外壁塗装の断熱塗料とは?遮熱塗料との違いや効果を知ろう

2025/07/24

断熱塗料は、太陽光の熱を効率的に反射・遮断し、外壁表面の温度上昇を抑えることによって、室内の温度変化を緩やかに保つ役割を果たします。これにより、冷暖房の効率が上がり、結果的に電気代の節約にもつながるというメリットがあります。

とはいえ、断熱塗料がすべての建物に対して万能というわけではありません。製品ごとの性能差や施工時の条件、また費用対効果の見極めなど、選定にあたって注意すべきポイントも多数あります。施工を依頼する業者によっても仕上がりや耐久性が異なるため、信頼できる情報をもとに正しい判断を下すことが重要です。

本記事では、断熱塗料の仕組みや特性、他の塗料との違い、導入のメリット・デメリット、そして費用の目安や選び方のコツまでを、わかりやすく丁寧に解説していきます。

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目次

外壁塗装の断熱塗料とは?仕組みと基本機能

外壁塗装における「断熱塗料」とは、単なる色付けや防水機能を超えた、住まいの温熱環境を整えるための高機能塗料です。このセクションでは、断熱塗料の構造や働き、遮熱塗料との違いについて詳しく解説します。初めて聞く方にもわかりやすいように、仕組みを丁寧に紐解いていきます。

断熱塗料の原理と仕組み

断熱塗料は、特殊なセラミック粒子や中空ビーズなどを主成分とし、太陽からの熱エネルギーを効率よく反射・吸収・拡散することで、熱の侵入を防ぐ塗料です。塗布面に当たる太陽光を物理的に跳ね返しつつ、塗膜内部の微細構造が熱の伝導を抑制することで、外気温の影響を受けにくい状態をつくり出します。

さらに、断熱塗料の特徴として「塗膜の厚み」があります。通常の塗料よりも分厚く形成されるため、外部からの熱だけでなく、内部からの熱の放出も妨げる働きをし、夏は涼しく冬は暖かい、いわば一年中快適な空間を維持することが可能になります。また、室内の温度が一定に保たれやすくなることで、空調機器の稼働率が低下し、電力使用量の削減にもつながります。

遮熱塗料との違いとは?

「断熱塗料」と似た名称で「遮熱塗料」という製品もありますが、両者の目的と効果は大きく異なります。混同されがちなこの2つの違いを以下に明確に整理します。

比較項目断熱塗料遮熱塗料
主な目的熱の伝導そのものを抑える太陽光(主に赤外線)の反射による温度上昇の抑制
効果範囲夏と冬の両方で効果を発揮主に夏の温度上昇を抑えることに特化
材料構成セラミック粒子・中空ビーズなどの断熱成分を含む金属酸化物・反射顔料などの遮熱成分を含む
対応建物一般住宅、集合住宅、施設など幅広く使用可能日差しの強い屋根・南面など限定的な用途が多い
効果持続性塗膜が厚く、断熱層が持続するため長期間の効果が期待塗膜の劣化とともに反射率が低下する傾向がある

このように、遮熱塗料は太陽光の反射によって夏の暑さを軽減するのに対し、断熱塗料は熱の移動そのものを抑えることによって、年間を通じた温度管理に貢献します。断熱性能を求めるのであれば、用途や目的に応じて断熱塗料の導入が望ましいでしょう。

外壁塗装に断熱塗料を使うメリット・デメリット

断熱塗料を使うことで得られる省エネ効果や快適な室内環境といった利点は多くありますが、その一方で注意すべき点も存在します。このセクションでは、断熱塗料を採用するうえで知っておきたいメリット・デメリットの両面から解説し、導入判断の参考になる情報を提供します。

断熱塗料の主なメリット

断熱塗料を外壁塗装に採用することで、さまざまなメリットを得ることができます。以下のような効果が代表的です:

  • 冷暖房効率の向上:塗布面が熱を遮断・吸収するため、室内温度が外気に影響されにくくなり、エアコンやヒーターの稼働頻度が減少します。その結果、電気代の節約につながるのはもちろん、機器の寿命延長にも寄与します。
  • 快適な住環境の実現:夏場は暑さをやわらげ、冬は暖かさを保つことで、四季を通じて快適な室内空間を実現できます。室内の温度差による不快感も軽減されます。
  • 塗膜の高耐久性:断熱塗料は高機能な素材を使用しているため、紫外線や雨風の影響にも強く、塗膜の劣化が遅く長期間保護効果を発揮します。メンテナンスサイクルも延びるため、トータルコストの削減にもなります。
  • 結露防止やカビ抑制にも効果的:外壁面が断熱されることにより、外気と室内の温度差が緩和され、室内側の結露発生が抑制されます。これにより、カビの発生を防ぎ、健康的な住環境づくりに貢献します。

これらの効果は、塗料選定と適切な施工によってさらに高めることが可能です。

注意すべきデメリットと誤解

断熱塗料は多くのメリットを持ちますが、注意すべきデメリットや誤解も存在します。導入前には以下の点を十分に把握することが重要です。

  • 初期費用が高めになる傾向がある:断熱塗料は高機能である分、材料費も高く、施工にも専門的な技術が求められるため、全体のコストが一般的な塗料よりも高くなります。
  • 断熱効果が即効で感じられるとは限らない:施工後すぐに室内温度が劇的に変化するわけではなく、季節を通じて徐々に違いが実感できるケースが多いです。
  • 施工技術に依存する部分が大きい:下地処理や塗膜の厚み、乾燥時間など、正しい工程で施工されなければ、断熱効果を十分に発揮できません。信頼できる業者の選定が成功のカギです。

また、インターネットなどでよく見かける「断熱塗料を塗るだけで冷房が不要になる」といった誤った情報には注意が必要です。断熱塗料はあくまで熱の流入・流出を抑える補助的な機能を持つものであり、快適性の向上には建物全体の断熱性能との組み合わせが重要です。

どんな住宅に向いているのか?

断熱塗料の恩恵をより多く受けられる住宅には、いくつかの特徴があります。以下に該当する建物では、断熱塗料の導入を特におすすめできます。

  • 南向きや日当たりが良く、夏の室内温度が高くなりやすい住宅
  • 冬場に暖房が効きにくい、断熱材の少ない古い住宅
  • 外壁や屋根の温度上昇により空調コストが高くなっている建物
  • 鉄骨造や軽量鉄骨の建物など、熱伝導率が高い構造の住宅

また、住宅に限らず、店舗・事務所・工場など、電力使用量が多い施設や省エネを重視する環境でも、断熱塗料の導入が積極的に検討されています。

断熱塗料と他塗料との性能比較

塗料にはそれぞれ特徴があり、断熱塗料だけが正解というわけではありません。他の一般的な塗料と比較することで、自分の家に最適な塗料を選ぶヒントが見えてきます。ここでは、断熱塗料と代表的な塗料との違いや適性について、性能・耐久性・費用などの観点から詳しく見ていきます。

各種塗料との違いを知る意義

断熱塗料を検討する際には、他の代表的な塗料と比較してその特徴を把握することが重要です。なぜなら、塗料にはそれぞれ異なる機能や用途があり、使用する建物の立地条件や目的に応じて、最適な選択肢が異なるからです。断熱塗料は省エネ性に優れた高機能塗料ですが、価格や耐用年数、施工のしやすさといった点で他塗料にも一長一短があるため、比較検討は欠かせません。

代表的な塗料との性能比較表

外壁塗装に用いられる主要な塗料と断熱塗料の性能を比較した表を以下にまとめました。

塗料の種類耐用年数の目安特徴単価の目安(m2あたり)断熱性
アクリル塗料約5〜8年価格は非常に安価であるものの、耐久性が低く頻繁な塗り替えが必要になる場合がある1,000円〜1,500円ほとんどなし
ウレタン塗料約7〜10年柔軟性があり密着性に優れているが、耐候性はそれほど高くない1,500円〜2,000円低め
シリコン塗料約10〜13年耐候性とコストバランスに優れており、現在最も一般的に使用されている2,000円〜3,000円中程度
ラジカル塗料約12〜15年紫外線に強く、チョーキングを抑える成分が配合されているため耐候性に優れる2,500円〜3,000円中程度
フッ素塗料約15〜20年価格は高めだが非常に高い耐久性があり、メンテナンス頻度が少なく済む3,500円〜5,000円中程度
断熱塗料約15〜20年熱伝導を抑え、夏冬を通じて室温を安定させる性能を持つ。省エネ効果も期待できる3,000円〜5,500円高い

このように断熱塗料は、断熱性や耐用年数の点で非常に優れていますが、価格が高めであるため、長期的な視点でコストパフォーマンスを考慮する必要があります。とくに冷暖房費の削減や室内環境の改善を重視する場合には、断熱塗料が有力な選択肢となるでしょう。

耐久性とメンテナンス性の違い

断熱塗料は塗膜の厚みが確保されることで、紫外線や風雨などによる劣化に対して強く、耐用年数が長いという特徴があります。これはフッ素塗料と同等、あるいはそれ以上の水準ともいわれており、長期的な維持管理の負担を軽減できます。

また、断熱塗料はひび割れや膨れなどのトラブルが生じにくく、安定した塗膜性能を保ちやすい傾向があります。塗膜の持続性やセルフクリーニング性を備えた製品もあり、外観の美しさを長期間維持できる点も魅力のひとつです。定期的な点検は必要ですが、塗り替えの頻度を抑えられるため、長期的なランニングコストの削減につながります。

外壁塗装の断熱塗料の施工費用と相場

断熱塗料の効果は魅力的でも、費用面が気になるという方は多いでしょう。このセクションでは、実際にかかる施工費用の目安や内訳、戸建て住宅のケースを例に取りながらわかりやすく解説します。また、助成金制度など費用を抑えるための情報も紹介します。

費用相場を把握する意義

断熱塗料の導入を検討する際、最も気になるのが「費用はいくらかかるのか」という点です。高機能塗料であるため、一般的な塗料より価格帯が高くなるのは事実ですが、その分光熱費の削減やメンテナンス負担の軽減など、長期的なメリットも期待できます。

断熱塗料の施工費用の内訳

断熱塗料の施工にかかる費用は、主に次のような要素から構成されています。

  • 材料費(塗料代):塗料のグレードやメーカーによって価格は異なりますが、1平方メートルあたり3,000円〜5,500円が相場です。
  • 下地処理費用:塗装前のひび割れ補修、高圧洗浄、養生などを含み、仕上がりや耐久性を左右する重要な工程です。
  • 人件費:施工に関わる職人の人件費で、工期や施工条件によって変動します。
  • 足場費用:高所作業を安全に行うために必要な足場の設置・撤去費用が含まれます。

これらを合算すると、一般的な戸建住宅(延べ外壁面積150平方メートル前後)でおよそ60万円から90万円程度が目安とされます。屋根や付帯部も同時に塗装する場合は、100万円を超えることも珍しくありません。

助成金や補助制度の活用

一部の自治体では、省エネ対策やヒートアイランド現象の緩和を目的とした断熱塗料の導入に対し、補助金や助成金が支給される制度を設けています。たとえば、東京都や大阪府などの都市部では、一定の条件を満たすことで「住宅エコリフォーム助成」や「環境配慮型リフォーム支援事業」の対象となる場合があります。申請には事前の書類準備や施工業者の登録などが必要なため、自治体のホームページや窓口で確認しておくとよいでしょう。

実録!新東亜工業の施工事例|5階建てマンション大規模修繕工事の外壁塗装

埼玉県さいたま市のマンションオーナー様から「そろそろ外壁と屋上防水の修繕を検討したい」とのご相談をいただきました。築年数の経過により外壁や鉄部の劣化が目立ち始めたことがきっかけです。
本記事では、お問い合わせから現地調査、見積説明、契約、打ち合わせ、工事中の様子、そして引き渡しに至るまでの流れを、実際の会話形式でリアルにご紹介します。

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ご相談内容

マンション全体の劣化が目立ち始めたものの、修繕工事をどこに頼めばよいか分からず困っていたオーナー様から、お電話でご相談いただきました。

担当者:お電話ありがとうございます。新東亜工業でございます。
お客様:マンションの大規模修繕の見積をお願いしたいのですが。
担当者:もちろんです。詳細は担当者より折り返しさせていただきます。

担当者:ご住所と図面の有無を教えていただけますか?
お客様:図面あります。今週木曜日なら立ち合えます。
担当者:では木曜11時に伺います!


工事の概要|工事金額と期間

大規模修繕 施工前
大規模修繕 施工後
外壁塗装工事 施工前
外壁塗装工事 施工後
 
項目 内容
建物種別 鉄筋コンクリート造 5階建てマンション
所在地 埼玉県さいたま市
工事内容 外壁塗装、屋上・バルコニー防水、鉄部塗装、下地補修、シーリング打替え
工法 ウレタン防水(密着工法)、外壁塗装(シリコン3回塗り)
その他特記事項 駐車場・資材置き場の敷地内使用、居住者への事前周知徹底

工事金額:1,210万円
工期:58日間


現地調査で判明した劣化症状

外壁タイルの目地や鉄部のサビ、屋上防水層の浮きなど、各所に経年劣化が見られました。

担当者:屋上のひび割れが多く、既存のアスファルト層の状態も良くありません。
お客様:予算があるのでウレタン防水でお願いします。
担当者:ウレタンは安価ですが、施工保証は難しいです。ご希望に沿って見積を2種類お出ししますね。


担当者:玄関枠や鉄部はすべて塗装。外壁目地のシーリング幅が広く、材料費がかさむ原因です。
お客様:費用のこともあるので、教えてもらえてよかったです。


施工中のやり取りと配慮

施工中は定期的な中間報告を実施し、オーナー様のご不在時でも進捗が分かるよう対応。また、住人対応やトラブル未然防止にも注力しました。

担当者:下地補修の数量が多めでしたが、サービスで対応します。
お客様:ありがとうございます。追加がないのは安心です。
担当者:バルコニーに設置されていたアンテナは、住人に説明して移動済みです。
お客様:ありがとうございます。塗装の色もイメージ通りでした!

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

新東亜に相談する

引き渡し時のご感想

工事完了後、オーナー様ご自身でも仕上がりを確認され、大変ご満足いただけました。

担当者:足場解体も終わり、完工となります。
お客様:仕事帰りに確認しました。とても綺麗になっていて嬉しいです。
担当者:保証書や報告書は郵送いたします。鍵の返却もご自宅へお届けします。
お客様:本当にありがとうございました。また何かあれば相談します。

本工事では、以下のポイントを徹底しました。

  • 図面+現地調査に基づく透明性のある見積提示
  • 劣化症状に応じた下地補修と高耐久の3回塗り仕上げ
  • 居住者対応や追加費用の事前通知を徹底
  • 工事後の書類対応・フォロー体制完備

外壁塗装を含む大規模修繕は、建物の資産価値を守るために欠かせない工事です。新東亜工業では、オーナー様のご要望を丁寧に伺いながら、安心してお任せいただける体制を整えております。

断熱塗料を選ぶ際のチェックポイント

数ある断熱塗料の中から、自宅に合った製品を選ぶのは意外と難しいものです。このセクションでは、塗料選定時に確認すべき性能指標や注意点、また信頼できる施工業者を選ぶためのポイントまでを具体的に解説し、失敗しないための基準づくりをサポートします。

性能と施工品質の両面を確認する

断熱塗料の性能を最大限に引き出すためには、製品そのもののスペックだけでなく、施工の品質も極めて重要です。どれほど高性能な塗料を使用しても、塗布の仕方や下地処理が不適切であれば、その効果は大幅に低下してしまいます。そのため、塗料選びと同時に、信頼できる施工業者の選定も欠かせません。

塗料選びのチェック項目

断熱塗料を選ぶ際には、以下の点を確認しておくと失敗が少なくなります。

  • 実績豊富なメーカーかどうか:耐久性試験や性能データがしっかり開示されているかを確認しましょう。
  • 熱反射率や熱伝導率の数値:製品カタログや試験成績書に記載されている数値をもとに、性能を比較することが大切です。
  • 塗膜の厚さ・乾燥時間:断熱性能を保つには適切な厚みが必要です。速乾性だけでなく、適切な硬化時間を確保できるか確認しましょう。
  • 色や質感のバリエーション:白や淡色は反射率が高く断熱性能に優れますが、建物の外観デザインにも配慮する必要があります。

見積もり取得時に確認すべき項目

塗装工事の見積もりを依頼する際には、次のような点を丁寧にチェックしておくことが推奨されます。

  • 使用予定の塗料名とメーカー名が明記されているかどうか
  • 下地処理の内容や塗布回数、塗膜の厚さが具体的に記載されているか
  • 保証期間、アフターフォローの内容が明示されているか
  • 工期や工程のスケジュールがわかるようになっているか

これらの確認を怠らず、複数の業者から相見積もりを取得することで、価格や内容に対する納得感が高まり、後悔のない断熱塗料選びを実現できます。

施工業者選びの注意点とアドバイス

外壁塗装に断熱塗料を使用する際、製品そのものの性能だけでなく「誰が施工するのか」が仕上がりを左右します。塗料の性能を最大限に引き出すためには、専門知識と高い施工技術が必要不可欠です。このセクションでは、施工業者選びの重要性や失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。

なぜ業者選びが重要なのか

断熱塗料の性能を最大限に引き出すには、塗料そのものの質だけでなく「誰が施工するか」が極めて重要なポイントになります。塗装は単なる作業ではなく、下地処理や塗膜の厚さ、乾燥時間の管理など、細かな工程が密接に関係している専門技術です。特に断熱塗料は通常の塗料よりも厚みを持たせて塗布する必要があり、施工ミスがあると効果が発揮されないどころか、数年で塗膜が剥がれてしまうといったトラブルも起こり得ます。そのため、断熱塗料の実績が豊富な信頼できる業者を選定することが成功の鍵になります。

信頼できる業者の特徴

断熱塗料の施工に適した業者には、以下のような特徴があります。

  • 断熱塗料の取り扱い実績が豊富で、メーカーとの取引履歴もある
  • 見積もりや提案時に、製品ごとの性能比較や適切な施工法を提示できる
  • 有資格者(建築塗装技能士など)が在籍しており、現場の知識も豊富
  • アフターサービスの体制が明確で、保証内容が充実している

これらの要素を事前に確認することで、質の高い施工を提供できる業者と出会いやすくなります。

業者選びで失敗しないためのポイント

施工業者を選定する際に気をつけたいポイントは以下の通りです。

  • 相見積もりを必ず取り、価格だけでなく提案内容を比較する
  • あまりに安すぎる見積もりには注意する(手抜き工事のリスク)
  • 工事の工程表や使用塗料の詳細が開示されているか確認する
  • 保証期間や施工後の点検対応について契約前に確認しておく

業者選びの失敗は、塗装後にすぐ劣化したり、トラブル対応が不十分だったりする原因になります。価格や広告だけでなく、実績や対応力を総合的に評価することが大切です。

外壁塗装の断熱塗料に関するよくある質問(FAQ)

断熱塗料に関する情報を収集していると、誰もが気になるポイントがいくつか出てきます。このセクションでは、実際に多く寄せられる質問を取り上げ、それぞれについて専門的な視点でわかりやすく回答します。

Q1. 断熱塗料を塗るだけでエアコン不要になりますか?

いいえ、断熱塗料はあくまで補助的な効果を持つ塗料です。室内の温度上昇や冷気の流出を抑える効果はありますが、それだけで冷暖房を完全に不要にすることはできません。エアコンの稼働時間を減らす効果は期待できますが、快適性維持のためには併用が基本です。

Q2. 冬にも断熱効果はありますか?

あります。断熱塗料は「遮熱塗料」とは異なり、熱の移動そのものを遮断する性質を持っているため、冬場には室内の暖かい空気が外に逃げにくくなります。そのため、夏だけでなく冬の暖房効率も高まり、年間を通じて省エネ効果が期待できます。

Q3. 屋根にも断熱塗料は使えますか?

使用できます。屋根は外気と直接接する部分であり、断熱効果を得やすい箇所のひとつです。特に日差しの強い地域や、最上階が暑くなりやすい建物では、屋根への断熱塗装が効果的です。

Q4. 塗り替えの頻度はどれくらいですか?

断熱塗料の耐用年数は約15〜20年とされており、これは高耐久塗料と同等かそれ以上の水準です。定期的な点検を行えば、長期にわたって性能を維持できるため、塗り替え頻度は少なく済みます。

Q5. DIYでの施工は可能ですか?

断熱塗料は特殊な塗布方法や乾燥管理が求められるため、DIYにはあまり適していません。特に外壁や屋根への施工は、高所作業や足場設置も必要になるため、安全面・品質面の観点からも専門業者への依頼が推奨されます。

まとめ

断熱塗料は、外壁や屋根の温度上昇を抑え、室内の快適性を向上させる高機能塗料として、近年ますます注目を集めています。夏の冷房効率を高めるだけでなく、冬の暖房効果を持続させる役割も果たすため、年間を通じて光熱費の削減に寄与します。さらに、塗膜の耐久性にも優れており、長期間のメンテナンスフリーを実現できる点も魅力のひとつです。

一方で、他の塗料と比べて材料費や施工費が高めである点や、正しい施工を行わなければその効果が十分に発揮されないという注意点も存在します。そのため、製品選びと同様に、実績のある業者を選定し、丁寧な施工を行ってもらうことが重要です。見積もりの内容や保証体制、使用する塗料のスペックなども事前にしっかり確認しておきましょう。

外壁塗装は10年、20年という長い目で見て行う重要なメンテナンスです。断熱塗料はその効果と費用のバランスを考慮しながら、快適な住まいを実現するための有効な手段です。高温化が進む現代の住環境において、外壁塗装に断熱性能をプラスすることは、非常に合理的かつ価値ある選択といえるでしょう。