マンション大規模修繕の必要性とは?目的や定義から放置するリスクまで徹底解説

2025/10/21

マンションの大規模修繕は、建物の資産価値を守るために欠かせない重要な工事です。

しかし、「まだ壊れていないから」「費用が高いから」と先延ばしにしてしまうケースも少なくありません。

実はこの判断こそが、将来的に数百万から数千万円単位の損失を招く原因になることがあります。

本記事では、「大規模修繕の必要性」に焦点を当て、なぜ実施すべきなのか、放置した場合のリスク、最適な時期や周期、工事内容、注意点まで詳しく解説します。

目次

大規模修繕とは?その目的と定義

大規模修繕は、マンションの老朽化を防ぎ、建物の性能を維持・回復させるための計画的な改修工事です。

建物は時間とともに劣化していきますが、定期的にメンテナンスを行うことで、資産価値と安全性を長期的に守ることができます。

ここでは、国土交通省の定義や法的な位置づけ、そして「修繕」「改良」「改修」の違いについて整理しておきましょう。

国土交通省の定義と考え方

「建物及び設備の性能・機能を新築時と同等水準に維持、回復させる修繕工事を基本とする。」

引用元:国土交通省「長期修繕計画標準様式

国土交通省では、大規模修繕をこのように定義しています。つまり、単なる補修ではなく、建物の寿命を延ばすための予防的な取り組みです。

マンションなどの集合住宅は、共用部分の劣化が進行すると安全性や美観、居住者の快適性に大きく影響します。

そのため、国としても12年を目安とした大規模修繕の実施を推奨しています。

大規模修繕の必要性は、建物の見た目だけでなく、防水・耐震・安全性といった構造的な要素を維持するためにも極めて重要です。

放置すれば外壁剥離や雨漏りといったトラブルが発生し、結果的に高額な改修費用を要するリスクが高まります。

建築基準法・管理規約上の位置づけ

大規模修繕は法律上の明確な義務ではないものの、建築基準法や分譲マンションの管理規約において、建物を安全かつ健全に維持する責任が定められています。

特に分譲マンションの場合、管理組合が共用部分を維持・管理する義務を負っており、これを怠ると「管理不全マンション」として行政指導の対象となるケースもあります。

また、修繕積立金の運用や工事実施の決議には、管理規約に基づく理事会や総会での承認が必要です。

つまり、大規模修繕は単なる工事ではなく、「法的・管理的な義務」として位置づけられているといえます。

参考元:法令検索「建築基準法

「修繕」「改修」「改良」の違い

区分意味主な目的
修繕壊れた箇所を元に戻す工事現状回復外壁ひび補修、屋上防水のやり直し
改修建物の性能を回復させる工事機能維持外壁塗装、防水層更新、鉄部塗装
改良性能をより高める工事性能向上高断熱塗料導入、LED照明化

このように整理すると、大規模修繕は主に「改修」に該当しますが、性能向上を目的とする「改良」も含まれるケースがあります。

単なる修理ではなく、長期的な住環境の質を高めるための投資といえるでしょう。

大規模修繕が必要な理由

大規模修繕の必要性は、建物を守るだけでなく、居住者の生活や資産価値を維持する上でも極めて重要です。

以下のように、主な理由は4つに整理できます。

大規模修繕が必要とされる主な4つの理由

  • 資産価値の維持
  • 安全性の確保
  • コスト削減
  • 快適性維持

では、それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

資産価値を維持するため

マンションの資産価値は、外観や設備の状態に大きく左右されます。

外壁の色あせやひび割れ、共用部の汚れが目立つと、購入希望者や入居希望者の印象が悪化し、価格や入居率の低下を招くことがあります。

定期的な大規模修繕を行うことで、こうした劣化を防ぎ、マンション全体の資産価値を維持することができます。

特に分譲マンションでは、建物の美観が保たれているかどうかが中古市場での評価に直結します。

大規模修繕は単なる支出ではなく、「価値を維持するための投資」と捉えることが重要です。

安全性・耐久性を確保するため

外壁の浮きや剥離、屋上防水の劣化、鉄部の錆などを放置すると、落下事故や漏水被害につながる危険があります。

こうした劣化は目に見えにくい箇所から進行するため、専門家による定期的な調査と大規模修繕が不可欠です。

特に築20年以上のマンションでは、鉄筋コンクリート内部の中性化が進行し、建物の強度低下を招くケースも増えています。

大規模修繕によって防水・補修を適切に行えば、建物全体の耐久性を回復し、安全な居住環境を維持できます。

長期的なコスト削減になる

劣化が進む前に補修を行うことで、工事範囲や費用を最小限に抑えられます。

小規模な補修を積み重ねる「予防保全型」の管理を行えば、結果的に大規模な改修を先延ばしにでき、総費用の削減につながります。

さらに、劣化が軽微なうちに対応することで、建物全体の損傷拡大を防ぎ、施工効率を高めることができます。

また、計画的な保全は資金計画を立てやすくし、修繕積立金の運用をより戦略的に進めることを可能にします。

さらに、定期的な点検や軽微な修繕を組み合わせることで、将来発生する大規模工事のリスクを分散でき、長期的に見てもマンション全体の維持費を抑制する効果が期待できます。

快適な住環境を維持するため

建物の老朽化を放置すると、雨漏りやカビの発生、結露などが発生しやすくなり、居住者の健康にも悪影響を及ぼす場合があります。

さらに、断熱性能や換気効率の低下は、室内温度のムラや湿気の滞留を生み出し、生活の質を下げる原因にもなります。

大規模修繕では外壁塗装や防水工事だけでなく、共用部の照明改善や換気設備の見直しなどを行うことで、建物全体の快適性を高めることができます。

これにより、居住者同士の満足度が上がり、長期的な入居率の維持にも寄与します。

大規模修繕によってこれらを未然に防ぎ、建物の性能を総合的に向上させることで、長く安心して暮らせる環境を維持できます。

大規模修繕の工事内容と必要な費用について

大規模修繕では、外観の美観回復だけでなく、防水・安全性・機能性の向上を目的とした多様な工事が行われます。

ここでは、代表的な工事内容と費用の目安をより詳しく紹介します。

大規模修繕の工事内容|仮設工事(足場・養生)

仮設工事は、すべての作業を安全かつ効率的に行うための基盤づくりです。

足場の設置、飛散防止のためのメッシュシート、作業員の動線確保、そして近隣への配慮も含まれます。

費用の目安は全体の工事費の約10〜15%を占め、一般的な中規模マンションであれば300〜600万円程度が目安です。

施工中は安全確保が最優先され、足場の強度検査や安全ネット設置なども行われます。工事品質を左右する最初の重要工程です。

大規模修繕の工事内容|外壁補修・塗装工事

外壁は建物の印象を決める最も目立つ部分であり、同時に雨風や紫外線によるダメージを直接受ける箇所でもあります。

外壁のひび割れ補修、タイル張替え、塗装の塗り直しなどを行うことで、美観と防水機能を回復させます。

1平方メートルあたり5,000〜8,000円が相場で、タイル補修などの特殊作業が加わる場合は1万円を超えることもあります。

塗料の選択によって耐用年数も変わり、シリコン系で10年、フッ素系で15年、無機塗料で20年近く持つ場合もあります。

大規模修繕の工事内容|屋上・ベランダの防水工事

雨水の侵入を防ぐための防水層を、新しくする工事です。

防水層が劣化すると、建物内部に水が入り込み、鉄筋の腐食やコンクリートの膨張を引き起こす危険があります。

主な施工方法はウレタン塗膜防水、シート防水、アスファルト防水の3種類で、それぞれ耐用年数やコストが異なります。

ウレタン防水は柔軟性が高く複雑な形状に対応でき、シート防水は耐久性と施工スピードに優れています。

費用は1㎡あたり5,000〜10,000円、全体で数百万円規模です。定期的な点検を行い、10〜20年ごとの再施工が推奨されます。

大規模修繕の工事内容|鉄部塗装・共用部改修

鉄部は外部環境の影響を受けやすく、錆が発生しやすい箇所です。

放置すると腐食が進行し、手すりや階段などの構造強度が低下するため、定期的な塗り替えが必要です。

1㎡あたり3,000〜5,000円程度が相場で、塗料のグレードや下地処理の方法によって費用が上下します。

共用部改修では、照明のLED化や床材の張替え、エントランスの意匠改修なども含まれることがあり、居住者の快適性や防犯性を高める効果があります。

大規模修繕の工事内容|給排水・設備関連工事

給水管・排水管は見えない部分で劣化が進行するため、問題が表面化した時にはすでに深刻なケースもあります。

漏水や水圧低下、赤水の発生などが兆候として現れる場合、配管の内部腐食が進んでいる可能性があります。

給排水設備の更新工事は、工事範囲によって数百万円〜数千万円と幅広く、共用部だけでなく専有部の接続工事が必要なこともあります。

築30年以上のマンションでは、耐震性や衛生面の向上も目的に実施されるケースが多いです。

大規模修繕の費用相場|建物の規模別

規模(目安)想定戸数/延床面積概算単価(円/㎡)1戸あたり目安留意点
小規模〜30戸 / 〜3,000㎡15,000〜22,00060〜100万円固定費比率が高く単価上昇しやすい
中規模31〜60戸 / 3,000〜6,000㎡12,000〜18,00055〜90万円スケールメリットが効き始めるレンジ
大規模61〜100戸 / 6,000〜10,000㎡10,000〜16,00050〜85万円足場効率・共通仮設の分母拡大で単価低下
超大規模101戸〜 / 10,000㎡〜9,000〜14,00048〜80万円工区分割・工程調整で期間長期化の傾向
超高層/特殊形状20階超/庇・曲面多+10〜+25%(係数)物件差大高所・特殊足場・風対策でコスト増

これらはあくまでも相場であり、実際の費用は建物の状態や環境によって左右します。

費用相場を把握しつつ、現場に見合う金額かどうかを判断しながら進めていくことが重要です。

大規模修繕が必要なタイミングはいつ?周期の目安と判断基準

大規模修繕は、実施時期を誤ると無駄なコストが発生するだけでなく、建物の劣化を加速させる可能性があります。

適切なタイミングで実施するために、周期の目安と判断基準を把握しておくことが重要です。

一般的な周期は「12年に1回」

国土交通省の『長期修繕計画作成ガイドライン』では、マンションの大規模修繕周期を概ね12年程度と示しています。

これは防水材・塗料などの耐用年数を基にした平均値で、建物構造や気候条件によって前後します。

実際には、外壁の種類や塗料グレード、立地環境などによって周期を短縮または延長するケースもあります。

定期的な外壁診断・屋上防水点検を行い、劣化状況を見極めることが大切です。

参考元:国土交通省「長期修繕計画標準様式

劣化状況による前倒し・後倒しの判断

劣化が軽微なうちは補修費用を抑えられますが、放置すると損傷が拡大し、大規模改修が必要になります。

外壁の浮き・ひび割れ・シーリングの剥離、屋上防水の膨れなどが確認されたら、周期を待たずに早めの修繕を検討しましょう。

一方、耐久性の高い仕様を採用している場合は、周期を延ばしても問題ないケースもあります。

専門家の診断に基づき、建物ごとに最適な修繕計画を立てることが理想です。

修繕周期を延ばすための工夫

高耐久の塗料(フッ素系・無機系)や高品質な防水材を使用することで、修繕周期を15〜18年に延長することが可能です。

また、ドローン点検や赤外線カメラを用いた非破壊検査を導入することで、目視では確認できない劣化箇所を早期に発見できます。

さらに、外壁や屋上の定期洗浄、排水溝の清掃など日常的なメンテナンスを行うことで、建物の耐用年数を確実に延ばせます。

これらの対策を組み合わせることで、長期的なコスト削減と資産価値の維持を両立できます。

大規模修繕を行わない場合のリスクから必要性を理解する

大規模修繕を怠ると、建物の美観や性能が低下するだけでなく、事故やトラブルの原因にもなります。

放置による損失は、工事費用の増加だけでなく、居住者の安全や信頼にも関わります。

外壁落下や漏水事故の危険性

外壁タイルやモルタルの剥離は、通行人や車両への落下事故を引き起こす恐れがあります。

特に築20年以上のマンションでは、経年劣化により接着力が低下していることが多く、早期点検が欠かせません。

また、防水層の劣化を放置すると、内部の鉄筋が腐食し、構造体の強度低下につながります。

こうした事例は実際に全国で報告されており、管理組合の責任問題に発展するケースもあります。

修繕コストが膨らむ可能性

劣化を放置すると、補修範囲が広がり、工事費用が2倍、3倍に膨れ上がることがあります。

早期の補修は小規模で済みますが、放置すると外壁全体の張替えや配管更新など大掛かりな工事が必要になります。

特に、防水や配管の劣化を見逃すと、室内漏水や腐食によって専有部分にまで影響が及ぶこともあります。長期的に見ると、早めの対応が最も経済的です。

資産価値・入居率の低下

見た目の劣化や設備の老朽化は、入居希望者や購入検討者にマイナス印象を与えます。

外観の劣化が進むと入居率が下がり、賃貸物件では空室率の上昇、分譲物件では売却価格の下落につながります。

逆に、定期的に修繕を行っているマンションは管理状態が良好と評価され、査定額にも好影響を与えます。

つまり、大規模修繕は「支出」ではなく「資産価値を守るための投資」なのです。

大規模修繕工事の進め方と準備の流れ

大規模修繕を成功させるには、計画から工事開始までのプロセスを正しく理解し、管理組合・住民・施工会社・コンサルタントが一体となって進めることが重要です。

ここでは、スムーズで失敗しない大規模修繕の流れを、より詳しくステップごとに解説します。

Step1.修繕委員会の設立

まず管理組合の中に「修繕委員会」を設立します。

これは工事に関する意思決定を行う中心的な組織であり、理事長・副理事長のほか、建築知識を持つ居住者や元施工関係者が参加するケースもあります。

修繕委員会の役割は、工事内容の検討、コンサルタントや施工会社の選定、住民説明会の運営など多岐にわたります。

会議内容を議事録として残し、メールや掲示板などで全居住者に共有することで、信頼性と透明性を確保できます。

Step2.コンサルタント会社の選定

大規模修繕は専門的な知識を要するため、多くの管理組合では「建築コンサルタント会社」を選任します。

コンサルタントは、劣化診断、修繕設計、見積取得、業者選定支援、工事監理までを一貫して行います。

第三者の立場から客観的な助言を得ることで、過剰工事の防止やコスト削減にもつながります。

選定時は、過去の実績・報酬体系・監理体制・担当者の経験を確認し、複数社を比較検討するのが望ましいです。

Step3.施工会社の選定

工事を実際に行う施工会社は、大規模修繕の成否を左右します

複数の会社から相見積を取り、金額だけでなく、施工実績・技術力・管理体制・保証内容などを総合的に比較します。

提案内容や工事の進め方を住民向け説明会で共有し、質問や懸念点を解消してから契約に進むことが大切です。

また、施工会社選定では「設計監理方式」と「責任施工方式」があり、どちらを採用するかで管理体制が異なります。

専門家のアドバイスを受けながら、自分たちのマンションに合った方式を選択しましょう。

Step4.居住者説明会・事前準備

工事開始前には、居住者全員が参加できる説明会を開催します。

足場設置時の安全対策、ベランダや共用部の使用制限、騒音・振動・塗料臭への対応、ペットや小さな子どもがいる家庭への配慮など、生活への影響を具体的に説明します。

説明内容は掲示板・回覧板・メールなどでも再周知し、理解不足によるトラブルを防ぎましょう。

説明会での質問や意見は議事録として残し、次回以降の改善にも役立てます。

Step5.工事開始〜完了・アフター点検

工事が始まったら、修繕委員会・コンサルタント・施工会社の三者で定期的に打合せを行い、進捗状況や品質を確認します。

工事中は安全管理と居住者への配慮を徹底し、苦情や要望には迅速に対応します。

竣工後には最終検査(竣工検査)を実施し、必要に応じて手直し工事を行います。

また、引き渡し後も定期的なアフター点検(半年・1年・2年など)を受けることで、施工不良や早期劣化の発見につながります。

保証書の内容や対応窓口も必ず確認しておきましょう。

大規模修繕工事を行う際の注意点

大規模修繕は、多額の費用がかかる長期プロジェクトです。

住民の合意形成や情報共有が不十分なまま進めてしまうと、トラブルや費用超過の原因になります。

ここでは、失敗を防ぐためのポイントを詳しく解説します。

修繕委員会の透明性を保つ

意思決定や見積比較の過程をオープンにすることで、住民からの信頼を得られます。

業者選定時の評価表や会議記録を共有するほか、説明会で進捗を定期的に報告することも効果的です。

透明性の欠如は、工事後の不信感やクレームにつながるため、情報公開を徹底しましょう。

コミュニケーション不足による誤解を防ぐ

工事期間中は、騒音・臭気・通行制限・駐車場の使用制限など、日常生活に影響が出やすい時期です。

掲示板での案内や定期ニュースの発行、SNS・LINEグループでの情報共有など、複数のチャネルを活用して周知を行いましょう。

特に高齢者や在宅ワーカーなど、生活スタイルの異なる居住者にも配慮することが重要です。

見積内容の確認と費用の透明化

業者ごとに見積条件や単価設定が異なるため、比較表を作成して内容を精査することが大切です。

単に「合計金額」で判断せず、塗料グレード・足場面積・保証期間・追加費用の有無などを細かく確認します。

また、修繕積立金の範囲内で実施できるか、追加徴収の可能性を事前に検討しておきましょう。

保証・アフターサービスの確認

工事完了後の不具合に備えて、保証期間・内容・対応方法を契約書に明記することが重要です。

防水工事や外壁塗装は10年保証、鉄部塗装は5年保証など、工事内容によって保証期間が異なります。

定期点検や無償補修の条件を確認しておくことで、長期的な安心につながります。

専門家への相談を怠らない

修繕計画や見積検討を自己判断で進めると、工事範囲の過不足や品質低下のリスクがあります。

建築士・マンション管理士などの専門家に相談し、客観的なアドバイスを受けることが成功への近道です。

大規模修繕の必要性に関するよくある質問(FAQ)

大規模修繕は重要な工事であることはわかっているものの、何から始めればよいかわからないという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、大規模修繕の必要性を理解するための知識として、よく寄せられる質問を紹介しますので、ぜひご覧ください。

Q1. なぜ大規模修繕は必要なのですか?

A. 建物は年月とともに、紫外線・雨風・地震などの外的要因で少しずつ劣化します。

大規模修繕は、構造や防水機能を維持し、安全で快適な生活を守るために欠かせません。

見た目の改善だけでなく、建物全体の健康診断のような役割を果たします。

Q2. 大規模修繕をしないとどうなりますか?

A. 外壁や防水の劣化を放置すると、雨漏り・鉄筋腐食・タイル落下などの深刻な問題を引き起こします。

結果的に修繕範囲が広がり、費用が倍増するリスクがあります。

早期対応が長期的なコスト削減につながります。

Q3. まだ見た目がきれいでも修繕が必要ですか?

A. 外観がきれいでも、内部の防水層やシーリング材は確実に劣化します。

劣化は目に見えにくいため、定期点検や専門家の診断が重要です。

見た目に異常が出る頃には、内部の劣化が進行しているケースが多く見られます。

Q4. 修繕のタイミングを見極める方法はありますか?

A. 一般的には12年前後を目安に実施しますが、立地・気候・施工品質により前後します。

外壁のひび割れやシーリングの硬化、防水層の膨れなどが見られたら、早めの診断を行いましょう。

管理組合による定期点検も有効です。

Q5. 大規模修繕を行うメリットは何ですか?

A. 建物の耐久性が高まり、快適な居住環境を維持できるだけでなく、将来的な売却時の資産価値にも良い影響を与えます。

また、早めの修繕で突発的なトラブルを防ぎ、修繕費用を抑えることが可能です。

まとめ|計画的な修繕で資産価値と安心を守る

大規模修繕の「必要性」は、単なる外壁の見た目を整えるためではなく、建物全体の安全性・快適性・資産価値を守るための本質的な行為です。

重要なポイントを振り返ります。

  • 建物の劣化を防ぎ、耐久性を高める
  • 事故やトラブルを未然に防止できる
  • 修繕を怠ると費用が倍増するリスクがある
  • 資産価値の維持・向上につながる
  • 居住者の快適な生活環境を保てる
  • 長期的なコスト削減と安心を両立できる

大規模修繕の本当の目的は、「問題が起きてから直す」のではなく、「問題を起こさない状態を維持すること」にあります。

早めの点検と計画的な修繕を重ねることで、建物の寿命を大きく延ばし、将来の負担を減らすことができます。

今ある住まいを長く安心して守るために、必要性を正しく理解し、行動に移すことが大切です。

大規模修繕なら安心の自社施工!新東亜工業へ

建物の老朽化に伴い、外壁のひび割れや屋上からの雨漏り、共用部の設備劣化など、マンションやビルでは12〜15年ごとに「大規模修繕工事」が必要とされます。

新東亜工業は、東京・関東エリアを中心に大規模修繕工事を専門に手がける総合工事会社です。自社施工による高品質な仕上がりと適正価格で、多くの管理組合様やオーナー様から高い信頼を得ています。

建物の状況を正確に診断し、必要な工事項目だけを厳選。過剰な見積もりや不明瞭な提案は一切なく、納得と安心の修繕をお届けします。

新東亜工業の強み

新東亜工業では、「無駄のない修繕」「安心できる工事」「適正な価格」をモットーに、大規模修繕に関するすべてのプロセスを自社で一貫対応しています。

  • 完全自社施工で中間マージンゼロ
     協力会社を介さないため、無駄な中間コストがかからず、予算を最大限有効活用できます。
  • 豊富な修繕実績と専門スタッフ
     マンションやビルの大規模修繕を多数手がけ、足場・防水・外壁・設備更新など各分野の専門職人が在籍しています。
  • 管理組合との連携も丁寧に対応
     理事会・総会の資料作成や説明対応も柔軟に対応し、初めての大規模修繕でも安心してお任せいただけます。

新東亜工業の会社情報

社名 株式会社新東亜工業
役員 取締役/代表執行役社長:高井 強、鈴木 哲也
所在地 〒130-0001
東京都墨田区吾妻橋3-3-2 吾妻橋アドバンスビル7階
TEL 03-6658-5364
FAX 03-6658-5365
創業 平成21年5月
設立 平成24年1月
資本金 8,000万円
建設業許可 東京都都知事許可(般-6)第142885号
一級建築士事務所 東京都知事登録 第65008号
取引金融機関 朝日信用金庫(向島支店)
事業内容 総合建設業
顧問税理士 上杉敏主税理士事務所

実録事例!8階建てマンションの大規模修繕工事の全工程をご紹介

ここでは、築17年・8階建てマンションの大規模修繕工事における一連の流れを、実際のやりとりをもとに時系列で整理しながら解説していきます。

管理組合の方が抱える予算や業者選定の不安、住民との調整の難しさにどう向き合ったかを通して、大規模修繕の全体像をつかむことができます。

大規模修繕 施工前

大規模修繕 施工後

初回問い合わせ:予算内で修繕したいというご要望からスタート

今回ご相談いただいたのは、マンションの管理組合で副委員長を務めるオーナー様からのお電話でした。物件は築17年の8階建てマンションで、まだ一度も大規模修繕を実施していないとのこと。コロナ禍や物価高騰の影響により、管理会社からの見積もりは修繕積立金を大きく上回っており、理事会内でも頭を悩ませていたそうです。「融資は避けて予算内で、必要な部分だけを優先的に修繕したい」とのご希望を受け、まずは現地調査の日程を調整する運びとなりました。

お客様:「築17年ですが、大規模修繕をまだ行っていません。昨年予定していましたが、予算を大幅にオーバーしてしまいました。融資は避けたいので、必要な修繕に絞って実施したいのですが…」

新東亜工業:「ご安心ください。ご予算に合わせた工事提案が可能です。当社では資材を子会社の問屋から直接仕入れているため、コスト面でも有利な見積がご提案できます。まずはお電話で詳細をお聞かせいただけますか?」

予算内での修繕を重視される方には、新東亜工業のように自社施工・直仕入れを行う業者が頼りになります。

現地調査の実施:建物の状態と工法の確認

新東亜工業:「屋上の防水層はアスファルト防水ですが、状態が良好なため、ウレタン密着工法で対応可能です。トップコートには高反射型をおすすめします」

お客様:「ベランダには見た目を重視して長尺シートを検討しています。グレーの床よりは印象を良くしたいので…」

新東亜工業:「長尺シートは見た目が良い反面、費用はウレタンの倍ほどかかります。ただ、バルコニーは視認性が高いので施工する価値はあります。廊下や階段は予算に応じて次回に回すのも一案です」

建物の状態や希望に応じて、適切な施工方法を選択できるのがプロの提案力です。

理事会説明:中間マージンなしの見積もりを丁寧に解説

新東亜工業:「当社の強みは、自社施工と問屋直仕入れにより中間マージンをカットしている点です。そのため同じ施工内容でも、費用を大きく抑えることが可能です」

新東亜工業:「工事項目ごとに、施工内容・必要性・費用構造を丁寧にご説明いたします。特に硬化不良のシーリング材の撤去については、通常より大きな手間がかかるため、費用に反映しています」

透明性ある見積説明と、工事項目の妥当性をしっかりと伝えることで、理事会の理解と信頼を獲得します。

契約・仕様決定:細かな確認と調整も丁寧に対応

新東亜工業:「こちらが再現したタイルサンプルです。かなり既存に近い色味ですので違和感なく施工できます」

お客様:「色も問題ないですね。外壁と天井のカラーも明るめでお願いします」

新東亜工業:「かしこまりました。あとは足場設置場所、樹木の剪定、高所作業範囲なども事前に共有し、近隣挨拶も当社で対応いたします」

工事前の仕様決定では、色や素材だけでなく、足場や騒音、動線など施工環境への配慮も欠かせません。

工事開始後の進行:進捗共有と近隣対応

新東亜工業:「本日から工事を開始いたしました。近隣住戸と管理人様にはご挨拶を済ませ、工程や注意点も共有しています」

お客様:「ありがとうございます。工事中、音や臭いの苦情があったらどうなりますか?」

新東亜工業:「近隣や住民の方への配慮は徹底しております。苦情があれば即時対応しますし、掲示板で工程と作業内容を告知します」

日々の現場運営も、住民や近隣への心配りが重要です。新東亜工業では、施工中の苦情対応や住環境への配慮も万全です。

中間検査と予算調整:信頼の可視化

新東亜工業:「全面打診調査の結果、注入量が増えましたが張替が少なく済んだため、全体としては減額となります」

お客様:「それは助かります。追加費用が出ると理事会での決議が大変なので…」

実際の工事量に応じた精算で、無駄のない工事予算を実現できます。

工事完了・引き渡し:竣工図書とアフターサポートも

新東亜工業:「工事が完了しました。こちらが竣工図書で、保証書・施工写真も同封しています。タイルの保管場所も湿気対策を施しております」

お客様:「ここまで丁寧に対応していただいて、本当にありがとうございました」

新東亜工業:「次回、共用部の長尺シートやLED照明の更新もぜひご相談ください。引き続きサポートいたします」

工事内容のまとめ|大規模修繕は事前準備が重要!

大規模修繕工事は、建物の安全性や美観を維持するだけでなく、資産価値を守るうえでも非常に重要なイベントです。 今回のように、理事会や住民との丁寧な調整、施工内容のわかりやすい説明、そして予算への柔軟な対応ができる業者であれば、ストレスなく修繕を進めることが可能になります。

新東亜工業では、こうした管理組合様の課題に寄り添い、わかりやすく・安心できる提案とサポートをご提供しています。見積内容の不透明さや、施工中のトラブル、住民対応に悩まれている場合は、ぜひ一度ご相談ください。

今回の工事概要

  • 工事金額:約2,430万円(税込)
  • 工期:約2カ月間

「高すぎる見積もりに悩んでいる」「理事会や住民の理解を得られるか不安」

そんな方は、実績豊富な自社施工の新東亜工業までお気軽にご相談ください。

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新東亜工業は、東京を中心にマンションやビルの大規模修繕工事を専門とする総合建設会社です。建物の劣化状況や管理組合の要望を丁寧にヒアリングした上で、診断・設計・施工・アフターケアまでを一貫して自社で対応しています。これにより中間マージンの発生を抑えつつ、高品質で無駄のない工事を実現。施工管理はもちろん、住民説明会の開催や理事会資料の作成支援など、管理組合の運営サポートにも力を入れています。

特に、初めて大規模修繕を迎えるマンションにおいては、「どこまで修繕すべきか」「予算内で何ができるか」といった疑問に対して、現場目線での明確な提案ができることが強みです。各工事の専門職人が在籍しており、足場・防水・外壁・設備更新など、建物全体をトータルでカバー可能。安全・安心・納得のいく修繕を求める方にとって、信頼できるパートナーとなる存在です。

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