マンションの宅配ボックスでよくあるトラブルと解決方法をご紹介

2025/11/05

マンションに帰宅して郵便ポストを確認すると、「宅配ボックスに荷物を預けました」という不在票が入っていたものの、記載された暗証番号で開かない。

あるいは、宅配ボックスが満杯で荷物が受け取れず、再配達を依頼する手間が発生してしまった。

このような経験をお持ちの方は少なくないでしょう。

便利なはずの宅配ボックスですが、使い方や管理の問題から、さまざまなトラブルが発生しているのが現実です。

特にダイヤル式の宅配ボックスでは、配達員による暗証番号の記入ミスや、住民による長期間の荷物放置など、人的要因によるトラブルが多く報告されています。

この記事では、マンションの宅配ボックスで実際に発生しやすい7つのトラブル事例とその具体的な解決方法をご紹介します。

困ったときにすぐに役立つ実践的な情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。

マンションの宅配ボックスで起こるトラブル事例と解決策

ここでは、実際にマンション管理の現場で相談件数が多い7つのトラブル事例を取り上げ、それぞれの原因と具体的な解決方法を詳しく解説していきます。

トラブルに直面したときは、焦らずに以下の手順を参考に対応してください。

1.暗証番号が分からない・間違っている

宅配ボックスのトラブルで最も多いのが、暗証番号に関する問題です。

郵便ポストに不在票が入っているにもかかわらず、暗証番号が記載されていない、あるいは記載された番号を入力しても宅配ボックスが開かないというケースが頻繁に発生しています。

このトラブルが発生する主な原因として、以下のようなケースが考えられます。

  • 配達員が不在票への暗証番号の記入を忘れた
  • 手書きの数字が読みにくく、別の数字に見間違えている
  • 配達員が暗証番号を間違って記載した
  • 不在票が郵便ポストに投函されていない

これらの問題は配達員の人的ミスによるものですが、受取人側で適切に対処することで解決できます。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 配送業者に連絡して正しい暗証番号を確認する
  • 事前登録したメールアドレスに暗証番号の通知がないか確認する
  • マンションの管理会社や管理人にマスターキーでの解錠を依頼する
  • 夜間や休日の場合は翌営業日まで待つ

まず、配送業者に直接連絡しましょう。不在票に記載されている配送会社の連絡先、または荷物の追跡番号から営業所に問い合わせることで、正しい暗証番号を確認できます。

配送業者によっては、事前に登録したメールアドレスに暗証番号を通知するサービスもあるため、メールボックスも確認してみてください。

配送業者に連絡しても解決しない場合は、マンションの管理会社や管理人に相談することをおすすめします。

管理会社はマスターキー(非常時解錠キー)を保有していることが多く、本人確認のうえで宅配ボックスを開錠してもらえる可能性があります。

夜間や休日で管理会社に連絡がつかない場合でも、翌営業日には必ず対応してもらえますので、焦らず待ちましょう。

2.荷物が入っていない・見つからない

配送状況を確認すると「配達完了」となっており、不在票にも宅配ボックス番号が記載されているにもかかわらず、指定された宅配ボックスを開けても荷物が入っていないというトラブルも少なくありません。

宅配ボックスに荷物がない原因として考えられるのは、以下のような状況です。

  • 配達員が宅配ボックスの番号を不在票に誤って記載した
  • 配達員が荷物を持ち帰ってしまった
  • 他の住民が間違えて荷物を持ち出した
  • 第三者による盗難被害に遭った

このような場合、まず落ち着いて状況を整理することが大切です。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 配送業者に連絡して配達状況と正しい宅配ボックス番号を確認する
  • 荷物の追跡番号で配達完了時刻を確認する
  • 周辺の宅配ボックスも確認してみる
  • マンションの管理人や管理組合に報告する
  • 盗難の可能性がある場合は警察に被害届を提出する

最初に配送業者に連絡して配達状況を詳しく確認しましょう。荷物の追跡番号があれば、配達完了時刻や宅配ボックス番号を正確に把握できます。

配送業者に確認しても荷物が見つからない場合は、マンションの管理人や管理組合に速やかに報告することが重要です。

マンションによっては、エントランスや共用部分に防犯カメラが設置されている場合があり、映像確認の協力を依頼できる可能性があります。

3.宅配ボックスが満杯で使えない

「宅配ボックスが満杯のため荷物を持ち帰りました」という不在票を受け取った経験のある方も多いのではないでしょうか。

宅配ボックスは部屋ごとに用意されているわけではなく、マンションの住民全員で共有する設備であるため、常に空きがあるとは限りません。

宅配ボックスが満杯になる主な原因は、荷物が届いているにもかかわらず、何日も取り出さずに放置している住民がいることです。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 管理組合や管理会社に満杯状況を報告する
  • 共用掲示板に注意喚起のポスターを掲示する
  • 管理規約に保管期限や対処方法を明記する
  • 定期的に宅配ボックスの利用状況を確認する体制を作る
  • 住民一人ひとりがこまめに荷物を受け取る意識を持つ

満杯問題を解決するには、まず管理組合や管理会社に状況を報告することが第一歩です。

管理組合は定期的に宅配ボックスの利用状況を確認し、長期間放置されている荷物がないかチェックする必要があります。

また、管理規約に具体的なルールを設けることも有効な手段となります。

例えば、「1週間連続で同じボックスが使用中の場合は、理事会役員・管理会社・管理人立ち会いのもと、ボックスの中身を確認できる」といった規定を明記することで、長期放置の抑止力になります。

住民一人ひとりが、荷物が届いたらできるだけ早く取り出すという意識を持つことが、満杯問題を解決する最も確実な方法です。

4.宅配ボックスが開かない

不在票に記載された暗証番号を正しく入力しているはずなのに、宅配ボックスが開かないというトラブルも発生します。

暗証番号は合っているのに開かない場合、いくつかの技術的な原因が考えられます。

  • 暗証番号を複数回間違えて入力したことによるロック機能の作動
  • 電気式宅配ボックスの電池切れやセンサーの故障
  • ダイヤルやボタンの機械的な不具合
  • 不在票に記載されたボックス番号自体が間違っている

これらの問題は、配達員のミスではなく、設備側の不具合や受取人の操作ミスによるものです。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 手書き数字の読み間違い(1と7、6と8など)を考慮して再入力する
  • 複数回の入力ミスによるロックの場合は時間を置く
  • 管理会社や管理人にマスターキーでの解錠を依頼する
  • 電気式の場合はメーカーのサポートセンターに連絡する
  • 配送業者に連絡して営業所受け取りに変更する

宅配ボックスが開かないときの対処方法として、まず暗証番号を落ち着いて再度入力してみましょう。

手書きの数字が読みにくい場合、「1」と「7」、「6」と「8」などを見間違えている可能性があります。

一般的に宅配ボックスは、暗証番号を3回から10回程度連続で間違えると、一時的にロックされる仕組みになっています。

何度試しても開かない場合は、管理会社や管理人に連絡してマスターキーでの解錠を依頼しましょう。

電気式の宅配ボックスであれば、メーカーのサポートセンターに連絡することで、遠隔操作で解錠してもらえる場合もあります。

夜間で管理会社に連絡がつかず、どうしてもすぐに荷物を取り出したい場合は、配送業者に連絡して営業所での受け取りに変更してもらうという選択肢もあります。

5.配達員が宅配ボックス番号を間違えた

不在票に記載された番号の宅配ボックスを開けたところ、自分宛ではない荷物が入っていた、あるいは自分の荷物が別の部屋の宅配ボックスに入れられていたというトラブルも発生します。

これは配達員が宅配ボックスの番号を間違えて記載したことが原因です。

このようなケースでは、以下のような状況が考えられます。

  • 配達員が複数の荷物を配達する中で番号を取り違えた
  • 隣接する部屋の荷物と混同してしまった
  • 不在票への記載時に転記ミスが発生した

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 他人の荷物を勝手に取り出さない
  • マンションの管理人や管理組合に速やかに報告する
  • 配送業者に連絡して正しい宅配ボックス番号を確認する
  • 管理人立ち会いのもとで荷物の受け渡しを調整する

最も重要なのは、他人の荷物を勝手に取り出さないことです。間違って入っている荷物であっても、無断で取り出すと本来の受取人とのトラブルに発展する可能性があります。

このような場合は、マンションの管理人や管理組合に速やかに報告し、適切な対応を依頼しましょう。

自分の荷物が見つからない場合は、配送業者に連絡して配達先の宅配ボックス番号を確認してもらい、管理人と協力して荷物を探すことになります。

マンションによっては、宅配ボックスの利用記録を管理しているケースもあるため、管理会社に問い合わせることで早期解決につながる可能性があります。

6.大きな荷物が入らず持ち帰られた

ネット通販で家具や家電などの大型商品を購入した際、宅配ボックスのサイズ制限により荷物が入らず、配達員が持ち帰ってしまうケースがあります。

宅配ボックスに入れられない荷物には、以下のようなものがあります。

  • 宅配ボックスのサイズを超える大型の荷物
  • 重量制限を超える重い荷物
  • 現金書留や代金引換など、直接受け渡しが必要な荷物
  • 生鮮食品や冷凍・冷蔵が必要な食品(冷蔵対応ボックスがない場合)

これらの荷物は、宅配ボックスの仕様上、配達員が預けることができません。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 不在票の連絡先にすぐに電話して再配達を依頼する
  • 確実に在宅している日時を指定する
  • 配送会社の営業所での受け取りを検討する
  • 近隣のコンビニエンスストアでの受け取りサービスを利用する
  • 大型商品を注文する際は事前に配達希望日時を指定する

大きな荷物が持ち帰られた場合の対処法として、不在票に記載された連絡先にすぐに電話し、再配達を依頼しましょう。その際、確実に在宅している日時を指定することが重要です。

配送会社によっては、営業所での受け取りや、近隣のコンビニエンスストアでの受け取りサービスを提供している場合もあるため、これらの選択肢も検討してみてください。

今後同様のトラブルを避けるためには、大型商品を注文する際に配達希望日時を指定し、確実に在宅できるスケジュールを確保しておくことをおすすめします。

7.子どもが宅配ボックスに閉じ込められた

大きな宅配ボックスの場合、小さな子どもが入れるだけのスペースがあるため、かくれんぼなどの遊びで宅配ボックスに隠れた際に、ドアが閉まって開かなくなる事故が実際に発生しています。

東京消防庁の発表によると、平成24年以降、子どもが宅配ボックス内に閉じ込められる事故が複数件発生しています。

宅配ボックスは人目につきにくい場所に設置されていることも多く、子どもが閉じ込められた場合、長時間発見されない可能性があります。

特に夏場であれば、宅配ボックス内の温度上昇により熱中症のリスクも高まります。

解決策としては、以下のような方法があります。

  • 子どもに宅配ボックスの危険性を繰り返し教える
  • 宅配ボックスは遊び場所ではないことを理解させる
  • 閉じ込められると出られなくなることを具体的に説明する
  • マンション管理組合として宅配ボックス周辺に注意喚起の掲示を行う
  • 保護者同士で情報共有し、住民全体で事故防止の意識を高める

このような事故を防ぐための予防策として、日頃から子どもに宅配ボックスの危険性を教え、遊び場所として使わないよう注意を促すことが最も重要です。

保護者の方は、子どもに以下の点を繰り返し伝えましょう。

  • 宅配ボックスは荷物を入れる場所であり、遊ぶ場所ではない
  • 中に入ると鍵がかかって出られなくなる危険がある
  • 閉じ込められると呼吸が苦しくなる可能性がある

マンション管理組合としても、宅配ボックス周辺に注意喚起の掲示を行い、住民全体で事故防止の意識を高めることが大切です。

マンションにおける宅配ボックスのトラブルを未然に防ぐ方法

宅配ボックスのトラブルの多くは、日常的な心がけや適切な使い方を知っていれば未然に防ぐことができます。

ここでは、受取人として気をつけるべき3つのポイントをご紹介します。

こまめな荷物の受け取り

荷物を長時間放置すると、他の住民が宅配ボックスを利用できなくなり、満杯問題の原因となります。

マンションの管理規約によっては、宅配ボックスの保管期限が2週間から1ヶ月程度と定められている場合があります。

この期限を過ぎると、管理会社が荷物を回収し、別の場所で保管することになり、荷物の受け取りに余計な手間がかかってしまいます。

最悪の場合、補償を受けられずに処分されてしまう可能性もあるため注意が必要です。

帰省や旅行などで長期間不在にする予定がある場合は、その期間中の配達を避けるよう、事前に配達日時の変更手続きを行うことをおすすめします。

不在票の確認と保管

宅配ボックスに荷物が配達されると、配達員は郵便ポストに不在票を投函します。

この不在票には、荷物が入っている宅配ボックスの番号と、解錠に必要な暗証番号が記載されています。帰宅したら、まず郵便ポストを確認する習慣をつけましょう。

不在票を紛失してしまうと、どの宅配ボックスに荷物が入っているのか、暗証番号は何かが分からなくなり、配送業者や管理会社への問い合わせが必要になります。

荷物を取り出すまでは、不在票を財布やスマートフォンケースなど、紛失しにくい場所に保管しておくことをおすすめします。

また、スマートフォンのカメラで不在票を撮影しておくと、万が一紛失した場合でも情報を確認できるため安心です。

配達時の注意書き活用

ネット通販で商品を注文する際、多くのサイトでは配達時の要望を記入できる「配達メモ」や「備考欄」が用意されています。

この機能を積極的に活用することで、配達員に対して宅配ボックスへの配達を明確に依頼できます。

効果的な配達メモの例は以下の通りです。

  • 「不在時は宅配ボックスへの配達をお願いします」
  • 「宅配ボックスは建物エントランス右側にあります」
  • 「在宅の場合でも宅配ボックスへの配達を希望します」

特に、マンションによっては宅配ボックスの設置場所が分かりにくい場合があるため、具体的な場所を記載しておくと配達員が迷わずに済みます。

また、郵便局からの荷物を宅配ボックスで受け取るには、事前に配達郵便局に「指定場所配達に関する依頼書」を提出する必要があります。

頻繁に郵便局から荷物を受け取る方は、この手続きを済ませておくことで、より便利に宅配ボックスを活用できるようになります。

これらの予防策を日常的に実践することで、宅配ボックスに関するトラブルのほとんどを未然に防ぐことができます。

管理会社・配達業者の連絡先と対処手順

宅配ボックスのトラブルが発生した際、誰にどのような順序で連絡すべきかを事前に把握しておくことは非常に重要です。

ここでは、配送業者と管理会社への連絡方法、そして緊急時の対処手順について具体的に解説します。

配送業者への連絡方法

宅配ボックスに関するトラブルの中でも、暗証番号の誤記載や配達ミスなど、配送業者に起因する問題の場合は、まず配送業者に連絡することが最優先です。

配送業者への連絡方法は、以下の手順で確認できます。

確認方法詳細
不在票を確認する記載されている電話番号に連絡するか、
QRコードからオンライン手続きが可能です。
公式サイトを活用する追跡番号が分かる場合、公式サイトで配送状況を確認できます。
専用アプリを利用する専用アプリから荷物の追跡や再配達依頼、問い合わせができます。

配送業者に連絡する際は、以下の情報を手元に準備しておくとスムーズです。

  • 荷物の追跡番号(伝票番号)
  • 配達日時
  • 宅配ボックスの番号
  • 不在票に記載された暗証番号

これらの情報があれば、配送業者側でも状況を迅速に確認でき、正確な対応が期待できます。

電話がつながりにくい時間帯もあるため、可能であれば午前中や夕方の比較的空いている時間に連絡することをおすすめします。

管理会社・管理人への連絡方法

宅配ボックスの故障や開かないトラブル、盗難の疑いがある場合など、設備や管理に関する問題の場合は、管理会社や管理人への連絡が必要です。

賃貸物件の場合、管理会社の連絡先は以下の方法で確認できます。

確認方法詳細
賃貸借契約書を確認する賃貸借契約書には必ず管理会社名と連絡先が記載されています。
掲示板や共用部分をチェックする掲示板に管理会社の連絡先が掲示されている場合があります。
不動産会社に問い合わせる不動産会社に連絡すれば、管理会社の情報を教えてもらえます。
建物に管理会社の看板が設置されているケースもあります。

管理会社に連絡する際は、以下の内容を明確に伝えましょう。

  • トラブルの具体的な内容(開かない、荷物がないなど)
  • 該当する宅配ボックスの番号
  • 発生日時
  • 部屋番号と氏名

管理会社は宅配ボックスのマスターキーを保有しており、本人確認のうえで解錠してもらえることがほとんどです。

また、宅配ボックスの故障や不具合については、管理会社が専門業者に修理を依頼する流れになるため、早めの報告が重要です。

定期的に管理会社の連絡先を確認し、スマホに登録しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

緊急時の対処方法

宅配ボックスのトラブルが夜間や休日に発生した場合、すぐに配送業者や管理会社に連絡がつかないこともあります。

そのような緊急時には、以下のフローチャートを参考に対処しましょう。

暗証番号が分からない・間違っている場合
1.配送業者に連絡
2.管理会社に連絡
3.翌営業日まで待機

荷物が見つからない場合
1.配送業者に配達状況を確認
2.管理会社に報告
3.盗難の疑いがあれば警察に相談

宅配ボックスが開かない場合
1.数字の読み間違いを再確認
2.配送業者に連絡
3.管理会社にマスターキー解錠を依頼

満杯で使えない場合
1.配送業者に再配達を依頼
2.管理組合に状況を報告
3.営業所受け取りを検討

夜間や休日で管理会社に連絡がつかない場合、多くの管理会社は緊急連絡先を用意しています。賃貸契約書に記載されている緊急連絡先を確認し、本当に緊急の場合のみ利用しましょう。

ただし、荷物の受け取りに関するトラブルは一般的に「緊急性の高い案件」とはみなされないため、基本的には翌営業日の対応となることが多い点は理解しておく必要があります。

どうしてもすぐに荷物が必要な場合は、配送業者に連絡して営業所での受け取りに変更してもらうという選択肢も検討してみてください。

マンションの宅配ボックスに関するよくある質問【FAQ】

ここでは、マンションの宅配ボックスに関して多くの方が疑問に感じている点について、Q&A形式で分かりやすくお答えします。

これらの情報を知っておくことで、より安心して宅配ボックスを活用できるようになるでしょう。

Q.マンションに個人の宅配ボックスが設置できる?

マンションの共用部分に個人用の宅配ボックスを後付けで設置することは、基本的に困難です。

廊下やエントランスなどの共用部分は、マンションの全住民が共有している空間であり、個人が勝手に設備を設置することはできません。また、共用部分に物を置くと消防法に違反する恐れもあります。

どうしても個人用の宅配ボックスが必要な場合は、管理組合や管理会社に相談し、正式な許可を得る必要があります。

個人で対応できる方法としては、玄関ドアの内側に設置できる折りたたみ式の簡易宅配ボックスや、置き配バッグを利用するという選択肢があります。

これらは専有部分での使用となるため、管理組合の許可は不要です。

Q.宅配ボックスから荷物が盗まれた場合、補償はある?

宅配ボックスに配達された荷物が盗まれた場合、基本的には受取人の自己責任とされ、配送会社や発送元からの補償は受けられないケースが一般的です。

これは、荷物が宅配ボックスに配達された時点で「配達完了」とみなされるためです。

ただし、大手通販サイトによっては独自の補償制度を設けている場合があります。

例えば、Amazonでは一定の条件下で商品の再送や返金に応じてくれることがあります。また、宅配ボックス自体に盗難保険が付帯しているケースもあり、1ボックスあたり5万円から10万円程度の補償が受けられる場合もあります。

盗難被害に遭った場合は、まず警察に被害届を提出し、その受理番号を控えたうえで、購入先の通販サイトや配送業者に連絡することをおすすめします。

Q.宅配ボックスの保管期限はどれくらい?

宅配ボックスの保管期限は、マンションの管理規約によって異なりますが、一般的には2週間から1ヶ月程度が目安とされています。

保管期限を過ぎると、管理会社が荷物を回収し、別の場所で保管するか、状況によっては処分される可能性もあります。

帰省や旅行で長期不在にする場合は、その期間中の配達を避けるよう、通販サイトでの購入を控えるか、配達日時を在宅できる日に指定することが大切です。

Q.宅配ボックスに入れてもらえない荷物はある?

宅配ボックスには入れられない荷物がいくつかあります。主なものは以下の通りです。

  • 現金書留や代金引換など、受取人から直接支払いを受ける必要がある荷物
  • 生鮮食品や冷凍・冷蔵が必要な食品(冷蔵対応の宅配ボックスがない場合)
  • 宅配ボックスのサイズを超える大型の荷物
  • 重量制限を超える重い荷物
  • 貴重品など、対面での受け渡しが推奨される荷物

これらの荷物は、配達員の判断により宅配ボックスには入れられず、不在票が投函されて再配達の対応となります。

特に食品を注文する際は、冷蔵・冷凍対応の宅配ボックスがマンションに設置されているかを事前に確認しておくことをおすすめします。

Q.他の住民が長期間宅配ボックスを占有している場合はどうすればいい?

同じ宅配ボックスが1週間以上も使用中のまま放置されている場合、管理組合や管理会社に状況を報告しましょう。

多くのマンションでは、管理規約に「一定期間を超えて放置された荷物については、管理組合が中身を確認できる」という規定が設けられています。

管理組合は、長期滞留している荷物の持ち主を特定し、直接連絡を取って早急に受け取るよう促します。

それでも改善されない場合は、理事会役員と管理会社立ち会いのもと、宅配ボックスを開けて荷物を別の場所に移動させる措置が取られることもあります。

個人で直接注意するのではなく、管理組合を通じて適切に対応してもらうことが、住民同士のトラブルを避けるためにも重要です。

まとめ

マンションの宅配ボックスは、不在時でも荷物を受け取れる便利な設備ですが、暗証番号の誤記載、荷物の長期放置、配達ミスなど、さまざまなトラブルが発生する可能性があります。

この記事でご紹介した7つのトラブル事例と解決策を理解しておくことで、いざというときに冷静に対処できるでしょう。

宅配ボックスのトラブルを防ぎ、快適に利用するための重要なポイントは以下の通りです。

  • 荷物が届いたらできるだけ早く受け取り、他の住民が利用できるようにする
  • 不在票は紛失しないよう大切に保管し、暗証番号を正確に確認する
  • トラブル発生時は、配送業者と管理会社の連絡先をすぐに確認できるようにしておく
  • 子どもには宅配ボックスの危険性を教え、遊び場所として使わないよう注意する
  • 長期不在の際は配達を避けるか、事前に配達日時を調整する

これらのポイントを日常的に心がけることで、トラブルのリスクを大幅に減らすことができます。

また、マンション全体で宅配ボックスの適切な利用ルールを共有し、住民一人ひとりがマナーを守ることが、快適な共同生活の実現につながります。

万が一トラブルに遭遇した場合は、本記事で解説した対処法を参考に、まず配送業者や管理会社に連絡し、適切なサポートを受けましょう。

暗証番号が分からない、荷物が見つからないといった問題も、正しい手順で対応すれば多くの場合は解決できます。焦らず冷静に、一つひとつ確認しながら対処することが大切です。

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