 
              引っ越し挨拶のお返しは必要?もらった品物への正しい対応マナーを徹底解説
2025/10/31
新しい住まいで隣人から引っ越しの挨拶と一緒に品物をもらったとき、「お返しをした方がいいのかな」と悩んでいませんか。
実は、引っ越し挨拶でもらった品物に対して、お返しは基本的に不要なのです。
この記事では、お返しが不要な理由から、住居タイプ別の対応マナー、不在時の対処法、相手に好印象を与える言葉選びまで、引っ越し挨拶を受けた側の正しい対応方法を徹底解説します。
目次
お返しは基本的に不要!引っ越し挨拶の意味とお返し不要の背景とは?
引っ越しの挨拶で受け取った品物に対して、お返しの品を用意する必要はありません。
これは一般的なマナーとして広く認識されており、むしろお返しをすることで相手に余計な気を遣わせてしまう可能性があります。
ここでは、引っ越し挨拶の意味とお返し不要の背景について紹介します。
引っ越し挨拶に込められた2つの意味
引っ越しの挨拶で渡される品物には、大きく分けて2つの意味が込められています。
1つ目は「これからご近所としてよろしくお願いします」という前向きな挨拶の意味です。
新しい環境で良好な関係を築きたいという気持ちの表れであり、コミュニケーションのきっかけづくりでもあります。
2つ目は「引っ越し作業でご迷惑をおかけして申し訳ございません」というお詫びの意味です。
引っ越し当日は業者の出入りや荷物の搬入で騒音が発生したり、廊下やエレベーターの通行に支障が出たりと、少なからず周囲に迷惑をかけてしまいます。
そのため、事前または事後のお詫びとして品物を持参するケースが多いのです。
このように、引っ越しの挨拶品は「よろしく」と「ごめんなさい」の両方の気持ちが含まれています。
お返しをすると逆効果になる理由
相手の好意に対してお返しをすることは、一見丁寧に思えるかもしれません。
しかし引っ越し挨拶の場合は、お返しが逆効果になる可能性があります。
その理由としては、以下のようなものが挙げられます。
- 相手に「気を遣わせてしまった」という申し訳なさを感じさせてしまう
- お互いに遠慮の連鎖が始まってしまう
- 新しい関係構築の妨げになる可能性
引っ越してきた側は、新しい環境で良好な関係を築きたいと思って挨拶に来ています。
その純粋な気持ちに対して、お返しという形で応えると「負担をかけてしまった」と感じさせる可能性があるのです。
本来フラットに始めるべきご近所付き合いが、最初から気を遣い合う関係になってしまうのです。
お返しのやり取りに気を取られることで、本来大切な「お互いを知る」「コミュニケーションを取る」という部分がおろそかになりかねないのです。
品物のやり取りよりも、笑顔での挨拶や感謝の言葉を掛け合うことが、良好な関係づくりに役立ちます。
引っ越し挨拶へのお返しをした方が良いケースとは?
基本的にお返しは不要ですが、状況によってはお返しを検討した方が良いケースも存在します。
ここでは例外的にお返しが必要になる3つのパターンをご紹介します。
適切な判断で、相手との関係をより良いものにしましょう。
明らかに高額な品物をもらった場合
引っ越し挨拶の品物の相場は、一般的に500円から1,000円程度とされています。
洗剤やタオル、お菓子の詰め合わせなどが定番です。
しかし、明らかにこの相場を大きく上回る高額な品物を受け取った場合は、お返しを検討する余地があります。
このような場合は、受け取った品物と同程度の金額のお返しを用意することも選択肢の一つです。
お返しをする場合は同程度の金額で、なおかつ手書きの手紙を添えて感謝の気持ちを伝えることが大切です。
また手紙には「お気遣いいただきありがとうございます」「こちらこそよろしくお願いします」といった言葉を添えると、より丁寧な印象を与えられます。
新築マンションで同時入居の場合
新築分譲マンションでは、多くの世帯がほぼ同時期に入居するという特殊な状況があります。
このような環境では、引っ越し挨拶をしない方も少なくありません。
全員が新しい住人であり、誰が先住者で誰が新参者という区別がないためです。
しかし、このような状況で自分は挨拶に行っていないのに、隣人から挨拶と品物をいただいた場合は、お返しとして同額程度の品物を持って挨拶に伺うのも一つの選択肢です。
相手がわざわざ挨拶に来てくれたことに対する感謝と、こちらからも改めて関係を築きたいという意思表示になります。
ビジネス関係の人から挨拶を受けた場合
仕事関係者や会社の上司、取引先の方などが近隣に引っ越してきて挨拶を受けた場合は、一般的なご近所付き合いとは異なるフォーマルな対応が求められることがあります。
この場合も、受け取った品物と同程度か、関係性によってはやや丁寧な品物を選ぶと良いでしょう。
ただし、あくまでプライベートな場での挨拶ですので、過度に形式ばる必要はありません。
また、仕事とプライベートは分けたいと考える方も多いため、相手の意向を尊重することも大切です。
お返しをする場合は「ご近所としてこれからよろしくお願いします」という、あくまでプライベートな関係としてのスタンスを示すと良いでしょう。
引っ越し挨拶にお返ししない場合でも気をつけたいマナー【住居タイプ別】
お返しは不要でも、住んでいる住居のタイプによって、その後の付き合い方には違いがあります。
一戸建て、新築マンション、賃貸マンションそれぞれの特性に合わせた対応を心がけることで、より良好な関係を築けます。
ここでは、それぞれのシーン別における対応マナーを紹介します。
一戸建ての場合:町内会・自治会の関係も意識
一戸建てに住んでいる場合、町内会や自治会を通じて長期的な関係が続く可能性が高くなります。
引っ越し挨拶を受けた際は、後日改めて顔を合わせたときに「先日はありがとうございました」と声をかけることが重要です。
この一言があるだけで、相手は「ちゃんと受け取ってもらえた」「歓迎されている」と感じられます。
また、引っ越してきたばかりの方は地域のルールを知らないことが多いため、ゴミ出しの曜日や場所、町内会費の集金方法、回覧板の回し方などの情報を教えてあげると非常に喜ばれます。
「月曜日と木曜日が燃えるゴミの日で、朝8時までに出してくださいね」といった具体的な情報提供は、お返しの品物以上に価値があります。
温かく迎え入れる姿勢を示すことで、お互いに助け合える良好なご近所関係が築けるでしょう。
新築マンションの場合:同時入居ならではの対応
新築分譲マンションでは、多くの世帯が同じタイミングで入居するため、全員が新しい住人という独特な状況が生まれます。
このような環境では、引っ越し挨拶をする人としない人が混在しており、対応に迷うこともあるでしょう。
同時入居の場合、誰もが同じ「新参者」であるため、先住者としての優位性はありません。
しかし、だからこそわざわざ挨拶に来てくれた方への対応は丁寧にすべきです。
エレベーターや共用廊下、ゴミ置き場などで頻繁に顔を合わせる可能性が高く、最初の印象が重要になります。
挨拶を受けた際は、「同じタイミングでの入居ですね。分からないことがあればお互い様なので、気軽に声をかけてください」といった言葉をかけると、対等な関係性を示せます。
また、管理組合の活動や共用施設の使い方など、入居後に分かった情報を共有し合える関係を築くことで、マンションライフがより快適になるでしょう。
賃貸マンション・アパートの場合:対面挨拶で安心感を
賃貸マンションやアパートでは、住人の入れ替わりが比較的多く、隣人との付き合いも浅い傾向にあります。
顔を合わせる機会が少ないからこそ、最初の挨拶で顔を覚えておくことが重要です。
防犯面での安心感という観点からも、隣にどんな人が住んでいるのかを知っておくメリットは大きいです。
引っ越し挨拶を受けた際は、自分の生活リズム(仕事の時間帯など)を簡単に伝えておくと、お互いに生活音に対する配慮ができます。
「平日は朝早く出勤するので、もし物音が気になったら遠慮なく言ってください」といった一言があるだけで、騒音トラブルのリスクを減らせます。
賃貸では数年で転居する可能性もありますが、住んでいる期間は毎日顔を合わせる可能性がある相手です。
最低限の挨拶と情報交換をしておくことで、ストレスの少ない生活が送れるでしょう。
不在時に引っ越し挨拶を受けた場合の対応【手紙と訪問でのお礼】
帰宅したら、郵便受けやドアノブに品物と手紙が置いてあるというケースは、引っ越し挨拶では非常によくある状況です。
この場合、直接会いに行く必要は基本的にありません。
ただし、状況によっては「できればお礼をしたい」と考える人も多いでしょう。
ここでは直接会えなかった場合の対応方法について、手紙と訪問でのお礼を例にして紹介します。
手紙でのお礼をする際の対応
手書きのメッセージは気持ちが伝わりやすく、相手も「ちゃんと受け取ってもらえた」と安心できます。
手紙には、自分の部屋番号と名前、不在だったことへのお詫び、品物への感謝、いただいた品物の感想(食べ物の場合は「美味しくいただきました」など)、そして改めての挨拶と今後の関係へを書くのが理想的です。
以下に、お礼の手紙の例文を紹介します。
お隣の301号室に住んでおります◯◯と申します。
先日はご丁寧にご挨拶いただき、誠にありがとうございました。あいにく不在にしており、直接お礼を申し上げられず申し訳ございません。
いただいたクッキー、家族で美味しくいただきました。お気遣いいただき本当にありがとうございます。
こちらこそ、これからどうぞよろしくお願いいたします。分からないことがあれば、いつでも気軽に声をかけてくださいね。
301号室 ◯◯
このような手紙があれば、相手は安心し、好印象を持ってくれるでしょう。
直接訪問してお礼をする際の対応
どうしても直接訪問してお礼を伝えたいという場合は、適切な時間帯とマナーを守ることが重要です。
訪問に適した時間帯は、平日なら朝10時頃または夕方17時頃が一般的です。
この時間帯は多くの人が起きており、食事時や忙しい時間を避けられます。
相手が日中外出していると思われる場合は、土日の昼間(10〜16時頃)や平日の19〜20時頃が良いでしょう。
訪問する際は手ぶらで構いません。お返しの品物は不要ですし、簡単な挨拶だけで十分です。
「先日はありがとうございました。不在で失礼しました」と一言伝えれば、相手も安心します。
引っ越し挨拶のお返しに関するよくある質問【FAQ】
引っ越し挨拶のお返しについて、多くの方が抱く疑問や不安にお答えします。
実際によくある質問をまとめましたので、自分の状況に当てはまるものがないか確認してみてください。
Q1:お返しをしないと失礼だと思われませんか?
お返しをしないことが失礼にあたることはありません。
一般的なマナーとして、引っ越し挨拶に対するお返しは不要と認識している人のほうが多いです。
そのため、お返しをすることで相手に気を遣わせてしまい、かえって関係性に負担をかける可能性があります。
大切なのは品物ではなく、感謝の気持ちを言葉で伝えることです。
「ありがとうございます」「こちらこそよろしくお願いします」という言葉があれば、相手は十分に受け入れられたと感じられます。
Q2:もらった品物が高額だった場合はどうする?
明らかに3,000円以上と思われる高額な品物を受け取った場合は、お返しを検討しても良いでしょう。
ただし、お返しをする場合は受け取った品物と同程度の金額に留め、決して相手より高額なものを返してはいけません。
高額すぎるお返しは見栄を張っていると受け取られ、相手を不快にさせる可能性があります。
お返しをする際は、品物と一緒に手書きの手紙を添えて、感謝の気持ちを丁寧に伝えることが大切です。
Q3:お礼を渡すタイミングを逃してしまいました。今からでも渡していいですか?
多少日が経っていても問題ありません。
むしろ「ご挨拶のお礼が遅くなってしまい申し訳ありません」と一言添えることで、誠実さや丁寧さがしっかり伝わります。
大切なのはタイミングよりも、感謝の気持ちをきちんと形にして伝えることです。遅れても一言添えるだけで印象は大きく変わります。
Q4:全く面識のない人から挨拶されたらどう対応すればいい?
全く面識がなくても、新しい隣人として普通に対応すれば問題ありません。
これから長く隣人として付き合っていく可能性があるため、第一印象を良くすることが大切です。
笑顔で挨拶を返し、自己紹介をしっかり行いましょう。「○○号室の△△です。よろしくお願いします」と名前を名乗り、可能であればどんな仕事をしているか、家族構成なども簡単に伝えると、相手も安心します。
Q5:自分は挨拶に行っていないのに挨拶された場合はどうする?
新築マンションなどでよくあるケースです。
自分が挨拶に行っていないのに相手から挨拶された場合、気まずいと感じるかもしれませんが、これも良好な関係を築くチャンスです。
お返しとして同程度の品物を持って、数日以内に改めて挨拶に伺うのも一つの選択肢です。
「こちらこそご挨拶が遅れて申し訳ありません」と一言添えれば、丁寧な印象を与えられます。
ただし、必ずしも品物を持参する必要はなく、言葉だけの挨拶でも十分です。
引っ越し挨拶のお返しは「言葉」で十分!良好な関係づくりを|まとめ
引っ越し挨拶を受けたときの対応について、ここまで詳しく解説してきました。
引っ越し挨拶を受けたときの重要ポイントは以下の通りです。
- お返しの品物は基本的に不要、相手に気を遣わせないことが大切
- 笑顔と「ありがとうございます」「よろしくお願いします」の言葉が最良のお返し
- 一戸建て、マンション、賃貸など住居タイプに応じた対応を心がける
- 不在時は手紙でお礼を伝えるか、後日会ったときに声をかければ十分
- ゴミ出しルールや地域情報を教えてあげると非常に喜ばれる
- 高額な品物をもらった場合や新築同時入居など、例外的にお返しを検討するケースもある
- お返しする場合は同程度の金額で、相手より高額なものは避ける
- 後日エレベーターや廊下で会ったときに改めてお礼を伝えると好印象
引っ越しの挨拶は、新しい隣人との大切な最初のコミュニケーションです。
品物でのお返しよりも、温かい言葉と笑顔、そして日常的な気遣いこそが、長く続く良好なご近所関係を築く基盤となることは忘れないようにしましょう。
 
         
                       
                       
                       
     
         
         
        