鉄筋コンクリート(RC)構造の防水工事|雨漏り・劣化を未然に防ぐ方法も紹介

2025/07/24

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物は、耐火性や耐震性に優れた高性能な構造であり、多くのマンションやビルに採用されています。しかしその一方で、経年劣化や水分の侵入によって鉄筋の腐食やコンクリートの剥離といった重大な問題が生じやすいという特徴も持っています。

特に日本のように四季の変化が大きく、梅雨や台風など降雨が多い地域では、防水対策が不十分だと建物内部にまで水が浸入し、建物全体の寿命を縮めてしまうことにもなりかねません。そのため、定期的な防水点検と適切な防水工事を行うことが、建物を長持ちさせるうえで欠かせない要素となります。

本記事では、鉄筋コンクリートにおける防水工事の重要性をはじめとして、工法ごとの違いや費用相場、工事のタイミング、メンテナンス方法までを詳しく解説していきます。

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目次

なぜ鉄筋コンクリート(RC構造)に防水工事が必要なのか?

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物は、見た目には堅牢で頑丈に見えますが、内部に水が浸入すると鉄筋の錆びや膨張によってコンクリートが押し出され、剥離やひび割れを引き起こすという問題が発生します。これを「爆裂」と呼び、建物の美観だけでなく安全性にも大きな影響を与えるため、早期の対策が必要です。

屋上やバルコニー、外壁の一部など、外気にさらされる部分は常に風雨や紫外線の影響を受けており、防水層は徐々に劣化していきます。特に築10年以上が経過している建物では、目に見える劣化症状がなくても内部で防水性能が低下しているケースもあるため、定期的な専門業者による点検が重要です。

また、防水工事を怠ると鉄筋の腐食が進行し、構造強度の低下や漏水事故につながるだけでなく、将来的な修繕費用がかえって高額になってしまうリスクもあります。

鉄筋コンクリート(RC構造)における防水工法の種類と選び方

鉄筋コンクリート(RC構造)に用いられる主な防水工法には、ウレタン防水、シート防水、アスファルト防水、FRP防水などがあります。それぞれに施工特性や価格帯、耐用年数が異なり、用途や施工箇所に応じて最適な工法を選ぶ必要があります。

工法耐用年数特徴
ウレタン防水(密着)約10〜12年柔軟性が高く形状に馴染みやすく、小面積向き
ウレタン防水(通気緩衝)約12〜15年下地に水分があっても施工可。膨れ防止に効果的
塩ビシート防水約15〜20年耐久性と美観に優れ、比較的長寿命
アスファルト防水約20年重量はあるが非常に耐久性が高く、屋上向け
FRP防水約10〜12年硬化が早く高耐水性。ベランダなどに適している

工法の選定では、施工箇所の面積や形状、勾配、下地の状態、既存の防水層の種類など、さまざまな条件を考慮する必要があります。また、各工法にはメリット・デメリットがあるため、専門業者とよく相談したうえで決定することが重要です。

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物の防水工事費用相場

防水工事にかかる費用は、使用する防水材の種類や施工面積、既存の状態(劣化の有無、撤去の必要性)、施工環境(足場の有無、立地条件)によって大きく変動します。ここでは一般的な相場を紹介します。

平米単価の目安(工法別)

工法名単価(税別・㎡あたり)備考
ウレタン密着工法約5,000〜6,000円施工が比較的容易、小規模面積に適する
ウレタン通気緩衝工法約6,000〜8,000円下地に水分がある場合にも対応可
シート防水約7,000〜9,000円高耐久・美観性が高く広面積向け
アスファルト防水約8,000〜10,000円耐久性重視。重量があり屋上向け

施工面積ごとの費用例

施工面積総額費用の目安
約30㎡(小規模ベランダ)約15万〜25万円
約100㎡(中規模屋上)約60万〜80万円
約300㎡(大型屋上)約250万〜350万円

実際の見積もりでは、現地調査を行ったうえで詳細な仕様と数量が確定し、工事範囲によって変動します。複数の業者から相見積もりをとることで、適正価格かどうかを判断しやすくなります。

鉄筋コンクリート(RC構造)のベランダ・屋上・外壁など施工箇所別に見る工法選び

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物においては、施工箇所ごとに最適な防水工法が異なります。ベランダや屋上、外壁など、それぞれの部位が受ける気候の影響や構造的な特性を踏まえ、適切な工法を選ぶことで、より効果的かつ長持ちする防水性能を実現できます。ここでは、各箇所に適した防水工法の選び方について詳しく解説します。

ベランダ・バルコニー

狭く複雑な形状が多いため、柔軟に対応できるウレタン防水が主流です。さらに、排水溝まわりや配管まわりなど細部への施工もしやすいという利点があります。下地に水分が残る恐れがある場合には通気緩衝工法が有効です。FRP防水は特に木造住宅のベランダにも多く使われており、硬くて摩耗に強いのが特徴です。

屋上(陸屋根)

広範囲かつ紫外線や雨風の影響を強く受けるため、耐久性に優れたアスファルト防水やシート防水が推奨されます。塩ビシートはメンテナンス性が高く、仕上がりも美しく人気があります。また、屋上緑化を予定している場合には、専用の絶縁工法を併用することもあります。

外壁・立ち上がり部

外壁からの漏水は建物全体に影響を与えるため、防水性と美観の両立が求められます。ひび割れ補修後にウレタン塗膜を塗布したり、防水塗料で仕上げることで、防水性能を高めつつ外観を整えることが可能です。

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事の施工手順

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事においては、施工手順の一つひとつが防水性能の品質に直結します。特に下地処理や塗布の精度、乾燥時間の管理など、見えない部分の丁寧さが仕上がりを大きく左右します。

ここでは、防水工事の一般的な流れと、それぞれの工程で注意すべきポイントについて詳しく解説します。

  1. 現地調査・劣化診断:赤外線カメラや打診などの専門機器を用いて、目視では確認できない劣化部分もチェック。
  2. 既存防水層の撤去:古い防水層を剥がし、施工面を平滑化。場合によっては下地調整材を用いて勾配補正も行います。
  3. 下地処理:クラック補修・清掃・プライマー処理。ここを丁寧に行うことで密着性が大きく向上します。
  4. 防水材の施工:選定した工法に応じて2〜3層に分けて塗布・貼付。
  5. 乾燥・硬化・検査:養生期間を置いた後、防水層の厚みや密着状況を検査し、必要に応じて補修。

各ステップでの手抜きは防水性能に直結するため、信頼できる業者による丁寧な作業が必要です。

プロに相談!鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事の見積・依頼ポイント

防水工事は一見するとどの業者でも対応できそうに見えますが、実際には経験・技術・材料の選定力などが仕上がりに大きく影響します。以下のポイントを意識して業者選びを行いましょう。

工法の提案が的確で、過去の施工事例を提示してくれる

信頼できる業者は、現場の状況に応じた工法を明確な根拠をもとに提案してくれます。たとえば「既存の防水層がシート防水なので、ウレタン通気緩衝が適している」といった説明があるかどうかがポイントです。また、過去の施工事例やビフォーアフターの写真を提示できる業者は、実績に自信がある証拠ともいえます。曖昧な説明しかしない業者には注意が必要です。

使用する防水材やメーカー、保証内容が明確である

防水材にはグレードや仕様の違いがあり、耐久性や仕上がりに大きく影響します。そのため、見積書の段階で「どのメーカーの、どの型番の防水材を使うのか」「トップコートは何年保証なのか」といった内容まで明記されていることが理想です。保証内容が不明確な業者の場合、工事後のトラブルにも対応しないケースがあるため注意が必要です。

下地調査や撤去作業も見積もりに含まれているか

古い防水層の撤去や下地の補修は、防水性能を確保するうえで不可欠な工程です。しかし、中にはこれらを省いて単価を安く見せかける業者も存在します。見積もりには必ず「既存防水層の撤去費用」「下地補修費用」「清掃費用」が項目として記載されているかを確認しましょう。また、現地調査を丁寧に行ったうえで見積もりを作成しているかも見極めのポイントです。

工事の流れや日数、注意点を丁寧に説明してくれる

優良業者は、工事開始から完了までの流れを事前にわかりやすく説明してくれます。たとえば「初日は下地処理、2日目は防水材の1層目、3日目は仕上げ」といったように、日程と工程が明確に提示されることで、施主側も安心して任せられます。また、「雨天時の対応」「工事中の臭気」「生活への影響」など、注意すべき点をきちんと説明してくれるかどうかもチェックすべきです。

信頼できる防水専門業者に相談し、長期的な建物保全を見据えた工事を進めましょう。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てビルの防水工事【企業様】

芝生の敷設を目的とした屋上緑化に先立ち、防水工事を行いたい——そんな法人様のご相談から始まった今回の工事。東京都台東区にある8階建てビルにて、既存のウッドデッキと植栽の撤去を含む防水工事を実施しました。企業様ならではの稟議・スケジュール調整にも柔軟に対応し、確実な施工をお届けした実例です。

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ご相談内容

屋上緑化のため、事前の防水施工をご希望された法人様からのお問い合わせ。既存のウッドデッキや植栽の撤去も含めた施工をご希望され、他業者との調整も視野に入れたご提案が求められました。

お客様:屋上に芝生を敷きたいんですが、防水をしっかりやってからにしたくて…ウッドデッキも撤去お願いできますか?
担当者:はい、もちろん可能です。芝生施工業者様との整合性も確認のうえ、工法をご提案いたします。

工事の概要|工事金額と期間

防水工事 施工前
防水工事 施工後
項目 内容
建物種別 8階建て企業ビル
所在地 東京都台東区
工事内容 屋上防水工事(通気緩衝工法)・ウッドデッキ等撤去
工法 ウレタン通気緩衝工法・改修用ドレン設置・脱気筒設置
その他特記事項 芝生設置業者との事前確認・稟議対応

工事金額:364万円
工期:13日間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査の結果、ウッドデッキや植栽の撤去後に下地調整が必要な箇所が複数見つかりました。将来的な芝生設置に耐えうる防水性能確保のため、通気緩衝工法を採用。

担当者:芝生施工業者さんとも確認取りましたが、防水には影響ありません。
お客様:ありがとうございます。では、ウレタン通気緩衝工法でお願いします。

施工中のやり取りと配慮

ウッドデッキ・植栽の解体撤去から始まり、洗浄、下地処理、ドレンや脱気筒の設置、防水層の形成までスムーズに進行。工程ごとの進捗共有と、社長様を含めた中間検査も実施しました。

担当者:予定通り木曜日には完了しそうです。一緒に最終確認もお願いします。
お客様:綺麗に片付いていて安心しました。ありがとうございます。

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引き渡し時のご感想

最終確認では、社長様も立ち会い、美観や機能性にご満足いただきました。今後のメンテナンス方法についても丁寧にご説明し、報告書類一式を後日郵送でお渡し。

お客様:さすがプロですね。花火大会も楽しめそうです(笑)
担当者:排水口は半年に1度の清掃をお願いします。今後ともよろしくお願いいたします。

本工事は、企業ビルにおける屋上防水工事という特性上、通常より多くの配慮が求められました。緑化計画や他業者との連携、法人内稟議フロー、近隣への対応など、多岐にわたる調整を丁寧に実施。施工面ではウレタン通気緩衝工法により、今後の芝生設置にも耐えうる高い防水性能を確保しました。

法人様のご要望に的確に応えることで、安心と信頼を構築した施工事例となりました。

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事や改修のタイミングと点検目安

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物は堅牢で長寿命ですが、防水層は時間の経過とともに徐々に劣化していきます。特に屋上やベランダなど、風雨や紫外線にさらされる部分は防水性能が低下しやすく、目に見える症状が出る前にメンテナンスを行うことが重要です。以下では、改修のタイミングを判断するための代表的な劣化サインと、施工に適した季節について詳しく解説します。

鉄筋コンクリート(RC構造)の主な劣化サインと改修の目安

以下のような症状が見られる場合、防水改修を検討すべきタイミングといえます。

  • 築10〜15年以上が経過している:防水層の多くは10年〜15年が耐用年数。築年数が経っている建物は早めの点検が必要です。
  • 屋上に水たまりができる:排水がスムーズに行われず、水が長時間残っている状態は、勾配不良や防水層の劣化を示す兆候です。
  • 外壁やベランダにひび割れが見られる:躯体にクラックが生じると、そこから水が浸入し、防水層の下部や構造体を劣化させます。
  • 室内に漏水や湿気がある:天井や壁に染みがある場合は、防水機能が失われている可能性が高く、早急な対応が求められます。
  • 防水層に浮きや膨れがある:表面の膜が浮いたり膨れたりしている場合は、防水層と下地の間に水分や空気が入り込んでおり、性能が著しく低下している証拠です。

このようなサインを見逃すと、建物の躯体そのものに悪影響を及ぼし、修繕費用が増大する恐れがあります。

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水施工に適した季節は?

防水工事は、材料の乾燥や硬化に大きく依存するため、気温・湿度・降水量などの気象条件が施工品質に直結します。最も適した季節は「春(3月〜5月)」と「秋(9月〜11月)」で、気温が安定し、雨の少ない時期が理想的です。

一方で、真夏(7月〜8月)は気温が高すぎて硬化が早まりすぎ、施工不良の原因になることも。また、真冬(12月〜2月)は低温によって材料の硬化が遅れたり、結露が生じやすくなるため、防水層の密着不良などトラブルのリスクが高まります。

したがって、防水工事の予定は、建物の劣化状況に加えて、天候や季節も見越して計画的に行うことが重要です。早めに信頼できる専門業者に相談し、最適な時期を選んで工事を依頼しましょう。

鉄筋コンクリート(RC構造)の日常点検とメンテナンスで長持ちさせる方法

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水層は、施工時の品質だけでなく、使用後の維持管理によっても耐用年数に大きな差が出ます。日常的な点検と簡単なセルフメンテナンスを習慣化することで、防水性能を長持ちさせ、将来的な大規模修繕のリスクやコストを抑えることが可能です。

以下では、具体的な点検ポイントとメンテナンス方法について詳しく解説します。

  • 雨どい・排水口にゴミや落ち葉が詰まっていないか確認
  • 表面にひび割れ・膨れ・剥がれなどの異常がないか
  • トップコートの色あせや摩耗がないか(目安5〜7年で塗り替え)
  • 雨上がりに水たまりが長時間残っていないか

雨どい・排水口の清掃

排水設備が詰まると、水が流れずに屋上やバルコニーに滞留し、部分的に水圧がかかって防水層が破断する恐れがあります。特に秋の落ち葉や風の強い時期にはゴミが溜まりやすいため、月に1回程度は雨どい・排水口の中を確認し、葉っぱや砂、ゴミを取り除いてください。高所での作業となる場合は、無理せず業者に依頼するのも安全です。

表面のひび割れ・膨れ・剥がれチェック

防水層の表面に発生する小さなひび割れや膨れ、剥がれは、初期段階であれば簡易的な補修で済むケースが多いです。放置するとそこから雨水が浸入し、内部に水が回ることで鉄筋やコンクリートを劣化させるリスクが高まります。雨の翌日などに観察すると、浮きや異変を確認しやすいタイミングです。

トップコートの色あせ・摩耗の確認

ウレタン防水などでは、表面保護の役割を持つトップコートが紫外線や雨風により5〜7年で劣化します。色が薄くなったり、粉を吹いたような見た目になった場合は、再塗装のサインです。トップコートの塗り替えは比較的安価で済むため、防水層の寿命を延ばすためにも定期的なチェックが欠かせません。

雨上がりの水たまりチェック

防水層の下地に勾配不良がある場合や、防水層が部分的にへたっている場合、雨上がりに同じ場所に毎回水たまりができることがあります。これは水の排出がうまくいっていないサインであり、徐々に防水層が侵食されていくリスクがあります。対処が遅れると防水層の全面改修が必要になることもあるため、気づいた段階で業者に相談しましょう。

年に一度の専門業者による定期点検

日常的なセルフチェックに加え、年に1回程度は専門業者による定期点検を依頼するのが理想です。目視では発見できない下地の劣化や、微細なクラック、接合部の防水不良なども、専用の調査機器を使えば正確に把握できます。定期点検の結果をもとに、必要最低限のメンテナンスを計画的に行えば、大規模な補修工事を回避できる可能性が高まります。

防水は「雨漏りが起きてから」では遅く、予防的な対応こそが最良の保全策です。日頃の気配りが建物の寿命と資産価値を守る第一歩となります。

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事でよくある質問(FAQ)

防水工事を検討する際、初めての方にとっては工事内容や費用、期間、業者選びなど不明点が多く、不安を感じやすいものです。ここでは、鉄筋コンクリート(RC構造)の建物における防水工事に関して、よく寄せられる質問とその回答をわかりやすくまとめました。疑問を解消し、納得したうえで工事を進めるための参考にしてください。

Q. 工事中は室内に影響がありますか?
A. 基本的には屋外作業であるため室内に直接的な影響はありませんが、屋上施工時は振動や騒音が発生することがあります。また、ウレタンやアスファルト防水の場合、独特の匂いが発生することもありますので、換気や日程調整が必要になるケースがあります。

Q. 工期はどれくらいかかりますか?
A. 工法や面積によって異なりますが、小規模ベランダの場合は2〜3日、中規模以上の屋上では1週間〜10日程度が目安です。下地の補修や天候によってはさらに日数が延びることもあります。

Q. 雨の日でも施工できますか?
A. 原則として、防水工事は乾燥した状態で行う必要があるため、雨天時の施工は不可となります。事前に予備日を確保しておくことが望ましいです。

Q. 保証はありますか?
A. 一般的に5年〜10年の防水保証がつきますが、保証内容や期間は工法・業者によって異なるため、契約前に必ず確認しましょう。

Q. 防水工事の後、どれくらいの期間で再施工が必要になりますか?
A. 使用した防水工法や環境によって異なりますが、一般的には10〜15年が目安です。たとえばウレタン防水なら約10〜12年、シート防水で15〜20年程度の耐用年数が期待されます。ただし、表面のトップコートは5〜7年ごとに再塗装することで、防水層自体の寿命を延ばすことができます。定期的な点検とメンテナンスを行えば、大規模な再施工のタイミングを見極めやすくなります。

まとめ|鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事で建物寿命を延ばすポイントを把握しよう!

鉄筋コンクリート(RC構造)の建物は、頑丈な反面、水分による劣化には非常に敏感です。特に屋上や外壁など、風雨にさらされる部分は年月とともに防水性能が低下しやすく、早期のメンテナンスを怠ると鉄筋の腐食やコンクリートの剥離といった重大な問題へと発展します。

鉄筋コンクリート(RC構造)の防水工事では、建物の状態に応じた工法を正しく選ぶことが肝心です。ウレタン・シート・アスファルトなど、それぞれの工法の特性を理解し、施工箇所や予算、耐用年数をふまえて適切に判断することが求められます。また、工事の質を左右する下地処理や施工手順の丁寧さにも注意が必要です。

加えて、防水性能を長持ちさせるには、定期的な点検やトップコートの再塗装、排水口の清掃といった日常メンテナンスも欠かせません。さらに、複数業者からの相見積もりや保証内容の確認を徹底することで、信頼できる業者と出会うことができます。

長期にわたって建物の価値と安全性を保つためにも、計画的な防水工事の実施が不可欠です。今回の記事を参考に、早めの点検と予防的な対策をぜひ検討してみてください。