直結します。

色選びでは実際のサンプルを見ながら進めることで、仕上がりのイメージを共有できました。

工事中の進行

工事開始後も進捗は逐一報告され、透明性のある進行管理が行われました。

小さな不安にもすぐ応える姿勢が信頼につながります。

宮本(初日)
「本日から作業を開始しました。足場設置と高圧洗浄を終えています。」
お客様
「順調に進んでいて安心しました。」

宮本(中間報告)
「現在、塩ビシートを敷き終え、明日ウレタン塗布を行います。」
お客様
「写真付きでの報告ありがとうございます。とても分かりやすいです。」

「工事の見える化」によって依頼者は安心感を得られます。

写真や進捗を小まめに共有することは、信頼構築のうえで非常に効果的です。

引き渡し

工事完了後、現地で最終確認が行われました。

気づいた点は即座に対応し、保証体制についても説明しました。

宮本
「施工が完了しました。念のため、劣化が気になったシーリングもサービスで補修しています。」
お客様
「触ってみると以前より涼しいです。ありがとうございます。」
宮本
「10年保証をお付けします。保証書・報告書を郵送しますのでご確認ください。」
お客様
「最後まで丁寧に対応いただき、安心しました。」

工事の最後に「プラスαの対応」を行うことは、お客様の満足度をさらに高めます。

保証制度を提示することで、工事完了後も長期的な安心を提供できます。

施工写真紹介とビフォーアフター解説

  • 施工前:長尺シートの劣化やドレンの不具合が確認された。
  • 施工中:下地補修、塩ビシート施工、ウレタン防水層形成などを順次実施。
  • 施工後:遮熱塗装により屋上温度が低下し、美観・機能ともに改善。

写真で施工前後の変化を示すことで、言葉だけでは伝わりにくい工事の必要性と成果を直感的に理解できます。

屋上表面の遮熱効果や防水性が一目で確認でき、施主様にとっても「依頼して良かった」と実感できる要素になりました。

工事概要と費用・期間

屋上防水工事と遮熱塗装では、仮設・撤去・下地補修・防水施工・仕上げといった複数の工程があり、それぞれに費用が発生します。

今回の江戸川区戸建て工事を例に、詳細な内訳を以下の表にまとめました。

項目内容費用目安
総額屋上防水+遮熱塗装一式約74万円
工事期間9日間
仮設工事足場組立・養生・資材搬入約10万円
既存撤去長尺シート撤去・廃材処理約8万円
下地補修クラック補修・モルタル調整約7万円
プライマー塗布下地処理用プライマー塗布約3万円
防水層施工塩ビシート防水(機械固定工法)約25万円
端部・立ち上がり部処理ウレタン密着防水仕上げ約5万円
遮熱塗装遮熱トップコート(ミントグリーン)塗布約10万円
改修ドレン設置雨水排水強化用改修ドレン取付約3万円
諸経費報告書作成・保証・近隣対応費用約3万円

この工事では、防水工事のメインである「塩ビシート防水」に最も多くの費用がかかっています(約25万円)。

一方で、仮設や既存撤去、下地補修といった準備段階の工事も全体の費用の約30%を占めており、「見えない部分」にも確かなコストが必要であることが分かります。

遮熱塗装は約10万円と比較的低コストですが、夏場の快適性や省エネ効果を得られる点で非常にコストパフォーマンスの高い工程です。

安心と快適を両立する防水工事の実録

江戸川区の戸建て屋上防水事例は、以下の学びを与えてくれます。

  • 工事の必要性を誇張せず、誠実に説明することが信頼につながる
  • 遮熱塗装の提案により、防水+快適性向上の付加価値を提供できた
  • 見積りの透明性と逐一の進捗報告が顧客満足を高める
  • 工事後の保証制度とアフター対応が長期的な安心を支える

防水工事は建物の寿命を延ばすだけでなく、居住者の快適さにも直結する工事です。

本事例は「安心・信頼・快適」をすべて満たした施工の好例といえるでしょう。

参照元:新東亜工業「【実録】2階建て戸建の屋上防水工事の流れを完全公開!~初回問い合わせから引き渡しまでのリアルな会話~

施工事例から見る防水工事の費用相場

防水工事の費用は、建物の種類・規模・工法によって大きく異なります。

ここではマンション、ビル、戸建住宅、アパートの事例ごとに、費用相場や工期の目安を解説します。

マンションの屋上防水費用(㎡単価+総額)

マンションの屋上は数百㎡規模になることが多く、通気緩衝工法やシート防水がよく採用されます。

費用は1㎡あたり4,500〜7,500円程度

たとえば500㎡の屋上では250万〜400万円程度の工事費用がかかります。

工期は30〜60日ほどで、足場や共用部の使用制限が必要になるため、居住者への説明や掲示物の設置など配慮が欠かせません。

マンションの防水工事を考えている方は見積もりを取りましょう。

ビル防水工事の費用目安とポイント

ビルの場合は屋上防水に加え、外壁や塔屋の補修、ドレンの改修なども同時に行うケースが一般的です。

費用相場は1㎡あたり5,000〜8,000円程度で、総額では500万〜1,000万円に達することもあります。

テナントが入居している場合は、工事スケジュールや作業音・臭気への配慮が不可欠です。

また、仮設足場や道路使用許可など付帯費用も発生するため、見積の際には「直接工事費」だけでなく「間接費」まで確認することが重要です。

戸建住宅の防水費用と費用対効果

戸建住宅ではベランダや陸屋根が主な施工対象です。

費用相場は1㎡あたり3,500〜6,000円で、30㎡のベランダなら10万〜20万円程度が目安です。

さらに遮熱塗料を併用することで、夏場の室内温度を下げ、エアコンの省エネ効果も期待できます。

比較的低予算で実施でき、費用対効果の高い工事といえます。

アパートの防水工事費用

アパートでは屋上防水に加え、共用廊下や階段の長尺シート張り替えを行うケースが多く見られます。

屋上防水のみなら200万〜400万円程度、共用部を含めると500万円前後になることもあります。

工期は1〜2か月程度で、入居者の生活に支障が出ないよう、洗濯物干し制限や騒音・臭気対策が求められます。

住民説明会を開き、協力を得ながら進めることが成功のポイントです。

防水工事に関するよくある質問(FAQ)

防水工事に関するよくある質問とその回答をまとめましたので、参考にしてみてください。

Q.防水工事は何年ごとに必要?

防水層の寿命は工法によって異なりますが、一般的には10〜15年ごとに大規模修繕が必要とされます。

特に紫外線や風雨の影響が強い環境では、8〜10年で劣化が進むこともあります。

定期点検を行い、早めの対応を心がけることが大切です。

Q.雨漏りしてから依頼しても大丈夫?

雨漏りが発生してから依頼するケースも多いですが、その時点で内部の躯体が損傷している可能性が高いです。

結果として補修範囲が広がり、費用が膨らむ原因になります。雨漏り前に定期点検や予防的な工事を行うことが理想です。

Q.防水工事中は住めますか?

マンションやアパートでは基本的に居住可能です。

ただし共用廊下やベランダの使用制限があり、騒音や臭気の影響も避けられません。

戸建て住宅でもベランダが使えなくなるなど生活に一定の制約があります。

事前に工事内容とスケジュールを共有しておくことが重要です。

Q.防水工事に補助金や助成金は利用できる?

自治体によっては、防水工事や省エネ改修に補助金・助成金が出る制度があります。

たとえばヒートアイランド対策の一環で高反射率塗料を使った場合、工事費の一部が助成されることもあります。

申請には事前の手続きが必要なため、施工前に確認しておきましょう。

Q.防水工事の保証期間はどのくらい?

工法や施工業者によって異なりますが、一般的には5〜10年の保証が設定されます。

保証の有無や範囲をしっかり確認し、保証書を受け取って保管することが大切です。

まとめ

ここまで防水工事の基礎知識から、マンション・ビル・戸建・アパートの施工事例別費用相場、そしてよくある質問まで幅広く解説しました。

防水工事は建物の種類や規模によって内容が大きく異なりますが、共通して言えるのは「早めの対応と信頼できる業者選び」が成功のカギになるという点です。

  • 防水工事は建物の寿命を延ばし、資産価値を守る重要な工事である
  • 建物種別によって費用・工期に大きな差があるため事例を参考にすることが有効
  • 工事成功の鍵は、工法の選定・透明性のある見積・保証制度の確認にある
  • マンション・ビル・アパートでは特に共用部への配慮が不可欠
  • 戸建住宅では遮熱塗装など付加価値工事で費用対効果を高められる

防水工事は単なる修繕ではなく、建物の寿命を左右する重要な投資です。

事例を参考にすることで、自分の建物に合った工法や費用のイメージが具体的になります。

特にマンションやビルのような大規模建物では、住民やテナントへの配慮も成功の鍵となります。

早めの点検と計画的な修繕を行うことで、雨漏りや劣化を防ぎ、資産価値を長く維持できるのです。