マンション売却は大規模修繕工事の前後どちらが良い?修繕費用などを紹介

2025/07/24

マンションの売却を検討している中で、「まもなく大規模修繕が予定されているが、今売るべきか、修繕後にすべきか」と迷っていませんか?実はこのタイミングが、売却価格や買主からの印象、さらには売却スピードに大きく関わってきます。本記事では、大規模修繕工事の基本や売却との関係性、タイミングによる価格の違い、注意すべき修繕積立金の負担、そして売却を有利に進めるポイントまで詳しく解説します。これから売却を進めようとしている方にとって、失敗しないための判断材料としてぜひ参考にしてください。

大規模修繕工事とは?売却に関係あるの?

マンションの資産価値を維持し、快適な住環境を保つために欠かせないのが「大規模修繕工事」です。ここではその基本情報と、なぜ売却時に重要な要素となるのかを説明します。

大規模修繕工事の基本概要と目的

大規模修繕工事とは、外壁や屋上、共用廊下、給排水設備など、マンション全体の機能を長期にわたり維持するために10〜15年周期で実施される大規模な修繕作業です。

修繕周期と工事内容の例

修繕周期主な工事内容
約12年目外壁塗装、屋上防水、鉄部塗装
約24年目給排水管の更生または更新、防水層の全面再施工
約36年目エレベーター改修、電気系統更新など

これらの工事は、住人の安全や快適性を確保するだけでなく、中古市場におけるマンションの評価にも大きく影響を与えます。

売却時に買主が気にするポイントとは?

買主は「建物の管理状態」や「今後の追加出費リスク」を重視します。大規模修繕工事の実施状況や計画が明確な物件は、安心材料となり、購入検討時の印象も良くなります。一方で、修繕計画が曖昧な場合や、積立金不足で将来的に一時金徴収が予測される物件は、買主にとって不安材料になりがちです。

売却のタイミングは「修繕前」と「修繕後」どっちが有利?

売却時期によって価格や売却のしやすさに影響を及ぼすのが、大規模修繕工事の存在です。ここでは、修繕工事の前に売る場合と後に売る場合のメリット・デメリットを比較します。

修繕前に売るメリット・デメリット

メリット:

  • 修繕積立金の値上げや一時金徴収前に手放せる
  • 工事による生活ストレスを回避できる
  • 早期に現金化できる可能性がある

デメリット:

  • 建物の外観や共用部の状態が古く見える
  • 修繕予定に対して買主が不安を感じやすい
  • 値下げ交渉の材料にされやすい

修繕後に売るメリット・デメリット

メリット:

  • 外観・共用部がきれいになり印象アップ
  • 買主にとって「安心材料」となりやすい
  • 高値で売却できる可能性がある

デメリット:

  • 修繕積立金の増額や一時金負担を売主が負う
  • 売却までの時間が延びる
  • 工事中に内覧など売却活動が制限される

修繕積立金・一時金は売主と買主どちらが負担するのか?

マンション売買において、「修繕積立金」や「一時金」が誰の負担になるかは非常に重要なポイントです。誤解やトラブルを避けるためにも、契約書での取り決めを明確にしておく必要があります。

引渡し日による分担の原則

基本的には、引渡し日を境に日割りで売主と買主が負担を分けるケースが多いです。しかし、一時金がすでに管理組合から請求されている場合、売主が負担するのが一般的です。契約前に管理費・修繕積立金の状況を確認し、仲介業者としっかり相談しましょう。

一時金の通知タイミングと売却判断への影響

大規模修繕の実施直前に、一時金の請求通知が来ることがあります。通知前に売却が成立していれば買主が負担しますが、通知後であれば売主が支払うのが通例です。そのため、売却時期は慎重に見極める必要があります。

「修繕実施済み」は売却価値を高める要素になるか?

大規模修繕を終えているマンションは、外観や共有設備の状態が良く、「管理が行き届いている」と評価されやすくなります。結果として、相場より高めの価格設定や、買主からの信頼につながる可能性が高まります。

(※第1部からの続き)


売却前に確認すべき「大規模修繕の計画」とは?

売却前に確認しておくべき重要ポイントが「長期修繕計画」の内容です。これは買主にとっても判断材料になるため、信頼性ある情報を提示できるようにしておきましょう。

長期修繕計画のチェック方法

管理組合が保管する「長期修繕計画書」には、今後の修繕予定や資金計画が記載されています。売却前に内容を確認し、売却資料に添付できると安心です。特に修繕積立金が計画に対して十分に確保されているかどうかは重要な判断材料になります。

管理組合議事録・総会資料の読み方

直近の管理組合の総会資料や議事録には、修繕計画の進行状況やトラブルの有無、資金の使途が明記されています。買主に「このマンションはしっかり管理されている」と伝えるためにも、読み込んで説明できるようにしておくと信頼を得やすくなります。

管理状態が悪いと価格に影響する?

はい、明確に影響します。例えば、長期修繕計画が未策定、修繕積立金の不足、管理会社とのトラブルなどがあると、買主にとって不安要素となり、売却価格の下落や成約の遅延につながる可能性があります。

マンション売却を成功させるためのポイント

売却のタイミングや情報開示の工夫次第で、マンションの売却成功率は大きく変わります。以下の点を意識することで、よりスムーズかつ高値での売却が可能になります。

大規模修繕を「売り文句」にする戦略

「〇年に大規模修繕実施済み」「長期修繕計画が明確で、積立金も充実している」といった情報は、買主にとって安心材料となります。物件紹介ページや内覧時に積極的に伝えるようにしましょう。

買主への正確な情報開示と信頼構築

修繕履歴、積立金状況、工事予定などの情報をしっかり伝えることで、買主との信頼関係が築かれやすくなります。曖昧な対応は価格交渉や契約解除のリスクを高めます。

専門家(不動産会社・マンション管理士)への相談の重要性

不動産会社は、タイミングや訴求ポイントのアドバイスだけでなく、契約書の調整や修繕に関する説明資料の作成もサポートしてくれます。複雑なケースでは、マンション管理士の知見も活用しましょう。

よくある質問(FAQ)

Q. 大規模修繕中でも売却できますか?
→ はい、可能です。ただし足場や騒音などによって内覧数が減る可能性があります。工事期間中の制約を事前に説明しておくことが大切です。

Q. 修繕積立金が不足しているマンションでも売れますか?
→ 売れますが、買主からの値下げ交渉や購入見送りのリスクが高まります。不足の理由や将来の資金計画を明示できれば信頼性が高まります。

Q. 大規模修繕後すぐに売却しても問題ない?
→ 問題ありません。むしろ「修繕済み」という安心材料により、高値での売却が期待できます。

まとめ

マンション売却において、大規模修繕工事のタイミングは価格や買主の反応に大きく影響します。修繕前に売るか、修繕後に売るかはそれぞれメリット・デメリットがあり、物件の状態や市場の動向を踏まえて判断することが重要です。また、修繕積立金や一時金の負担、長期修繕計画の有無、管理状況なども売却成功の鍵となります。正確な情報開示と専門家のサポートを活用し、価値ある売却を実現しましょう。

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