共用廊下のタキロン防水工事とは？メリット・工法・費用までわかりやすく解説

マンションやアパートなどの共用廊下は、日常的に多くの人が行き来する場所であり、雨水や紫外線、摩耗といったダメージを受けやすい部分です。特に共用部は住民や訪問者にとって、最初に目に触れる部分でもあり、外観や安全性を保つことが重要です。

そんな共用部の防水・美観維持において、よく使われるのが「タキロン防水」です。タキロン防水は、優れた耐久性と防水性能を持ち、長期間にわたって高い効果を発揮します。
さらに施工も比較的スムーズで、メンテナンスも少なくて済むため、管理コストを抑えながら共用部をしっかり守ることができます。

本記事では、タキロン防水の特徴や工法の違い・費用相場・施工時の注意点などをわかりやすく解説します。
共用部の防水工事を検討している管理組合やオーナー様は、ぜひ参考にしてください。

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タキロン防水工事とは？｜共用廊下で使われる理由と特徴

タキロンとは、塩化ビニル樹脂系の床材で、正式には「タキストロン」と呼ばれる建材メーカーの製品群のひとつです。表面にエンボス加工が施されており、滑りにくく歩行感にも優れているため、マンションの共用廊下や階段・ベランダなどで多用されています。

共用廊下で採用される主な理由

耐候性・耐水性に優れているため長期使用が可能

タキロン防水は、紫外線や雨水などの厳しい外的環境に対して非常に強い耐候性と耐水性を持っています。これにより、共用廊下や階段などの屋外に設置された場合でも、長期間にわたって劣化せず、しっかりと防水性能を発揮し続けます。
定期的なメンテナンスを行うことで、さらに長期間使用でき、建物の維持管理コストを削減することが可能です。

美観性が高く、さまざまなカラー・デザインが選べる

タキロン防水は、その美しい仕上がりが特徴です。さまざまなカラーやデザインから選ぶことができ、共用部の外観に合わせて最適なものを選定できます。外観を大切にするマンションやアパートの共用廊下にぴったりの防水材であり、長期間美観を維持できるため、住民や訪問者にとって快適な印象を与えることができます。

遮音・防滑性能により、安全性を確保できる

タキロン防水には、優れた遮音性能と防滑性能が備わっています。共用廊下や階段などでは、住民や訪問者の足音が響くことがありますが、タキロン防水の遮音効果により音を抑えることができます。
また防滑加工が施されているため、雨天時でも滑りにくく転倒のリスクを低減します。これにより、安全性が確保され、住民が安心して利用できる環境が提供されます。

共用廊下におけるタキロン防水工事のメリットとデメリット

タキロン防水のメリット

耐久性・耐候性の高さ

タキロン防水は、紫外線や雨水などの過酷な環境に強く、長期間にわたって劣化せずに防水性能を維持します。特に共用部に最適な素材であり、メンテナンスの回数を減らすことができます。

優れた美観性

多彩なカラーやデザインが選べるため、マンションやアパートの外観に調和しやすく、外装美観を長期間保つことができます。

安全性の向上

防滑加工が施されているため、雨の日でも滑りにくく、住民や訪問者の安全を確保できます。また、遮音性にも優れており、音の反響を軽減します。

施工が比較的簡単

タキロン防水は施工が比較的スムーズで、工期が短縮できるため、住民への影響を最小限に抑えることが可能です。

タキロン防水のデメリット

初期コストが高め

他の防水材に比べると、タキロン防水は初期の費用が高めになります。特に広い面積で施工する場合、他の選択肢と比較してコストがかかることがあります。

温度や湿度に敏感

タキロン防水は、極端な温度や湿度の変化に影響を受ける可能性があるため、施工時には気候条件を考慮する必要があります。特に湿気の多い環境では、脱気工法などの工夫が求められます。

共用廊下におけるタキロン防水工事の代表的な施工方法

タキロン防水には、下地や建物条件に応じていくつかの施工工法があります。ここでは主要な2つの工法を紹介します。

密着工法の特徴と向いているケース

密着工法は、下地に直接接着剤を塗布し、タキロンを貼り付ける方法です。下地と一体化するため、仕上がりがフラットで耐久性も高い点が特徴です。

比較的コストが抑えられ、下地の状態が良好な場合に向いています。ただし、下地の湿気が逃げにくいため、コンクリートの中性化や水分トラブルには注意が必要です。

脱気工法（通気緩衝工法）の仕組みと利点

脱気工法では、下地とタキロンの間に通気層を設け、空気や湿気を逃がす構造を採用します。湿気による膨れや剥がれを防止でき、長期的な安定性が見込めます。

コンクリートが湿っていたり、下地の状態が不安定な場合でも施工できる柔軟性の高い工法です。やや費用は高めですが、安全性と耐久性に優れています。

下地状況による工法の選び方

下地が乾燥していて健全であれば密着工法、湿気がこもる・古い建物には脱気工法を選ぶのが基本です。現地調査を踏まえ、専門業者に最適な工法を選定してもらうことが重要です。

共用廊下におけるタキロン防水工事の施工ステップと日数の目安

タキロン防水工事は、以下のようなステップで進行します。
建物の規模や施工面積によって工期は異なりますが、一般的には3日〜1週間程度が目安です。

現地調査・下地確認

現地調査では、施工場所の状況を細かく確認します。特に、下地の状態（ひび割れ、劣化、湿気の影響）をチェックし、施工可能かを判断します。
下地が不良の場合は補修が必要で、適切な状態に整えることで、タキロン防水の耐久性が確保されます。

高圧洗浄・下地調整

高圧洗浄で床面の汚れや旧塗膜を取り除き、下地を清潔な状態にします。その後、下地調整を行い、凸凹を平滑にしてタキロンの密着を良好にします。
この準備が、タキロン防水工事の成功に大きな影響を与えるため慎重に行いましょう。

プライマー塗布（接着剤）

プライマー（接着剤）を下地に均等に塗布することで、タキロンと下地の密着性を高めます。これにより、タキロンがしっかり固定され、防水効果が長期間持続します。
プライマーをしっかり乾燥させることで、施工の安定性が向上します。

タキロン貼り付け・圧着

プライマーが乾いた後、タキロンを貼り付けて圧着します。タキロンがしっかりと密着するように、シートにシワや空気が入らないよう慎重に作業します。
圧着後、タキロンの防水性能を発揮できるよう、完全に固定されていることを確認します。

端部シール処理・仕上げ確認

タキロンの端部にシール処理を施し、隙間から水が浸入しないようにします。その後、施工面全体を確認し、仕上がりが均一であるかをチェックします。
最終確認で防水層の密着や美観を確認し、施工が完了します。

共用部のため、施工時は居住者への周知や歩行導線の確保など配慮が求められます。
住民説明や工事掲示も事前に準備しておくと安心です。

共用廊下におけるタキロン防水工事の耐久性とメンテナンス方法

タキロンは耐候性・耐摩耗性に優れ、適切な施工と定期点検を行えば、10〜15年程度の耐用年数が期待できます。ただし、環境条件や歩行頻度によっては劣化が早まることもあります。
以下のような劣化サインが見られたら、補修や張り替えを検討しましょう。

表面のひび割れ・めくれ

タキロン防水の表面にひび割れやめくれが生じると、防水性能が低下し、雨水が浸入する原因になります。特に頻繁に人が通る場所や極端な温度変化がある場合、表面が劣化しやすくなります。
ひび割れやめくれが発生した場合は早期に補修を行い、被害の拡大を防ぐことが重要です。定期的な点検を行い、早期発見に努めましょう。

接着部分の浮き

タキロンが下地から浮いてきている場合、防水効果が薄れてしまいます。接着部分の浮きは、湿気や水分の影響で発生することが多く、放置すると剥がれやすくなり、修繕のコストが増加します。
浮きが見つかった場合、接着部分を再接着するか、部分的に張り替えを行う必要があります。早期対応で長期間の耐久性を確保できます。

水たまりができる（勾配不良）

水たまりができるのは、タキロン防水を施した床面の勾配が不適切な場合に発生します。水が溜まると、防水層が劣化する原因となり、長期的に見ると建物に重大なダメージを与えることもあります。
勾配不良が原因の場合、再施工や修正作業が必要です。水たまりが頻繁に発生する場合、早急に確認し、勾配を調整することが重要です。

タキロン防水工事の費用相場｜平米単価と施工条件別目安

タキロン防水工事の費用は、1平方メートルあたり8,000円〜13,000円が一般的な相場です。選択する工法（密着工法／脱気工法）や下地処理の内容によって価格に幅が出ます。

小規模（20〜30平米程度）の費用目安

小規模な工事（20〜30平米程度）の場合、費用は20万〜40万円前後が目安となります。住宅の共用部や小規模な施設での施工に適しており、比較的短期間で完了することが多いです。施工面積が小さいため総額は抑えめですが、使用する材料や工法により価格が前後することがあります。

中規模（50〜80平米程度）の費用目安

中規模な工事（50〜80平米程度）の場合、費用は50万〜100万円前後が一般的です。マンションやアパートの共用廊下など広めのスペースに施工する場合、より多くの材料と手間がかかります。また施工面積が広いため、業者によっては割引が適用されることもあります。

見積もり比較の重要性

現地調査を行い、正確な面積や劣化状態を確認したうえで、数社から見積もりを取ることが大切です。複数の業者と比較することで最適な価格とサービスを見極めることができ、後悔のない選択をすることができます。

他の防水材との比較｜タキロン vs 長尺シート・塩ビシートなど

タキロンは耐久性や意匠性の面で優れており、特に共用廊下や階段など人の通行が多い箇所に適しています。他の床材との比較は以下の通りです。

素材	耐久性	滑りにくさ	意匠性	価格
タキロン	◎	◎	◎	中〜高
長尺シート	○	○	○	中
塩ビシート	○	△	△	安

安全性・美観・メンテナンス性を重視する共用部では、多少コストがかかってもタキロンが選ばれるケースが多く見られます。

共用廊下のタキロン防水工事で失敗しない業者選びのポイント

共用部の施工は、単なる防水だけでなく住民の生活への影響にも配慮が必要です。
そのため、業者選びでは以下のポイントを重視しましょう。

共用廊下やマンション施工の実績が豊富か

共用部の施工は、個別の住宅工事とは異なり、建物全体や複数の住民の生活に大きな影響を与えるため、施工業者には特別な経験と実績が求められます。
特に共用廊下やマンションの施工では、他の住民や管理組合との調整が必要であり、長年の経験を有する業者であれば、これらの調整をスムーズに進めることができます。
また、実績豊富な業者は、問題が発生した際の対応方法や過去の事例をもとに、適切な解決策を提供できるため、安心して任せられます。

施工内容が明確に記載された見積書か

見積書は、施工の内容と金額を明確に示す重要な書類です。特に共用部の施工においては、詳細な内容が記載された見積書を提出することが、後々のトラブルを防ぐために必要です。
例えば、防水工事や塗装作業がどの範囲まで行われるのか、使用する材料や工法について明記されていれば、施工後の納得感を得やすくなります。
また、追加費用や予期しない変更がないか、見積もりにしっかりと反映させることが信頼の証となります。

工程・周知・安全対策まで提案してくれるか

共用部の施工では、住民の生活に影響を及ぼす可能性があるため、業者がどれだけ詳細な工程管理を行い、周知活動を徹底するかが重要です。
業者は、施工期間中の作業時間や進行状況、作業が住民に与える影響を事前にしっかりと住民に伝え、配慮しながら施工を進める必要があります。また、作業中の安全対策や近隣住民への配慮も欠かせません。
これらを提案し、実行する業者は、信頼性が高く、施工後のトラブルを防ぐためにも重要な存在です。

保証やアフターサービスが整備されているか

共用部の施工には、大きな投資が伴うため、施工後の保証やアフターサービスがしっかりしている業者を選ぶことが大切です。万が一、施工後に不具合が発生した場合に備え、業者が提供する保証内容やアフターサービスを確認しましょう。
例えば、防水工事の保証期間がしっかりと設定されていたり、定期的なメンテナンスサービスが提供されているかどうかがポイントです。これにより、施工後の長期的な安心感を得ることができます。

実録！新東亜工業の施工事例｜3階建てマンションの屋上防水工事

築38年の3階建てRC造マンションにて、屋上の防水工事をご依頼いただいた事例をご紹介します。
「屋上の防水塗装が剥がれてきて不安…」「ベランダや排水溝も気になる箇所がある」
そんな不安を抱えたお客様からメールにてお問い合わせをいただき、現地調査・見積・契約・施工・引き渡しまでを実際のやり取りと共にご紹介します。
途中で工法の変更が発生した点も含め、リアルな工事の流れがわかる内容です。

ご相談内容

お問い合わせはメールで始まりました。屋上やベランダの防水劣化、排水溝の錆、駐輪場のライン引きについてもご相談がありました。
お客様はメールでのやりとりを希望されており、現地調査と見積が無料であることを案内することで安心感を提供できました。

お客様：屋上やベランダの防水塗装が剥がれているようなので見積をお願いします。
通路の排水溝の金属蓋の交換もお願いしたいです。

担当者：現地調査・御見積は無料で行っておりますのでご安心ください。

お客様：12月12日 14時でお願いできますか？ ついでに天窓と屋根の調査もお願いします。

工事の概要｜工事金額と期間

工事金額：100万円

工期：5日間

 

現地調査で判明した劣化症状

屋上の防水層は部分的に切れ・膨れが見られ、塔屋屋根はより劣化が進んでいました。
一方でベランダや廊下の防水はまだ機能していると判断され、不要な工事は避ける形でご提案しました。

担当者：塔屋屋根の防水層は屋上よりも状態が悪く、以前の工事からかなり年数が経っていると思われます。

お客様：そうなんですね。やはり雨漏りしてからじゃ遅いので、防水お願いします。

担当者：防水層が生きている場所については、今回は工事しなくても大丈夫です。

施工中のやり取りと配慮

洗浄後の確認で、旧防水層の膨れが多数見つかり、急遽「通気緩衝工法」への変更を提案。
工法変更による追加費用やメリットを丁寧に説明し、納得を得て施工を進行。
室外機や物干し台の取り扱い、駐輪場ライン引きのスケジュールも調整されました。

担当者：古い防水層の膨れがあり、通気緩衝工法への変更をおすすめします。

お客様：金額によりますが、効果があるならお願いしたいです。

担当者：費用追加で対応可能です。支払いは完工時で結構です。

引き渡し時のご感想

駐輪場のライン引きを含めた全工程が完了。お客様には仕上がりをご確認いただき、満足のご感想をいただきました。
今後のトラブル時対応についても案内し、信頼関係を築いてお引き渡しとなりました。

担当者：駐輪場のライン引きも終わり、全ての工事が完了しました。

お客様：ありがとうございます。線がとてもきれいで満足です。

担当者：今後なにかあればいつでもご連絡ください。

本工事では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、メール主体のやり取りにも柔軟に対応しました。
現地調査により劣化の状態を正確に把握し、必要な工事だけをご提案。
施工中には想定外の劣化が発見されましたが、最適な工法へ変更し、お客様の納得を得て対応。
お引き渡し後もフォロー体制を伝えることで、長期的な信頼関係を築くことができました。

共用廊下のタキロン防水工事なら｜新東亜工業におまかせください

新東亜工業の強み

新東亜工業は防水・外壁改修を専門に取り扱う自社施工業者です。タキロン防水を含め、マンションの共用廊下や階段に関する施工実績も多数ございます。施工からアフターケアまでワンストップ対応が可能です。

会社概要

会社名	株式会社新東亜工業
所在地	東京都足立区加平1-1-1
対応エリア	東京・埼玉・千葉・神奈川
事業内容	防水工事・外壁工事・大規模修繕工事

施工事例と費用イメージ

共用廊下タキロン貼替工事：60平米／約78万円（税込）
脱気工法＋段差調整・端部シール含む

初めての防水工事も安心！お気軽にご相談を

「どこに頼んでいいかわからない」「適正価格が分からない」という方も、新東亜工業ならご安心いただけます。無料相談・現地調査のご依頼はお気軽にどうぞ。

共用廊下におけるタキロン防水工事に関するよくある質問（FAQ）

ここでは、共用廊下のタキロン防水に関してよくある疑問を紹介します。
工事を検討する際に多くの方が気になるポイントをまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

Q1. 工事期間中、共用廊下は使えますか？

A.施工箇所を区画分けして作業を行うことで、通行できるルートを確保します。ただし、作業時間帯は一部制限がある場合もあります。

Q2. タキロンの上に別素材を重ね貼りできますか？

A.基本的には推奨されません。タキロンの状態によっては下地処理をしたうえで貼り替える必要があります。

Q3. タキロンと長尺シート、どちらが安いですか？

A.一般的に長尺シートのほうが安価ですが、滑りにくさや高級感を求める場合はタキロンの方が適しています。

共用廊下のタキロン防水工事で後悔しないために｜まとめ

共用廊下のタキロン防水は、美観・安全性・耐久性のバランスに優れた工法です。

タキロン防水は、紫外線・雨水・摩耗といった外的要因に強く、共用部を長期間にわたって保護します。施工後の美観を保ちながら住民や訪問者の安全を確保できる点も特徴で、特にマンションやアパートなど、居住者の多い建物に適しています。

適切な工法を選び、丁寧な施工を行うことで長く快適な住環境を維持できるだけでなく、将来的な修繕や再施工の負担を抑えることが可能です。
費用相場や工法の違いを正しく理解し、施工前に十分な情報を収集することが重要です。
また、信頼できる業者の選定も成功のカギとなります。

施工実績が豊富で、過去の事例や実績をしっかりと持つ業者に相談することで、最適な提案や適切なアフターケアを受けることができるでしょう。