外壁塗装の費用相場と面積計算法を徹底解説|塗料・足場・補修含む全体費用

2025/07/24

外壁塗装を検討する際、多くの方が気になるのが「費用」です。
見積書には「塗装面積◯◯㎡ × 単価=合計金額」と記載されることが一般的ですが、その面積がどう計算されているか分かりづらいことも。
家の形状や素材、窓・扉の数、劣化状態、足場の設置条件などによって面積や金額は大きく変動します。

この記事では、外壁塗装の面積の正しい出し方や費用の目安・見積もりで確認すべき点・追加費用が発生しやすいケース・費用を抑えるコツまで詳しく解説します。

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目次

外壁塗装の面積(㎡)の正しい出し方

外壁塗装費用を正確に算出するために最も重要なのが「塗装面積」の把握です。
この面積が正しくないと、見積金額が過剰になったり、逆に足りなくなったりする可能性があります。
その結果、工事後に「予想より高かった」「仕上がりにムラが出た」といったトラブルが起こることもあります。以下では、代表的な4つの算出方法について詳しく解説します。

図面から外壁面積を算出する方法

建築当初の設計図書や立面図が手元にある場合、それを活用して外壁の高さと幅を掛け合わせて各面の面積を出し、合計する方法です。

これは最も正確な面積を算出できる方法といえます。計算時には、窓・玄関・勝手口などの開口部面積を差し引くことが必要です。
これらの部分は塗装対象外であるため、面積から正確に除外することが求められます。

  • 南面:高さ6m × 幅10m = 60㎡
  • 北面:高さ6m × 幅10m = 60㎡
  • 東面:高さ6m × 幅8m = 48㎡
  • 西面:高さ6m × 幅8m = 48㎡
  • 合計:216㎡ −(窓・ドアなどの開口部面積)= 実際の塗装面積

ただし、古い住宅や中古物件では図面が残っていないケースもあります。
また、図面と実際の建物に差異がある場合は、現地での再確認が必要です。

外壁を実測して面積を出す手法

図面が手元にない、もしくは現況が図面と一致しないケースでは、実測による方法が有効です。
メジャーやレーザー距離計を用いて各外壁面の「高さ × 横幅」を測り、すべての面積を合計して求めます。
この方法は、実際の建物に即した面積を把握できるという利点があります。
ただし、2階建て以上の住宅や凹凸が多い構造の建物では、測定に制約が出ることもあります。
足場を組む前は概算値しか得られないことがあるため、正式な見積もり時には足場組立後の再測定が推奨されます。
また、実測には専門知識が必要で、測定に時間がかかる場合もあります。現場の状況や天候も影響を与えるため、慎重な対応が求められます。

延床面積から係数を使った概算方法

比較的手軽に塗装面積を算出する方法が「延床面積 × 係数」です。この係数は建物の構造や外壁の複雑さに応じて1.1〜1.4程度で設定されます。

例: 延床面積100㎡の住宅 → 100㎡ × 1.2 = 約120㎡(外壁の概算面積)

建物の形状が単純な場合は1.1程度、バルコニー・出窓・張り出し屋根などで凹凸が多い構造の場合は1.3〜1.4が用いられる傾向にあります。

この方法は見積りの初期段階や予算計画時に有用ですが、正確な契約前には実測や図面確認と併用するのが望ましいです。多くの塗装業者も、打ち合わせ初期にはこの方法でおおよその目安を提示します。

測量アプリ・レーザー測定器の活用術

近年では、テクノロジーの進化により、測量アプリやレーザー測定器の導入が進んでいます。
スマートフォンやタブレットに搭載できるこれらの機器は、短時間で正確な測定が可能です。
複雑な外壁構造や高所の測定も容易になり、作業者による誤差を最小限に抑えられます。
また、計測データを記録・共有できるため、業者と施主の間での確認もスムーズになります。
特に大規模な住宅やマンションなどでは、こうしたツールの活用が測定精度を大きく向上させます。

業者がどの方式を使っているかを確認する

外壁塗装を依頼する際は、見積書に記載された「塗装面積」が、どの計算方式に基づいているのかを確認しましょう。
業者によっては、図面・実測・延床係数など複数の方法を組み合わせて面積を出すケースもあります。
使用した方法に応じて、見積りの正確さや施工後のトラブル防止にもつながるため「なぜこの面積なのか」を納得できる説明があるかどうかが重要です。
見積書を精査するうえでも、面積算出方法は欠かせないチェックポイントです。
信頼できる業者選びの参考に、ぜひ面積計算にも目を向けてみましょう。

面積別の外壁塗装費用相場と実例

外壁塗装にかかる費用は、建物の大きさや形状、劣化の状態、選ぶ塗料の種類によって大きく異なりますが、特に面積の違いは総費用を左右する最も基本的な要素です。
このセクションでは、延床面積ごとの外壁面積とその費用目安を、より詳細に掘り下げてご紹介します。
あわせて、選ぶ塗料のグレードや施工の条件による価格差についても解説します。

延床面積ごとの外壁面積とその費用目安の比較表

坪数・建物規模延床面積の目安外壁面積の目安使用塗料の種類費用目安(税込)備考
10坪程度の小規模住宅~40㎡約80㎡前後シリコン塗料約20万〜30万円足場費用などが影響し、坪単価が割高になる傾向あり
フッ素・ラジカル制御型塗料約30万〜40万円部分補修・塗装のみになることも
20坪前後の標準住宅~80㎡約130〜160㎡シリコン塗料約60万〜80万円一般的な戸建て住宅のモデルケース
フッ素・光触媒など高耐候性塗料約80万〜100万円下地補修や付帯工事によって変動
30〜40坪の中〜大規模住宅~120〜160㎡約180〜230㎡シリコン塗料約80万〜120万円屋根・雨樋塗装などを併せて実施することも多い
フッ素・遮熱・断熱塗料約130万〜150万円ツートンカラーなどのデザイン塗装は費用増加要因

外壁+屋根塗装 セット費用のメリット

外壁塗装と屋根塗装を同時に依頼することで、共通の足場を活用できるため、費用面での大きなメリットがあります。
足場費用は全体工事費の15〜20%を占めることもあるため、これを一度で済ませられるのは経済的です。

例えば、

  • 外壁単体工事:約80万円
  • 屋根単体工事:約30万円
  • 同時施工:95万円程度(約15万円削減)

さらに施工期間も短縮でき、業者選定や近隣挨拶なども1回で済むため、トータルでの負担軽減につながります。

外壁塗装の費用が高くなるケースと原因分析

外壁塗装の見積もりが相場より高くなる背景には、いくつかの明確な要因があります。
劣化の度合いや使用塗料の性能、建物の構造的な難易度、足場の設置条件など、費用アップの原因を知ることで見積書の妥当性を見極めやすくなります。
このセクションでは、代表的な費用増加要因を整理して解説します。

外壁の劣化による補修費用

外壁にひび割れ(クラック)や欠損・爆裂などが生じている場合、塗装を行う前に下地補修を実施する必要があります。
これにはシーリングの打ち直し・モルタル補修・エポキシ樹脂注入などの工程が含まれ、補修内容によっては1㎡あたり500〜2,000円、もしくはそれ以上の追加費用がかかることもあります。
また、鉄筋が露出しているような重度の劣化がある場合は、補修工事が複雑化し、施工日数も延びるため、結果として人件費も増加します。

高機能・高耐久塗料の選択

一般的なアクリル塗料やウレタン塗料に比べ、シリコン・フッ素・無機塗料などの高機能塗料は材料費が高額になります。
遮熱性や防カビ性、低汚染性といった付加機能が多いほど価格も上昇します。
たとえば、アクリル塗料なら1㎡あたり1,500円前後で済むのに対し、無機塗料の場合は2,500〜3,500円になることも珍しくありません。
ただし耐用年数が長いため、長期的に見るとコストパフォーマンスが良い場合もあります。

複雑な建物形状の影響

建物の外壁が単純な長方形であれば作業効率も良く、塗装面積の算出も簡単ですが、バルコニーや出窓が多い、複雑な凹凸形状を持つ住宅では、塗装面積が増えるだけでなく作業にも時間と労力が必要です。
こうした建物では、高所作業や細かい養生作業が増えるため、結果的に人件費・工期・施工単価が上がりやすくなります。

隣家・道路環境による足場の増加

敷地が狭く、隣家と建物が接近している場合や、前面道路の幅が狭く資材運搬が困難な立地では、通常よりも複雑な足場計画が必要になります。
仮設足場を設置するのに特殊な部材を使う場合や、歩道占用・交通整理員の配置が必要なケースでは、それに伴う申請費用や人件費が加算されます。
特に都市部や密集地では、足場代が全体費用の20〜30%を占めることもあるため、無視できないコスト要因となります。

外壁塗装の見積書における重要なポイントや正しい面積を読み取るコツ

同じような外壁塗装工事であっても、業者ごとに面積の出し方が異なる場合があります。
面積の差異は、工事の価格差にも直結する重要な要素です。
複数の業者に相見積もりを取り、それぞれの面積の妥当性を見極めることが、納得のいく契約につながります。

相見積もりの重要性

一社だけの見積りではその数値が適正か判断しづらく、提示された金額が相場より高いのか安いのかを見極めることができません。
したがって、少なくとも3社以上から相見積もりを取り、各社が提示する「面積」「単価」「施工内容」の3点を比較検討することが推奨されます。
特に、塗装面積と単価の組み合わせ次第で総額が大きく変わるため、これらを分解して見比べることが重要です。
見積り比較を行うことで、過大請求を防げるだけでなく、補修内容の見落としや材料のグレードの違いも把握できるようになります。

面積差異からわかる「量り方の精度」

業者によって提示される面積に10㎡以上の違いがある場合、その理由を明確にする必要があります。
たとえば、ある業者は建物の立面図から計算しており、別の業者は現場での実測による算出、また別の業者は延床面積に係数を掛けた概算を用いているかもしれません。
算出方法が異なれば、当然ながら数値にも差異が生じます。
面積差は工事費に直結するため、見積りにおいてはその「根拠」が信頼できるかどうかを重視すべきです。
計測方法の明示がない場合は、現場での再確認を依頼するのも一つの方法です。

業者にすべき質問:面積の算出根拠

見積もりを受け取った際には、「この面積はどのように計算されたのですか?」と具体的に質問しましょう。
使用した図面の種類(立面図、平面図)、測定機器(メジャー・レーザー測定器)の有無、開口部(窓や玄関など)の差し引きの有無など、詳細な確認を行うことが望まれます。
こうした質問に対して的確に回答できない業者や、算出根拠が曖昧なまま価格だけを提示してくる業者には注意が必要です。
施工後の「言った・言わない」トラブルを防ぐためにも、算出根拠を明文化しておくと安心です。

外壁塗装の費用を押さえるコツと注意点

費用を抑えることは大切ですが、品質を犠牲にするような節約は結果的にリスクを高める恐れがあります。
ここでは、適切なコストダウンの方法や、見積もり段階で確認すべき注意点について紹介します。

足場・塗料種類・補修とのセット割引

同時施工の範囲を広げることで割引が適用されるケースがあります。
たとえば足場を使って屋根塗装や雨樋補修も同時に行うと、足場費用を1回で済ませることができ、全体の費用を抑えやすくなります。

定期塗り替えによる長期コスト削減

長期間メンテナンスを怠ると、補修費用が増える傾向にあります。
10〜15年周期での塗り替えを実施すれば、劣化が軽微なうちに対処できるため、結果的にコストを抑えることができます。

保証・アフターケアの確認ポイント

保証期間やアフターサービスの有無も、業者選びの大きな判断材料です。
「安いけれど保証がない」業者は避け、万が一に備えて補償内容までしっかり確認することが重要です。

実録!新東亜工業の施工事例|4階建てビルの外壁塗装工事

築年数の経過したビルを購入されたオーナー様から、「外壁が劣化しており雨漏りも心配」とのご相談をいただきました。今回は、東京都杉並区にある4階建てビルの外壁塗装・防水工事の一連の流れを、初回のお問い合わせから現地調査、見積提出、契約、施工中のやり取り、そして引き渡しに至るまで、実際の会話を交えながら詳しくご紹介します。「信頼できる業者に任せたい」「予算内でしっかり直したい」という方にとって、参考となるリアルな施工事例です。

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ご相談内容

今回ご相談いただいたのは、築年数の古い4階建てビルを購入されたお客様。購入時点で外壁の傷みが激しく、雨漏りの心配もあるとのことで、外壁塗装と屋上の防水工事をご希望されました。

担当者:お世話になります。新東亜工業の高井です。お問い合わせの件でお電話しました!
お客様:ありがとうございます。今回ビルを購入したんですが、外壁塗装と防水をお願いしたくて…。できるだけ早く見てもらえますか?
担当者:わかりました。では明日の10時はいかがでしょうか?
お客様:はい、大丈夫です。

内装工事も同時進行中とのことで、外装の工事を急ぎたいという背景がありました。

工事の概要|施工内容と条件

ビル外壁塗装 施工前
ビル外壁塗装 施工後

工事内容は以下のとおりです。

項目 内容
建物種別 商業ビル(4階建て)
所在地 東京都杉並区
工事内容 外壁塗装、防水工事、下地補修
工法 塩ビシート機械固定+ウレタン密着工法
特記事項 内装工事との同時進行、工期短縮の要望あり

工事金額:510万円
工期:約2か月

現地調査で判明した劣化症状

現地調査では、外壁の塗膜剥離、タイルの浮き・クラック、屋上防水層の劣化など深刻な症状が確認されました。特に屋上の防水状態は悪く、既存塗料も不適切で、全面改修が必要と判断されました。

担当者:この壁、塗膜がガッツリ剥がれていて、打診しても浮きが多いですね。
お客様:うわ、本当だ。こんなに音が違うんですね…。
担当者:屋上は塩ビシートとウレタンのハイブリッド工法でいきましょう。外壁もタイルの張り替えが必要です。
お客様:予算内に収まるようにお願いします。

施工中のやり取りと配慮

足場組立後、下地調査で塗膜の劣化が想定以上に進行していたことが発覚。雨漏りリスクの高い箇所を優先的に補修し、予算内で最善の施工を進行しました。屋上扉の塗膜厚により開閉しづらくなるといったトラブルも、事前説明と調整によりスムーズに対応。

担当者:塗装の厚みで屋上扉が開きづらくなっています。調整して対応しますのでご安心ください。
お客様:事前に聞いていたので大丈夫です。開くようにお願いします。
担当者:了解です。あとは防水工事に入りますね。

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引き渡し時のご感想

工事完了後、お客様ご自身でも現地を確認され、「外壁も屋上もきれいに仕上がっていて安心した」との嬉しいお言葉をいただきました。鍵の返却や保証書の送付などもスムーズに完了しました。

お客様:すごくきれいになってました!ドアもちゃんと開くようになっていて安心しました。
担当者:ありがとうございます。保証書などは後日郵送させていただきますね。
お客様:はい。ありがとうございました。本当に良かったです。

本工事では、築古ビルの劣化箇所を的確に調査・把握し、限られた予算内で最大限の品質を確保しました。特に屋上のハイブリッド防水工法と外壁タイルの下地補修により、建物全体の防水性と美観が向上。お客様との綿密なやり取りにより、信頼関係を築きながら安心して任せていただける工事を実現しました。

外壁塗装の費用や面積に関するよくある質問(FAQ)

ここでは、外壁塗装の費用や面積に関するよくある質問について紹介します。
不安なく工事を行うためにも、ぜひご覧ください。

Q1. 延床面積と塗装面積はなぜ違うのですか?

A. 延床面積は建物の床面積を示し、塗装面積は外壁の表面積を指します。
窓やドアの数、建物形状の凹凸によって塗装面積は変動します。

Q2. 一番安く済ませる塗料は?

A. ウレタン塗料が比較的安価ですが、耐久性は5〜8年程度です。
長期的なコストパフォーマンスを考えると、シリコンやラジカル塗料の方が割安な場合もあります。

Q3. 築何年で塗り替えが必要?

A. 一般的に築10年を過ぎると劣化が目立ちはじめます。
塗料の種類や環境にもよりますが、10〜15年を目安に点検・再塗装を検討しましょう。

Q4. 自分で塗装すれば安くなりますか?

A. DIYは一見安価に思えますが、足場や道具、安全管理の面で専門業者に任せた方が結果的に安全かつ品質も安定します。

正しい面積と費用の理解で納得の外壁塗装工事を|まとめ

外壁塗装の費用は、「平米単価×面積」だけで決まるわけではありません。
塗料の種類や劣化状況・建物の形状・足場の組み方など、さまざまな要素が影響します。
特に、塗装面積の算出方法や見積もり内容の違いにより、金額に大きな差が生じることもあります。

まずは自宅の外壁面積を把握し、複数の業者に見積もりを取りましょう。
相見積もりを通じて適正価格が見えてきますし、業者の説明の丁寧さも判断材料になります。

費用を抑えるためには、足場の再利用や補修の同時施工・塗料の選び方なども重要です。
価格だけでなく、工事の質と保証内容も含めて、納得のいく業者を選びましょう。