
防水業者と塗装業者の違いとは?選び方・工事内容・見積もりの注意点を徹底解説
2025/07/24
外壁や屋上のメンテナンスを検討しているとき、「防水業者と塗装業者のどちらに依頼すべきか」で迷う方は少なくありません。一見すると似たような分野に思えますが、実際にはそれぞれ異なる専門技術や施工範囲を持っています。誤った業者選びは、工事の不具合や再施工の原因となることもあり、建物の寿命にも大きく関わってきます。さらに、施工後の保証やメンテナンス体制、使用する資材や工法の選定など、施主として注意すべきポイントは多岐にわたります。
本記事では、防水業者と塗装業者の違いについてわかりやすく解説し、それぞれの専門分野・対応工事・選定基準・見積もりの着眼点などを詳しく紹介します。依頼前に知っておくべき判断基準を理解することで、トラブルを未然に防ぎ、安心して工事を任せられる環境を整えることができるでしょう。建物の長寿命化と資産価値の維持に直結するポイントを押さえて、賢く業者選びを進めていきましょう。
大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております
目次
防水業者と塗装業者は何が違うのか?
防水業者と塗装業者は、どちらも建物の外装メンテナンスに関わる業種ですが、それぞれの目的や専門分野、技術的知見に大きな違いがあります。まず、防水業者は「建物内部への水の侵入を防ぐ」ことを最重要課題としており、建物の構造体そのものの保護に直結する役割を果たしています。一方で、塗装業者は「建物の外観を整え、外壁や屋根を保護する塗膜を施す」ことを主業務とし、見た目の美しさと劣化防止の両立を担います。
防水業者は、屋上やバルコニー、外壁の防水層を形成し、雨水や湿気の侵入を防ぐ工事に長けており、防水材の選定や膜厚管理、下地処理に至るまでの工程に高度な専門性を要します。塗装業者は主に塗料の選定と塗布工程に特化しており、外壁や屋根の素材や状態に応じた塗装技術を駆使します。
また、建設業法においても両者の違いは明確です。「防水工事業」と「塗装工事業」は別個に分類されており、それぞれが保有すべき許可区分や技術者資格も異なります。業者選びの際には、この区別を理解しておくことが非常に重要です。
防水業者が得意とする工事内容とは?
防水業者が専門とするのは、建物の防水層を形成・補修する工事です。水の侵入を物理的に防ぐ防水施工には、複雑な技術と高度な判断力が求められます。以下に代表的な防水工法を紹介します。
- ウレタン塗膜防水:液状のウレタン樹脂を複数回塗り重ねて、防水層を形成する工法。下地の形状を問わず施工できる柔軟性があり、戸建て住宅や集合住宅の屋上、バルコニーで多く用いられます。
- シート防水:加硫ゴムや塩ビなどのシート材を接着剤や熱で密着させる方法。均一な膜厚が確保されやすく、施工スピードが比較的早いのが特徴です。主に大規模な建物や工場の屋上などに採用されます。
- FRP防水:ガラス繊維と樹脂を組み合わせた強靭な防水層を形成する工法。耐久性に優れ、ベランダや狭小スペースに適しています。車両や歩行の頻度が高い場所にも強い抵抗力を発揮します。
これらの防水工法を正確に使い分けるには、建物の構造・劣化状況・使用環境に関する深い知識が不可欠です。さらに、防水業者の多くは、赤外線カメラを使った漏水診断や散水試験を活用して、目視では判断できない箇所の原因を特定し、再発防止に役立つ補修計画を立てる能力に優れています。見えない部分の施工品質が結果を左右する分野だからこそ、確かな専門性を持つ防水業者の存在が重要なのです。
塗装業者が主に手掛ける業務とは?
塗装業者は、建物の外観を整えると同時に、塗膜によって外壁や屋根を紫外線・雨風・熱などから保護することを目的とした工事を行います。以下は塗装業者が主に対応する工事内容です。
- 外壁塗装:モルタルやサイディング、ALCパネルなど、外壁の種類に応じた塗料を選定し、複数工程で丁寧に塗布します。ひび割れ補修やコーキング処理も含めて施工します。
- 屋根塗装:スレート瓦(コロニアル)や金属屋根に遮熱塗料や高耐候塗料を使用し、劣化の進行を防ぎます。足場の設置や高所作業が伴うため、安全対策も重要な工程の一部です。
- 鉄部・木部塗装:ベランダの手すりや雨戸、破風板などの金属・木製部分の錆止めや塗り替えを行い、部材の腐食を防ぎます。部分的な塗装でも建物全体の印象を大きく左右します。
塗装に使用する塗料の種類も豊富で、シリコン・フッ素・ラジカル制御型・無機塗料などが代表的です。それぞれに耐用年数や性能、価格が異なるため、建物の立地環境やメンテナンス周期に応じた選定が必要となります。
塗装業者は、下地の高圧洗浄やケレン作業(旧塗膜除去)、養生、3回塗り(下塗り・中塗り・上塗り)など、工程ごとに細やかな施工管理を行い、塗膜の厚みや密着性に配慮しながら美しく仕上げます。
注意点としては、塗料による防水性はあくまで「補助的な防水効果」であり、根本的な止水効果を期待することはできません。すでに雨漏りが発生している建物においては、塗装工事だけでは解決できない場合があり、適切な防水工事の併用が必要となります。そのため、塗装業者に依頼する際にも、防水の専門知識を有しているかを確認することが大切です。
防水業者と塗装業者|依頼内容に応じた業者選びの判断基準
建物の外壁や屋上、ベランダなどに劣化や不具合が見られたとき、多くの方がまず直面するのが「どの業者に依頼すべきか」という悩みです。特に防水業者と塗装業者は外装リフォームにおいて混同されやすく、目的に応じた適切な業者を選ばないと、せっかく工事をしても効果が得られなかったり、再施工が必要になってしまうケースもあります。
そこで重要となるのが、「何を目的とした工事なのか」「どのような症状が出ているのか」を明確にしておくことです。目的が異なれば、必要な技術や工法、施工の流れも変わってきます。以下の表に、よくある工事目的ごとに適した業者のタイプをまとめました。
工事の目的 | 適した業者 | 理由と補足説明 |
---|---|---|
雨漏りの補修・防止 | 防水業者 | 水の侵入箇所を特定し、防水層の施工で根本的な止水を行える。塗装では対応できない構造的な問題にアプローチ可能。 |
外観をきれいにしたい | 塗装業者 | 建物の見た目を整えるだけでなく、塗膜で外壁材の保護もできる。カラーバリエーションやデザインにも対応。 |
劣化した屋上の再施工 | 防水業者 | 屋上は直接雨を受けるため、防水機能の回復が第一。塗料による対処ではなく、防水層の再形成が必要。 |
外壁のひび割れ補修+塗り替え | 塗装業者 | 下地処理と仕上げ塗装の両方を一括で対応。クラックの補修も塗装工程に含まれており、合理的かつ美観性も確保。 |
雨漏り+外壁の色あせが同時に発生 | 総合改修業者または連携業者 | 両方の専門性が必要なため、協力体制を持つ業者に依頼するのが理想。工事の調整や一括管理が可能で手間も軽減。 |
業者選びで失敗しないためには、工事の「目的」と「症状の重さ」を正しく見極めると同時に、複数の業者からの意見を比較することも有効です。診断内容や提案に納得感があるかどうかも、業者選定の重要な基準となります。
防水業者と塗装業者の両方の工事が必要なケースの対処法
実際の現場では、「雨漏りも気になるし、外壁もボロボロになってきた」「屋上の防水も心配だし、外観も一新したい」といったように、防水と塗装の両方の工事が必要となるケースが多く見られます。このような複合的な問題に対しては、適切な段取りと業者の選び方が成功の鍵となります。
以下の3つのアプローチが、特に有効です
- 総合改修業者に依頼する
→ 防水・塗装の両方に対応できるスタッフが在籍しており、工事全体をワンストップで進行できます。工期や予算の一元管理ができるため、効率的かつ確実な施工が可能になります。 - 信頼できる元請けに一次窓口を集約する
→ たとえば塗装業者にまず相談し、防水業者と連携してもらうことで、現場の調整や工程管理を任せられます。業者間のやり取りを施主が行う必要がなく、トラブルも起きにくくなります。 - 設計事務所や管理会社に中立的な判断を求める
→ 特にマンションや大規模修繕などでは、設計事務所や管理会社が中立的な立場で工事内容を監修することで、最適な仕様・業者選定が行われやすくなります。施工ミスやバイアスのある提案を防ぐことができます。
どの方法を選ぶにしても、「工事の全体像が明確になっているか」「責任の所在がはっきりしているか」を確認することが大切です。工事の内容が分断されていたり、業者ごとの調整が曖昧なままだと、完成度に影響が出るリスクがあります。
防水・塗装のどちらを先にやるべきか?
複合工事を計画する際にもう一つ気になるのが、「防水と塗装のどちらを先にやるべきか?」という工程上の順番です。これには明確なセオリーがあり、基本的には防水工事を先に、塗装工事を後に行うのが鉄則です。
その理由として、防水層の施工時には熱加工や接着作業、シンナーの使用などがあり、これらが塗装面にダメージを与えてしまう恐れがあるためです。先に塗装をしてしまうと、防水工事の過程でせっかくの仕上げ塗装が傷んでしまい、やり直しが必要になるケースもあります。
また、防水工事には足場の再設置や資材搬入が伴うため、塗装後に再度足場を組むと費用も手間も二重になります。これらを防ぐためにも、防水工事→塗装工事という流れはほぼ共通した業界標準となっています。
ただし、例外として「外壁の大規模な下地補修や構造クラックの処理を塗装工事に先立って行いたい」など、建物の状態や設計意図によっては別の順番が採られることもあります。こうした判断は経験豊富な業者や監理者による現場調査と協議を経て行うべきで、安易に順序を入れ替えることは推奨されません。
最終的には、「目的」「構造」「劣化状況」「施工条件」の4要素を総合的に判断して、最適な施工順を業者と相談することが成功のカギです。
見積書で確認すべき内容の違い
防水業者と塗装業者に見積もりを依頼すると、提出される見積書の形式や記載内容には明確な違いがあります。それぞれの工事は使用する材料、施工方法、仕上がりの目的が異なるため、見積書の記載ポイントも異なります。業者によって見積もりの精度や説明の丁寧さに差があるため、内容をよく理解してから依頼を決定することが重要です。
まず、防水工事の見積書を確認する際には、以下のような点をチェックしましょう:
- 防水工法の種類(ウレタン・FRP・シート防水など)
- 材料の名称・メーカー(信頼性のある実績豊富な製品かどうか)
- 塗布回数と膜厚の記載(たとえば「2回塗り・厚み3mm」など明記が必要)
- 下地処理の内容と工程(ひび割れ補修、プライマー処理の有無)
- 施工面積と単価、養生や清掃などの付帯作業費
- 足場設置や撤去費用の記載があるか
- 施工保証の年数や内容が具体的に示されているか
防水工事は、表面に見えない下地や材料の層構成が重要になるため、記載内容が曖昧な場合は追加工事や不具合のリスクにつながります。
一方、塗装工事の見積書では、
- 使用する塗料のグレードやメーカー名(シリコン、ラジカル、フッ素など)
- 塗装箇所ごとの下地処理方法(高圧洗浄・ケレン・下塗りの内容など)
- 塗布回数と工程(通常は3回塗り:下塗り・中塗り・上塗り)
- 足場仮設・撤去費の詳細
- 付帯部(雨樋、破風板、鉄部など)の塗装有無
- 保証期間と保証範囲(剥がれ、色あせなどに対応しているか)
塗装工事では見た目の仕上がりと耐久性が大切になるため、使う塗料の性能だけでなく、施工回数や作業手順の詳細が明記されているかどうかが信頼性の分かれ目になります。
金額だけで判断せず、項目ごとの記載内容が具体的か、漏れなく書かれているか、なぜその金額になるのかを説明してくれるかを確認することで、後のトラブル回避にもつながります。
適正な業者かどうかを見極めるコツ
見積もりをもとに業者を選定する際は、「金額の安さ」ではなく「内容の適正さ」「業者の信頼性」を重視することが失敗しないコツです。以下のような点を総合的に判断しましょう。
- 建設業許可の有無:防水工事業、塗装工事業など、該当する許可区分を持っているか。
- 有資格者の在籍:防水施工技能士や建築施工管理技士などの資格保有者がいるか。
- 雨漏り診断や赤外線調査などの専門診断が可能か:調査体制が整っていれば原因究明と提案力に差が出ます。
- 施工実績:過去の施工事例が写真付きで紹介されているか、公共工事やマンションなどの実績があるか。
- 口コミや評判:Googleレビュー、施工ポータルサイトなどの評価も参考に。
- 保証体制:施工後の不具合にどう対応するか、保証内容が明示されているか。
- 自社施工かどうか:中間マージンを排除しやすく、品質管理がしっかりしているか。
加えて、実際に打ち合わせや見積もり説明を受けた際に、
- 担当者の説明が分かりやすく丁寧だったか
- こちらの質問に真摯に答えてくれたか
- 無理な契約を急かすような姿勢はなかったか
といった「人としての信頼性」も大切な判断材料になります。
高額な外装工事は、数年後の再施工やトラブルに直結することもあるため、施工内容だけでなく「誰が」「どのように」担当するかにも注目してください。
防水業者と塗装業者を比較するチェックリスト
防水工事と塗装工事では、目的も技術も大きく異なるため、業者を比較検討する際にはそれぞれの特性を理解した上で選ぶことが重要です。以下の比較表を参考に、どの業者が適しているかを見極めましょう。
比較項目 | 防水業者 | 塗装業者 |
---|---|---|
専門分野 | 水の侵入防止、防水層の形成 | 外観の美装、塗膜による保護と耐久性向上 |
主な施工箇所 | 屋上、バルコニー、屋根、外壁の接合部など | 外壁、屋根、鉄部、木部、付帯部分など |
使用材料 | ウレタン防水材、FRP樹脂、塩ビシートなど | シリコン塗料、フッ素塗料、無機塗料など |
工事の目的 | 雨漏り対策、防水性・気密性の強化 | 外観の改善、紫外線・風雨からの保護 |
見積もり項目 | 工法、材料名、厚み、下地補修、施工面積など | 塗料グレード、塗装回数、施工範囲、足場費用など |
保証の種類 | 防水保証(5〜10年程度) | 塗膜保証(3〜10年程度) |
必要な資格 | 防水施工技能士、建設業許可(防水工事業) | 建設業許可(塗装工事業)、施工管理技士など |
施工の難易度 | 施工箇所に応じて高度な知識と技術が必要 | 細部の美観・均一性に配慮した施工技術が求められる |
このように、業者の専門性や目的の違いをしっかり把握したうえで、依頼する内容に最も適した施工業者を選ぶことが、トラブルのない満足度の高い工事につながります。
実録!新東亜工業の施工事例|5階建てビルの外壁塗装・防水工事
「外壁が汚れてきた」「屋上の雨漏りが心配」とお悩みのビルオーナー様に向けて、今回は東京都板橋区の5階建てビルにて実施した外壁塗装および防水工事の実例をご紹介します。初回のお問い合わせから現地調査、見積り提出、ご契約、施工中のやり取り、そして引き渡しまで——。リアルな会話形式で一連の流れを完全公開します。
大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容
隣接する建物の解体工事を機に、外壁塗装と屋上防水工事を検討されたお客様からのご相談でした。新築工事が始まる前に工事を終えたいという明確なご要望があり、早急な対応が求められる案件でした。
お客様:お隣が解体されまして、新築が始まる前に外壁塗装を済ませたいんですが、見積りお願いできますか?
担当者:もちろんです。現地調査の日程として24日の13時はいかがでしょうか?
お客様:問題ないです!母が立ち会いますので、よろしくお願いします。
工事の概要|工事金額と期間


建物種別 | 5階建てビル |
---|---|
所在地 | 東京都板橋区 |
工事内容 | 外壁塗装・屋上防水工事 |
工法 | 砂骨仕上げ塗装、ウレタン密着工法、シーリング打ち替え 他 |
その他特記事項 | 隣地工事前の短期集中対応 |
工事金額:513万円
工期:40日間
現地調査で判明した劣化症状
現地調査の結果、屋上防水層の破断、外壁のひび割れ、タイルの浮きといった劣化が確認されました。特に雨漏りの懸念がある防水層については、優先的な対応が必要でした。
担当者:屋上の防水層が破れていたのと、外壁のひび割れが結構ありましたねぇ。
お客様:そうなんですねぇ…。やっぱり今のうちにやらないとですね。
施工中のやり取りと配慮
着工後の下地調査で、見積以上の劣化が確認されたため、追加補修をお客様にご相談。ご理解の上、フルスペックでの補修を実施。また、騒音・臭気などへの配慮や迅速な報告体制を徹底しました。
担当者:タイルなどは直さないと落ちてくる可能性があるので、予算はオーバーしますが、やった方がいいかと思います。
お客様:この際なので、追加分もお願いします。
担当者:ありがとうございます。明日から入らせていただきます!
引き渡し時のご感想
防水・塗装ともに完了し、最終検査後の是正も実施。仕上がりの品質にお客様も非常に満足され、保証書なども問題なくお渡しできました。
担当者:工事が完了となりました。本日をもって引き渡しとさせていただきます。
お客様:わかりました。本当に綺麗になって良かったです。ありがとうございました!
本工事では、隣地の新築工事が始まる前というタイトなスケジュールの中、外壁塗装と防水工事を高品質かつ確実に完了しました。現地調査での的確な劣化診断、丁寧な見積説明、細かな仕様打合せ、工事中のこまめな報告と柔軟な対応により、お客様との信頼関係を築くことができました。
防水工事と塗装工事のよくある質問(FAQ)
Q1. 防水工事と塗装工事、どちらも必要な場合はどうすればいい?
A. 両方の工事が必要なケースでは、まず現状の劣化状況を正確に把握することが重要です。その上で、防水と塗装の両分野に対応できる総合リフォーム業者、あるいはそれぞれの専門業者と密に連携を取っている会社に依頼するのが理想的です。施工順や資材の干渉など、工程の調整を誤ると仕上がりや耐久性に悪影響が出る可能性があるため、トータルで工程管理ができる体制が望ましいです。
Q2. 塗装業者に防水も依頼しても大丈夫?
A. 一部の塗装業者では、防水工事にも対応可能な場合がありますが、それが「止水のプロ」であるとは限りません。防水は建物の構造体に関わる専門性の高い分野であり、専用の材料・施工技術・診断力が求められます。雨漏りや屋上の劣化が関係している場合は、まず防水業者に診断を依頼し、必要に応じて塗装業者との連携を検討するのが安心です。
Q3. 工事後に雨漏りや不具合が発生したらどうする?
A. 工事後に不具合が発生した場合の対応をあらかじめ契約時に明確にしておくことが非常に重要です。信頼できる業者であれば、保証書の発行や施工内容に応じた5〜10年の保証期間を設けていることが一般的です。また、万が一のトラブル時にすぐに連絡が取れ、現地確認や補修対応を迅速に行ってくれる業者かどうかも選定基準になります。価格だけでなく、こうした「施工後の信頼性」も忘れずに確認しましょう。
Q4. 塗装と防水を同時に施工した場合、工期や費用は増える?
A. 複合工事となるため、当然ながら工期は多少延びる可能性がありますが、足場の共用や作業効率の向上により、別々に工事を行うよりもトータルコストを抑えられる場合もあります。ただし、施工順や使用する材料の相性を考慮し、綿密な工程管理が必要です。見積もり時点で、どこまでが塗装範囲でどこからが防水範囲かを明確にし、施工計画を整理することが大切です。
以上で「防水業者と塗装業者の違い」に関する解説は完了です。お住まいの状況や建物の用途、将来的なメンテナンス計画も考慮しながら、信頼できる専門業者を選び、納得のいく工事を実現してください。
防水工事と塗装工事は目的に合った専門業者を選ぶことが工事成功のカギ
防水業者と塗装業者は、どちらも建物の外装保護において非常に重要な役割を担っていますが、その施工目的・技術的アプローチ・使用材料・得意とする工法は大きく異なります。防水業者は「水の侵入を物理的に防ぐこと」を主目的とし、屋上やバルコニー、外壁の接合部などに対して高度な止水技術を用いた施工を行います。一方で塗装業者は「建物の外観を美しく保ち、表面の劣化を防止すること」に特化し、耐候性・防汚性・紫外線対策などに優れた塗料を使用して外装を仕上げます。
たとえば、雨漏りの補修や屋上の防水層の再形成が必要な場合は防水業者に依頼するのが適切です。一方、経年劣化による外壁の色あせやひび割れの補修、美観向上を目的とした外装リフォームの場合には、塗装業者が最適といえます。工事の目的に応じて、適切な業者を選ぶことが、建物の寿命を大きく左右します。
さらに、防水と塗装の両方の対応が求められる複合工事の場合には、総合的な視点を持つ改修業者や、各分野の専門業者と連携体制を確立している施工会社に相談することで、工事の質やスケジュール調整がスムーズになります。片方の業者に無理に一括依頼することは、工事不備や再施工の原因にもなりかねません。
また、見積もり段階では、単に費用の安さで判断するのではなく、記載されている工事内容の具体性、施工手順の説明のわかりやすさ、保証体制の有無、担当者の対応姿勢などを総合的に確認することが肝要です。施工後のトラブル対応やアフターサポートの有無も、業者を選定する際の重要なポイントとなります。
適切な業者選定は、一時的なコスト削減以上に、長期的な安心と建物の資産価値維持につながります。信頼できるパートナーと共に、確実で品質の高い工事を実現しましょう。