
東京で中規模改修工事を成功させるには? 工事範囲・費用・業者選定のポイントを徹底解説
2025/07/24
東京都内で中規模規模の改修・修繕工事を検討している建物オーナーや管理組合にとって、適切な判断材料を持つことは極めて重要です。
建物の安全性や美観を維持するだけでなく、将来的な資産価値や住環境の改善にもつながるため、計画的な工事が求められます。
本記事では、東京エリアにおける中規模改修工事の費用相場から業者選び・施工内容・公的支援制度などを詳しく解説します。
これから中規模改修をお考えの方は、ぜひこの記事を参考としてお役立てください。
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目次
中規模改修(修繕)工事とは?対象物件と工事範囲の特徴
東京都内で行われる中規模改修工事は、主に20〜50戸程度のマンションや小規模ビルを対象とし、建物の機能回復や資産価値の維持を目的に実施されます。
大規模修繕に比べて規模は小さいものの、共用部の防水・塗装・設備更新など多岐にわたる内容を含むため、綿密な計画が必要です。
中規模改修(修繕)の定義と該当する建物規模
中規模改修は、建物全体の工事が必要な大規模修繕と、特定の部分だけの小規模改修の中間に位置づけられます。
一般的には、20〜50戸のマンションや3〜6階建ての商業ビルなどが対象です。
これらの建物では、入居者の数や共用部の規模に応じて柔軟な工事内容が求められます。
中規模改修(修繕)でよく行われる工事項目
中規模改修でよく実施される工事項目は、以下の通りです。
- 外壁のひび割れ補修や再塗装
- 屋上やバルコニーの防水施工
- 給排水や電気設備の更新
- 廊下・階段など共用部の修繕
これらは建物の劣化進行度や築年数に応じて選定され、複数の工種を同時に行うケースが一般的です。
中規模改修(修繕)ならではの課題
中規模改修では、以下のような課題に直面することがあります。
- 大規模修繕ほどのスケールメリットが得にくい
- 管理組合の合意形成が取りにくい
- 資金計画の立案が難航しがち
これらの課題をクリアするためには、早期の専門家相談と丁寧な合意形成プロセスが不可欠です。
中規模改修工事の費用相場と内訳
東京都内で中規模改修を実施する際の費用相場は、全国平均よりも若干高めに設定されている傾向があります。
これは人件費や資材運搬費、足場設置などの仮設工事費が高くなりやすい、都市部特有の事情によるものです。
中規模改修工事の費用目安
改修工事の総額は、建物の規模や工事内容によって大きく異なりますが、以下はおおよその目安です。
- 20戸程度:1,200万〜1,800万円
- 30戸程度:1,800万〜2,500万円
- 50戸程度:2,800万〜4,000万円
1戸あたりの単価としては60万〜90万円が相場となっており、改修内容の充実度によって変動します。
中規模改修工事の費用を左右する要素
- 費用を左右する主な要素は以下の通りです。
- 工事項目の数と難易度
- 建物の形状や立地条件(狭小地や密集地ではコスト増)
- 労務費(東京は地方よりも高額)
- 足場やクレーンの設置有無
たとえば、屋上防水だけの改修なら費用は限定的ですが、外壁塗装・共用廊下の防滑シート更新・設備交換などが重なるとコストは大幅に増します。
東京特有のコスト事情とは?
東京で中規模改修工事を行う際の特徴として、以下の点がコストに影響します。
- 仮設足場の設置スペースが限られ、組立費が割高
- 搬入・搬出作業に時間がかかるため人件費が上乗せされやすい
- 駐車場の確保や交通規制の調整が必要
特に都心部では、近隣住民への配慮や工事の騒音対策などにもコストがかかる場合があります。
改修工事の内容とスケジュール管理
中規模改修工事では、複数の工種が同時並行で行われることが多く、スケジュール管理の正確性が求められます。
特に居住者の生活を妨げない配慮と、無駄のない工程設計が重要です。
よくある工事項目のスケジュール例
一般的な工事項目の順序と期間は以下のようになります。
- 足場仮設:1〜2週間
- 外壁補修・洗浄:2週間
- 塗装工事:3〜4週間
- 防水工事:1〜2週間
- 設備工事:2〜3週間
- 足場解体・清掃:1週間
全体の工期はおよそ2〜3カ月が目安ですが、天候や職人の確保状況によって延びる場合もあります。
居住者への影響と対策
工事期間中、以下のような影響が生じることがあります。
- 騒音・振動による生活への支障
- 一時的なベランダ使用制限
- 足場によるプライバシーの低下
これらを最小限に抑えるために、管理組合と施工会社が事前に説明会を開催し、住民とのコミュニケーションを十分に取ることが大切です。
天候・季節に配慮した工期設定
東京都内では、梅雨や台風の時期を避けて春・秋に工事を実施するケースが多く見られます。
悪天候が続くと作業効率が下がり、塗装や防水などの品質にも影響が出るため、工期に余裕を持った計画が求められます。
中規模改修工事に強い業者の選び方
中規模改修工事は、施工範囲が広く複数の工種が関わるため、業者の選定によって品質やコスト・工期に大きな差が出ます。
東京都内では特に、施工実績や地域事情への理解度、監理体制の有無を重視した選定が成功のカギを握ります。
中規模改修に実績のある業者の見分け方
- 同様の建物規模や工事項目の実績があるか
- 自社施工か、下請け任せか
- 担当者の提案力・説明力
- 保証内容やアフター対応の明確さ
中規模改修では、建物の規模に応じた経験が豊富で、自社施工を行う業者が安心です。
見積もりの明瞭さや担当者の説明力、工事後の保証体制なども重要な判断基準となります。
複数社から相見積もりを取得し、担当者とのやりとりの中で提案力や柔軟性を見極めましょう。
安さだけでなく、信頼性や施工管理能力を重視することが、後悔のない業者選定のカギです。
一括請負と分離発注の違いとメリット・デメリット
一括請負は、業者にすべてを任せられる反面、費用がやや高くなる傾向があります。
一方、分離発注では工事項目ごとに専門業者を選べるためコスト管理に優れますが、監理体制が弱いと品質管理にリスクが伴います。
管理組合に建築知識や対応力がある場合は分離発注も有効ですが、基本的には管理のしやすさから一括請負が選ばれるケースが多く見られます。
工事監理体制の重要性
施工管理の質は、監理体制によって大きく左右されます。
第三者監理(設計監理者や建築士)の導入により、品質チェックや工程管理が適正に行われ、トラブル防止につながります。
また、管理会社との連携や定期的な現場巡回の仕組みを整えることも重要です。
東京で中規模改修工事を行う際に活用できる補助金・助成制度
改修工事は高額な費用を要しますが、東京都や各自治体では、住宅の耐震化や省エネ、バリアフリー対応を促進する補助制度を設けています。
条件を満たせば数十万円以上の補助が得られることもあるため、事前の制度確認が鍵になります。
東京都の主な制度例
- 住宅・建築物耐震化推進事業:耐震診断・耐震補強に関する補助
- 省エネ改修促進事業:外壁や屋上の断熱材導入などへの支援
東京都や各区市町村では、中規模改修にも利用できる補助金制度が多数用意されています。
耐震補強や省エネ改修などが対象となり、条件に合えば数十万円の支援が得られることもあります。
ただし、ほとんどの制度は工事前の申請が必要で、見積書や図面などの提出も求められます。
制度は随時更新されるため、着工前に自治体や専門家へ確認しておくことが大切です。
各自治体による補助金の例
自治体 | 補助内容 | 上限額(例) |
---|---|---|
世田谷区 | 高齢者対応のバリアフリー改修 | 20万円 |
杉並区 | 共用部の省エネ照明化 | 30万円 |
練馬区 | 雨水貯留槽設置助成 | 15万円 |
助成内容や申請条件は自治体ごとに異なるため、着工前に窓口での確認をおすすめします。
補助金を申請する際の注意点
- 工事前の申請が必要(着工後は対象外になる場合が多い)
- 見積書・設計図・写真などの書類準備が必要
- 工期との整合性に注意(審査・交付決定に1〜2ヶ月かかることも)
補助金を確実に活用するには、業者選定と同時に制度の確認と申請準備を始めることが理想です。
これらの申請実績やサポートが充実した業者であれば、よりスムーズに申請や工事を進められるでしょう。
新東亜工業の施工事例|13階建てマンションの大規模修繕工事
東京都内にある13階建てワンオーナーマンションにて、新東亜工業が実施した大規模修繕工事の事例をご紹介します。外壁タイルやシーリング、屋上防水など複数の劣化箇所を総合的に改修し、建物の資産価値を回復しました。
工事概要【工事金額・期間】

工事金額:6,098万円/工期:約5か月間(足場設置〜引き渡しまで)
屋上防水・外壁タイル補修・シーリング打ち替えを中心に、建物全体をバランスよく修繕。
建物全体にわたる一貫した施工により、見た目と性能の両立を実現しました。
建物の劣化とオーナー様のご相談内容
長年手を入れていなかったマンションの修繕を検討し始めたオーナー様から、初回のご相談をいただいたのがスタートでした。
相談のきっかけ
築20年以上が経過し、目視でも劣化が感じられるように。最初は「少し気になる」という段階でしたが、調査を通じて複数の問題が明らかになっていきます。
オーナー様「タイルの剥がれや屋上の汚れが気になっていて…」
担当者「まずは図面を拝見して、現地調査で状態を見ていきましょう」
調査で明らかになった劣化状況
現地での打診調査や目視検査によって、建物の各所に進行した劣化が確認されました。オーナー様も驚かれるほどの症状が浮き彫りに。
屋上防水の劣化
既存の通気緩衝工法によるウレタン防水は、広範囲に劣化や膨れが生じていました。
オーナー様「花火の時期には屋上に上るんです。きれいになると嬉しいな」
現地調査員「眺望も大事ですね。美観にも配慮して施工いたします」
外壁タイルの浮き・剥離
浮きタイルが多数見つかり、剥離の危険性も。劣化の進行度に応じて、張替えと樹脂注入を使い分けました。
担当者「打診調査で見えない内部の浮きも確認しました。対応が必要です」
シーリングの硬化不良
シーリング材は硬化しきって弾性を失い、手作業での撤去が必要なほどでした。
現場職人「カッターが入らないくらい硬くなってます。全部打ち替えですね」
オーナー様「そこまで傷んでたとは…早めにお願いしてよかったです」
工事の流れと透明な対応
調査結果をもとに明確な見積書と診断書を作成。オーナー様に工程を丁寧に説明し、工事中も報告を徹底しました。
診断報告と見積提示
写真付きの診断報告書と、内訳を明記した見積書を提出。工事内容をわかりやすく共有しました。
オーナー様「写真があると素人でもわかりやすいですね」
担当者「透明性を重視していますので、何でもご質問ください」
工事の実施(足場~防水まで)
工程は足場設置から高圧洗浄、下地補修、シーリング、塗装、屋上防水まで。報告写真とともに進捗共有を行いました。
担当者「毎週の報告で進捗をご確認いただけます」
オーナー様「離れてても工事の様子がわかって安心できました」
工事完了後のオーナー様の声
見た目だけでなく機能性も向上した建物に、オーナー様からは満足の声が寄せられました。
オーナー様「すっかりきれいになりましたね。やってよかったです」
担当者「大切な資産を守るお手伝いができて光栄です」
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見積もり・契約時の注意点
中規模改修では、数百万円〜数千万円単位の予算が動くため、見積もりや契約内容の確認は非常に重要です。
内容の不明瞭さや口約束の曖昧さは、後のトラブルや追加費用の原因になり得ます。
見積書で確認すべき項目
- 工事項目と数量・単価の記載があるか
- 「一式」表記が多すぎないか(詳細内訳の確認が必須)
- 管理費・諸経費・仮設工事費などの項目が明記されているか
見積もりは「一式」表記を避け、内訳や単価が明確なものを選びましょう。
契約時には保証期間や支払い条件、アフター対応の範囲を文書で取り交わすことが基本です。
また工事中の変更点や追加工事は、すべて書面で合意を取り、万が一に備えて予備費を設定しておくと安心です。
後のトラブルを防ぐには、口約束に頼らず、記録に残すことを徹底しましょう。
契約時に注意すべきポイント
- 瑕疵担保責任(保証期間)の明記
- 工期と遅延時の対応(天候リスクも含めて協議)
- 支払いスケジュール(着手金・中間金・完了後の精算)
- アフターサービスや定期点検の有無とその範囲
不安な点はすべて書面に残すことが、トラブル防止の鉄則です。
またあらゆるトラブルを想定し、スケジュールに余裕をもたせるようにしましょう。
追加工事による予算オーバーを防ぐために
- 工事中の変更点は必ず書面化
- 見積もり段階で「予備費(変更対応分)」を設定
- 軽微な追加工事もつど承認を取るルールを徹底
「口約束で済ませたが覚えていない」「想定外の費用が膨らんだ」といった事例を避けるため、合意内容は必ず文書化し、記録に残すことが鉄則です。
特に軽微な変更ではその場の確認だけで済ませてしまうケースも多いため、のちのトラブルを防ぐためにも書面や音声として残しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 中規模改修の工期はどれくらいかかる?
A. 工事項目や建物の構造によりますが、通常2〜3カ月程度が目安です。悪天候や予期せぬ修繕追加がある場合、さらに工期が延びる可能性もあるため、余裕を持った工程設計が必要です。
Q2. 工事中に住民の引っ越しは必要ですか?
A. 基本的に引っ越しは不要です。中規模改修は共用部分が中心となるため、住みながらの工事が可能です。ただし、ベランダ使用の制限や騒音・振動など、一時的な生活への影響は考慮しておく必要があります。
Q3. 業者はどうやって選べばいいですか?
A. 中規模改修に実績があり、提案力や説明力に優れた業者を複数比較しましょう。第三者監理者が付く体制や、アフターサービスの有無も確認ポイントです。相見積もりを取り、価格だけでなく内容・対応力を重視しましょう。
Q4. 東京都の補助金は誰でも使えますか?
A. 条件を満たす建物や工事内容に限られますが、耐震・省エネ・バリアフリーに関する補助金が用意されています。自治体によって制度内容や申請方法が異なるため、事前に確認と相談が必要です。
Q5. 修繕積立金が足りない場合はどうすれば?
A. 一時金の徴収や金融機関からの借入が検討されます。また、補助金制度を活用したり、工事項目の優先順位を見直すなどして、計画を段階的に進める方法も有効です。
Q6. 工事完了後にトラブルが発生したら?
A. 契約時の保証内容に従って対応されます。通常は1〜2年の保証期間があり、その間に不具合が見つかれば無償で対応されることが多いです。契約前に保証条件や対応フローを必ず確認しましょう。
東京で中規模改修工事を成功させるためのポイント|まとめ
東京都で中規模改修工事を実施するには、的確な工事計画と業者選定、そして住民や関係者との円滑なコミュニケーションが欠かせません。
20〜50戸規模の集合住宅では、外壁補修や屋上防水・設備の更新といった工事項目が複雑に絡み合うため、費用はもちろん、工期や施工品質にも配慮が求められます。
費用相場としては、1戸あたり60万〜90万円が目安となり、特に東京では人件費や仮設工事費などが割高になる傾向があります。
そのため、信頼できる施工業者を選び、相見積もりや契約内容の確認を通じて、工事の透明性と納得感を高めることが大切です。
また、東京都や区市町村による補助制度の活用も検討しましょう。
耐震や省エネに関する改修であれば、数十万円規模の支援が受けられる可能性もあり、資金負担の軽減につながります。
最終的に、成功の鍵を握るのは「事前の情報収集」と「丁寧な計画」です。適切なタイミングでの改修は、建物の寿命を延ばし、資産価値を守るだけでなく、住民の快適な生活環境づくりにも大きく貢献してくれるでしょう。