マンションの大規模修繕工事とは?費用相場・流れ・成功のポイントまで徹底解説

2025/07/24

マンションに長く快適に住み続けるためには、定期的な修繕が欠かせません。
その中でも「大規模修繕工事」は、建物全体の資産価値や住環境を維持するための極めて重要なタイミングとなります。

しかし、いざ実施するとなると「どんな工事が必要?」「費用はどのくらいかかる?」「住民の合意形成はどう進めるの?」など、管理組合や居住者の間で多くの疑問や不安が生じます。

本記事では、マンションの大規模修繕工事について、実施の目的から費用の相場、工事の流れや注意点まで、初心者にもわかりやすく徹底解説します。
工事の成功に必要な知識を整理し、住民間のトラブル回避や資産価値の維持に役立つ情報をお届けします。

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目次

マンションの大規模修繕工事とは?|目的と必要性をわかりやすく解説

マンションの大規模修繕工事とは、共用部分を対象に実施する計画的な工事です。
築年数の経過とともに劣化する外壁や防水層、設備類をまとめて改修し、建物の機能と美観を保つことが目的です。

そもそも「大規模修繕工事」とは

マンションの大規模修繕工事は、屋上防水・外壁塗装・バルコニーや廊下の床材交換、共用部の給排水管や照明など、建物の構造や設備の安全性・快適性に関わる部分を中心に修繕する総合的な工事です。
一般的には、築12〜15年を目安に1回目を実施し、その後も同様の周期で繰り返されます。

マンションの大規模修繕工事はなぜ必要なのか?

大規模修繕工事を適切に行わないと、雨漏りやタイルの落下など、安全面のリスクが増すばかりか、資産価値の低下や入居者離れにもつながります。
反対に、適切なタイミングで工事を実施することで、マンションの魅力を維持し、空室リスクや売却時の価格低下を防ぐ効果が期待できます。

大規模修繕工事費用の相場と修繕積立金が不足した場合の対処法

大規模修繕工事では、数千万から数億円という大きな金額が動きます。
ここでは費用相場や1戸あたりの目安、積立金で足りない場合の対応策について解説します。

1戸あたりと総額の費用目安

一般的に、1戸あたりの費用相場は75万〜125万円程度とされています。
30戸規模であれば2,250万〜3,750万円、100戸を超える大規模マンションでは1億円を超えるケースも珍しくありません。
以下の表は、マンションの規模ごとの費用相場です。

規模戸数例総費用相場1戸あたり費用目安
小規模10〜30戸約1,500万〜3,000万円約100万円前後
中規模30〜70戸約3,000万〜7,000万円約90〜110万円
大規模70戸以上約7,000万〜3億円約75〜100万円

資金が足りない時の対処法|修繕積立金不足にどう備える?

大規模修繕工事を実施しようとした際、積立金が不足しているケースは決して珍しくありません。
資金不足が判明した場合の対処方法と、将来に向けた備え方について解説します。

なぜ積立金が足りなくなるのか?

修繕積立金は、長期修繕計画に基づいて毎月積み立てられるものですが、以下のような理由で不足が生じることがあります。

  • 物価や人件費の上昇により、工事費が当初見込みより高額になる
  • 築年数の経過とともに、工事項目が増加する(設備更新など)
  • 計画当初の積立金設定が低すぎた
  • 滞納者が多く、全体の収支に影響を与えている

資金不足時の3つの主な対策

  1. 一時金の徴収:不足分を居住者から一括で徴収する方法です。ただし、住民の負担が大きく、反発を招きやすいため慎重な説明と合意形成が必要です。
  2. 金融機関からの借入:銀行などの金融機関から修繕資金を借り入れる方法です。金利や返済期間に注意しながら、長期的に返済計画を立てることが求められます。
  3. 工事内容の見直し:全体の工事範囲を再検討し、必要最低限に絞る方法です。ただし、将来的な追加工事や費用増加のリスクもあるため、慎重な判断が必要です。

将来に向けた積立金の見直し

資金不足を繰り返さないためには、長期修繕計画を定期的に見直し、物価上昇や劣化状況に応じた積立金の適正化が不可欠です。
第三者の専門家に依頼して客観的な見積もりを得ることも有効です。

また、修繕積立金の値上げは心理的ハードルが高いため、段階的な増額や説明会での丁寧な説明がカギとなります。

大規模修繕は一度きりの事業ではなく、将来にも続くサイクルです。
持続可能な資金体制を整えることは、すべての居住者にとっての安心にもつながります。

マンション大規模修繕工事の流れとスケジュール|事前からアフターメンテまで

大規模修繕工事は長期間にわたり、複数の工程を経て実施されます。
ここでは、一般的な工程とスケジュール感を押さえておきましょう。

工事の一般的な流れ

  1. 劣化診断・建物調査
  2. 長期修繕計画の見直し・予算設定
  3. 業者選定(公募型プロポーザルなど)
  4. 住民説明会・合意形成
  5. 仮設足場設置・工事着工
  6. 外壁補修・屋上防水などの本体工事
  7. 完成検査・アフターケア

大規模修繕工事の工程は、綿密な事前準備から始まり、施工後のアフターメンテナンスまで段階的に進行します。
まず、劣化診断と建物調査によって現状を把握し、長期修繕計画と予算を見直します。
その後、公平性を保つために業者選定を行い、住民説明会で合意形成を図ります。
施工段階では仮設足場の設置から着工、本体工事を経て、完成後の検査や保証対応までが一般的な流れです。
これら一連の流れを把握し、事前に適切な準備と住民間の協力体制を整えておくことが、工事のスムーズな遂行と成功の鍵となります。

工期と住民の生活影響

通常の工期は3〜4か月程度が一般的です。
ただし規模や天候・工事内容によっては、半年以上かかるケースもあります。
工事中は足場やネットで外が見えづらくなる、騒音や臭気が発生するなど、居住者の生活に一定の影響が出ることもあるため、事前にスケジュールや配慮内容を共有しておくことが大切です。

実録!新東亜工業の施工事例|8階建てマンションの大規模修繕工事

築17年の8階建てマンションにおける、管理組合主導による大規模修繕工事の一部始終をご紹介します。
「予算オーバーを避けたい」「融資は極力使いたくない」といった現実的な課題を抱える中で、新東亜工業がどのように提案し、信頼を築きながら工事を完遂したのか──。
理事会への説明から近隣対応、完成後のフォローまで、実際のやり取りを交えてリアルにお伝えします。

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ご相談内容

築17年が経過し、管理組合では以前から大規模修繕の検討がされていましたが、資材高騰などにより予算が合わず延期されていた背景があります。「融資は避けたい」「必要な部分に絞って実施したい」といった要望の中、数社に見積り依頼をされていた中で弊社にご相談をいただきました。

担当者:お問い合わせありがとうございます。ご予算に合わせて施工範囲を調整することも可能です。弊社は子会社で材料問屋を持っているため、同じ工事でも他社様より価格を抑えるご提案が可能です。
お客様:なるべく費用を抑えたいので、ぜひ現地調査をお願いします。図面などもご用意します。
担当者:ありがとうございます。図面と、屋上に鍵があるようであればご用意をお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前
大規模修繕 施工後
https://shintoakogyo.co.jp/case/posts/69525/
項目 内容
建物種別 分譲マンション(8階建て)
所在地 東京都内(詳細非公開)
工事内容 大規模修繕工事(外壁補修・塗装・防水・シーリング・長尺シート他)
工法 足場設置のうえ全面修繕/ウレタン塗膜防水(密着工法)他
その他特記事項 理事会へのプレゼンあり、工事中の騒音・近隣対策対応あり

工事金額:2,430万円 期間:約2カ月間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、屋上の防水層や外壁のシーリング、タイル目地などに劣化が見られました。既存のアスファルトシート防水はまだ機能していたものの、再施工のタイミングとしては適切であり、ウレタン塗膜防水による上塗りを推奨しました。また、タイルの一部には硬化不良が確認され、慎重な撤去作業が必要な状態でした。

担当者:屋上はアスファルトシート防水ですね。状態は悪くないので、ウレタン塗膜防水の密着工法が適しています。
お客様:それでお願いします。あとベランダは見た目を良くしたいので、長尺シートも検討したいです。
担当者:シートは費用が倍近くかかるので、ウレタンの方が予算には優しいですね。
お客様:でも可能ならシートにしたいので、そちらで見積りお願いします。

施工中のやり取りと配慮

工事期間中は、騒音や近隣への影響を最小限に抑える配慮を行いました。作業工程や騒音の案内は掲示板やホワイトボードで事前に周知し、近隣住民や管理人との連携も徹底。足場設置やメッシュシートの風対策も含め、安全対策も万全に対応しました。また、アスベスト調査も事前に実施し、含有なしを確認済みです。

お客様:日曜に音がしたって苦情が来たのですが…。
担当者:調べたところ、隣の工事のものでした。担当者に周知のお願いはしておきました。
お客様:ありがとうございます。トラブルにならなくてよかったです。

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引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様からは「タイルもまったく違和感がない」「すごく綺麗になった」と高い評価をいただきました。タイルの保管方法や施工写真・保証書を含めた竣工図書の提出も行い、今後のメンテナンスにも役立てていただける内容でお渡ししました。

お客様:どこを張り替えたかわからないくらい自然ですね。
担当者:窯焼きで色を合わせたので、かなり近く再現できています。必要があればいつでもご連絡ください。
お客様:ありがとうございます。次は廊下の床や照明をまとめて検討したいと思います。

今回の工事では、以下のような成果が得られました。

  • ご予算に合わせた柔軟な工事範囲調整
  • 自社施工・材料問屋からの直接仕入れでコストダウンを実現
  • 理事会での丁寧なプレゼンと近隣配慮で信頼を構築
  • 施工中の進捗報告や打ち合わせで透明性を確保
  • 外観と防水性が向上し、物件価値の維持につながった

新東亜工業では、お客様の状況に合わせた提案と対応を徹底しております。大規模修繕に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

築年数別にみる修繕のポイント|12年・20年・30年以降の違い

マンションの大規模修繕工事は、築年数によって内容や重要性が大きく変わってきます。
建物の老朽化の進行度合いを見極めたうえで、適切な時期に適切な内容で工事を行うことが、無駄なコストを防ぎつつ資産価値を維持するカギとなります。

築12〜15年:初回の大規模修繕の重要性

新築からおよそ12〜15年目は、初回の大規模修繕に該当するタイミングです。
この時期は外壁のひび割れやタイルの浮き、屋上やバルコニーの防水層の劣化、鉄部のサビ発生などが目立ってきます。
初回でしっかりと基礎的な部分を修繕しておくことで、次回以降の劣化進行を遅らせ、修繕費用を抑える効果も期待できます。

築20〜25年:2回目の修繕で本格的な対応を

2回目の修繕では、給排水管の老朽化や電気設備、共用灯などの劣化も進んでいるため、機能的な更新が求められます。

たとえば、エレベーターやインターホンの交換・LED照明や監視カメラの導入など、設備面のリニューアルを伴う工事が増える傾向にあります。
建物の快適性と安全性を維持するためにも、事前の劣化診断がより重要となります。

築30年以上:大規模更新・構造補強の視野が必要

築30年を超えると、構造躯体そのものの耐久性への配慮が求められます。
特に、鉄筋コンクリートの中性化や配管の詰まり、漏水事故の発生など、住環境への影響が顕在化しやすくなります。

また、バリアフリー対応や全館設備の更新など、将来を見据えた再設計の視点も求められる段階です。
この段階では、専門家による包括的な再調査と長期的な視野での計画修正が鍵を握ります。

大規模修繕工事に関する法律と合意形成|区分所有法に基づく決議手続き

大規模修繕工事を進めるうえで欠かせないのが、法律に基づいた住民の合意形成です。
特に区分所有法に基づく決議要件を理解し、適切な手続きを踏むことは、トラブルを未然に防ぎ、工事を円滑に進めるうえで不可欠です。

共用部分と専有部分の違いを理解する

マンションの工事では「共用部分」に関する修繕が対象となります。

共用部分とは、エントランス・廊下・階段・外壁・屋上・排水管など、居住者全体が使用する箇所を指します。
一方、専有部分は住戸内(壁紙やフローリングなど)であり、ここは個人の責任で修繕する対象です。
大規模修繕工事の範囲が共用部分に該当する場合、管理組合が主体となって計画・実施します。

決議の種類と必要な賛成割合

大規模修繕工事に関する決議は、主に「普通決議」または「特別決議」によって承認されます。
外壁塗装や屋上防水などの工事は、通常普通決議(出席者の過半数の賛成)で可決されます。
しかし、工事の内容によっては特別決議(総会の議決権の4分の3以上の賛成)が必要な場合もあります。
たとえば、バリアフリー対応のような機能変更を伴う場合は、より高い賛成率が必要です。

管理組合と理事会の役割

管理組合は、マンションの共用部分に関する意思決定を行う組織で、理事会がその運営を担います。
大規模修繕の計画や業者選定、総会での説明資料作成なども理事会の役割です。
住民との信頼関係を築きながら、情報開示を積極的に行い、透明性の高い運営を心がけましょう。

住民対応・生活への配慮|トラブルを防ぐ工事中の対策

大規模修繕工事中は、足場の設置や騒音・臭気など、居住者の生活にさまざまな影響が及びます。
事前の情報共有と丁寧な対応によって、トラブルの発生を防ぐことが可能です。

大規模修繕工事による生活への影響とは

足場設置によって外が見えづらくなる、騒音・振動によるストレス、塗料や防水材の臭気、ベランダの使用制限などが、想定される住民への影響です。
特に、在宅時間の長い高齢者や子育て世帯にとっては大きな負担となるため、配慮が欠かせません。

説明会と掲示物による情報共有

着工前には住民説明会を開き、工事スケジュールや影響内容・注意事項を明確に伝えることが大切です。
また、エレベーター内や掲示板に進捗状況や注意点を定期的に掲示することで、住民との信頼関係を築きやすくなります。

大規模修繕工事でのクレームを未然に防ぐコツ

クレームの多くは「知らされていなかった」「対応が遅い」といったコミュニケーション不足が原因です。
管理組合や施工業者がこまめに連絡体制を整え、問い合わせ窓口や担当者名を明記しておくと、住民も安心して対応できます。
トラブルを未然に防ぐには、工事そのものの質だけでなく、運営の透明性と共感力も重要な要素となります。

売却・資産価値への影響|修繕履歴が市場評価を左右する

大規模修繕工事は単なる維持管理にとどまらず、マンションの市場価値にも直結します。
計画的に修繕が行われているかどうかは、不動産購入希望者にとって重要な判断材料です。

修繕前後の売却メリット・デメリット

工事完了後であれば、外観や共用部が整備され、購入希望者に良い印象を与えやすくなります。
一方、工事直前や工事中に売却する場合は、騒音や制限の影響により価格交渉の材料にされる可能性があります。
売却のタイミングは、修繕完了後を目安にするのが得策です。

修繕履歴の有無は信頼性の証

修繕履歴がしっかりと残されているマンションは、管理体制の良さや将来的な安心感につながります。
購入者は「このマンションはきちんとメンテナンスされているか」を重視する傾向があるため、修繕計画や実施履歴の記録は管理組合の大切な資産とも言えます。

資産価値を高めるためのポイント

単に工事を実施するだけでなく、資産価値向上を意識した対応も重要です。
たとえば、LED照明への変更やバリアフリー対応、防犯カメラの設置などは、住環境の魅力を高める要素となります。
大規模修繕を単なる維持ではなく「価値向上の機会」と捉える視点が求められます。

マンション大規模修繕を成功に導く業者選びのポイント

大規模修繕工事の成否は、業者選びにかかっていると言っても過言ではありません。
信頼できる施工会社を選定することで、工事の品質と住民満足度の両立が実現します。

大規模修繕工事の経験や実績があるかを確認

大規模修繕工事は専門性が高いため、過去に同規模のマンションでの実績があるかを必ず確認しましょう。
施工件数だけでなく、管理組合や居住者からの評価・口コミも重要な判断材料になります。
可能であれば現地調査に同行してもらい、現場の対応力もチェックしましょう。

提案力と見積内容の透明性

信頼できる業者は、ただ工事を請け負うだけでなく、建物の状況に合わせた提案ができる力を持っています。
また、見積書においては「一式」表記ばかりではなく、工事項目ごとの数量や単価が明記されているかを確認しましょう。
詳細な内訳があることで、工事の妥当性や比較検討がしやすくなります。

公募型プロポーザル方式の活用

近年では、公募型プロポーザル方式による業者選定が注目されています。
これは、複数の施工業者から提案書と見積書を提出してもらい、管理組合や第三者専門家が総合的に評価して選定する手法です。
価格だけでなく、技術力や管理体制も加味して選べるため、透明性と納得感のある業者選びが可能になります。

アフターサービスの充実度

工事後のアフター対応も、業者選定の重要ポイントです。
保証期間や定期点検の有無、対応スピードなどを事前に確認し、トラブル時に迅速な対応が可能かどうかを見極めましょう。
契約書にはアフターサービスの内容を明記しておくと、後のトラブル防止につながります。

コミュニケーション力と信頼性

管理組合や住民と、円滑なコミュニケーションを図れるかどうかも重要です。
説明会での話し方や資料の分かりやすさ、質問への対応などからも、誠実な業者かどうかを判断できます。
修繕委員会や理事会が、業者と信頼関係を築けるかどうかが成功の鍵となります。

よくある質問(Q&A)

Q1. 大規模修繕工事は何年ごとに行えば良いですか?

一般的には12〜15年ごとが目安です。築年数や過去の工事履歴、建物の劣化状態などを考慮し、専門家による定期診断を基に最適なタイミングを判断しましょう。

Q2. 修繕積立金が不足している場合はどう対処すればいい?

一時金徴収・金融機関からの借入・工事範囲の見直しなどが主な対処方法です。また、今後の不足を防ぐためにも、長期修繕計画を見直し、積立金額を適正に設定することが重要です。

Q3. 工事中に住民への配慮は必要ですか?

非常に重要です。騒音・臭気・足場による視界の遮断など、生活に支障が出る可能性があるため、事前に説明会を実施し、掲示やお知らせ文でこまめに進捗と注意点を共有しましょう。

Q4. 業者はどのように選べばいいですか?

相見積もりに加え、公募型プロポーザル方式で複数社の提案内容を比較し、施工実績や対応力を総合的に評価するのが効果的です。第三者の建築士など専門家の意見も取り入れましょう。

Q5. 大規模修繕はマンションの資産価値に影響しますか?

はい。定期的な修繕が行われているマンションは美観・安全性ともに良好で、購入希望者や賃貸入居者に好印象を与えます。修繕履歴の有無は売却価格にも影響を与える要因の一つです。

まとめ|マンションの大規模修繕工事は未来への投資

マンションの大規模修繕工事は、管理組合にとって大きな責任と判断が求められる事業です。
工事を怠ると劣化が進み、資産価値の低下やトラブルの原因となる一方で、適切な修繕は建物の寿命を延ばし、快適な住環境を維持するための強力な手段となります。

本記事では、大規模修繕の基本的な流れや費用相場、築年数ごとの対策ポイント、住民との連携や業者選定の方法、資産価値への影響まで包括的に解説してきました。
どれも「一度きり」ではなく、長期的な計画と継続的な見直しが重要です。

管理組合が主導となり、住民全体と協力しながら信頼できる施工会社を選び、丁寧にプロセスを進めていくことが成功の鍵です。
大規模修繕工事は、今ある資産を守るだけでなく、将来への投資として捉えることが、賢明なマンション運営に重要です。
将来を見据えた判断と行動が、すべての住民の安心と満足につながるでしょう。