ダイフレックスのゴムシート+ウレタン防水とは?ハイブリッド防水の特徴・施工方法・費用を解説

2025/08/08

建物の屋上や外壁を雨水から守るために欠かせない防水工事。中でも「ゴムシート」と「ウレタン防水」を組み合わせたハイブリッド防水は、耐久性と柔軟性を兼ね備えた注目の工法です。特に、過酷な気象条件下でも安定した性能を発揮できることから、近年多くの建物で採用されています。

そして、このハイブリッド防水において高い評価を得ているのが、国内建築材料メーカー「ダイフレックス」の製品群です。同社は防水材の研究開発と改良を重ねており、プロの施工業者にも支持されています。本記事では、ダイフレックス製品を用いたハイブリッド防水の特徴から、施工の流れ、費用の目安、業者選びまで詳しく解説していきます。

ダイフレックスとは?防水材メーカーとしての信頼性

ダイフレックスは、建築防水業界において長年の信頼と実績を誇る国内メーカーです。製品の品質の高さだけでなく、現場での使いやすさや技術サポートにも定評があります。ここでは、ダイフレックスの会社概要と防水分野における特長について解説します。

会社概要と主力製品

ダイフレックス(シーカ・ジャパン株式会社)は1955年に創業された日本の建築用材料メーカーで、防水材や接着剤、シーリング材を中心に多彩な製品を展開しています。特にウレタン塗膜防水材やゴムシート系防水材は、国内の多くの現場で採用されており、JIS規格や建築基準法に準拠した高品質製品が揃っています。

また、技術開発力にも優れており、常に現場のニーズに応じた製品改良を行っている点も特筆すべきポイントです。住宅から大規模建築物まで幅広く対応できる製品群を揃えており、多様な現場で安定したパフォーマンスを発揮します。

引用・参考シーカ・ジャパン株式会社

ダイフレックスが支持される理由

ダイフレックスの製品は、実際の現場の声を反映しながら改良が加えられており、耐久性、施工性、安全性に優れた設計がされています。また、多くの施工業者から信頼されている背景には、アフターサポートや技術研修体制の充実も挙げられます。

さらに、全国にネットワークを持ち、技術サポートを受けられる体制が整っているため、地方の現場でも安心して導入できる点も大きな魅力の一つです。メーカーによる定期点検プログラムや施工保証制度もあるため、品質管理の面でも信頼性が高いと言えます。

ゴムシート防水+ウレタン防水とは?ハイブリッド工法の特徴

防水性と柔軟性を兼ね備えた防水工法として、ゴムシート防水とウレタン防水を組み合わせたハイブリッド工法が注目されています。ここでは、それぞれの防水工法の特性とハイブリッドによるメリット・デメリットを詳しく紹介します。

それぞれの防水工法の概要と役割

ゴムシート防水は、主にEPDMなどの高耐久ゴムシートを建物の屋上などに敷き詰める防水工法で、安定した厚みと優れた耐候性が特長です。一方、ウレタン防水は液状の防水材を塗布して硬化させることで、防水層を形成する工法です。

防水工法特徴適した部位耐用年数
ゴムシート防水張り付け式で厚みが安定広面積の屋上や屋根約15〜20年
ウレタン防水塗膜タイプで密着性が高い複雑な形状・立ち上がり部約10〜15年

ゴムシートは均一な仕上がりが可能で、工場出荷時に品質が安定していますが、複雑な部位への対応が苦手です。反対にウレタン塗膜は現場で自由に塗布できるため、立ち上がりや入隅といった細部まで対応可能です。これらを組み合わせることで、両者の長所を活かしながら、防水性能をさらに高めることが可能です。

ハイブリッド工法のメリットと課題

メリット

  • シートによる防水性能の安定性と確実性
  • ウレタンによる複雑形状部への密着性と柔軟性
  • 全体としての耐久性とメンテナンス性の向上
  • 適切に施工すれば長寿命かつトラブルが少ない

デメリット

  • 材料費・施工費が単独工法より高め
  • 熟練した施工業者が必要で業者選びが重要
  • シートと塗膜の接合部などに特別な配慮が必要

ダイフレックスの主な製品ラインナップと特徴

ダイフレックスが展開する防水製品は多岐にわたりますが、ここでは特にゴムシート防水とウレタン防水において代表的な製品をご紹介します。それぞれの性能や用途を知ることで、適切な製品選定に役立ちます。

DSルーフシリーズ(ゴムシート)

DSルーフシリーズは、高強度EPDMシートで構成されており、優れた伸縮性と耐候性が特徴です。高層ビルや学校、病院などの屋上に多数採用されており、施工の安定性と耐用年数の長さが評価されています。

また、耐オゾン性や紫外線耐性も高く、長期にわたり機能を維持できることから、メンテナンス周期が長いのもメリットです。下地の動きにも柔軟に追従するため、クラックの発生リスクを低減できます。

エバーコートZero-1H(ウレタン塗膜)

エバーコートZero-1Hは、一液湿気硬化型のウレタン塗膜材で、施工性に優れており、狭小部や立ち上がりなどにも対応できます。環境対応型で、低臭・低VOC仕様のため、居住中の建物にも適しています。

塗膜の弾性が高く、外部からの振動や温度変化にも強いため、厳しい環境下でも高い防水性能を発揮します。工期の短縮が可能な点も、施工現場において大きな利点です。

複合防水仕様例(例:DSルーフ+Zero-1H)

  • ゴムシートを全面に敷設し、接合部や立ち上がりにはウレタン塗膜を重ね塗りする構成。
  • 雨仕舞の強化やシート端部の補強に有効。
  • 高い防水性能と長期耐用性を両立。
  • 下地の動きや経年劣化に対する追従性も確保できる。

施工の流れとポイント

ハイブリッド防水工法は、複数の工程を正確に行うことで高い防水性能が得られます。ここでは、施工前の下地処理からゴムシートとウレタン塗膜の具体的な施工手順まで、押さえておきたいポイントを解説します。

施工前の準備と下地処理

  • 高圧洗浄やケレン作業で下地を清掃
  • ひび割れや欠損部の補修
  • プライマーで下地を密着させる
  • 下地の乾燥状況もチェックして施工環境を整える

ゴムシートの施工

  • 接着工法または機械固定方式
  • 継ぎ目には溶着処理を行い、完全な一体化を図る
  • ドレンまわりや端部は特に丁寧に施工
  • 浮き・しわが生じないよう注意深く張り込み

ウレタン塗膜の施工

  • 通常2〜3層の重ね塗り
  • 立ち上がり部や入隅には刷毛やローラーで均一に塗布
  • 乾燥・養生期間を十分に設ける
  • 雨天前後の施工は避け、環境に配慮した施工計画が必要

費用相場と見積もりのポイント

ハイブリッド防水工法を検討する際、多くの方が気になるのが費用面です。ここでは、ゴムシート防水とウレタン防水それぞれの単価の目安と、ハイブリッド構成にした場合の想定コストを紹介します。

工法単価目安(㎡)耐用年数
ゴムシート防水約5,000〜7,500円約15〜20年
ウレタン防水約4,500〜6,500円約10〜15年
ハイブリッド防水約6,500〜9,000円約18〜25年(部位による)

※建物の形状や下地の状況、施工範囲、部材の選定などによって価格は大きく変動します。正確な見積もりは、現地調査と仕様確認が必要です。

適用される建物・場所とハイブリッド防水の相性

ハイブリッド防水は、単体工法ではカバーしきれない細部や耐久性の面で非常に有効です。以下のような建物や条件下での採用が推奨されます。

向いている建物・部位

  • 面積が広く、かつ形状が複雑なビル屋上
  • 転落防止柵やドレン周りなど、立ち上がり部の多い屋上
  • 学校・病院・公共施設など、長期耐用年数が求められる施設
  • 既存のシート防水と相性のよいリニューアル工事

避けた方がよいケース

  • 下地が非常に脆弱で、下地処理に多くの費用がかかる建物
  • 予算が限られており、短期的な修繕を優先したい場合

業者選びで失敗しないためのチェックポイント

ハイブリッド防水は高度な施工管理と技術が必要です。施工不良による漏水や早期劣化を防ぐため、業者選びは慎重に行いましょう。

チェックすべき項目

  • ゴムシート・ウレタンの双方の工法に精通しているか
  • ダイフレックス製品の認定施工店であるか
  • 過去の施工実績(同様の構成)が豊富か
  • アフターフォロー体制(保証年数・定期点検)があるか

推奨:複数社での相見積もり

仕様の確認、材料グレードの差異、施工体制の明確化などができるため、同条件で複数社に見積もりを依頼するのが理想です。

よくある質問(FAQ)

Q. ゴムシートとウレタン、どちらがメインになりますか? A. 基本的にはゴムシートが主構成で、立ち上がりや複雑部位にウレタンを使う補完構成が主流です。

Q. ハイブリッド工法にする必要はありますか? A. 平面部だけでなく立ち上がり部も含めて一体化した防水をしたい場合や、長期耐用を求める建物では有効です。

Q. 自分で施工することは可能ですか? A. シートの張り込みやウレタンの均一塗布には高度な技術が必要で、DIYには不向きです。

Q. 他メーカーと比較した場合、ダイフレックスの利点は? A. 国内製造による安定供給、高品質材料、長期保証の体制が揃っており、施工業者の信頼も厚い点が挙げられます。

まとめ|耐久性と柔軟性を両立する賢い防水工法

ダイフレックスの製品を活用した「ゴムシート+ウレタン防水」のハイブリッド工法は、施工性と仕上がりの信頼性、そして長期耐久性において非常に優れた選択肢です。費用はやや高めですが、ライフサイクルコストで見れば十分にメリットがあります。

施工には高度な専門知識が必要なため、信頼できる施工業者への依頼が不可欠です。長く安心して建物を使うために、ぜひハイブリッド防水の導入を検討してみてください。

新東亜工業公式サイトへ