ウレタン塗料とは?特徴・費用から外壁塗装に使うメリット・デメリットを徹底解説

2025/09/19

外壁塗装の塗料選びにおいて、ウレタン塗料は「価格を抑えつつ、そこそこの性能を求めたい」という方に注目されている塗料です。

しかし、「ウレタン塗料って実際どうなの?」「シリコン塗料と比べてどちらが良いの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

ウレタン塗料は、適切な使い方をすれば非常に有効な選択肢だと実感しています。

ただし、メリットとデメリットを正しく理解せずに選択すると、後々後悔することにもなりかねません。

この記事では、ウレタン塗料の基本的な特徴から、外壁塗装に使用する際のメリット・デメリット、費用相場、他の塗料との比較まで、詳しく解説していきます。

塗料選びで失敗しないためにも、ぜひ最後までお読みください。

目次

ウレタン塗料とは?基本的な特徴

外壁塗装とは、建物の外壁を塗料で保護し、美観を保ちながら雨風や紫外線などから建物を守るために行う工事です。

ウレタン塗料は、ポリウレタン樹脂を主成分とした塗料で、外壁塗装において長年使用されてきた実績のある塗料です。

1980年代から普及し始め、アクリル塗料の上位グレードとして、また現在主流のシリコン塗料の普及前には最も多く使用されていました。

塗料の成分と仕組み

ウレタン塗料の主成分であるポリウレタン樹脂は、ウレタン結合という化学結合を持つ高分子化合物です。

この樹脂が塗膜を形成することで、外壁材を保護する役割を果たします。

ウレタン塗料は、主剤と硬化剤を混合することで化学反応を起こし、強固な塗膜を形成する2液型が一般的です。

一方、溶剤の蒸発により硬化する1液型も存在しますが、耐久性の面では2液型が優れています。

塗膜の分子構造は柔軟性に富んでおり、温度変化による建物の伸縮に追従できる特性を持っています。

この特性により、ひび割れに対する追従性が高いことがウレタン塗料の大きな特徴の一つとなっています。

防水性・密着性の高さ

ウレタン塗料は優れた防水性能を持っており、雨水の浸入を効果的に防ぐことができます。

特に防水工事の分野では、ウレタン系防水材として広く使用されており、その防水性能の高さが実証されています。

密着性についても、ウレタン塗料は多くの下地材に対して良好な密着性を示します。

コンクリート・モルタル・サイディング・金属など、幅広い外壁材に対応可能です。

この高い密着性は、下地との化学的結合と物理的結合の両方によって実現されています。

適切な下地処理を行えば、長期間にわたって剥がれにくい塗膜を形成することができます。

柔軟性があり、ひび割れに追従しやすい

ウレタン塗料の最大の特徴は、その柔軟性にあります。

硬化後の塗膜は適度な弾性を持ち、建物の微細な動きや温度変化による伸縮に追従することができます。

この柔軟性により、外壁材に発生した軽微なひび割れに対して塗膜が追従し、ひび割れの拡大を抑制する効果が期待できます。

特に、経年により微細なひび割れが発生しやすいモルタル外壁などに適しています。

ただし、構造的な大きなひび割れに対しては、塗料だけでは対応できないため、適切な下地補修が必要です。

また、過度な柔軟性は汚れの付着を招く場合もあるため、バランスが重要となります。

ウレタン塗料を外壁塗装に使うメリット

ウレタン塗料が外壁塗装で選ばれる理由には、いくつかの明確なメリットがあります。

特に、コスト面や施工性の良さから、特定の条件下では非常に有効な選択肢となります。

価格が比較的安くコストを抑えやすい

ウレタン塗料の最大のメリットは、材料費を抑えられることです。

シリコン塗料やフッ素塗料と比較して、1㎡あたり500〜1,000円程度安く施工することができます。

30坪程度の一般的な住宅の場合、塗料代だけで10〜15万円程度の差額が生じます。

初期投資を抑えたい場合や、予算に制約がある場合には大きなメリットとなります。

ただし、耐用年数が短いため、長期的なコストを考慮する必要があります。

初期費用は安くても、塗り替え頻度が高くなることで、結果的に総コストが高くなる可能性もあることを理解しておくことが重要です。

柔軟性が高く幅広い部位に使用できる

ウレタン塗料の柔軟性は、様々な部位への適用を可能にします。

外壁だけでなく、雨樋、軒天、破風板、鉄部など、建物の付帯部分にも幅広く使用できます。

特に、動きの多い部位や複雑な形状の部位では、ウレタン塗料の柔軟性が威力を発揮します。

階段の手すりや門扉、フェンスなどの鉄部塗装においても、優れた性能を示します。

また、下地材を選ばない汎用性の高さも大きなメリットです。

一つの塗料で建物全体の塗装が可能なため、施工の効率化と品質の統一を図ることができます。

扱いやすくDIYや部分補修にも適している

ウレタン塗料は作業性に優れており、比較的扱いやすい塗料として知られています。

粘度調整が容易で、ローラーや刷毛での塗装がしやすく、施工時のトラブルが少ない特徴があります。

この扱いやすさから、小規模な補修工事やDIYでの使用にも適しています。

ホームセンターでも入手しやすく、一般の方でも比較的安全に使用することができます。

  • 作業温度範囲が広く、季節を選ばず施工可能
  • 希釈率の調整が容易で、様々な塗装方法に対応
  • 乾燥時間が適度で、作業効率が良い
  • 臭いが比較的少なく、居住中の工事にも適している

これらの特徴により、緊急の補修工事や、住みながらの部分的な塗り替え工事においても、ウレタン塗料は有効な選択肢となります。

ウレタン塗料のデメリットと注意点

ウレタン塗料にはメリットがある一方で、明確なデメリットも存在します。

これらの弱点を理解せずに使用すると、期待した効果が得られない場合があります。

耐用年数が短め(5〜8年程度)

ウレタン塗料の最大の弱点は、耐用年数の短さです。

一般的な耐用年数は5〜8年程度とされており、現在主流のシリコン塗料(10〜15年)と比較すると明らかに短くなっています。

この短い耐用年数は、塗り替え頻度の増加を意味します。

初期費用が安くても、頻繁な塗り替えが必要になることで、長期的には総コストが高くなる可能性があります。

特に、厳しい気候条件下では耐用年数がさらに短くなる傾向があります。

海岸部や工業地域、紫外線が強い地域では、5年程度で塗り替えが必要になることも珍しくありません。

紫外線に弱く色あせや劣化が早い

ウレタン塗料は紫外線に対する耐性が比較的弱く、色あせや光沢の低下が早期に現れやすい特徴があります。

特に濃色や原色系の色では、この傾向が顕著に現れます。

紫外線による劣化は、塗膜の分子構造を徐々に破壊し、防水性能や密着性の低下につながります。

南面や西面など、直射日光が長時間当たる部位では、劣化の進行が特に早くなります。

この弱点を補うために、紫外線吸収剤や光安定剤を配合した製品もありますが、根本的な解決には至らず、他の高耐久塗料と比較すると劣化しやすいという特性は変わりません。

頻繁な塗り替えが必要になる可能性

耐用年数の短さと紫外線に対する弱さから、ウレタン塗料は他の塗料と比較して塗り替え頻度が高くなる傾向があります。

これは、メンテナンスコストと手間の増加を意味します。

頻繁な塗り替えは、単に費用の問題だけでなく、生活への影響も考慮する必要があります。

足場の設置、近隣への配慮、生活の制約など、塗装工事に伴う様々な負担が定期的に発生することになります。

また、塗り替え時期を逃すと、下地の劣化が進行し、結果として補修費用が増加するリスクもあります。

定期的な点検と適切なタイミングでの塗り替えが、より重要になってきます。

ウレタン塗料の外壁塗装にかかる費用相場

ウレタン塗料を使用した外壁塗装の費用について、具体的な相場をご紹介します。

価格の安さがメリットの一つであるウレタン塗料ですが、工事全体でどの程度の費用になるのかを把握しておくことが重要です。

㎡単価の目安(1,700〜2,500円/㎡)

ウレタン塗料の外壁塗装における㎡単価は、1,700円から2,500円程度が相場となっています。

この価格には、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗り工程が含まれています。

価格に幅がある理由は、塗料のグレード(1液型・2液型)、メーカー、機能性(防カビ・防藻など)の違いによるものです。

また、施工業者の技術力や地域による人件費の差も価格に影響します。

参考として、他の塗料との㎡単価比較は以下の通りです。

塗料の種類費用相場(㎡単価)
アクリル塗料1,500〜2,000円/㎡
ウレタン塗料1,700〜2,500円/㎡
シリコン塗料2,500〜3,500円/㎡
フッ素塗料3,500〜4,500円/㎡

この比較からも分かるように、ウレタン塗料はアクリル塗料の次に安価な塗料として位置づけられています。

30坪住宅の総額目安(50〜80万円程度)

一般的な30坪程度の戸建て住宅でウレタン塗料を使用した場合、外壁塗装の総額は50万円から80万円程度が目安となります。

この金額は外壁塗装のみの価格で、屋根塗装を同時に行う場合は追加で20〜30万円程度必要です。

価格に幅がある理由は、建物の形状の複雑さ、劣化状況、使用するウレタン塗料のグレード、地域による施工費の違いなどが影響するためです。

シリコン塗料を使用した場合と比較すると、10〜20万円程度安くなることが一般的です。

この差額が、ウレタン塗料を選択する大きな動機となっています。

費用内訳(足場代・高圧洗浄・下地補修・塗料代・人件費)

ウレタン塗料を使用した外壁塗装工事の詳細な費用内訳をご紹介します。

適正価格を判断するためには、各工程の相場を理解することが重要です。

工程費用の割合30坪住宅での目安額備考
足場設置・撤去18〜22%12〜16万円安全確保のため必須
高圧洗浄4〜6%2〜4万円下地処理の基本
下地補修8〜12%5〜8万円劣化状況により変動
養生・清掃5〜8%3〜5万円近隣配慮含む
塗料代15〜20%10〜14万円ウレタン塗料の材料費
人件費・管理費35〜40%20〜28万円技術料・諸経費含む
諸費用8〜12%5〜8万円運搬費・処分費等

この内訳を見ると、塗料代は全体の15〜20%程度であることが分かります。

塗料代を安くしても工事全体への影響は限定的であり、品質とのバランスを考慮することが重要です。

ウレタン塗料の耐用年数とメンテナンス時期

ウレタン塗料を選択する場合、耐用年数と適切なメンテナンス時期を理解することは非常に重要です。

短い耐用年数を前提とした計画的なメンテナンスが、建物を長期間保護するカギとなります。

耐用年数(5〜8年)

ウレタン塗料の実際の耐用年数は、5年から8年程度とされています。

この期間は、塗膜の保護機能が維持される期間を意味しており、美観の維持期間とは若干異なることに注意が必要です。

耐用年数に影響を与える主な要因は以下の通りです。

  • 立地条件▶︎海岸部や工業地域では短くなる傾向
  • 方位▶︎南面・西面は劣化が早い
  • 下地の状態▶︎適切な下地処理で耐用年数が延びる
  • 塗料のグレード▶︎2液型の方が1液型より長持ち
  • 施工品質▶︎適切な施工で性能を最大限発揮

これらの条件により、実際の耐用年数は大きく変動します。

最良の条件下では8年近く、厳しい条件では5年程度で塗り替えが必要になることもあります。

劣化サイン(チョーキング・色あせ・ひび割れ)

ウレタン塗料の劣化は、いくつかの明確なサインによって確認できます。

これらのサインを早期に発見することで、適切なタイミングでメンテナンスを行うことができます。

最も分かりやすいサインはチョーキング現象です。

外壁を触った際に白い粉が手に付く状態で、塗膜の樹脂が紫外線により分解されていることを示しています。

色あせや光沢の低下も重要なサインです。

ウレタン塗料は特に色あせが早く現れやすいため、新築時や前回塗装時と比較して明らかに色が薄くなっている場合は注意が必要です。

微細なひび割れの発生も劣化のサインとなります。

ウレタン塗料は柔軟性があるため、初期段階では追従できますが、劣化が進むとひび割れが塗膜を貫通し、雨水浸入の原因となります。

定期点検と塗り替えのタイミング

ウレタン塗料を使用した外壁では、年1回程度の定期点検を行うことをお勧めします。

耐用年数が短いため、劣化の進行を定期的にチェックし、適切なタイミングで塗り替えを行うことが重要です。

点検では以下のポイントを確認します。

  • チョーキング現象の有無
  • 色あせ・変色の程度
  • ひび割れの発生状況
  • カビ・藻の発生
  • シーリング材の劣化状況

塗り替えのタイミングは、劣化症状の進行具合によって決定しますが、一般的には施工から5〜6年後には検討を開始することが望ましいです。

劣化が軽微な段階で塗り替えを行えば、下地補修費用を抑えることができ、結果的に経済的になります。

他の塗料との比較|シリコン・フッ素・無機との違い

ウレタン塗料を選択する際は、他の塗料との違いを理解することが重要です。

それぞれの特徴を比較することで、最適な塗料選択が可能になります。

塗料の種類耐用年数㎡単価30坪住宅総額主な特徴
ウレタン塗料5〜8年1,700〜2,500円50〜80万円低価格・柔軟性高
シリコン塗料10〜15年2,500〜3,500円80〜120万円バランス型・主流
フッ素塗料15〜20年3,500〜4,500円130〜150万円高耐久・高価格
無機塗料18〜25年4,000〜5,000円140〜170万円超高耐久・最新技術

シリコン塗料との比較(耐久性・コストバランス)

ウレタン塗料と最も比較されることが多いのがシリコン塗料です。

現在の外壁塗装の主流であるシリコン塗料との違いを明確にしておくことが重要です。

耐久性の面では、シリコン塗料が明らかに優れています。

シリコン塗料の耐用年数は10〜15年程度で、ウレタン塗料の約2倍の期間、保護機能を維持できます。

コスト面では、初期費用はウレタン塗料が安価ですが、長期的なコストを考慮するとシリコン塗料の方が経済的になることが多いです。

15年間のトータルコストで比較すると、シリコン塗料の方が安くなるケースがほとんどです。

フッ素塗料との比較(耐用年数・価格の差)

フッ素塗料は高性能塗料の代表格で、ウレタン塗料とは明確な性能差があります。

耐用年数は15〜20年程度と、ウレタン塗料の3倍近い耐久性を持っています。

価格差も大きく、フッ素塗料はウレタン塗料の2倍以上の材料費がかかります。

ただし、超長期的に考えると、塗り替え頻度の差により、フッ素塗料の方がコストパフォーマンスに優れる場合もあります。

無機塗料との比較(超耐久性との違い)

無機塗料は最新の高性能塗料で、18〜25年という超長期の耐用年数を持ちます。

紫外線による劣化がほとんど起こらないため、色あせや光沢低下が極めて少ない特徴があります。

ただし、価格はウレタン塗料の3倍以上となり、初期投資が非常に大きくなります。

また、施工技術も高度なものが要求されるため、対応できる業者も限られています。

この比較表から分かるように、ウレタン塗料は初期費用を最重視する場合の選択肢として位置づけられます。

しかし、長期的なコストパフォーマンスを考慮すると、他の塗料の方が有利になることが多いのが実情です。

ウレタン塗料が向いている外壁塗装のケース

ウレタン塗料にはデメリットもありますが、特定の条件下では最適な選択肢となる場合があります。

どのようなケースでウレタン塗料が適しているのかを具体的に解説します。

初期費用を抑えたい場合

予算の制約により初期費用を最優先で抑えたい場合、ウレタン塗料は有効な選択肢です。

特に、以下のような状況では、ウレタン塗料のメリットが活かされます。

急な外壁の劣化により、予期していない塗装工事が必要になった場合、まとまった予算の確保が困難なことがあります。

このような緊急事態では、とりあえず建物を保護するという観点から、ウレタン塗料での応急的な塗装が有効です。

また、複数の修繕工事を同時に計画している場合、外壁塗装の費用を抑えることで、他の重要な修繕に予算を回すことができます。

屋根の葺き替えや設備の更新など、より緊急性の高い工事を優先する際の選択肢として考えられます。

戸建てや低層マンションなど部分補修が多い建物

建物の構造や使用状況により、部分的な補修や塗り替えが頻繁に必要になる建物では、ウレタン塗料の扱いやすさが重要なメリットとなります。

戸建て住宅では、雨樋の交換、外壁の一部修理、増築工事などに伴い、部分的な塗装が必要になることがよくあります。

このような部分補修において、既存の塗膜との相性や施工性を考慮すると、ウレタン塗料が適している場合があります。

低層マンションや集合住宅では、居住者の都合により全面塗装が困難な場合があります。

段階的に塗装を行う際、ウレタン塗料の扱いやすさと低コストが活かされます。

将来的にリフォームや建て替えを検討している場合

近い将来に大規模なリフォームや建て替えを予定している場合、長期耐久性の高い塗料を選択する意味が薄くなります。

このような状況では、必要最小限の保護機能を低コストで確保することが合理的です。

具体的には、以下のようなケースが該当します。

  • 5〜10年以内の建て替えを計画している
  • 大規模なリフォーム(外壁材の張り替え等)を予定している
  • 相続等により将来の住宅の処分方法が未定
  • 賃貸物件として最低限のメンテナンスを行いたい

これらの状況では、高耐久塗料に投資するよりも、ウレタン塗料で必要な期間だけ建物を保護する方が経済的に合理的です。

ウレタン塗料 外壁塗装に関するよくある質問(FAQ)

ウレタン塗料について、多くの方が抱く疑問にお答えします。

適切な判断をしていただくための参考情報として活用してください。

Q1:ウレタン塗料の塗り替え周期は?

ウレタン塗料の塗り替え周期は、5〜8年程度が目安です。ただし、立地条件や気候により大きく変動します。

海岸部や紫外線の強い地域では5年程度、比較的穏やかな環境では8年程度持つことがあります。

重要なのは年数だけでなく、実際の劣化症状を確認することです。

チョーキング現象や色あせが目立ち始めたら、塗り替えを検討するタイミングと考えましょう。

Q2:ウレタン塗料とシリコン塗料はどちらが良い?

一般的には、シリコン塗料の方が推奨されます。

初期費用は高くなりますが、耐用年数が長いため、長期的なコストパフォーマンスでシリコン塗料が優れています。

ただし、初期費用を最優先で抑えたい場合や、短期間での建て替え予定がある場合は、ウレタン塗料も有効な選択肢となります。

将来計画と予算を総合的に考慮して選択することが重要です。

Q3:ウレタン塗料は屋根にも使える?

ウレタン塗料は屋根塗装にも使用可能ですが、あまり推奨されません。

屋根は外壁よりも過酷な条件にさらされるため、耐久性の短いウレタン塗料では頻繁な塗り替えが必要になります。

屋根の場合は、最低でもシリコン塗料、できればフッ素塗料以上の耐久性を持つ塗料を選択することをお勧めします。

屋根の塗り替えは外壁以上に大がかりな工事となるためです。

Q4:DIYでウレタン塗料を使うのは可能?

技術的にはDIYでの使用も可能ですが、安全面と品質面で多くのリスクがあります。

特に2階建て以上の建物では、足場の問題から非常に危険です。

小規模な部分補修や1階部分のみの塗装であれば、適切な知識と道具があればDIYも可能です。

ただし、下地処理や塗装技術が仕上がりに大きく影響するため、重要な部位は専門業者に依頼することをお勧めします。

まとめ

ウレタン塗料は、適切な条件下で使用すれば非常に有効な塗料です。

低価格で柔軟性に優れ、扱いやすいという特徴を持つ一方で、耐用年数の短さや紫外線に対する弱さというデメリットも存在します。

  • 初期費用を抑えたい場合には有効な選択肢
  • 耐用年数は5〜8年程度と短く頻繁な塗り替えが必要
  • 柔軟性が高く様々な部位に適用可能
  • 長期的なコストはシリコン塗料より高くなる場合が多い
  • 将来の建て替え予定がある場合には合理的な選択
  • 紫外線による劣化が早く定期的なメンテナンスが重要

私の経験から申し上げると、ウレタン塗料は「とりあえず」の選択肢として考えるのではなく、将来計画と予算を明確にした上で戦略的に選択することが重要です。

短期的な建物保護が目的であれば優れた選択肢ですが、長期間の安心を求める場合はシリコン塗料以上のグレードを検討することをお勧めします。

塗料選びでお悩みの際は、複数の専門業者に相談し、建物の状況と将来計画に最適な提案を受けることが成功の秘訣です。