大規模修繕の施工業者は相見積もりで選ぶ!取り方・比較方法と失敗しない業者選びのコツ
2025/09/08
大規模修繕工事は、マンションやビルの資産価値を維持し、快適な住環境を保つために欠かせない重要な取り組みです。外壁や屋上の防水、共用部の補修など、多岐にわたる工事内容が含まれるため、発注する金額は数千万円規模に及ぶケースも珍しくありません。
こうした大きな金額が動く工事において、施工業者の選定はプロジェクト全体の成否を大きく左右します。中でも「相見積もり」は、信頼できる施工業者を見つけるために欠かせないプロセスです。複数の業者に見積もりを依頼して比較することで、適正な価格帯を把握できるだけでなく、各社の提案内容や施工への考え方、保証やアフターサービスの充実度まで見極められます。
本記事では、大規模修繕における相見積もりの重要性や依頼の流れ、比較時の具体的なチェックポイント、さらに失敗を避けるための実践的なコツまで、詳しく解説していきます。
目次
大規模修繕における施工業者選びの重要性|相見積もりをとる前に知っておきたい知識
大規模修繕工事は一度着工すると途中での変更や中止が難しく、住民や入居者の生活に大きな影響を与えるため、施工業者の技術力・実績・信頼性を見極めることが不可欠です。業者の力量によって、同じ修繕工事であっても仕上がりや耐久性、将来のメンテナンスコストが大きく異なる場合があります。
そのため、業者を選ぶ際は価格だけではなく、提案内容や施工体制、担当者の対応力まで幅広く確認することが重要です。
大規模修繕施工業者の主な種類とメリット・デメリット
大規模修繕の施工業者には大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して候補を選ぶことが大切です。
| 業者タイプ | 特徴 | メリット | デメリット |
|---|---|---|---|
| ゼネコン系業者 | 大手建設会社が手掛け、工事全体のマネジメントや安全管理体制が充実。 | 大規模工事の経験が豊富で施工管理に安心感がある | 費用が高額で柔軟性に欠けることがある |
| 管理会社経由の業者 | 建物管理を委託している管理会社が提携先を紹介。発注や調整の手間が少なく住民対応もスムーズ。 | 安心感や利便性が高く、調整の手間が少ない | 価格の透明性が低く、住民側が交渉しにくい |
| 専門工事会社 | 外壁補修や防水、塗装など分野に特化し専門技術に優れる。 | コストパフォーマンスが高く、専門性に優れる | 複数業者を調整する必要があり、発注者の負担が増える |
それぞれの施工業者には一長一短があり、大規模修繕を行う建物の規模や修繕範囲、求める施工品質によって最適な選択肢は変わります。ゼネコン系は安心感が強い一方で費用負担が大きく、専門工事会社はコストを抑えやすい反面、発注側の管理力が試されます。
管理会社経由は手間が少なく便利ですが、透明性を確保する工夫が必要です。こうした違いを理解した上で、状況に応じて候補を決めることが重要です。
大規模修繕の相見積もりが必要な理由|施工業者選びのポイント
「マンションの大規模修繕では見積もりが重要とは聞くもの、具体的な理由はわからない」といった管理会社やオーナーも多いでしょう。
なかでも「相見積もりを取るかどうか」は、費用だけでなく工事の質や安心感を大きく左右します。
ここでは、大規模修繕の施工業者選びで相見積もりが必要な理由をわかりやすく消化します。
相見積もりで大規模修繕の費用相場感を把握できる
相見積もりを取る最大のメリットは、大規模修繕費用の相場を把握できることです。3〜5社程度から見積もりを依頼すれば、提示金額の幅や平均的な相場が見えてきます。相場感を持つことで、極端に高額な業者に惑わされることなく、また安すぎる業者に対しても警戒心を持つことができます。
安さには必ず理由があるため、必要な工程が省略されていないか、材料のグレードが落とされていないかを冷静に見極められます。さらに、過去の施工事例や保証の範囲と照らし合わせて、提示された価格が妥当かどうかを判断する材料にもなります。
相見積もりで施工業者ごとの大規模修繕の工事範囲や提案内容の違いを比較できる
施工業者ごとに提案の仕方は大きく異なります。例えば外壁塗装を例にとると、下地補修をどの程度行うか、塗装の回数を何回に設定するか、使用する塗料の種類やグレードは何かによって、金額や仕上がりに大きな差が出ます。
相見積もりを通じて、単なる「工事費用」ではなく、「どのような施工内容で、どれだけの耐久性が期待できるのか」という質的な比較が可能になります。これにより、自分たちの建物の状況や予算、長期的な維持計画に最も合った業者を選べるようになります。さらに、提案書や説明の丁寧さからも業者の誠実さや専門性を測ることができます。
大規模修繕の不適正な見積もりや施工業者を避けられる
相見積もりを行わず1社の施工業者に依頼してしまうと、その見積もりが高額でも安価でも妥当性を判断できません。複数社の見積もりを並べることで、常識から外れた価格設定や不自然な項目の有無を見抜けます。例えば、他社と比べて足場費用が異常に高い、あるいは保証に関する記載が極端に少ないといったケースです。
また、材料費や人件費が極端に安い場合は、工事品質が犠牲になっている可能性もあります。こうした業者を早期に見分けることが、トラブル回避や安心した契約につながります。結果的に、費用面だけでなく施工後の満足度や安全性を確保するための重要なプロセスになるのです。
大規模修繕の相見積もりを取る際の流れ|施工業者選びの事前準備が重要!
相見積もりは、ただ複数の施工業者に依頼して金額を比べるだけでは不十分です。正しい流れを理解して進めることで、比較の精度が高まり、より納得のいく業者選びができます。さらに、どのような準備や工夫を行うかによっても、得られる情報の質や判断材料が大きく変わってきます。
ここでは、大規模修繕の施工業者選びで相見積もりを取る際の流れを準備期間から紹介します。
大規模修繕の見積依頼先の候補を選定|相見積もりを取るには3〜5社程度が目安
相見積もりを活用して候補業者を選定する際は、過去の施工実績や地域での評判、専門性などを多角的に考慮しましょう。候補を10社以上に増やすと管理が煩雑になり、比較が難しくなります。逆に2社以下では相場を掴みにくく、バランスが取りづらいので3〜5社程度が目安です。
また、ゼネコン、管理会社経由、専門工事会社をバランス良く候補に入れると、多角的に比較できるためおすすめです。さらに、自治体や専門団体が提供する業者リストを活用することで、信頼性の高い候補を見つけやすくなります。
相見積もりの精度を高めるには他の大規模修繕施工業者に同じ条件で依頼
相見積もりの精度を高めるためには、依頼する条件を統一することが重要です。建物の設計図や劣化診断報告書を準備し、同じ条件で各社に依頼することで、公平な比較が可能になります。条件がバラバラだと、単なる金額比較になってしまい、内容の本質を見極めることが難しくなります。
さらに、写真や補修履歴、管理組合での要望リストなどを添付すると、施工業者の提案がより具体的になり、後の比較検討がスムーズになります。
大規模修繕の見積書を比較検討|施工業者の特徴や金額・保証内容を確認
見積書が集まったら、総額だけで判断するのではなく、工事項目ごとの単価や作業範囲、使用する材料の品質まで確認しましょう。見積もりの内訳を分析することで、無駄が含まれていないか、逆に必要な項目が抜けていないかが明確になります。
管理組合での会議では、複数のメンバーが見積書を精査し、主観ではなく客観的な意見を反映させることが大切です。比較の際は、一覧表を作成し、相見積もりを依頼した各施工業者の特徴や金額、保証内容を並べることで、誰でも理解しやすい形で情報共有ができます。
施工業者との面談・ヒアリング|大規模修繕前に丁寧な説明があるかなど対応力を見極める
書面だけでは伝わらない部分を確認するために、各業者と面談や説明会を実施しましょう。現場代理人や担当者が誠実に対応できるかどうかは、工事期間中の安心感に直結します。例えば、住民からの質問に丁寧に回答するか、工事中の生活への影響について具体的に説明できるかなど、対応力を見極めることが必要です。
さらに、実際の現場を見学させてもらったり、過去に施工した建物の事例を紹介してもらうと、業者の信頼性を確認する上で大きな手掛かりとなります。
大規模修繕の相見積もり時の見積書チェック項目について
相見積もりを行う際、金額だけに注目してしまうのは危険です。大規模修繕は費用規模が大きいため、単に総額の高い・安いで判断してしまうと、将来的に大きな損失につながることがあります。
このような失敗を防ぐためにも、以下の項目は必ず確認しましょう。
- 工事範囲と仕様の違い
- 単価や総額の妥当性
- 保証年数・アフターサービス
- 工期・施工体制
では、チェックポイントについて詳しく説明します。
大規模修繕の見積書チェック1.工事範囲と仕様の違い
「外壁塗装一式」と書かれていても、実際には塗装の回数や下地処理の範囲が異なることがあります。記載が曖昧な場合、工事途中で追加費用を請求される原因になり得ます。必ず具体的に範囲が明記されているか、使用する塗料のグレードが示されているかを確認しましょう。
また、仕様が不明確な施工業者は信頼性が低い可能性があるため要注意です。
大規模修繕の見積書チェック2.単価や総額の妥当性
各項目ごとの単価を精査することで、不自然に高額な設定や不明瞭な費用を見抜けるのは相見積もりならではです。例えば足場費用が相場より極端に高い場合や、逆に相場より低すぎる場合には注意が必要です。総額が安いからといって必ずしも良いとは限りません。
必要な工事が省略されていることもあるため、項目ごとの内訳を必ずチェックし、相場や他社との比較を行いましょう。さらに、提示された金額に消耗品や仮設費用などが含まれているかどうかも確認すると安心です。
大規模修繕の見積書チェック3.保証年数・アフターサービス
施工後の保証期間や定期点検の有無は、業者によって大きく異なります。保証が長ければ長いほど安心感があり、施工に対する自信の表れとも言えます。
工事終了後にトラブルが発生した際に迅速に対応してくれるかどうか、無償対応の範囲がどこまでなのかを事前に確認することが重要です。相見積もりでアフターサービスが充実しているかどうかを判断することが、長期的なコスト削減にもつながります。
大規模修繕の見積書チェック4.工期・施工体制
工期が短すぎると下地処理や乾燥が不十分になり、仕上がりに悪影響を与える可能性があります。一方、長すぎると住民生活に支障が出たり余計な費用がかかります。建物規模や工事内容に適した期間を設定できるかが大切です。
また、職人の人数や監督体制も品質を左右するため、面談で安全管理や進行管理の体制を具体的に確認しましょう。例えば、現場監督が常駐しているか、職人の人数が工期に見合っているかなどをチェックすることで、安心して任せられる施工業者かどうかを判断できます。
相見積もりをして大規模修繕の施工業者を選ぶコツ
相見積もりを通じて複数の見積書を比較しても、最終的に「どの業者に発注すべきか」を決定するのは簡単ではありません。価格の比較はもちろん重要ですが、それだけにとらわれてしまうと失敗につながる可能性があります。
ここでは、マンション大規模修繕などでの業者の選び方について具体的なコツを詳しく紹介します。
大規模修繕の施工業者は公募で幅広く募集する
特定の業者に相見積もりの依頼を限定すると選択肢が狭まり、価格や提案内容の比較が不十分になってしまうことがあります。そのため、公募を通じて複数の業者から幅広く見積もりを集める方法が有効です。公募形式を取ることで、思わぬ優良業者や地域密着型で対応がきめ細かい施工業者と出会える可能性も高まります。
また、候補を広げることで競争原理が働き、業者がより適正な価格や誠実な提案を出してくる傾向があります。公募の際には、工事の条件や希望する仕様を明確に提示し、比較が公平に行えるようルールを整えることがポイントです。
さらに、大規模修繕の公募に関するの情報を公開することで管理組合内の透明性が高まり、住民からの信頼も得やすくなります。
施工業者の現場代理人の人柄や対応|大規模修繕時の対応にもつながる
大規模修繕工事の現場を実際に仕切るのは「現場代理人」と呼ばれる担当者です。工事の品質や進行管理、住民対応は、この代理人の力量や人柄に大きく左右されます。相見積もりで確認した金額や会社の知名度だけでなく、代理人が誠実に対応できるか、住民からの質問に丁寧に答える姿勢を持っているかを見極めることが極めて重要です。
説明会や面談の場では積極的に質問を行い、その受け答えや態度を比較することで担当者の実力が見えてきます。また、代理人がどれだけ過去の現場経験を持っているかも確認すると安心です。施工の質は「誰が現場を任されているか」で決まる部分が大きいため、金額以上に重要視すべき項目です。
大規模修繕の内容に疑問があれば施工業者以外の第三者に相談する
見積書の内容や業者の説明に不明点がある場合は、建築士や修繕コンサルタントなどの第三者に相談するのも効果的です。専門家の視点を取り入れることで、見積もりの妥当性や工事内容の過不足を客観的に判断できます。
特に大規模修繕では専門的な用語や工法が多く登場するため、一般の管理組合メンバーでは判断が難しい部分もあります。こうしたときに第三者の助言を仰ぐことで、納得感のある判断が可能になります。
また、第三者のアドバイスは、管理組合内で意見が分かれた場合の調整役としても有効です。疑問や不安を抱えたまま施工業者を決定するのではなく、外部の知見を積極的に活用することが、相見積もりでの失敗を防ぐ大きなカギとなります。
大規模修繕の施工業者の選び方でおすすめの方法とチェックリスト
大規模修繕の施工業者を選ぶときは、次の3つのステップを組み合わせるのがおすすめです。価格だけでなく、対応力や専門性まで総合的に判断できるので、失敗のリスクを大幅に減らせます。
- 公募や複数社から相見積もりを取る
候補を広げて競争原理を働かせ、適正価格やより良い提案を引き出す。 - 現場代理人や担当者の人柄・対応力を確認する
工事の品質や住民対応は担当者の力量に直結するため、面談で誠実さや経験をチェック。 - 専門家に第三者チェックを依頼する
建築士や修繕コンサルタントに見積もり内容を確認してもらい、妥当性や抜け漏れを客観的に判断する。
この3つを押さえておけば、費用面だけでなく、工事品質や安心感まで含めた業者選びが可能になります。特に大規模修繕は数千万円規模に及ぶこともあるため、長期的な視点で信頼できるパートナーを見つけることが大切です。
大規模修繕の施工業者選び時におけるよくある失敗
相見積もりは大規模修繕の施工業者選びにおいて非常に有効な手段ですが、進め方を誤ると逆効果になることもあります。価格だけに目を奪われたり、提案内容の検討を怠ったりすると、後々後悔する結果になりかねません。
ここでは、よくある失敗例と、それを防ぐための回避策をさらに掘り下げて解説します。
大規模修繕の施工業者選びを相見積もりの値段だけで選んでしまう
相見積もりを行うと、どうしても「最も安い業者に頼もう」という心理が働きやすくなります。しかし、安さだけで決定すると、必要な工程が省略されていたり、使用する材料の質が落ちていたりする可能性が高いのです。短期的にはコストを抑えられても、結果的に大規模修繕の効果が長続きせず、数年後に再度工事が必要になるケースもあります。これでは結局高い費用がかかり、住民への負担も増えてしまいます。
回避するためには、価格と内容をバランス良く判断し、工事の品質や保証内容を含めて総合的に評価することが重要です。
相見積もりを依頼した施工業者の提案内容を十分に検討しない
見積書を比較する際に金額だけを見てしまい、工事範囲や施工方法、保証内容などを十分に検討しないのもよくある相見積もりでの失敗です。各施工業者の提案内容を丁寧に比較しないと、後で「必要な補修が含まれていなかった」「思ったより耐久性が低かった」といった問題が起こる可能性があります。
複数社の提案を一覧化して、工事項目ごとに違いを整理し、特徴や注意点をまとめて検討すると効果的です。さらに、管理組合の中で意見を共有することで、多角的な視点から判断ができ、より失敗を避けやすくなります。
相見積もりだけを確認し施工業者の大規模修繕の実績や信頼性を確認しない
業者の過去の実績や施工事例を確認せずに契約してしまうことも大きなリスクです。見積金額が魅力的であっても、実際の施工実績が乏しい業者ではトラブルにつながる可能性があります。
工事写真や実績紹介を必ずチェックし、可能であれば施工現場を見学させてもらいましょう。また、口コミや評判、過去にトラブルがあったかどうか、対応の姿勢なども調べておくことが重要です。
信頼性をしっかりと確認することで、契約後の不安を減らし、安心して工事を任せられるようになります。さらに、長年にわたり地域で施工を続けている業者は、それだけで信頼に足る証拠となることもあります。
相見積もりで失敗しないためのよくある失敗と回避策の早見表
| 失敗パターン | リスク | 回避方法 |
|---|---|---|
| 値段だけで選んでしまう | 工程省略・材料質低下→耐久性不足 | 価格と内容を総合評価し保証も重視する |
| 提案内容を十分に検討しない | 必要な補修が抜け落ちたり耐久性が低下 | 複数社提案を一覧化し特徴を比較・検討 |
| 業者の実績・信頼性を確認しない | トラブルや品質低下につながる | 工事写真や口コミを確認し現場見学も行う |
実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事
築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。
ご相談内容
築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。
担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。
工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前

大規模修繕 施工後
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 建物種別 | 分譲マンション(8階建て) |
| 所在地 | 東京都内(詳細非公開) |
| 工事内容 | 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他) |
| 工法 | 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他 |
| その他特記事項 | 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり |
工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間
現地調査で判明した劣化症状
現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。
担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。
施工中のやり取りと配慮
工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。
お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。
工事中の各工程は写真で丁寧に記録されており、お客様も仕上がりを写真で振り返ることができました。
引き渡し時のご感想
工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。
お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。
今回の工事では、以下のような成果が得られました。
- ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
- 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
- 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
- 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
- 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった
新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。
大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。
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大規模修繕の施工業者選びで相見積もりを行う際のよくある質問(FAQ)
大規模修繕の相見積もりや施工業者選びについて、管理組合やオーナーからよく寄せられる質問をまとめました。
初めて工事を経験する方にとって不安や疑問は尽きないものですので、以下を参考に事前に理解を深めておきましょう。
Q1.大規模修繕の相見積もりは何社の施工業者に依頼すべきですか?
A.一般的には3〜5社が適切です。多すぎると比較が難しくなり、管理組合内での意見調整も煩雑になります。逆に少なすぎると相場感を掴みにくくなり、妥当性を判断できなくなります。3〜5社程度ならコストと比較効果のバランスが最も取りやすいと言えます。
Q2. 大規模修繕の相見積もりは無料で依頼できますか?
A.多くの施工業者は無料で見積もりに対応しています。ただし、詳細な劣化診断や特殊な検査を伴う場合は調査費用が発生することもあります。依頼前に「無料範囲」と「有料範囲」を確認し、追加費用の有無を明確にしておくことが安心につながります。
Q3. 大規模修繕を管理会社に任せるのと施工業者に直接依頼するのはどちらが良いですか?
A.管理会社経由は手間が少なく安心感がありますが、価格が割高になる傾向があります。一方、施工業者に直接依頼すると費用調整がしやすくなるメリットがありますが、その分発注者側で施工管理や住民対応を行う負担が増えます。管理組合の体制や人員、工事規模に応じて判断するのが良いでしょう。
Q4. 大規模修繕の見積もりを取るのにどのくらいの期間が必要ですか?
A.一般的には2〜4週間程度が目安です。工事規模が大きい場合や特殊工事を含む場合は1か月以上かかることもあります。見積依頼から契約までには複数回の調整や説明会も必要になるため、全体のスケジュールに余裕を持つことが大切です。
Q5. 相見積もり後に大規模修繕費用の値引き交渉は可能ですか?
A.可能ですが、過度な値引き要求は工事品質に影響する恐れがあります。値引き交渉を行う際は、単に「安くしてほしい」と伝えるのではなく、「他社ではここまで対応してくれた」「保証内容を充実させてほしい」といった具体的な条件を提示することが効果的です。相場に沿った適正な交渉を心がけましょう。
Q6. 大規模修繕の見積もりを依頼した施工業者とは必ず契約しないといけないのですか?
A.いいえ。見積もり依頼はあくまで検討材料を得るためのものであり、必ず契約する義務はありません。納得できない場合は断って問題ありません。ただし、断る際には丁寧に理由を伝えることで、今後の関係に悪影響を与えずに済みます。
相見積もりを活用して大規模修繕の施工業者選びを成功させよう|まとめ
大規模修繕では、施工業者の選定が成功のカギを握ります。相見積もりを取ることで、価格だけでなく工事範囲や保証内容、担当者の対応力まで総合的に比較できるようになります。値段だけにとらわれてしまうと短期的にはコストを抑えられても、長期的には追加工事やトラブルの原因となりかねません。失敗を避けるには、提案の質や業者の実績、口コミ評価、保証体制などを幅広く確認することが不可欠です。さらに、第三者の意見を取り入れることで客観的な判断ができ、より安心感のある選択が可能になります。
相見積もりを積極的に活用し、複数の施工業者を比較する過程を経てこそ、最良のパートナーを見つけることができます。適正価格で質の高い修繕を実現し、建物の資産価値を長期的に守るために、業者選びには時間と労力を惜しまない姿勢が工事成功への第一歩になるでしょう。

