病院の小規模修繕とは?費用から流れや注意点を把握して工事に備えよう

2025/09/25

病院における建物や設備の維持管理は、患者の安全や快適性、そして医療サービスの質に直結する重要なテーマです。

その中でも「小規模修繕」は、日常的に発生する軽微な劣化や故障に対応する工事を指し、建物の長寿命化や突発的なトラブル防止に大きな役割を果たします。特に病院は24時間稼働し続ける施設であり、診療を止めることができないため、小規模修繕の計画性やスピード感が求められます。

本記事では、病院の小規模修繕における基本的な定義や特徴、必要となる場面、費用相場、工事の流れ、注意点、業者選びのポイントまで詳しく解説します。これから修繕を検討する病院経営者や施設管理者の方に役立つ実践的な情報を提供します。

目次

小規模修繕とは?

まず最初に、小規模修繕の定義や位置づけを理解することが大切です。

ここでは「小規模修繕とは何か」を整理し、大規模修繕との違いやそのメリットを確認していきましょう。

小規模修繕の基本的な意味

小規模修繕とは、建物や設備の一部が劣化・損傷した際に行う比較的軽度な補修工事を指します。具体的には、以下のような内容が挙げられます。

  • 壁紙の張り替え
  • 床の補修
  • 照明器具の交換
  • 水回りの部品交換

基本的には、短期間かつ低コストで実施できる工事が行われます。
こうした修繕は日常的に発生しやすいため、定期的に対応することで建物全体の機能を維持する役割を果たします。

大規模修繕との違い

大規模修繕は、外壁や屋上防水など建物全体を対象とした長期的・計画的な工事で、数千万円以上の費用がかかることも珍しくありません。

一方、小規模修繕は部分的・短期的な補修を行うため、工期や費用の負担が小さいのが特徴です。病院の場合、診療を止めずに行える点が重要であり、小規模修繕は「日常的な維持管理の一環」として位置づけられます。

小規模修繕を適切に行うメリット

小規模修繕を計画的に行うことで、劣化の進行を早期に止め、大規模修繕や設備交換に至る前にコストを抑えることが可能になります。

また、清潔で安全な環境を維持することは、患者やスタッフの満足度を高めるだけでなく、病院の信頼性向上にもつながります。小規模修繕を軽視せず、定期的に取り組むことが病院経営にとって非常に有益です。

実録!新東亜工業の施工事例|3階建てビルの大規模修繕工事

雨漏りの発生をきっかけにお問い合わせをいただいた、東京都内にある鉄骨造3階建ての日本語学校
屋上には芝生や池があるという特殊な構造も含めて、外装・防水・鉄部まで建物全体の修繕を実施しました。

今回は、新東亜工業が実際に手がけたこの修繕工事の流れを、やり取りの一部とともにご紹介します。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。


ご相談内容

お客様はビルの雨漏りでお悩みでした。

お客様:「昭和46年築のビルを日本語学校として使っているのですが、1階と3階で雨漏りしているので修繕をお願いしたいです」
お客様:「屋上に芝生や池があって、防水も少し複雑で…」
担当者:「現地を拝見してから、最適な防水工法をご提案いたします。図面のご用意もお願いできますか?」
お客様:「はい、用意しておきます」

建物の構造や履歴、使用状況について詳しく共有いただいたことで、早急な現地調査が実現。
調査時には図面を確認しながら、屋上の構造や増築部も含めた幅広い劣化箇所の把握ができました。

工事の概要|工事金額と施工期間

大規模修繕 施工前

大規模修繕 施工後

屋上や外壁、床など広範囲にわたる施工を実施しました。

項目 内容
建物種別 鉄骨造3階建て
築年数 築50年以上(昭和46年建築・55年/61年に増築あり)
施工内容 ・雨漏り修繕・屋上防水(芝生・池のある特殊環境)・外壁塗装・タイル補修・鉄部塗装・シーリング工事・長尺シート貼替(階段含む)・波板撤去(追加対応)・屋根工事・溶接工事

工事金額:1,160万円
施工期間:60日間

現地調査で判明した劣化症状

現地調査を行ったことで判明した劣化の症状は、以下のとおりです。

  • 1階・3階の天井からの雨漏り
  • 芝生の下の防水層の劣化
  • 鉄部のサビ・塗膜剥離
  • 外壁の浮きタイル、ALC面の劣化
  • シャッターや階段の老朽化

お客様:「社長のこだわりで、屋上に芝生や池を設置しているんですよ」
担当者:「これはなかなか見ない造りですね。芝生の下の防水層は、状態を見ながら通気緩衝工法で施工したいと思います」
お客様:「わかりました。池の端で見切って、あとは撤去してもらって大丈夫です」

劣化状況や使用環境に合わせ、防水層は通気緩衝工法+脱気筒設置密着工法を併用することに。
そのほか、塗装やシーリング工事、階段や屋根の補修など建物全体を対象に提案をまとめました。

施工中のやり取りと配慮

工事中は以下のような対応が行われ、円滑な進行が実現しました。

  • 色決めは見本帳を貸し出し、部位別にお客様へ確認依頼
  • 自転車置き場・通学導線への影響を最小限に配慮し足場を設置
  • 職員室上の波板撤去といった追加要望にも柔軟に対応
  • 工事の進捗状況はメールや対面で逐次報告

お客様:「細かいことにも丁寧に対応してくれて、本当にありがたかったです」
担当者:「防水や塗装の仕上がりも丁寧に確認しています。気になるところは遠慮なくおっしゃってくださいね」

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引き渡し時のご感想

建物の仕上がりにご満足いただけたことで、別棟のご依頼へとつながる結果となりました。
引き渡しの際は、ドレンの掃除方法や防水層の取り扱いについても説明し、今後の管理に向けたアドバイスも実施しました。

担当者:「本日をもって工事完了となります。完了報告書・保証書・請求書を郵送いたしますね」
お客様:「とてもきれいになって、社長も大変喜んでいました」
お客様:「実は2号館の防水と階段工事もお願いしたくて…またご相談してもよろしいですか?」
担当者:「もちろんです。改めて担当よりご連絡いたします」

今回の修繕工事では、雨漏りという課題を出発点に、建物全体の資産価値を高めるトータル改修が行われました。
特殊な屋上構造・用途に合わせて工事内容を調整、柔軟な現場対応と丁寧な進捗共有により、お客様との信頼関係を築きながら、安全かつ満足度の高い施工を実現できました。

病院における小規模修繕とは

一般の建物と比べて、病院の小規模修繕には特有の要件があります。医療法や消防法などの法規制に準拠しつつ、診療を止めずに工事を進める必要がある点が大きな特徴です。

ここでは、病院ならではの修繕要件や特徴について解説します。

病院施設特有の修繕要件

病院では、衛生管理や感染症対策、安全性確保が何よりも重要です。そのため、壁や床の補修であっても、抗菌・耐薬品性のある素材を使用するなど、一般施設にはない特別な配慮が必要となります。

さらに、電源や照明の修繕は医療機器の稼働に直結するため、迅速かつ確実な対応が求められます。加えて、空調設備や給排水システムなど、患者の生命を守るインフラ部分についても小規模であっても専門的な施工が必須となります。

工事中は清掃手順や衛生区画の確保も厳守しなければならず、施工後には第三者機関による検査や衛生チェックが行われる場合もあります。これらの点からも、病院の修繕は通常の商業施設やオフィスとは大きく異なる専門性を必要とするのです。

診療継続を前提とした修繕の特徴

病院の修繕では、診療を止めずに工事を行うことが前提となります。そのため、夜間や休日を利用した工事計画、仮設動線の確保、騒音や粉塵の抑制など、患者やスタッフに配慮した施工が不可欠です。

特に感染リスクを最小化するための養生や換気対策は、病院特有の重要ポイントです。また、検査室や手術室など止められないエリアでは、工事区域を限定して順次施工する方法が取られます。

さらに、患者や職員への事前説明や工事スケジュールの共有、工事後の衛生確認なども不可欠であり、こうした細やかな配慮があってこそ病院での修繕は成り立ちます。

小規模修繕が必要となる病院特有のケース

病院では多くの人が出入りするため、日常的に劣化や破損が発生します。

ここでは、病院ならではの小規模修繕の具体例を挙げ、それぞれの重要性を解説します。

病院における小規模修繕の具体例

修繕箇所内容重要性
診療室・病室の床や壁・天井床材の剥がれ、壁紙の破損を補修清掃性・感染対策・快適性に直結
トイレ・水回り水漏れ、詰まりの修繕衛生環境の維持・患者の安心感につながる
空調・換気設備フィルター交換や機器修理院内感染防止、空気環境の維持
電気・照明設備照明・コンセントの不具合修繕医療機器稼働の安定化、診療安全性の確保
バリアフリー設備手すり・スロープの修繕高齢者や患者の転倒防止、安全な移動支援
非常口・消防設備ドアや消火設備の補修災害時の避難安全、法令遵守

病院における小規模修繕は、表に示したように多岐にわたります。いずれも患者の安全や衛生を守り、医療体制を安定的に維持するために欠かせない取り組みです。

小さな修繕であっても見逃さず、迅速に対応することが、結果的に大規模なトラブルやコスト増を防ぐ最善策となります。

病院の小規模修繕いおける費用相場

病院の小規模修繕は、一般的な建物に比べて高度な衛生基準や安全性が求められるため、費用がやや高めに設定される傾向があります。

ここでは工事項目ごとに相場を整理し、さらに費用に影響する要因や注意点についても触れながら、予算計画の参考になる情報を紹介します。

内装補修の費用相場

診療室や病室の床材・壁紙・天井の補修は、1室あたり約数万円〜数十万円が目安です。抗菌・耐薬品性素材を選ぶと単価は高くなりますが、衛生面のメリットを考慮すると病院に適した選択といえます。

さらに個室や特別病室の場合はデザイン性も重視されるため、一般的な住宅やオフィスに比べて費用が割高になるケースがあります。

空調・電気設備の費用相場

空調機器のフィルター交換や機器修理は10万円前後から、全館の空調更新や大規模な修繕では数百万円規模に達することもあります。電気・照明設備は、コンセント増設や照明交換で数万円規模、電源盤や配線工事を伴う場合は50万円以上になるケースもあります。

手術室や検査室では無停電電源装置(UPS)の導入や特殊照明設備の交換が必要になることもあり、一般病棟よりも高額な投資が必要になる傾向があります。

外壁・屋上の防水補修の費用相場

外壁のひび割れ補修やシーリング交換は1㎡あたり3,000〜6,000円程度、屋上防水は1㎡あたり5,000〜8,000円が一般的です。施工範囲や下地の状態によって価格が変動するため、現地調査に基づいた見積もりが不可欠です。

さらに屋上に設置された空調室外機や太陽光パネルなどの設備を一時撤去する必要がある場合、その作業費も別途計上されるため、総額が想定より膨らむケースも少なくありません。

費用相場のまとめ表

工事項目費用目安
内装補修(床・壁・天井)約数万円〜数十万円/1室
空調設備(軽微修理〜更新)約10万円〜数百万円
電気・照明設備約数万円〜50万円以上
外壁補修約3,000〜6,000円/㎡
屋上防水補修約5,000〜8,000円/㎡

小規模修繕工事の流れと病院ならではの配慮

病院の小規模修繕は、通常の建物と異なり「診療を止めずに施工する」ことが前提です。そのため計画段階から病院側との綿密な打ち合わせが求められ、診療科ごとの稼働状況や患者動線を考慮した工程設計が重要となります。

ここでは工事の一般的な流れに加え、病院特有の配慮点をより具体的に整理します。

現地調査と工程計画

まず施工業者が現地調査を行い、劣化状況や工事範囲を確認します。その後、診療スケジュールを考慮した工程表を作成し、夜間や休日に工事を分散させる計画を立てます。

さらに重要度の高いエリアとそうでないエリアを区分けし、優先順位をつけて施工順序を調整することが効率的な工事につながります。また、工事内容や期間については病院関係者への事前説明会を実施し、合意形成を図ることも大切です。

患者やスタッフの動線確保・養生

工事中は患者やスタッフが安全に移動できるよう仮設通路を設置し、粉塵や騒音の影響を最小限にする養生を徹底します。特に院内感染を防ぐため、清掃・換気体制の強化が必須です。

さらに、救急搬送や緊急手術など突発的な対応が発生しても支障が出ないよう、常に代替ルートや緊急対応マニュアルを準備しておく必要があります。これにより診療体制を維持しながら安全性を確保できます。

感染症対策を考慮した施工

修繕作業ではホコリや化学物質が発生する可能性があるため、隔離養生・空気清浄機の設置・工事区域の限定など、病院独自の感染対策が講じられます。加えて、施工スタッフには衛生教育を行い、工事エリアへの入退室管理を徹底することが重要です。

場合によっては作業服の着替えや靴底消毒を義務付けることもあり、一般建物に比べてより厳格なルールが適用されます。

短工期・分割施工での対応

病院は休診時間が限られているため、工事はできる限り短期間で行う必要があります。工区を分割して施工し、診療エリアを順次切り替えることで、診療と工事を両立させます。

また、短工期を実現するためには複数班による同時施工や、事前の資材搬入・仮設計備の準備などが不可欠です。さらに工事完了後は速やかに清掃・消毒を行い、病院スタッフと共に動作確認や安全確認を実施することで、スムーズに診療へ復帰できる環境を整えます。

病院の小規模修繕における注意点

病院の小規模修繕では、通常の建物以上に厳格な管理と安全対策が求められます。

ここでは施設管理者が押さえておくべき重要な注意点を、より具体的に整理します。

法規制への適合

病院は医療法をはじめとした多くの法律や規制に基づき運営されています。小規模修繕であっても、消防法に基づく防火設備の基準や、バリアフリー法による移動支援の確保が求められます。違反すれば行政から是正指導を受けるリスクがあり、必ず法令に準拠した施工が必要です。

さらに、建築基準法や労働安全衛生法も関わることがあるため、工事規模の大小にかかわらず専門的な確認が欠かせません。事前に行政や関連機関への届出が必要なケースもあるため、管理者は業者と連携して法規制をクリアする準備を進める必要があります。

緊急修繕への即応体制

病院では設備の不具合が即座に診療に影響を与える可能性があります。そのため、突発的な水漏れや停電などに対応できるよう、緊急修繕に強い業者と契約しておくことが重要です。24時間対応や迅速な出動が可能かどうかを事前に確認することがリスク管理につながります。

特に集中治療室や手術室など、機能停止が生命に直結するエリアでは、わずかな設備トラブルでも重大な結果を招くため、定期的に業者との連絡体制を確認しておくことが望まれます。緊急時の連絡網を院内に掲示し、担当者が即応できる仕組みを整えておくことも必須です。

修繕記録の保存と監査対応

小規模修繕の履歴を残しておくことは、施設管理や監査対応の観点から欠かせません。作業内容や使用材料、施工日時を記録しておくことで、将来的な修繕計画の策定や行政監査時の対応がスムーズになります。電子データでの保存や写真記録を組み合わせるとより実用的です。

さらに、記録は単なる保存にとどまらず、修繕傾向を分析することで「どの設備が劣化しやすいのか」「修繕周期を短縮すべきか」などの改善点を発見できます。これにより、長期的なコスト削減やリスク回避にもつながります。

病院の小規模修繕における注意点まとめ

注意点内容ポイント
法規制への適合医療法・消防法・バリアフリー法を遵守違反は行政指導や是正命令のリスク
緊急修繕体制水漏れ・停電などに迅速対応できる業者と契約24時間対応・即時出動が可能か確認
修繕記録と監査対応作業内容・材料・日時を記録電子データ保存・写真記録が有効

病院の小規模修繕を依頼する業者の選び方

病院特有の環境に対応できる業者を選定することが、小規模修繕の成否を左右します。

  • 病院・医療施設の施工実績
  • 夜間・休日工事への対応力
  • 感染症対策の知識と実績
  • 補助金・助成金の活用支援
  • 施工後の保証・保守体制

特に上記の点を重視して選ぶことで、要望に沿った施工が期待できます。
では、それぞれの項目を詳しくみていきましょう。

病院・医療施設の施工実績

病院特有の環境を理解しているかどうかは業者選定の大きなポイントです。過去に病院やクリニックでの工事実績がある業者であれば、診療を継続しながらの施工に慣れており安心です。

実績の有無だけでなく、どのような工事を担当したのか、感染症対策や夜間施工の経験があるかなども確認するとより確実です。また、施工後の評価や他施設からの推薦なども信頼性を測る要素になります。

夜間・休日工事への対応力

診療を止めずに工事を行うためには、夜間や休日対応が欠かせません。柔軟にスケジュールを調整できる業者を選ぶことで、患者やスタッフへの影響を最小限に抑えられます。

さらに、緊急時のスケジュール変更にも対応できるかどうかも重要な判断材料となります。特に救急病院では24時間稼働が前提のため、時間外の対応実績が豊富な業者が望ましいでしょう。

感染症対策の知識と実績

院内感染防止のため、施工業者が衛生管理や感染症対策の知識を持っているか確認が必要です。養生方法や換気対策、スタッフへの衛生教育を徹底している業者は信頼できます。

工事後に清掃・消毒を行い、院内の衛生状態を確認する体制があるかどうかも見極めるポイントです。さらに、感染症流行期における施工計画や、使用する資材・薬品の選定に配慮があるかどうかもチェックが必要です。

補助金・助成金の活用支援

病院の修繕工事は自治体や国の補助金制度が利用できる場合があります。補助制度に詳しく、申請サポートを行ってくれる業者であれば、コスト削減につながります。

特に小規模な補修であっても省エネやバリアフリー化を目的とする場合は対象になることがあるため、情報を持つ業者は大きな強みです。補助金の申請には期限や書類要件があるため、専門知識を持つ業者が関与することで手続きの確実性が高まります。

施工後の保証・保守体制

修繕後に不具合が発生した場合に備えて、保証やアフターサービスの内容を確認することが重要です。定期点検や長期保証を用意している業者であれば、安心して依頼できます。

また、施工後の改善提案や次回修繕のアドバイスを行ってくれる業者は、長期的なパートナーとして信頼できる存在となります。さらに、故障や不具合発生時に迅速に対応できるサポート窓口を持っているかどうかも確認しておくと安心です。

病院の小規模修繕に関するよくある質問(FAQ)

病院の小規模修繕を検討する際には、多くの経営者や施設管理者が共通して抱く疑問があります。こ

こでは代表的な質問とその回答をまとめ、修繕計画を進めるうえでの参考にしていただけるよう整理しました。

Q1.診療を止めずに修繕は可能か?

A.可能です。夜間や休日、さらには短工期・分割施工を組み合わせることで診療を継続しながら修繕を行えます。事前に工事計画を綿密に立て、患者動線や緊急対応ルートを確保することが重要です。

さらに、施工中に突発的な救急搬送があった場合に備え、仮設動線や代替ルートを準備しておくことも欠かせません。こうした体制を整えることで、患者に安心感を与えながら効率的な修繕を実現できます。

Q2.小規模修繕でも補助金や助成金は利用できるか?

A.条件によっては利用可能です。特に省エネ改修やバリアフリー対応など、国や自治体が推奨する工事内容は補助対象となるケースがあります。

業者に相談し、申請サポートを受けるとスムーズです。補助金は年度ごとに内容が変わる場合もあるため、常に最新情報を確認し、申請期限に間に合うよう計画的に準備する必要があります。助成金を活用することで、病院の財政負担を軽くしつつ質の高い修繕が可能になります。

Q3.修繕中の感染対策はどう行うのか?

A.工事区画の隔離、養生シートの設置、換気システムの強化、施工スタッフの衛生教育などが行われます。さらに、工事後は必ず清掃・消毒を実施し、院内の衛生レベルを確認します。

施工業者には、感染管理委員会と協議のうえで作業計画を提出させることも有効で、より厳格な衛生水準を担保できます。患者の健康を第一に考えた施工管理が不可欠です。

Q4.修繕の優先順位はどう決めるべきか?

A.安全性に直結する部分(電気設備、防火設備、バリアフリー設備など)を最優先に、次いで衛生・快適性を高める部分を検討します。施設全体の劣化状況や予算も加味し、専門業者と相談して決定するのが理想です。

定期的な点検結果をもとに「緊急度」「重要度」「費用対効果」の観点で優先度を数値化して判断する病院も増えており、計画的な修繕につながっています。

Q5.小規模修繕と改修工事の違いは?

A.小規模修繕は軽微な補修や設備交換を指し、短期間・低コストで対応できます。一方、改修工事は構造や機能を大きく改善・更新するため、規模が大きく工期や費用も増加します。

また、改修は設計段階から建築士や設備設計士の関与が必要になる場合が多いため、体制そのものが異なります。小規模修繕を怠ると将来的に改修の必要性が高まるため、両者の違いを理解して適切なタイミングで判断することが重要です。

Q6.工事後の保証はあるのか?

A.多くの業者が工事後に保証を設定しています。保証内容や期間は工事項目によって異なるため、契約前に必ず確認することが大切です。保証がしっかりしている業者を選ぶことで、万一のトラブル時にも安心です。

さらに、定期点検の実施やアフターフォロー窓口の設置があるかどうかも確認しておくと安心度が高まります。保証書を受け取るだけでなく、万一の際にどのような対応が取られるのか具体的に説明を受けると安心です。

Q7.修繕記録はどのように残すべきか?

A.施工業者からの報告書を保管するだけでなく、写真記録や電子データとして保存するのが理想です。長期的な修繕計画の策定や監査対応に役立ちます。特に電子化してクラウド管理することで、担当者が交代してもスムーズに引き継ぎが可能になり、施設全体の維持管理に一貫性を持たせられます。

また、修繕記録をデータベース化して分析すれば、どの設備に修繕が集中しているかを把握でき、予防的なメンテナンス計画にも活用できます。

病院の小規模修繕で早期メンテンナンスを|まとめ

病院の小規模修繕は、診療を止めずに患者の安全と衛生を守りながら建物や設備を維持するために欠かせない取り組みです。法規制の遵守や緊急対応力、感染症対策、修繕記録の保存など、多くの注意点があります。

また、業者選定では医療施設特有の実績や夜間対応力、補助金活用支援、アフターサービスの充実度を確認することが成功のポイントです。小さな修繕を計画的に積み重ねることで、大規模なトラブルやコスト増加を防ぎ、長期的に病院の信頼性と運営の安定性を高めることができます。

さらに、日常的なチェック体制を整備し、職員全員が修繕の重要性を理解することで、より健全な病院運営を実現できます。

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