防水工事と塗装工事の違い|理解しないと失敗する?目的や工法を解説
2025/07/24
住宅や建物のメンテナンスを検討する際、多くの人が「防水工事と塗装工事の違いがよくわからない」という問題に直面します。外見が似ているため、どちらを優先すべきか迷ってしまうことも少なくありません。しかし、それぞれの工事には明確な目的と役割、施工箇所、使われる材料、そしてメンテナンスのタイミングがあります。
本記事では、防水工事と塗装工事の本質的な違いを整理し、失敗のないメンテナンス計画を立てるためのポイントをわかりやすく解説します。
大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております
目次
- 1 防水工事と塗装工事の違いとは?目的と役割を解説
- 2 防水工事と塗装工事の違い|施工部位・対象素材
- 3 防水工事と塗装工事の違い|材料と工法の違い
- 4 防水工事と塗装工事の違い|費用・耐用年数・メンテナンス頻度
- 5 新東亜工業の施工事例|杉並区・4階建てビルの外壁塗装・防水工事
- 6 防水工事と塗装工事でよくある勘違いと選び方のポイント
- 7 防水工事と塗装工事はどちらを先にすべき?施工順の正解とは
- 8 防水工事・塗装工事の同時施工はお得?費用・手間の違いを比較
- 9 防水工事と塗装工事に適した時期とは?季節や気候の影響を解説
- 10 DIYで防水工事・塗装工事は可能?業者に依頼すべき理由とリスク
- 11 防水工事と塗装工事の違いでよくある質問(FAQ)
- 12 防水工事と塗装工事の違いを理解して正しい選択を|まとめ
防水工事と塗装工事の違いとは?目的と役割を解説
防水工事と塗装工事は、いずれも建物を守るための工事ですが、その役割と目的には明確な違いがあります。ここでは、それぞれの基本的な役割について解説します。
防水工事の目的とは?
防水工事の主な目的は、建物内部への水分の侵入を防ぐことです。雨水が屋上やバルコニー、ベランダ、外壁のクラック(ひび割れ)などから浸入すると、内部の鉄筋の腐食や断熱材の劣化を引き起こし、建物の寿命を縮める原因となります。また、室内の湿度上昇によるカビや腐朽菌の繁殖も健康被害を招きかねません。防水工事は、こうした被害から建物と居住者を守るために不可欠な工事です。
塗装工事の目的とは?
塗装工事は、建物の表面を紫外線や雨風、排気ガスといった外的要因から保護し、外観を美しく保つことが主な目的です。塗膜には、建材の劣化を遅らせる機能もあり、長期的に見れば建物全体の耐久性向上にも寄与します。さらに、遮熱・防カビ・セルフクリーニングなどの機能性塗料を選ぶことで、省エネ効果やメンテナンス性の向上も期待できます。
防水工事と塗装工事の違い|施工部位・対象素材
防水工事と塗装工事では施工される部位や対象素材に違いがあり、それぞれ適した施工法が求められます。以下に主な違いをまとめました。
工事の種類 | 主な施工部位 | 対象素材 |
---|---|---|
防水工事 | 屋上・バルコニー・外壁目地・庇・屋根下地 | コンクリート・モルタル・鉄・FRP・アスファルト |
塗装工事 | 外壁・屋根・雨樋・破風・軒天・雨戸 | サイディング・モルタル・金属・木材・ALCパネル |
防水工事は「雨水の侵入口」を防ぐことが最優先であり、特に水平面や隙間がある部位に重点を置きます。一方、塗装工事は外観だけでなく、風雨や紫外線にさらされるすべての外部面を保護する役割を持っています。
防水工事と塗装工事の違い|材料と工法の違い
それぞれの工事で使用される材料や工法は、その目的や施工部位に応じて最適なものが選ばれます。特徴を理解しておくと、見積もりの際にも納得感が得られるでしょう。
防水工事で用いられる代表的な材料と工法
- ウレタン防水:液体状の材料を塗り広げて一体化させる。継ぎ目がないため複雑な形状にも対応可。
- FRP防水:ガラス繊維マットと樹脂を重ねて硬化させる。非常に強靭で軽量。ベランダや屋上に多い。
- シート防水:塩ビやゴム系の防水シートを貼り付ける。施工スピードが早く、広面積に向く。
- アスファルト防水:耐久性が非常に高いが、施工には火を使うなど専門性が高い。
塗装工事で用いられる主な塗料
- アクリル塗料:コスト重視の短期用途に向くが耐久性は低め。
- ウレタン塗料:柔軟性があり木部や鉄部に適する。価格も抑えめ。
- シリコン塗料:最もバランスが取れており、戸建住宅の外壁塗装で人気。
- フッ素塗料:高価だが高耐候性で15年以上もつケースも。
- 無機塗料:最も耐久性が高いが高額。30年近い耐用年数を誇る。
塗料や防水材は性能だけでなく、施工費やメンテナンスのしやすさも考慮して選ぶことが重要です。
防水工事と塗装工事の違い|費用・耐用年数・メンテナンス頻度
工事内容によって初期費用だけでなく、長期的なコストやメンテナンス計画にも違いが出ます。目安として以下の比較をご覧ください。
項目 | 防水工事 | 塗装工事 |
---|---|---|
費用相場(㎡) | 5,000〜9,000円 | 1,500〜4,000円 |
耐用年数 | 10〜15年(工法により異なる) | 7〜15年(塗料の種類により変動) |
メンテナンス目安 | 10年ごとに再施工が望ましい | 10年前後で再塗装が一般的 |
防水工事は一見高額に感じられるかもしれませんが、万が一漏水が発生した場合の修繕費や建物価値の下落リスクを考えると、費用対効果は非常に高いといえます。一方、塗装工事は比較的リーズナブルな価格で外観と保護性能を維持できるため、費用を抑えつつメンテナンスを行いたい方におすすめです。
新東亜工業の施工事例|杉並区・4階建てビルの外壁塗装・防水工事
購入後まもない4階建てのビルにて、外壁の劣化や雨漏りの不安を解消するため、新東亜工業が外壁塗装・防水・下地補修を一括対応。現地調査から完工までの工程を、丁寧な会話とともにご紹介します。
工事概要【工事金額・期間】
工事金額:510万円/工期:約2か月
外壁塗装、防水(屋上・塔屋・階段室)、下地補修、目地・シーリング処理など、長年の使用によって蓄積した傷みを修復し、美観と耐久性を大幅に向上させました。
お問い合わせ〜現地調査
ご購入直後の物件に対するご不安を背景に、スピーディーに現地調査を実施。図面が手元になくても正確に対応できるのが新東亜工業の強みです。
問合せ対応と日程調整
お客様「外壁がボロボロで、雨漏りもしてそうで不安です…」
高井(担当)「明日の10時に現地で寸法を確認し、打診調査を行いましょう」
現地調査と打診調査
高井「屋上は旧塗膜が残っており、防水材が密着しません。機械固定式の塩ビシートをおすすめします」
お客様「希望は400〜500万円ですが、可能でしょうか?」
見積説明と工事内容の精査
現地調査当日中にお見積りを提出。お客様のご予算に合わせ、優先順位や工事内容の調整案をわかりやすくご提案しました。
見積提示・契約
高井「フル工事で510万円のご提案です。階段室を省けば500万円以内にも対応可能です」
お客様「では階段室を外して、税込510万円でお願いできますか?」
仕様決定と工事前の打ち合わせ
着工前に色・防水仕様・鍵・設備使用など詳細を確認。現場と施主との意思疎通を大切にする姿勢が、安心感へとつながります。
仕様の決定と細部の確認
熊倉(現場管理)「屋上扉は塗膜が厚くなるため、少し開けにくくなる可能性があります」
お客様「了解です、汚れが目立たないグレーでお願いします」
工事中の進捗と現場対応
工事期間中は、現場写真とともに報告を徹底。小さなトラブルもその場で調整・報告することで、信頼関係を強化しました。
進捗と対応例
熊倉「屋上扉の動きが悪くなったため、削って調整しました」
お客様「そんなところまで対応してくれるとは。安心です」
工事完了後の評価
見た目が生まれ変わっただけでなく、防水性・実用性にも配慮された仕上がりに、施主様から満足の声をいただきました。
熊倉「完了報告書と保証書を郵送でお届けいたします」
お客様「本当にきれいになりました。ありがとうございました」
新東亜工業では、ビルやマンションの経年劣化に伴う修繕工事を、診断から完了まで一貫対応しています。現地調査・劣化診断・お見積りは無料で、図面の有無にかかわらず正確な確認とご提案が可能です。お客様のご予算やスケジュールに寄り添いながら、最適な工法と工期をご案内。工事中は定期的な進捗報告と写真共有を徹底し、遠方からでも安心して任せていただけます。
お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!
塗装・防水・外壁補修など、建物のメンテナンスをご検討の方は、まずはお気軽にご相談ください。
防水工事と塗装工事でよくある勘違いと選び方のポイント
防水工事と塗装工事を混同すると、必要な施工を見落とす原因になります。以下のような誤解がよくありますので注意しましょう。
- 「塗装をすれば防水も同時にできる」→ 表面は弾くが、下地の隙間から水が侵入する恐れがある
- 「見た目がキレイなら問題ない」→ 内部の劣化や構造の腐食は表面からはわからないことが多い
選ぶ際には、建物の築年数や劣化症状、過去のメンテナンス履歴を確認し、必要に応じて専門家の診断を受けることが最も確実です。塗装と防水、両方の視点で判断することが重要です。
防水工事と塗装工事はどちらを先にすべき?施工順の正解とは
防水工事と塗装工事の両方を検討している方にとって、「どちらを先に行えばよいのか?」という疑問は非常に重要な判断ポイントです。実際、施工の順番を間違えると、せっかくの工事の効果が損なわれたり、追加の手直しが必要になるケースもあります。そのため、正しい施工順を理解し、計画的に進めることが建物の保全には不可欠です。
基本的なルールとしては、防水工事を先に、塗装工事を後に行うのが一般的かつ推奨される順番です。これは、防水工事で形成される防水層の上から塗装を施すことで、紫外線や摩耗から防水層を保護できるためです。また、防水材は下地との密着性が非常に重要となるため、塗装済みの面に対して施工すると、密着不良や剥がれのリスクが高まる場合があります。
さらに、防水材には乾燥や硬化に時間を要する種類も多く、工程の中でしっかりとした養生期間を設ける必要があります。これを無視して塗装を早く進めてしまうと、防水効果そのものが落ちてしまう恐れもあります。ですから、全体工程を熟知した施工管理者のもとで、順序やスケジュールがきちんと組まれていることが非常に重要です。
なお、近年では防水と塗装を同時に提案する業者も増えており、施工順のミスが起きにくいワンストップ対応も主流になりつつあります。複数業者の手配が難しい場合には、このような総合対応業者に依頼するのも有効な手段です。
防水工事・塗装工事の同時施工はお得?費用・手間の違いを比較
防水工事と塗装工事を「どうせなら一緒に済ませたい」「費用を抑えたい」と考える方も多いのではないでしょうか。実際、同時施工には明確なメリットがありますが、注意すべき点もいくつか存在します。
最大のメリットは足場代の節約です。通常、足場の設置には15〜25万円ほどの費用が発生します。これを防水と塗装でそれぞれ行えば、足場代が重複してしまいますが、同時施工であれば1回の設置で済むため、大きなコストカットになります。また、現場の工程管理も一本化されるため、工期短縮や作業効率の向上にもつながります。
さらに、建物全体の外装が一度に整うという点も魅力です。見た目の統一感が得られ、資産価値の向上にも寄与します。経年劣化が一斉にリセットされる感覚を得られるため、心理的にも「一新した」という満足感があります。
一方で注意点もあります。まず、一度にかかる費用が大きくなるため、資金計画が必要です。また、防水と塗装では求められる技術や取り扱い材料が異なるため、両方の専門知識を持つ業者でなければ、施工品質にばらつきが出る可能性も否めません。
したがって、同時施工を検討する場合は、一社で両方の対応が可能で、実績のある業者を選ぶことが重要です。工事の内容、使用する材料、施工箇所などを事前に明確に打ち合わせたうえで契約を進めましょう。
防水工事と塗装工事に適した時期とは?季節や気候の影響を解説
防水工事や塗装工事の品質を最大限に引き出すためには、「いつ施工するか」が非常に重要です。実際、同じ施工内容でも、気候条件によって仕上がりや耐久性が大きく左右されるため、施工時期の選定は成功の鍵とも言えます。
施工に最適なシーズン
- 春(4月〜6月):気温・湿度ともに安定し、乾燥もスムーズ
- 秋(9月〜11月):雨が少なく作業もはかどる、塗料の定着も良好
これらの季節は、業者も「繁忙期」として対応力を高めており、計画的な施工に最適です。
避けたほうがよい時期
- 梅雨(6月中旬〜7月):湿度が高く、乾燥不良・剥がれのリスク大
- 真夏(7月〜8月):気温上昇により乾燥ムラ・施工者の負担増
- 真冬(12月〜2月):気温5℃以下では硬化不良・結露の恐れあり
季節によってはスケジュール通りに進みにくく、仕上がりや耐久性に悪影響が出る可能性があるため注意が必要です。
地域・立地による気候の違いにも注意
- 山間部や標高の高い地域:朝晩の気温差が大きく施工時間が限られる
- 沿岸部:潮風や湿気の影響で塗膜劣化が早まる場合も
施工を検討する際は、地域の気候特性を熟知した業者に相談し、最適なスケジュールを立てることが理想です。
DIYで防水工事・塗装工事は可能?業者に依頼すべき理由とリスク
最近ではホームセンターやネット通販でさまざまな防水塗料や外壁塗装用品が手に入るようになり、「自分でやってみよう」と考える人も増えています。特にコストを抑えたいと考える方にとって、DIYは魅力的な選択肢に映るかもしれません。
DIYでできる範囲とは?
- 小さなクラックの補修
- ベランダやウッドデッキの表面保護
- タッチアップ程度の簡易塗装
これらは比較的リスクが低く、自己責任で行える範囲です。
DIYでの注意点・失敗例
- 下地処理不足による密着不良
- 養生が不十分で仕上がりが雑になる
- 塗膜の厚みや乾燥時間の誤りで耐久性に難あり
工程の簡略化や塗料の扱いミスが、すぐにトラブルへつながる恐れがあります。
DIYにないプロ施工のメリット
- 保証がある:施工後のトラブルにも対応
- 適材適所の材料選定:用途や下地に最適な資材を使用
- 高圧洗浄・養生・下地処理まで含めた高品質な仕上がり
プロに依頼することで、施工不良による再工事や資産価値低下を防ぐことができます。
以上をふまえ、DIYはあくまで応急処置や補修レベルにとどめ、本格的な外装工事は専門業者に任せることが安全で確実な選択肢です。
防水工事と塗装工事の違いでよくある質問(FAQ)
ここでは、防水工事と塗装工事についてよくある質問をいくつかまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
Q 1.塗装工事だけで防水対策は十分ですか?
塗装工事には撥水性がありますが、ヒビや隙間などの根本的な水の侵入経路まではカバーできません。防水層の再形成や目地の打ち替えなど、別途の防水対策が必要です。
Q2.外壁の劣化が目立ちます。どちらを優先すべき?
クラックや膨れ、雨染みが見られる場合は、まず防水の不備を疑うべきです。チョーキング(粉化)や色あせだけであれば、塗装が優先されることもあります。症状に応じた判断が大切です。
Q3.両方やる場合のタイミングは?
理想は、防水工事を先に行い、その上に塗装を施すことです。これにより防水層が保護され、施工の耐久性がさらに高まります。足場を共用できるため、コスト面でも有利です。
Q4. 防水工事と塗装工事は一緒に見積もりを依頼できますか?
A. はい、可能です。むしろ同時に見積もりを取ることで、全体のスケジュールや予算を把握しやすくなり、費用の重複(足場代など)を避けられるメリットがあります。同一業者に両方を依頼することで管理もスムーズになります。
Q5. 防水工事はどのくらいの頻度で必要ですか?
A. 一般的には10年〜15年に一度のペースで再施工が必要です。ただし、使用している防水材の種類や施工環境によっても異なるため、5年〜7年ごとの点検をおすすめします。早めの対応がトータルコスト削減につながります。
Q6. どんな症状が出たら専門業者に相談すべきですか?
A. 以下のような症状があれば早めに専門業者に相談しましょう:
- 外壁にクラック(ひび割れ)がある
- 塗装が剥がれてきている
- 室内に雨染みがある
- バルコニーに水たまりができる
こうした兆候は劣化のサインであり、放置すると建物全体の寿命を縮めてしまうリスクがあります。
防水工事と塗装工事の違いを理解して正しい選択を|まとめ
防水工事と塗装工事は、どちらも建物の寿命や居住性を保つために不可欠です。目的や施工部位、使われる材料、費用といった点で違いがあるため、それぞれの特徴を理解したうえで最適なタイミングで施工を行うことが重要です。「どちらを先にすべきかわからない」「自宅の状態に適した工事を知りたい」と迷ったときは、まず専門業者の無料診断を活用しましょう。正しい選択が、建物をより長く安全に保つ第一歩となります。