屋上防水工事の費用相場は?工法別の特徴や見積もりの注意点を解説

2025/07/24

「屋上のひび割れが気になる」「雨漏りが心配」――そんな悩みを抱えている方にとって、屋上防水工事は建物を守るための大切なメンテナンスです。放置してしまうと、建物内部に雨水が浸入し、柱や梁といった構造部分に深刻な影響を及ぼす可能性もあります。そのため、早めの対策と正しい知識が必要です。

とはいえ、工事の費用相場や適した工法がわからず、判断に迷っている方も多いのではないでしょうか。防水工事は決して安くない出費ですし、施工不良を避けるためにも、業者選びや工法の理解は非常に重要です。

本記事では、屋上防水工事にかかる費用相場を工法別に詳しく解説し、どのような工事がどれくらいの予算で実現できるのかを明確にします。また、費用を抑えるためのポイントや、優良業者を見極めるためのチェック項目もあわせて紹介しますので、これから防水工事を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております

目次

屋上防水工事の費用相場はどれくらい?

屋上防水工事の費用は、建物の構造や施工面積、選択する防水工法によって大きく異なります。加えて、既存の防水層の状態や劣化具合、下地の状況によっては、撤去作業や補修工事が必要となり、その分コストがかさむケースもあります。

また、同じ工法であっても、施工面積が広いほど単価は割安になりやすく、逆に狭い場合は設置準備や資材搬入などの手間が単価に上乗せされやすくなります。さらに、都市部では人件費や諸経費が高くなる傾向もあるため、地域差も考慮して見積もりを比較することが大切です。

一般的な屋上防水工事の費用相場の目安(1㎡あたり)

工法名1㎡あたりの費用相場耐用年数特徴
ウレタン防水(密着工法)約4,000〜7,000円約8〜12年コストを抑えやすく、複雑な形状にも対応
ウレタン防水(通気緩衝工法)約5,000〜8,000円約10〜15年下地が劣化している場合に有効。膨れリスクを抑制
シート防水(塩ビシート)約5,500〜8,500円約12〜15年美観と耐久性のバランスが良い。施工が早い
アスファルト防水約6,000〜9,000円約15〜20年重厚で信頼性が高いがコスト高め。重量がある
FRP防水約5,500〜9,000円約10〜12年高強度で軽量、硬化が早い。屋上駐車場などにも対応

上記はあくまで一般的な目安です。実際の工事では、建物の構造、屋上の勾配、既存防水層の有無、使用する材料のグレードなど、さまざまな条件が加味されて費用が決まります。そのため、最終的な金額を把握するには、複数の業者に現地調査と見積もりを依頼することが重要です。

屋上防水工事|工法ごとの特徴と費用感について

防水工事には複数の工法が存在し、それぞれの工法が持つ特徴や向き不向き、施工にかかる手間や費用感も異なります。適切な工法を選ぶことは、費用対効果やメンテナンス性の観点からも重要なポイントです。ここでは、代表的な防水工法について、それぞれの特徴と費用面を詳しく解説します。

ウレタン防水(密着・通気緩衝)

ウレタン樹脂を現場で塗布して防水膜を形成する工法で、柔軟性に優れ、複雑な形状にも対応しやすいのが特徴です。密着工法は既存の下地に直接塗布する方法で、材料費・施工費ともに比較的安価に済む点が魅力です。ただし、下地が傷んでいる場合は、内部に湿気がこもるおそれがあるため、通気緩衝工法(絶縁工法)が推奨されます。

こんな場合におすすめ:

  • バルコニーや中小規模の屋上
  • 設備基礎や配管が多く、凹凸が多い屋上
  • コストを抑えて防水したい場合

注意点:

  • 施工者の技術力により品質に差が出やすい
  • 硬化に時間がかかるため、天候に左右されやすい
  • 紫外線対策のトップコートが必要

シート防水(塩ビ・ゴム)

工場であらかじめ成形されたシート状の防水材を、屋上に貼り付けて施工する工法です。シート同士を熱風や溶着剤でつなぎ合わせるため、施工が比較的スピーディーで、広い屋上にも向いています。塩ビシートは紫外線や薬品に強く、意匠性も高いことから多くのビルやマンションで採用されています。

こんな場合におすすめ:

  • 学校や病院など、広い屋根面を持つ建物
  • 美観を重視したい商業施設や集合住宅
  • 定期的な張り替えによるメンテナンスが可能な施設

注意点:

  • 接合部や立ち上がり部分は技術力が求められる
  • 下地の状態が悪いと、施工中にシワや浮きが発生しやすい
  • 塩ビ素材は熱に弱いので火気には注意が必要

アスファルト防水

耐久性と信頼性を重視するなら、アスファルト防水が有力な選択肢となります。熱で溶かしたアスファルトを積層することで、強固な防水層を形成する古典的かつ実績のある工法です。複数層を重ねることで漏水リスクを大幅に軽減できるため、特に長期耐久性を求められる大規模施設や公共建築物において重宝されています。

この工法は、トーチ工法・熱工法・常温工法などいくつかの施工方式に分かれており、建物の構造や用途、予算に応じて選択されます。アスファルト独特のにおいが出るため、近隣対策も重要です。また、下地がしっかりしていれば30年近く耐用する事例もあり、初期投資はやや高めでも、ライフサイクルコストの面で優れることもあります。

こんな場合におすすめ:

  • 屋上駐車場など、重量や摩擦が加わる場所
  • 公共施設や大型ビルなど耐用年数を重視したい現場
  • 重量に余裕があり、頑丈な構造の建物

注意点:

  • 他の工法に比べて施工時のにおいが強い
  • 工期が長く、費用も高くなりがち
  • 熱施工のため火災リスクや安全管理への配慮が必要
  • 雨天施工が難しく、天候の影響を受けやすい

FRP防水(繊維強化プラスチック防水)

FRP防水は、ガラス繊維を含んだ樹脂を塗布して硬化させることで防水層を形成する工法です。軽量かつ高強度で、耐衝撃性・耐水性・耐摩耗性に優れており、屋上駐車場・ベランダ・バルコニー・歩行頻度の高い場所などで利用されています。

硬化が早いため、短工期が求められる現場にも最適です。また、硬質で継ぎ目のない美しい仕上がりが特徴で、意匠性を求められる住宅にも対応できます。一方で、伸縮性が少なく割れやすいという特性があるため、下地の動きが大きい建物には不向きな場合もあります。

こんな場合におすすめ:

  • 戸建住宅のバルコニーやベランダ
  • 機械設置スペースや歩行頻度が高い屋上
  • 速乾性を活かした短期間施工を求める場合

注意点:

  • 硬化後は伸縮性が少なく、下地の動きに弱い
  • 経年劣化でクラックが入りやすい場合もある
  • 紫外線対策としてトップコートの定期塗布が必要
  • 可燃性の溶剤を使用するため換気と安全対策が必要

実録!新東亜工業の施工事例|4階建てマンションの屋上防水工事

今回ご紹介するのは、東京都北区にある4階建てマンションの屋上防水工事の事例です。1階がテナントとなっており、突発的な雨漏りが発生したことから、オーナー様より「すぐに対応してほしい」とのご依頼をいただきました。調査の結果、過去の塗装による不具合が原因と判明し、通気緩衝工法と改修用ドレンを組み合わせた工法で、的確な修繕を実施しました。今回は、その一連の流れをリアルな会話形式でご紹介します。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

お電話にて、オーナー様よりお問い合わせをいただいたのが工事の始まりでした。

お客様:「屋上防水の見積もりをお願いしたいんですが、雨漏りしていて急ぎ対応してほしいです」
担当者:「承知しました。現地を確認した上で、最適な対応をご提案いたします」

急を要するご依頼であったため、受付から担当者への引き継ぎも迅速に対応しました。

工事の概要|工事金額と施工期間

現地調査とヒアリングを経て、防水工事に特化したプランでご契約いただきました。

屋上防水工事 施工前
屋上防水工事 施工後
工事項目 内容・概要
屋上ウレタン防水(通気緩衝工法) 下地の湿気を逃がしつつウレタン防水層を形成する工法。膨れ防止に有効。
改修用ドレン取付 排水機能の強化・補修のために既存ドレンを改修用の製品に交換・取付。
脱気筒設置 下地の湿気や水蒸気を逃がすための筒状の装置。防水層の膨れや浮きを防止。

工事金額:105万円
施工期間:8日間

お客様:「他社と比較しても説明が一番丁寧で、工事内容も納得できました。今回は防水工事だけでお願いします」
担当者:「承知しました。今後、外壁のご相談もお待ちしております」

現地調査で判明した劣化症状

屋上には、以前ペンキを塗った履歴があり、密着性に問題があることが判明しました。

担当者:「本来ウレタン防水の上からペンキを塗るのはNGです。今回は通気緩衝工法で絶縁処理をして対応します」
お客様:「そうなんですね…。素人判断でやったのが裏目に出ちゃいました」
担当者:「大丈夫です。改修用ドレンも設置して、雨水が確実に排水されるようにします」

さらに屋上の一部は塩ビシート防水が施されており、異なる素材にも柔軟に対応する必要がありました。

担当者:「上部は塩ビシートの機械固定工法ですね。通気緩衝工法でまとめて対応可能です」
お客様:「なるほど、材料が違っても一体的に工事できるんですね」

施工中のやり取りと配慮

工事初日には電源トラブルが発生したものの、迅速な対応で工期に影響は出ませんでした。

担当者:「電気が使えないので発電機を用意しました。洗浄作業は予定通り進めます」
お客様:「ご対応ありがとうございます。助かります」

防水層のトップコートの色決めも、現場でしっかり打ち合わせを行いました。

担当者:「ブラウン系の色見本はこちらになります」
お客様:「この色でお願いします」

さらに、キーボックス設置・水道電気の使用確認・資材置き場の相談など、細かい点まで丁寧に調整して施工が進みました。

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

新東亜に相談する

引き渡し時のご感想

最終検査後、オーナー様よりうれしいお声をいただきました。

お客様:「非常に綺麗に仕上がっていて感動しました!また外壁のタイミングでお願いします」
担当者:「そう言っていただけて光栄です。今後ともよろしくお願いいたします」

突発的なトラブルから始まった今回の工事でしたが、早期対応・明確な提案・柔軟な現場運営により、無事お引き渡しとなりました。信頼をいただけたことが、何よりの成果です。

屋上防水工事の見積もりで押さえるべきポイント

屋上防水工事では、1社からの見積もりだけで決めてしまうのは非常に危険です。工事費用は数十万〜数百万円に及ぶため、判断を誤ると大きな損失につながります。費用と施工品質のバランスを見極めるためにも、以下のチェックポイントをしっかり意識しましょう。

屋上防水工事のポイント|相見積もりは必須

最低でも2〜3社から見積もりを取り、比較することが基本です。金額の妥当性だけでなく、工法や施工内容、保証の有無、過去の施工事例や実績まで含めて検討することが重要です。また、同じ条件で依頼しないと比較が難しくなるため、事前に希望条件を整理してから依頼しましょう。

屋上防水工事のポイント|単価だけで判断しない

㎡単価が安いからといって安心するのは早計です。実際には仮設足場費・撤去費・廃材処理費・諸経費などの項目が別途上乗せされているケースが多く、総額で判断することが大切です。見積書は項目ごとに詳細を確認し、あいまいな「一式」表記には注意しましょう。

屋上防水工事のポイント|工事保証の有無を確認する

保証期間があるかどうかは信頼性のバロメーターになります。一般的には5年〜10年の保証がつくケースが多く、長期保証を提示している業者は、それだけ材料や施工品質に自信があるともいえます。口頭ではなく、書面での保証明記があるかも要チェックです。

屋上防水工事でよくある失敗事例とその対策

防水工事は高額なうえ、一度施工するとやり直しが難しいため、失敗すると後悔の大きい工事の一つです。施工後数年で雨漏りが再発した、予算を大きくオーバーしたといったトラブルも少なくありません。ここでは、実際によくある失敗事例とその対策を紹介します。

【屋上防水工事の失敗例1】安さに惹かれて施工不良に

安価な見積もりに飛びついた結果、下地処理が不十分で数年以内に漏水が発生。保証もなく泣き寝入りに。

対策:

  • 単価の安さだけでなく施工実績や保証内容を確認する
  • 現地調査の有無も業者選定の判断材料にする
  • アフターフォローや緊急対応の可否も確認しておく

【屋上防水工事の失敗例2】工法が建物に合っていなかった

安価な密着ウレタンを選んだが、下地の湿気が原因で防水層が膨れ、数年で全面補修に。

対策:

  • 既存の下地状態に合った工法を選定する
  • 通気緩衝工法やシート防水など選択肢を比較する
  • 施工前に含水率などの下地診断を行う

【屋上防水工事の失敗例3】見積もりに含まれていない追加費用

後から撤去費・運搬費などが別請求となり、最終的に予算オーバー。

対策:

  • 見積書に「一式」と記載された項目は明細を確認する
  • 工事の範囲・内容・条件を書面で明示しておく
  • 追加費用が発生する可能性がある条件をあらかじめ聞いておく

屋上防水工事の費用を抑えるためのポイント

防水工事は建物の寿命を延ばすために欠かせない重要なメンテナンスですが、その費用は数十万〜数百万円に及ぶことも少なくありません。とはいえ、工事の内容や業者の選び方、依頼のタイミングなどによって、コストを抑える工夫は可能です。ここでは、費用対効果を高めつつ、安心できる防水工事を実現するためのポイントを詳しく解説します。

屋上防水工事の時期を見極めて工事を依頼する

屋外工事である屋上防水は、天候による影響を受けやすいため、梅雨時期や台風シーズンを避けるのが基本です。実際、施工業者も春や秋の安定した気候の時期を推奨することが多いです。加えて、閑散期である11月〜2月は施工スケジュールに余裕がある場合が多く、価格面でも柔軟な対応を引き出しやすくなります。特に戸建てや小規模建物では、時期を選ぶことで思わぬコストダウンにつながるケースもあります。

屋上防水工事は補修ではなく「予防保全」で対応する

雨漏りが発生してからの修繕では、被害が広がってからの対応となり、結果として費用が高くなりがちです。これに対し、目立った劣化が見られない段階から定期的に点検・補修を行う「予防保全」は、トータルのコストを大きく抑える有効な手段です。たとえばウレタン防水では、数年ごとのトップコート塗布によって防水層の劣化を防ぎ、10年を超える耐久性を維持できます。

地元の屋上防水工事の優良業者を活用する

地元密着型の施工業者は、地域特有の建物構造や気候条件に詳しいだけでなく、緊急時の対応力やアフターフォローに優れている傾向があります。さらに、交通費や宿泊費などの付帯コストが発生しにくいため、遠方業者よりもコストを抑えやすい利点があります。口コミや紹介、地元での施工実績をもとに信頼できる業者を選ぶことが、安心とコスト面の両立に直結します。

屋上防水工事のタイミングと劣化のサイン

屋上防水工事は「雨漏りしてから」では遅い場合もあります。劣化の進行具合によっては、建物内部へのダメージや大規模な補修が必要になるため、早めの対応がコストと安心につながります。ここでは、工事を検討すべきタイミングと代表的な劣化のサインについて解説します。

防水工事を検討する主なタイミング

防水工事を実施する最適なタイミングを見極めることは、建物の寿命を延ばすうえで非常に重要です。明確なトラブルが発生していなくても、定期的なメンテナンスとして検討すべきタイミングがあります。

  • 前回の防水工事から10年以上経過している:防水層の多くは10〜15年で性能が劣化してくるため、10年を過ぎたあたりで点検・補修を視野に入れるべきです。
  • 定期点検で異常を指摘された:専門業者による調査で、防水層の浮きやひび割れなどの劣化が報告された場合は、早めの対応が必要です。
  • 防水層の保証期間が切れた:保証期間終了後は防水層の性能保証がなくなるため、トラブルが起きる前に自主的な点検・再施工を行うのが安心です。
  • 建物の資産価値を維持したいと考えている:防水性能が劣化すると、建物全体の評価が下がる原因にもなります。将来的な売却や賃貸を見据えて、定期的な改修を行うことは重要です。

いずれも、「まだ大丈夫」と油断せず、目に見える被害が出る前に計画的に工事を検討することが、結果的に修繕費を抑える近道となります。

屋上防水の劣化のサインチェックリスト

  • 防水層にひび割れや破れが見られる
  • 表面が膨れていたり浮きがある
  • 雨のあとに建物内に染みやカビが発生している
  • コンクリート面の色がまだらに変色している

これらの症状が見られた場合は、専門業者に現地調査を依頼し、早期に対処することが重要です。初期段階での補修であれば、全面改修に比べて費用も抑えられます。

マンション・戸建て・ビルごとの防水工事の違い

屋上防水工事は、物件の種類によって選ばれる工法や費用、施工体制が異なります。建物の規模や構造、屋上の使用状況によって最適な工事内容は変わってくるため、自分の建物に合った情報を把握しておくことが重要です。

戸建住宅の場合

戸建住宅では、主にバルコニーや陸屋根などの防水が対象になります。施工面積が限られており、比較的短期間で工事が完了するため、費用も抑えやすいのが特徴です。使用される工法は、ウレタン防水やFRP防水が中心で、特にFRP防水は軽量で硬化が早いため、戸建住宅との相性が良いとされています。足場が不要な場合も多く、仮設費用を削減できる点もメリットです。

  • 主にバルコニーや陸屋根部分の防水が対象
  • ウレタン防水・FRP防水が主流
  • 工期は1〜3日程度と短く、足場も不要なケースが多い

マンションの場合

マンションでは、屋上は共用部分に該当するため、施工には管理組合の承認や住民への事前通知が必要となります。構造的には平屋根が多く、シート防水やウレタン防水が広く使われています。工事規模が大きくなる傾向があり、足場や仮設設備の設置、居住者への配慮などが必要な分、費用が高くなることもあります。また、工期が長くなりやすく、住民への説明責任も求められるケースが多くなります。

  • 平屋根が多く、シート防水・ウレタン防水が主流
  • 住民への周知や共用部分の調整が必要
  • 足場や仮設設備の設置が発生し、費用が上がりやすい

ビル・商業施設の場合

ビルや商業施設では、屋上に空調設備や配管、看板などが多数配置されていることが多く、防水工事にあたってはこれらの設備を避けて丁寧に施工を行う必要があります。また、建物の用途によっては営業中の施工が難しいため、夜間工事や短期間での集中的な施工が求められることもあります。使用される防水工法は、下地の動きに強く、耐久性の高い通気緩衝工法やアスファルト防水が選ばれることが一般的です。

  • 屋上機械設備・看板・配管など障害物が多い
  • 通気緩衝工法やアスファルト防水が選ばれやすい
  • 夜間工事や工程調整が必要な場合もあり、工程が複雑

物件ごとの違いを踏まえ、適切な工法選定と業者との綿密な打ち合わせが必要不可欠です。

屋上防水工事での補助金・助成金の活用(2025年版)

防水工事は高額になりやすい分、自治体が提供している住宅改修支援制度や、省エネ・耐震関連の補助金を活用することで、費用を抑えることが可能です。これらの制度は地域によって内容や条件が大きく異なるため、各自治体の公式サイトで最新情報を確認し、該当する場合は積極的に申請を検討しましょう。

自治体補助制度例補助内容条件一例
東京都品川区住宅改修助成上限30万円(1/3補助)築10年以上・居住用住宅
神奈川県横浜市住宅エコ改修補助最大20万円断熱・防水等の省エネ性向上工事
新宿区耐震・防災改修支援最大100万円昭和56年以前の住宅等

注意点として、ほとんどの補助制度は「工事前の申請」が必須です。工事着手後や完了後に申請した場合、対象外になる可能性が高いため、事前に施工業者と連携しながら、必要書類の準備やスケジュール管理を行いましょう。また、補助金交付までのスパンを見越して資金計画を立てておくことも大切です。

信頼できる屋上防水業者の選び方

防水工事の成功は、どの業者に依頼するかで大きく左右されます。価格だけで選んでしまうと、施工不良や短期間での再劣化といったトラブルを招きかねません。ここでは、安心して任せられる防水業者を見極めるためのポイントを解説します。

信頼できる屋上防水業者の選び方1.施工実績と専門性

屋上防水は外壁塗装とは異なり、専門性が問われる工種です。そのため、過去に屋上やバルコニーなどの防水工事をどれだけ手がけているか、使用する工法や材料に関する知見があるかどうかを事前に確認しましょう。施工実績を写真付きで公開している業者や、現地調査時に構造的な問題点まで指摘してくれる業者は、信頼性が高いといえます。

信頼できる屋上防水業者の選び方2.見積内容の透明性

良質な業者ほど、見積書の記載が細かく、材料費・人件費・施工費・廃材処理費などが分かりやすく整理されています。「一式」や「諸経費」でまとめられている見積書は、後から追加費用が発生する可能性が高いため要注意です。また、質問への対応姿勢も判断基準のひとつ。曖昧な説明をせず、納得できる根拠をもって説明してくれる業者を選びましょう。

信頼できる屋上防水業者の選び方3.アフターフォロー・保証制度

防水工事は完了して終わりではありません。定期点検や保証制度がしっかり整っている業者であれば、工事後も安心して長く付き合うことができます。一般的には5〜10年の保証を設けている業者が多いですが、保証の範囲や条件は業者によって異なるため、契約前に必ず書面で確認することが大切です。アフターサービスの受付体制や対応のスピードなども、長期的な安心材料となります。

屋上防水のよくある質問(FAQ)

Q1. 屋上防水の耐用年数はどれくらいですか? A. 工法によって異なりますが、ウレタン防水は8〜12年、シート防水は12〜15年、アスファルト防水は15〜20年程度が一般的です。定期的なメンテナンスを行えばさらに延ばすことも可能です。

Q2. 工事中に建物を使用できますか? A. 基本的には日常生活に大きな支障は出ません。ただし、騒音や臭気、屋上の立ち入り制限など一部不便が生じることがあります。工事前に施工会社と打ち合わせしておくことが重要です。

Q3. DIYでの防水は可能ですか? A. 小規模な補修であればDIYも可能ですが、屋上などの広範囲かつ高所での施工は、技術・安全面の観点から業者に依頼するのが安心です。不適切な施工は防水効果を損なう原因となります。

Q4. 補助金はどうすれば受けられますか? A. 補助金は各自治体が定めた条件を満たし、所定の手続きを行うことで受けられます。申請は工事前が原則です。施工業者がサポートしてくれることもあるため、まずは地域の制度を調べましょう。

屋上防水工事は事前の情報収集と比較がカギ|まとめ

屋上防水工事は、建物の劣化を防ぎ、長期的な資産価値を守るために欠かせない工事です。しかし、初めて工事を依頼する方にとっては、費用の目安や工法の違い、信頼できる業者の選び方など、わからないことが多く不安を感じるものです。

まずは複数業者から見積もりを取り、内容を比較しましょう。価格だけでなく、工法の適切性や保証の有無、対応の丁寧さなども判断材料にすることで、総合的に納得のいく選択が可能になります。

また、補助金や助成金を上手に活用すれば、工事費用の負担を軽減することができます。地域の制度を確認し、必要な準備を整えることで、費用面でも安心して工事に臨めます。

後悔しない屋上防水工事を実現するためには、「情報収集」「比較検討」「事前準備」の3つが重要です。信頼できるパートナーとともに、建物を長く守る最適な施工を実現しましょう。

/div>