陸屋根三階だての防水工事価格は？相場と安く抑えるコツを把握して工事を成功させよう

三階だての陸屋根は、戸建て住宅や小規模ビルなどで多く採用されています。外観がすっきりしており、屋上をバルコニーや物置スペースとして活用できる点が魅力ですが、その一方で防水工事には注意が必要です。

平らな屋根構造は雨水が溜まりやすく、勾配屋根に比べて雨漏りリスクが高いのが特徴です。特に三階だてとなると、建物の高さによる施工の難しさや価格面での課題が顕著になります。

本記事では、三階だて陸屋根の防水工事における費用相場や代表的な工法の特徴をわかりやすく解説します。また、費用を賢く抑えるための具体的な方法や、悪質業者に騙されないためのチェックポイントも紹介します。

なぜ三階だて陸屋根の防水工事は注意が必要なのか？

この記事の本編となる費用に関する理解を深めるためにまずは、三階だて陸屋根の防水工事の必要性を把握しましょう。

高所作業によるコスト増

三階だての建物は足場の設置が必須です。足場代は工事総額の2〜4割を占めることもあり、2階建て以下の住宅に比べて大きな負担になります。

また、建物の周囲に十分なスペースがない場合や道路に面している場合は、仮設足場や防護ネットの設置に追加費用が発生しやすく、価格を押し上げる要因となります。高所作業は安全管理面でもコストがかかり、作業員の人数増加や安全設備の強化が必要になる点も忘れてはいけません。

雨漏り発見の遅れと被害の拡大リスク

屋根裏がないため、雨漏りを発見したときにはすでに天井材や壁材が大きく傷んでいるケースが少なくありません。さらに、配管や電気設備にまで水が回り込むと修繕費用が膨らむこともあります。

特に三階だての場合は住戸数や延床面積が広く、被害が拡大した際の修復範囲が大きくなるため注意が必要です。早期の点検とメンテナンスが欠かせません。

複雑な形状や構造による工法の選定

屋上に出入り口や手すり、室外機などの設備があると施工が難しくなり、工法選びに制約が生じます。特に凹凸や段差が多い屋上では、シート防水では継ぎ目から不具合が生じやすく、ウレタン防水など柔軟な工法が選ばれる傾向があります。

こうした判断を誤ると、数年で防水層が劣化してしまうリスクもあり、専門的な知見に基づいた適切な選定が不可欠です。

この記事を読むことでわかること

• 三階だて陸屋根の防水工事にかかる費用相場と内訳
• 工法別のメリット・デメリットと選び方のポイント
• 費用を安く抑えるための具体的な方法
• 優良業者の見分け方と悪徳業者に騙されないための注意点
• 助成金や補助金を活用してコストを軽減する方法

陸屋根防水工事の計画を立てている方が、費用や工法で迷わず最適な選択をできるよう、専門的な視点でわかりやすく解説していきます。

三階だて陸屋根の防水工事価格は？費用相場を徹底解説

三階だて陸屋根の防水工事は、建物の高さや施工条件によって費用が変動しやすい点が特徴です。一般的な2階建て以下の住宅と比べると、足場代がかかりやすく、追加作業も多く発生するため、正確な相場感を知っておくことがとても重要です。ここでは工法別の単価や面積ごとの総額、さらには見積もりで確認すべき注意点まで整理しました。

防水工事の費用は、選ぶ工法や施工面積、劣化の進行度合いによって大きく変動します。さらに、建物の立地条件や屋上の利用状況、施工時期の季節要因によっても金額に幅が出やすいのが特徴です。例えば冬場は乾燥が進みやすいため工期が延びにくい一方、梅雨や台風シーズンでは工事が中断され追加費用が発生するケースもあります。

ここでは一般的な工法ごとの1㎡あたりの単価に加えて、屋上面積ごとの総額目安、さらに見積もりを確認する際に気をつけるポイントまで詳しく解説します。

工法別の費用相場（1㎡あたりの単価）

工法	単価目安	特徴	備考
ウレタン防水（通気緩衝工法）	約6,000～8,500円/㎡	複雑な形状に強く、改修工事向き	施工者の技術差が出やすい
シート防水（塩ビ・ゴム）	約7,000～9,000円/㎡	品質が安定しやすく、工期が短い	継ぎ目処理が重要
FRP防水	約6,500～10,000円/㎡	高耐久で硬化が早い。小規模屋上向き	防火性能も高い
アスファルト防水	約8,000～12,000円/㎡	耐久性が高く信頼性抜群。重量がある	大規模建築向き

同じ陸屋根でも、構造や設備の配置によって適した工法が異なるため、単に価格だけで判断せず総合的に比較することが重要です。また、見積書では「㎡単価」に含まれる範囲が業者によって異なる場合があり、プライマー塗布や廃材処理費などが別途計上されるケースもあるため注意しましょう。

総額費用の目安（屋上面積別）

屋上面積	費用目安	特徴
20㎡（コンパクトな屋上）	約10～16万円	小規模であっても足場代の割合が高くなる傾向あり
30～40㎡（一般的な広さ）	約18～30万円	最も多い施工規模で、工法選定の自由度が高い
50㎡以上（広めの屋上）	約25～40万円	単価交渉がしやすい反面、下地補修費用が高くなりやすい

これらはあくまで防水工事本体の費用であり、足場代は別途必要になります。三階だての場合、足場費用だけで数十万円かかることもあるため、見積もり時には必ず確認しておきましょう。さらに、養生シートや近隣対策費用が別に発生する場合もあります。

価格が高いのはなぜ？追加費用が発生するケース

建物の状況や劣化の進行具合によっては、一般的な費用項目以外が追加になることも多いです。

ここでは、追加費用が発生するケースについてわかりやすく紹介します。

下地の劣化が激しい場合の補修費用

コンクリートのひび割れや欠損があると、防水工事の前に補修が必要となります。劣化が進んでいる場合は下地調整材やモルタル補修費用が加算されることもあります。

さらに、鉄筋の露出やサビが進行している場合には防錆処理や鉄筋補強が必要となり、追加の工期や費用がかかります。補修規模によっては足場を再利用する期間が延びるため、結果的にトータルコストが上がることも珍しくありません。

既存防水層の撤去費用

古い防水層を撤去してから新たに施工する場合、撤去・廃材処分費が加算されます。撤去方法によっては騒音や粉じん対策費も必要です。

さらに、アスファルト防水など厚みのある層を除去する際は、作業員の人数や機材が増えるため費用が高くなる傾向があります。撤去作業で周辺住民への影響が大きい場合は、工事時間を分けるなど配慮が求められ、その分人件費が上乗せされることもあります。

屋上設備の撤去・再設置費用

アンテナや室外機などが設置されている場合、一時的に移動・復旧する費用が必要です。大型設備や太陽光パネルがある場合はクレーン費用が発生することもあります。

加えて、配管や電気ケーブルの接続をやり直す必要があるケースでは、専門業者の手配が必要になり別料金がかかることも少なくありません。設備のサイズや重量、配線の複雑さによって費用幅が大きくなるため、事前に見積もりで詳細を確認しておくことが重要です。

三階だて陸屋根に適した防水工法を比較

三階だての陸屋根は、施工条件や建物の形状によって最適な防水工法が変わります。下記の表に代表的な4種類の工法を整理し、それぞれのメリットとデメリットを比較しました。

三階だて陸屋根に適した防水工法

工法	メリット	デメリット
ウレタン防水	液状のウレタンを塗布するため複雑な形状にも対応可能で比較的安価。改修工事との相性も良い。	施工者の技術力に左右されやすく、精度が低いと耐久性に影響する。
シート防水	工期が短く、シート材の品質が安定しやすい。コストパフォーマンスも良い。	凹凸のある場所には不向きで、つなぎ目部分が劣化しやすい。
FRP防水	硬化が早く、高耐久で軽量。小規模屋上やベランダに適している。	広い面積ではコストが高くなりやすく、施工効率も下がる。
アスファルト防水	最も耐久性が高く信頼性のある工法。大規模建築物で長期耐用を期待できる。	重量があるため建物への負担が大きく、施工に高度な技術が必要。

施工価格を安く抑えるための3つのポイント

防水工事はまとまった費用がかかるため、できる限り効率よくコストを抑える工夫が欠かせません。特に三階だての陸屋根は足場代や施工環境の影響で通常よりも割高になる傾向があるため、計画的に工夫することが大切です。

ここでは、実践的に取り入れやすく効果的な3つのポイントを紹介し、それぞれの具体的な活用方法も解説します。

ポイント1：複数の業者から相見積もりを取る

1社だけの見積もりでは相場感がつかめず、不当に高額な工事を契約してしまう可能性があります。最低でも3社以上から見積もりを取り、費用・工法・保証内容を比較することが大切です。

また、現地調査の丁寧さや見積もり内容の内訳もチェックし、後から追加費用が発生しないかを見極めることがポイントです。口コミや過去の施工実績を確認するのも有効です。

ポイント2：補助金・助成金制度を活用する

国の「長期優良住宅化リフォーム推進事業」などの制度や、各自治体独自の補助金制度を利用すれば費用を軽減できます。例えば東京都足立区では、省エネ改修や防水工事の一部を対象にした助成金制度があります。工事前に自治体の公式サイトや窓口で必ず確認しましょう。

申請には工事内容の詳細書類や写真が必要になることも多く、スケジュールに余裕を持って準備するのが成功の秘訣です。

ポイント3：定期的な点検・メンテナンスを怠らない

劣化を早めに発見できれば、小規模な補修で済み、結果として大規模工事を避けられます。特にトップコートを定期的に塗り直すことで、防水層そのものを長持ちさせる効果があります。5年程度を目安に点検・補修を行うと、長期的なコスト削減につながります。

さらに、点検の記録を残しておけば将来の工事計画にも役立ち、資産価値の維持にもつながります。

優良業者を選ぶためのチェックポイント

防水工事の費用を適正に抑えるためには、信頼できる業者選びが欠かせません。特に三階だての陸屋根は工事の難易度が高く、業者の技術力や経験が工事の仕上がりを左右します。さらに、周辺環境への配慮や安全管理体制も重要な判断材料となります。

以下では、優良業者を見極める際に確認すべきチェックポイントをより詳しく紹介します。

施工実績の確認

過去に三階だて陸屋根の防水工事を数多く手掛けた実績があるかを必ず確認しましょう。実績豊富な業者は現場ごとの特性を理解しており、工事トラブルの防止策も持っています。

また、施工後の経過年数やメンテナンスの有無についても情報があれば、工事の耐久性を判断する手がかりになります。

見積もりの透明性

「防水工事一式」といった曖昧な記載ではなく、材料費・人件費・足場費用などの内訳が明確に分かれているかを確認しましょう。内訳が詳細であるほど追加費用の発生を防ぎやすくなります。

また、保証内容やアフターサービス費用が含まれているかもチェックポイントです。

現地調査の丁寧さ

優良業者は屋上だけでなく、排水溝や室内の天井、外壁の状態までしっかり調査します。調査が丁寧であれば見積もりの精度も上がり、適正価格での提案につながります。

さらに、ドローンや赤外線カメラを用いた調査を実施している業者は、劣化箇所を正確に把握できるため信頼性が高まります。

保証やアフターサービス

工事後の保証期間や定期点検の有無も重要です。不具合が発生した場合にすぐに対応してもらえる体制が整っているかどうかを事前に確認しましょう。

さらに、保証期間中に無料点検や小規模補修を行ってくれる業者であれば、長期的な安心感につながります。

有資格者の在籍

防水施工技能士などの資格を持つ職人がいる業者は、施工の品質も安定しやすく安心感があります。加えて、施工管理技士や建築士など複数の専門資格を持つスタッフがいる業者は、提案力や対応力も高く、信頼性がさらに増します。

実録！新東亜工業の施工事例｜3階建てマンションの屋上防水工事

築38年の3階建てRC造マンションにて、屋上の防水工事をご依頼いただいた事例をご紹介します。

「屋上の防水塗装が剥がれてきて不安…」「ベランダや排水溝も気になる箇所がある」

そんな不安を抱えたお客様からメールにてお問い合わせをいただき、現地調査・見積・契約・施工・引き渡しまでを実際のやり取りと共にご紹介します。

途中で工法の変更が発生した点も含め、リアルな工事の流れがわかる内容です。

ご相談内容

屋上やベランダの防水劣化、排水溝の錆、駐輪場のライン引きについてもご相談がありました。

お客様はメールでのやりとりを希望されており、現地調査と見積が無料であることを案内することで安心感を提供できました。

お客様：屋上やベランダの防水塗装が剥がれているようなので見積をお願いします。
通路の排水溝の金属蓋の交換もお願いしたいです。

担当者：現地調査・御見積は無料で行っておりますのでご安心ください。

お客様：12月12日 14時でお願いできますか？ ついでに天窓と屋根の調査もお願いします。

工事の概要｜工事金額と期間

工事金額：100万円

工期：5日間

現地調査で判明した劣化症状

屋上の防水層は部分的に切れ・膨れが見られ、塔屋屋根はより劣化が進んでいました。

一方でベランダや廊下の防水はまだ機能していると判断され、不要な工事は避ける形でご提案しました。

担当者：塔屋屋根の防水層は屋上よりも状態が悪く、以前の工事からかなり年数が経っていると思われます。

お客様：そうなんですね。やはり雨漏りしてからじゃ遅いので、防水お願いします。

担当者：防水層が生きている場所については、今回は工事しなくても大丈夫です。

施工中のやり取りと配慮

洗浄後の確認で、旧防水層の膨れが多数見つかり、急遽「通気緩衝工法」への変更を提案。

工法変更による追加費用やメリットを丁寧に説明し、納得を得て施工を進行。

室外機や物干し台の取り扱い、駐輪場ライン引きのスケジュールも調整されました。

担当者：古い防水層の膨れがあり、通気緩衝工法への変更をおすすめします。

お客様：金額によりますが、効果があるならお願いしたいです。

担当者：費用追加で対応可能です。支払いは完工時で結構です。

引き渡し時のご感想

駐輪場のライン引きを含めた全工程が完了。

お客様には仕上がりをご確認いただき、満足のご感想をいただきました。

今後のトラブル時対応についても案内し、信頼関係を築いてお引き渡しとなりました。

担当者：駐輪場のライン引きも終わり、全ての工事が完了しました。

お客様：ありがとうございます。線がとてもきれいで満足です。

担当者：今後なにかあればいつでもご連絡ください。

本工事では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、メール主体のやり取りにも柔軟に対応しました。

現地調査により劣化の状態を正確に把握し、必要な工事だけをご提案。

施工中には想定外の劣化が発見されましたが、最適な工法へ変更し、お客様の納得を得て対応。

お引き渡し後もフォロー体制を伝えることで、長期的な信頼関係を築くことができました。

工事中の各工程は写真で丁寧に記録されており、お客様も仕上がりを写真で振り返ることができました。

＼お問い合わせや工事のお見積もり無料！／

まずはメール・お電話からご相談ください！

よくある質問（FAQ）

ここでは、 三階だて陸屋根の防水工事に関するよくある質問を紹介します。

多くの方が気になる内容を集めましたので、ぜひご覧ください。

Q1. 三階だて陸屋根の防水工事はどのくらいの周期で必要ですか？

A.一般的には10〜15年ごとに防水工事を行うのが目安です。ただし、環境条件や使用している防水工法によって耐用年数は異なります。

例えばウレタン防水は10〜12年程度、シート防水は12〜15年、アスファルト防水なら20年以上持つこともあります。日当たりや降雨量、屋上の利用状況によっても劣化のスピードは変わるため、5年ごとの点検を行い、劣化サインが出たら早めに補修するのが理想です。

Q2. 防水工事の工期はどれくらいかかりますか？

A.屋上の広さや工法によって異なりますが、20〜40㎡程度の屋上であれば1〜2週間程度が目安です。天候によって延びることもあります。

また、既存防水層の撤去や下地補修が必要な場合はさらに日数が追加されます。特に梅雨や台風シーズンは工期が延びやすいため、工事の時期をずらすことでスムーズに進められるケースもあります。

Q3. 足場代はどのくらいかかりますか？

A.三階だての場合、足場代だけで数十万円になることが一般的です。工事総額の2〜4割を占めることもあります。敷地条件や建物の形状によっては、防護ネットや養生シートの設置費用が追加される場合もあり、見積もり時には必ず確認する必要があります。

足場代を節約するためには、防水工事と同時に外壁塗装など他の工事をまとめて実施するのも一つの方法です。

Q4. 補助金や助成金は誰でも使えますか？

A.国や自治体の制度は条件付きで利用できます。住宅の所有状況や工事内容によって対象外になる場合もあるため、事前に確認が必要です。

例えば「長期優良住宅化リフォーム推進事業」では一定の省エネ性能向上が条件となり、自治体の制度では居住年数や施工業者の登録有無が条件になるケースもあります。申請には見積書や工事計画書、施工写真が必要になる場合が多いため、余裕を持った準備が大切です。

Q5. 防水工事中は屋上を使えますか？

A.工事中は基本的に立ち入りできません。室外機やアンテナを移動する場合は一時的に使用できないこともあります。さ

らに、防水材の乾燥や硬化中は施工箇所に荷重をかけられないため、ベランダや屋上を物置や洗濯干し場として使っている場合は注意が必要です。施工業者と事前にスケジュールを調整し、代替手段を用意すると安心です。

Q6. 防水工事を依頼する際に気をつけることは？

A.見積もりの内訳が明確であるか、施工実績が豊富か、保証やアフターサービスが整っているかを必ず確認しましょう。

また、工法ごとのメリット・デメリットをしっかり説明してくれるかどうかも業者を見極めるポイントです。さらに、防水施工技能士などの有資格者が在籍しているかや、アフター点検の頻度についても確認しておくと安心です。

三階だて陸屋根における防水工事の価格を把握して工事を成功させよう｜まとめ

三階だて陸屋根の防水工事は、費用や施工リスクが通常より高くなる傾向にあります。しかし、工法ごとの特徴を理解し、相見積もりや補助金の活用、定期的なメンテナンスを徹底すれば、費用を抑えつつ建物の寿命を延ばすことが可能です。さらに、優良業者を見極めて依頼することで、安心して工事を進めることができます。

• 工法ごとの特性を把握し、自分の建物に適した施工方法を選ぶ
• 複数業者の比較で費用や内容を検討し、適正価格で依頼する
• 補助金や助成金の活用で初期費用を軽減する
• 定期点検・トップコート再塗装で防水層を長持ちさせる
• 保証や実績豊富な業者を選び、長期的な安心を得る

上記ポイントを押さえながら、計画的な工事とメンテナンスで、三階だて陸屋根の寿命を延ばしていきましょう。