
店舗の防水工事はなぜ重要?工事の種類や費用を徹底解説
2025/07/24
店舗は、住宅以上に水まわりや湿気への対策が重要です。漏水や雨漏りによって商品や設備が破損してしまうと、営業の継続が困難になるだけでなく、顧客からの信頼を失う大きな要因となります。さらに、水漏れによる建物内部の腐食やカビの発生は、衛生面・安全面の観点からも深刻な問題を引き起こします。
特に飲食店・美容室・整骨院・アパレルショップなど、不特定多数の顧客が出入りする店舗では、快適で清潔な環境を維持するためにも、防水対策が欠かせません。
本記事では、なぜ店舗に防水工事が必要なのか、その具体的な種類や費用・施工時の注意点などについて、わかりやすく解説します。
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目次
店舗に防水工事が必要な理由とは?
店舗は一般住宅と異なり、来客数が多く水を使用する設備も多いため、湿気や漏水のリスクが高まります。特に商業テナントでは、施設の老朽化や内装リフォーム時の施工不良などが原因で、水回りトラブルが発生しやすくなります。
ここでは、店舗特有の防水工事の必要性について詳しく解説します。
飲食店・美容室・整骨院など水を使う業態は特に注意
厨房や洗面スペースを備えた業態では、水の使用頻度が非常に高くなり、排水溝の詰まりや床面の浸水といったトラブルが日常的に発生するリスクがあります。加えて、油や薬品などの特殊な成分が床面に付着するケースも多く、防水性能が低下しやすい傾向にあります。定期的な防水点検と早めの対処が不可欠です。
漏水による営業被害・機器損傷・階下クレーム事例
実際に漏水が起きてしまうと、厨房機器のショート、電気設備の故障、床材の腐食など、連鎖的に被害が広がる可能性があります。さらに、階下テナントに水漏れが及んだ場合は、営業補償や損害賠償を求められることもあり、金銭的な負担が大きくなるケースも少なくありません。営業停止に追い込まれることもあるため、未然に防ぐことが何より重要です。
賃貸物件における責任範囲の問題
多くの店舗は賃貸物件として入居しているケースが多く、建物自体の管理はオーナー側の責任でも、内装設備や排水・給水設備などの不具合は借主の責任とされることが一般的です。特に防水に関しては、契約書の管理範囲をしっかりと確認しておく必要があります。自店舗の設備を守るだけでなく、近隣トラブルを未然に防ぐ意味でも、自主的な防水工事の導入が推奨されます。
店舗でよく採用される防水工事の種類と費用
店舗で使用される防水工法は、用途や立地、建物構造、そして使用頻度などにより最適なものを選ぶ必要があります。以下では、代表的な防水工法を4つご紹介し、それぞれの特徴と適した施工場所について詳しく解説します。
ウレタン防水
液体状の防水材を塗布して施工するウレタン防水は、柔軟性があり複雑な形状にも対応できるのが特徴です。重ね塗りが可能で、メンテナンス時の工期も比較的短く抑えられます。厨房やトイレの床といった内装部に多用され、コストパフォーマンスにも優れています。
FRP防水
ガラス繊維で強化されたプラスチック素材を使用するFRP防水は、非常に高い強度と耐摩耗性、耐薬品性を持ち合わせています。硬化後は硬質で頑丈になり、衛生管理が求められる場所に適しています。水を多用するエリアや頻繁な清掃が必要な環境で活躍します。
シート防水
合成ゴムや塩ビ素材のシートを接着剤や加熱溶着によって固定するシート防水は、広範囲への施工に適しており、屋上やバルコニーなどの外部構造に多く用いられています。工期が短く、施工による騒音やにおいも少ないため、営業中の店舗にも配慮しやすい工法です。
アスファルト防水
長年にわたり商業施設や大型ビルで使われてきたアスファルト防水は、熱工法・常温工法など多様な施工方法があり、厚みを確保することで耐久性を高められます。防水性能が長期間にわたって安定するため、大規模施設や地下構造のような過酷な環境にも対応可能です。
防水工事の種類別比較表
工法 | 適用箇所 | 耐久年数目安 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|---|---|
ウレタン防水 | 厨房・トイレ床 | 約10年 | 4,000〜6,000円 |
FRP防水 | トイレ・厨房・洗面所 | 約10〜12年 | 5,000〜7,000円 |
シート防水 | 屋上・バルコニー | 約10〜15年 | 4,000〜6,000円 |
アスファルト防水 | 屋上・地下構造物 | 約15〜20年 | 5,500〜8,000円 |
※費用や耐久年数は目安であり、現場の状況・施工環境・使用材料によって前後します。
店舗の防水工事にかかる費用相場と見積もり時の注意点
防水工事にかかる費用は、使用する工法の種類、施工面積、既存の下地状態、立地条件、建物の形状や階層などによって大きく変動します。店舗のように営業を続けながら工事を行う場合、施工手順に工夫が必要なこともあり、追加コストが発生するケースも少なくありません。
ここでは、代表的な価格帯や、見積もりを依頼する際に注意すべきポイントについて、具体例を交えて詳しく解説します。
工法別・面積別の価格相場
たとえば厨房やトイレの床に10㎡ほどウレタン防水を施す場合、材料費と人件費を含めておよそ5万円〜7万円程度が相場とされています。FRP防水はより高耐久かつ高性能な分、施工単価も高めで、同じ10㎡規模でも6万円〜8万円程度を見込んでおくと安心です。
屋上やバルコニーなど広範囲を施工する場合、シート防水が採用されるケースが多く、1㎡あたりの相場は4,000円〜6,000円程度。施工面積が50㎡を超えるような中〜大規模な工事では、トータルで数十万円に達することも珍しくありません。また、アスファルト防水は1㎡あたり5,500〜8,000円程度とやや高めですが、耐久性や密着性に優れるため長期的にはコストパフォーマンスが高いと言えます。
見積もり書に記載される費用の内訳
防水工事の見積書には、単純な材料費や施工費だけでなく、さまざまな費目が含まれます。
- 材料費(防水材・プライマー・シーリング材・接着剤など)
- 人件費(職人の人数・工期による変動あり)
- 養生費(周囲の什器・設備の保護作業)
- 搬入・搬出費(資材や機材の運搬)
- 清掃・仕上げ費(施工後の清掃や点検含む)
- 雑費(交通費・廃材処理費など)
このように細かく内訳が設定されているかを確認することで、不要な水増し請求や工事の質への不安を減らすことができます。
見積もり時に確認すべきポイント
見積もりを取得する際は、費用だけでなく以下のような点も必ず確認しましょう。
- 項目が詳細に記載されているか:一式表示ではなく、何にいくらかかるのかが明示されているか
- 追加費用が発生する条件が明記されているか:工事中に下地の劣化が判明するなど、想定外の対応が必要になる可能性について明記されているか
- 保証内容と保証期間の記載:施工後の漏水などに対してどのような補償があり、保証書の発行があるか
複数業者から相見積もりを取ることも非常に効果的です。同じ条件下でも価格やサービス、説明の丁寧さが大きく異なる場合があるため、単純な金額だけでなく、対応力や信頼性も重視しましょう。
新東亜工業の施工事例|杉並区・4階建てビルの外壁塗装・防水工事
購入後まもない4階建てのビルにて、外壁の劣化や雨漏りの不安を解消するため、新東亜工業が外壁塗装・防水・下地補修を一括対応。現地調査から完工までの工程を、丁寧な会話とともにご紹介します。
工事概要【工事金額・期間】
工事金額:510万円/工期:約2か月
外壁塗装、防水(屋上・塔屋・階段室)、下地補修、目地・シーリング処理など、長年の使用によって蓄積した傷みを修復し、美観と耐久性を大幅に向上させました。
お問い合わせ〜現地調査
ご購入直後の物件に対するご不安を背景に、スピーディーに現地調査を実施。図面が手元になくても正確に対応できるのが新東亜工業の強みです。
問合せ対応と日程調整
お客様「外壁がボロボロで、雨漏りもしてそうで不安です…」
高井(担当)「明日の10時に現地で寸法を確認し、打診調査を行いましょう」
現地調査と打診調査
高井「屋上は旧塗膜が残っており、防水材が密着しません。機械固定式の塩ビシートをおすすめします」
お客様「希望は400〜500万円ですが、可能でしょうか?」
見積説明と工事内容の精査
現地調査当日中にお見積りを提出。お客様のご予算に合わせ、優先順位や工事内容の調整案をわかりやすくご提案しました。
見積提示・契約
高井「フル工事で510万円のご提案です。階段室を省けば500万円以内にも対応可能です」
お客様「では階段室を外して、税込510万円でお願いできますか?」
仕様決定と工事前の打ち合わせ
着工前に色・防水仕様・鍵・設備使用など詳細を確認。現場と施主との意思疎通を大切にする姿勢が、安心感へとつながります。
仕様の決定と細部の確認
熊倉(現場管理)「屋上扉は塗膜が厚くなるため、少し開けにくくなる可能性があります」
お客様「了解です、汚れが目立たないグレーでお願いします」
工事中の進捗と現場対応
工事期間中は、現場写真とともに報告を徹底。小さなトラブルもその場で調整・報告することで、信頼関係を強化しました。
進捗と対応例
熊倉「屋上扉の動きが悪くなったため、削って調整しました」
お客様「そんなところまで対応してくれるとは。安心です」
工事完了後の評価
見た目が生まれ変わっただけでなく、防水性・実用性にも配慮された仕上がりに、施主様から満足の声をいただきました。
熊倉「完了報告書と保証書を郵送でお届けいたします」
お客様「本当にきれいになりました。ありがとうございました」
新東亜工業では、ビルやマンションの経年劣化に伴う修繕工事を、診断から完了まで一貫対応しています。現地調査・劣化診断・お見積りは無料で、図面の有無にかかわらず正確な確認とご提案が可能です。お客様のご予算やスケジュールに寄り添いながら、最適な工法と工期をご案内。工事中は定期的な進捗報告と写真共有を徹底し、遠方からでも安心して任せていただけます。
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店舗を営業しながら防水工事は可能?
「営業を止めずに工事をしたい」というのは、多くの店舗オーナーに共通する希望です。近年では、営業継続と防水工事を両立させるために、施工店側でもさまざまな工夫や柔軟な対応が進んでいます。
ここでは、営業中でも支障なく工事を進めるための方法と配慮点を紹介します。
定休日・夜間・早朝工事への対応
多くの防水工事会社では、店舗側の営業スケジュールに配慮した施工計画を提案しています。たとえば飲食店では、定休日やアイドルタイム(14〜17時など)を狙って作業を実施することで、営業損失を最小限に抑えることができます。また、夜間や早朝の作業に対応できる業者も増えており、24時間体制での対応が可能な専門業者を選ぶとより安心です。
事前に「この時間帯なら作業が可能」「このエリアは優先してほしい」といった要望を明確に伝えることで、店舗の状況に合わせた無理のない施工計画が立てられます。
においや騒音の対策
工事の種類によっては、独特の臭気や騒音が発生することがあります。特にウレタン防水では施工中に揮発性成分が気になることもあるため、無臭タイプの材料を指定する、においがこもらないよう強力な換気を行う、施工区画をビニールシートなどで隔離するなどの対策が有効です。
また、アスファルト防水のように溶解作業を伴うものは、施工時間の調整や事前の近隣周知が不可欠です。施工業者とよく相談し、できる限り不快感を与えない工法・工程の選定を行いましょう。
店舗スタッフとの連携と動線確保
営業中に防水工事を行う場合、店舗内での動線確保とスタッフとの連携は極めて重要です。施工エリアと来店客の通行ルートを明確に分離することはもちろん、スタッフにも作業時間帯や影響範囲を周知しておくことで、混乱や苦情の発生を防げます。
仮設パーテーションや養生テープによるエリア分け、足元注意のサイン設置など、視覚的にも分かりやすい工夫を取り入れると、お客様の安心感も高まります。業者によっては現場に安全管理担当を常駐させてくれるところもあり、安全性と利便性の両立が可能です。
店舗の防水工事において信頼できる業者の選び方
防水工事の品質は材料や工法だけでなく、施工業者の技術力や対応力で大きく左右されます。店舗では営業中の配慮や工期短縮が求められるため、信頼できる業者選びが安心経営の鍵となります。
以下では、実際に業者を選ぶ際の具体的なチェックポイントを詳しく紹介します。
建設業許可・有資格者の在籍確認
まず確認すべきは、その業者が建設業許可を取得しているかどうかです。これは法令に基づいて適正な施工を行うことができる業者である証明であり、許可番号がホームページや見積書などに記載されているかを確認しましょう。
また、現場に防水施工技能士などの国家資格保有者が在籍しているかも非常に重要です。資格があるからこそ、技術的に複雑な部位の施工や、下地の診断・補修まで一貫して安心して任せられます。業者によっては、スタッフの保有資格を紹介している場合もあり、そのような情報は信頼性の裏付けとなります。
店舗施工の実績と施工事例の確認
店舗における防水工事は、住宅や工場などとは異なる特有の配慮が必要です。たとえば、営業時間中の施工調整や、動線の確保、設備の保護、顧客への影響最小化など、経験がものを言う場面が数多くあります。したがって、過去にどのような業態の店舗で工事を行ってきたのか、事例写真やクチコミ、実名の施工例などを確認しましょう。
とくに以下のような情報をチェックしておくと安心です。
- 飲食店・美容室・整骨院などの事例があるか
- 夜間・定休日施工の実績
- 使用した防水工法と施工期間の記載
見積もりや説明の丁寧さ
信頼できる業者は、現地調査から見積もり提出、契約、施工完了まで一貫して誠実に対応します。特に初回のヒアリングや現場調査では、どの点を重視して調査しているか、問題箇所の説明、工法ごとのメリット・デメリットの提示が丁寧であることが重要です。
さらに、見積書が「一式表記」ではなく、材料費や人件費、養生費、清掃費などが細かく分かれて記載されているかも、業者の信頼性を判断するポイントとなります。
保証とアフターフォローの充実度
工事が終わった後も、万が一の漏水や膨れ、ひび割れなどが発生する可能性はゼロではありません。そのため、施工後の保証が明文化されているか、保証期間が何年であるか、定期点検の有無などを確認しておくことが大切です。
多くの業者では3年〜10年の保証を用意していますが、保証内容が曖昧だったり、口約束にとどまるような場合は注意が必要です。保証書の発行、写真付きの施工記録の提出、万一の際の対応フローなどが明確であれば、信頼できる業者と言えます。
また、保証期間が終わった後でも、点検や小修繕に対応してくれるアフターサービスが整っているかどうかも見ておきましょう。
店舗における防水工事のよくある質問(FAQ)
店舗における防水工事のよくある質問を紹介します。参考にしてみてください。
Q1. 防水工事の工期はどれくらいかかりますか?
A.工法や面積によって異なりますが、小規模な厨房床であれば1〜2日、大規模な屋上施工では3〜5日が目安です。さらに下地補修が必要な場合や、施工日を分割して対応するケースでは、全体のスケジュールが1週間前後に延びることもあります。あらかじめ現地調査時に正確な工程表を出してもらいましょう。
Q2. 営業しながらでも工事できますか?
A.可能です。近年は夜間・早朝・定休日対応の防水業者も増えており、スケジュールを柔軟に調整することで営業への支障を最小限に抑えることができます。ただし、臭いや音、動線の確保などに注意が必要なので、施工中の配慮については必ず事前に業者とすり合わせを行いましょう。経験豊富な業者であれば、営業継続と施工を両立させる実績が豊富です。
Q3. 防水工事後の保証はありますか?
A.はい、あります。多くの業者では3〜10年の保証期間を設けており、保証内容には雨漏りや剥離などへの対応が含まれます。契約時には必ず保証書を発行してもらいましょう。さらに、保証期間中の点検サービスや、万一のトラブル時の連絡体制が整っているかどうかも併せて確認することで、より安心して任せることができます。
店舗の防水工事は計画的に進めよう|まとめ
店舗の防水工事は、雨漏りや水漏れを防ぐだけでなく、店舗の安全性や快適な環境を維持するために欠かせない重要なメンテナンスです。防水機能が低下すると、設備の故障や床の劣化、さらには衛生面の問題が発生し、結果的に営業に大きな支障をきたす恐れがあります。特に飲食店や美容室など、水を頻繁に使用する業種では、早期の点検と迅速な修繕が非常に重要です。
専門業者による現地調査を受け、信頼できる業者と十分に相談しながら工事を進めることで、安心して店舗運営を続けることが可能です。また、営業中の施工に対応できる業者を選ぶことで、営業への影響を最小限に抑えられます。
防水工事は単なるコストではなく、将来的なトラブル回避や店舗の長寿命化に繋がる大切な投資として、計画的に進めることが大切です。