28平米屋上の防水工事費用はいくらするの?種類別の相場と失敗しない業者選びまで完全解説

2025/09/24

「屋上から雨漏りが始まった」「28平米の屋上の防水工事っていくらかかるの?」このような悩みを抱えている方は決して少なくありません。

特に築10年を超えた住宅では、屋上の防水層が劣化し始め、適切なメンテナンスのタイミングを迎えています。

この記事では、28平米という具体的な面積の屋上防水工事について、実際の費用相場から工法の選び方・信頼できる業者の見分け方まで、皆さまが知りたい情報を分かりやすくお伝えします。

適正価格を知ることで、法外な見積もりに騙されることなく、安心して工事を依頼できるようになるでしょう。

これまでに手がけた数多くの現場から得た知見をもとに、皆さまの大切な住宅を守るための情報をお届けします。

28平米屋上の防水工事費用相場

28平米の屋上防水工事費用は、11万円〜20万円程度が一般的な相場となります。

この価格には工法の種類や既存防水層の状態によって幅があります。

工法別の費用内訳

28平米の屋上において、各工法の費用目安は以下の通りです。

工法平米単価28平米の費用目安耐用年数
ウレタン防水5,000〜7,000円14万〜19.6万円10〜13年
シート防水(塩ビ)4,000〜5,500円11.2万〜15.4万円13〜15年
シート防水(合成ゴム)3,000〜4,500円8.4万〜12.6万円12〜15年
FRP防水6,000〜8,500円16.8万〜23.8万円10〜15年
アスファルト防水6,000〜9,000円16.8万〜25.2万円15〜20年

上記の費用に加えて、以下の諸経費が必要となります。

  • 高圧洗浄費:150〜300円/㎡(28平米で4,200〜8,400円)
  • 下地処理費:200〜500円/㎡(28平米で5,600〜14,000円)
  • 改修ドレン設置:20,000〜25,000円(必要に応じて)
  • 廃材処分費:20,000〜30,000円
  • 諸経費・管理費:工事費用の5〜10%

これらの諸経費は防水工事の品質を左保するために不可欠な項目です。

高圧洗浄は既存の汚れや劣化物を除去することで新しい防水層の密着性を高め、下地処理は防水材が正しく機能するための基盤を整えます。

これらを含めると、28平米の屋上防水工事の総額は15万円〜30万円程度となることが一般的です。

屋上防水工事の種類と特徴

屋上防水工事には主に4つの工法があり、それぞれに特徴とメリット・デメリットがあります。

28平米という比較的コンパクトな屋上には、どの工法が適しているでしょうか。

ウレタン防水|液体施工で複雑形状にも対応

ウレタン防水は、液状のウレタン樹脂を塗布して防水層を形成する工法です。

28平米程度の屋上では最も選ばれることの多い工法といえます。

メリット・複雑な形状や設備廻りにも柔軟に対応
・継ぎ目のない美しい仕上がり
・比較的リーズナブルな価格
・既存防水層の上から施工可能(密着工法)
デメリット・職人の技術によって品質にばらつきが生じる可能性
・乾燥期間が必要で工期がやや長い
・定期的なトップコート塗り替えが必要(5〜8年ごと)

これらのメリットにより、ウレタン防水は28平米のような中規模屋上において、コストパフォーマンスと施工性のバランスが最も優れた工法として広く採用されています。

特に、エアコン室外機や給湯器などの設備が多い現代の住宅では、液体状の材料が複雑な形状に馴染む特性が大きな利点となります。

一方で、手作業による施工のため職人の技術力が仕上がりに大きく影響します。

また、天候に左右されやすく、雨天時は工事ができないため、工期が延びる可能性があることも考慮しておく必要があります。

シート防水|耐久性と施工性のバランス

合成ゴムシートや塩化ビニールシートを接着剤で貼り付ける工法です。

28平米のような中規模面積に適しています。

メリット・工期が短く、天候に左右されにくい
・均一な品質が確保しやすい
・塩ビシートは紫外線に強い
・コストパフォーマンスが良い
デメリット・複雑な形状には不向き
・施工時に振動音が発生
・合成ゴムシートは紫外線に弱い
・破損時の部分補修が困難

シート防水の最大の特徴は、工場で製造された均一な品質のシート材を使用するため、現場での品質のばらつきが少ないことです。

28平米程度の面積であれば、1〜2日で施工が完了することが多く、急いで工事を完了させたい場合には特に適しています。

シート防水は平らな面での性能を発揮する工法のため、立ち上がり部分や設備周りの処理が複雑になりがちです。

また、接着不良が起こると部分的な剥がれが生じ、そこから雨水が浸入するリスクがあるため、施工業者の技術力と経験が重要になります。

FRP防水|軽量で高強度

ポリエステル樹脂とガラス繊維を組み合わせた防水工法で、強度と軽量性を兼ね備えています。

メリット・軽量で建物への負担が少ない
・耐衝撃性・耐摩耗性に優れる
・工期が短い(2〜5日)
・歩行可能で美しい仕上がり
デメリット・費用がやや高め
・硬いためひび割れが起こりやすい
・工事中に臭いが発生
・紫外線にやや弱い

FRP防水は船舶や浴槽にも使用される技術を応用した工法で、28平米の屋上を歩行可能な防水面として活用したい場合には最適な選択肢です。

硬化後は非常に丈夫な防水層となり、多少の衝撃では破損しない強度を持ちます。

FRP防水は樹脂の硬化反応により強固な防水層を形成しますが、建物の伸縮に追従しにくいという特性があります。

そのため、地震の多い日本では、建物の動きによってひび割れが生じる可能性があり、定期的な点検とメンテナンスが重要になります。

アスファルト防水|長期耐久性重視

合成繊維不織布にアスファルトを含浸させたシートを重ね貼りする、最も歴史のある工法です。

メリット・耐用年数が最も長い(15〜20年)
・防水性能が非常に高い
・実績と信頼性がある
・広い面積に適している
デメリット・工事中に臭いや煙が発生
・重量があり建物への負担が大きい
・工期が長い(6〜10日)
・歩行には不向きな仕上がり

アスファルト防水は100年以上の歴史を持つ実績ある工法で、多くの大型建築物で採用されています。

28平米程度の面積でも、最も確実な防水性能を求める場合には最適な選択肢となります。

特に、長期間メンテナンスの手間を省きたい場合には非常に有効です。

アスファルト防水は熱工法の場合、溶解したアスファルトを使用するため、工事中の臭いや煙が近隣に影響を与える可能性があります。

また、複数層を重ねるため重量が増し、木造住宅では構造計算の確認が必要な場合もあります。

28平米屋上に最適な工法の選び方

28平米という面積の屋上には、どの工法を選ぶべきでしょうか。選択のポイントをご紹介します。

建物の構造で選ぶ

木造住宅の場合は軽量なウレタン防水やFRP防水が適しています。

鉄筋コンクリート造であれば、すべての工法から選択可能です。

28平米程度の面積であれば、建物への荷重を考慮してウレタン防水やシート防水を選ぶ方が多いでしょう。

既存防水層の状態で選ぶ

既存防水層がまだ劣化していない場合は、密着工法のウレタン防水で費用を抑えることができます。

一方、既存防水層を完全に撤去する必要がある場合は、シート防水やFRP防水が適している場合があります。

使用目的で選ぶ

屋上を歩く頻度が高い場合はFRP防水やウレタン防水(通気緩衝工法)がおすすめです。

洗濯物を干すなど軽度の使用であれば、シート防水でも十分対応できます。

予算と耐用年数のバランス

初期費用を抑えたい場合はシート防水(合成ゴム)、長期的なコストパフォーマンスを重視するならアスファルト防水やウレタン防水がおすすめです。

28平米という面積では、ウレタン防水が最もバランスの取れた選択となることが多いです。

防水工事が必要になるタイミング

適切なタイミングで防水工事を行うことで、建物の寿命を延ばし、トータルコストを抑えることができます。

築年数による目安

防水工事は一般的に10〜15年周期で行うことが推奨されています。

特に以下のタイミングでは点検を検討しましょう。

  • 新築から10年経過
  • 前回の防水工事から10年経過
  • 築20年を超えている場合は7〜8年ごと

これらの年数は一般的な目安ですが、建物の立地条件や使用状況によって劣化の進行速度は大きく異なります。

海に近い地域や交通量の多い道路に面した建物では、塩害や排気ガスの影響により劣化が早まる傾向があるため、より頻繁な点検が必要です。

劣化症状による判断

以下の症状が見られる場合は、築年数に関わらずメンテナンスが必要です。

  • 雨漏りの発生
  • 防水層のひび割れや剥がれ
  • 色褪せや変色が広範囲に及んでいる
  • 水たまりができやすくなった
  • 雑草が生えている
  • シート防水の浮きや破れ

これらの症状は防水機能の低下を示す重要なサインです。

特に雨漏りが発生した場合は、建物の躯体にも影響が及ぶ可能性があるため、早急な対応が必要です。

雨漏りを放置すると、木材の腐食や鉄筋の錆びが進行し、建物の構造的な強度にも影響を与える可能性があります。

季節による最適な工事時期

防水工事は年中可能ですが、春(3〜5月)と秋(9〜11月)が最適な時期とされています。

この時期は気温と湿度が安定しており、材料の硬化や乾燥に適した条件が整います。

ただし、これらの時期は業者の繁忙期でもあるため、費用がやや高くなる傾向があります。

急ぎでない場合は、夏や冬の閑散期を狙うことで費用を抑えられる可能性があります。

失敗しない業者選びのポイント

28平米の屋上防水工事を成功させるためには、信頼できる業者選びが最も重要です。

適正価格で高品質な工事を実現するためのポイントをお伝えします。

見積もり内容の透明性を確認

信頼できる業者の見積もりには以下の項目が明記されています。

  • 工法の詳細な記載(密着工法、通気緩衝工法など)
  • 材料の種類と品質
  • 施工面積の正確な計測値
  • 下地処理や高圧洗浄などの付帯工事
  • 諸経費の内訳
  • 工期と保証内容

見積もりの透明性は、業者の信頼性を判断する重要な指標です。

詳細な内訳が記載されている見積もりは、工事内容を正確に把握している証拠であり、後から追加費用が発生するリスクも低くなります。

「一式」表記が多い見積もりや、極端に安い価格を提示する業者には注意が必要です。

必要な工程が省かれている可能性があります。

実績と専門性の確認

防水工事は専門性の高い分野です。以下の点を確認しましょう。

  • 防水工事の専門業者であること
  • 施工実績の豊富さ
  • 資格や認定の保有状況
  • 過去の工事事例の提示
  • 地域での評判や口コミ

防水工事は建物を水から守る重要な工事であり、施工不良が直接的に雨漏りにつながる可能性があります。

そのため、豊富な経験と確かな技術を持つ専門業者を選択することが不可欠です。

防水施工技能士などの国家資格を持つ職人が在籍している業者は、技術力の高さを示す一つの指標となります。

複数業者からの相見積もり

28平米の屋上防水工事では、最低3社からの見積もりを取ることをおすすめします。

価格の妥当性を判断できるだけでなく、各業者の提案内容を比較検討できます。

ただし、極端に安い業者や高い業者には理由があります。

価格だけでなく、工法の適切性や保証内容も含めて総合的に判断しましょう。

契約前の確認事項

契約を結ぶ前に、以下の点を必ず確認してください。

  • 工事期間と天候による延期の取り扱い
  • 近隣への配慮や騒音対策
  • 万が一の事故やトラブル時の対応
  • 支払い条件(着手時、中間、完了時の配分)
  • 保証期間と保証内容の詳細
  • アフターメンテナンスの対応

これらの確認事項は、工事中および工事後のトラブルを防ぐために重要です。

特に28平米の屋上工事では、近隣住宅との距離が近い場合が多いため、騒音や臭気対策について事前に十分な説明を受けることが大切です。

また、保証内容については、どのような症状が保証対象になるのか、保証期間中のメンテナンス内容なども詳細に確認しておきましょう。

費用を抑える方法と注意点

28平米の屋上防水工事の費用を適切に抑える方法をご紹介します。

ただし、品質を犠牲にした過度な節約は後々のトラブルにつながるため注意が必要です。

適切な時期の選択

繁忙期を避けて工事を依頼することで、費用を5〜10%程度抑えることができる場合があります。

ただし、雨漏りなど緊急性がある場合は、時期を選ばず早急に対応することが重要です。

工法の見直し

既存防水層の状態が良好な場合は、撤去せずに上から施工する「密着工法」を選択することで費用を抑えられます。

ただし、下地の状態によっては適用できない場合もあるため、専門家の判断が必要です。

他の工事との同時施工

外壁塗装や屋根工事と同時に行うことで、足場代や諸経費を削減できます。

28平米の屋上防水工事では足場が必要ない場合も多いですが、安全性を考慮して設置することもあります。

DIYの危険性

屋上防水工事のDIYは絶対におすすめできません。以下の理由があります。

  • 専門的な技術と経験が必要
  • 失敗すると雨漏りのリスクが高まる
  • 結果的に専門業者による修理が必要となり、費用が増大
  • 保険適用外となる可能性
  • 高所作業による事故のリスク

防水工事は見た目以上に複雑で、下地処理から材料の選択、施工方法まで専門的な知識が要求されます。

特に28平米という面積では、均一な品質を保つことが困難で、部分的な不具合が全体の防水性能に影響を与える可能性があります。

日常的にできるメンテナンスは排水口の清掃程度に留め、防水工事は必ず専門業者に依頼しましょう。

まとめ

28平米の屋上防水工事について、費用相場から工法選択、業者選びまで詳しく解説してきました。

重要なポイントを再度まとめます。

✅ 28平米屋上防水工事のチェックリスト

  • 費用相場は15万円〜30万円程度(諸経費込み)
  • ウレタン防水が最もバランスの取れた選択肢
  • 10〜15年周期でのメンテナンスが必要
  • 複数業者からの相見積もりを必ず取る
  • 見積もり内容の透明性を確認する
  • DIYは避け、必ず専門業者に依頼する
  • 劣化症状を見つけたら早めの対応を心がける

防水工事は、建物の寿命を左右する重要な工事です。

適正価格で高品質な工事を実現するためには、正しい知識と信頼できる業者選びが不可欠です。

雨漏りが発生してからでは、防水工事だけでなく内装や構造部分の修理も必要となり、費用が大幅に増加します。

定期的な点検と予防的なメンテナンスにより、長期的に見て最も経済的で安心な住環境を維持することができるでしょう。

この記事の情報を参考に、皆さまの大切な住宅に最適な防水工事を実現してください。

不明な点がございましたら、遠慮なく複数の専門業者に相談し、納得のいく工事を行いましょう。