屋上防水改修工事の請負業者選び完全ガイド|失敗しない業者選定と工事の基本知識

2025/07/24

屋上の防水改修工事は、建物の耐久性を保ち、雨漏りなどの被害を未然に防ぐために欠かせない重要なメンテナンス工事です。しかし、専門性が高く費用もかかるため「どこに頼めばいいのか分からない」と悩む方も少なくありません。

この記事では、屋上防水改修工事の基本知識から、信頼できる請負業者の選び方、工事の流れ、費用相場、トラブル対策までをわかりやすく解説します。初めての方も、見積もりを比較中の方も、この記事を読めば失敗しない業者選びができるはずです。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼・メール・お電話でお受け致しております

目次

屋上防水改修工事とは?|目的と重要性を知っておこう

屋上防水改修工事とは、経年劣化した既存の防水層を修復・再施工することで、雨水の侵入を防ぎ、建物全体の寿命を延ばすための工事です。

防水層は時間の経過とともに、ひび割れ・膨れ・剥離などが生じ、やがて雨漏りや内部腐食の原因となります。これを防ぐために、10〜15年を目安に防水層を改修するのが一般的です。

主な防水工法と特徴

工法特徴
ウレタン防水液状で塗布するため複雑な形状にも対応可、継ぎ目がない
シート防水(塩ビ・ゴム)耐久性が高く施工が早い、下地が平滑である必要あり
アスファルト防水高耐久で公共建築物にも使用、施工時の臭いや火気管理に注意

建物の立地・形状・予算に応じて、最適な工法を選定することが重要です。また、既存の防水層を撤去する「全面改修」と、上から施工する「重ね工法(カバー工法)」でも工期・コストに違いが出ます。

参考文献:一般社団法人 日本防水協会 防水について

防水改修工事を請け負う業者のタイプと特徴

防水工事を依頼できる業者には、いくつかのタイプがあります。それぞれ得意分野や対応力が異なるため、建物の用途や工事の目的に合わせた選定が必要です。

防水改修工事を請け負う業者のタイプと特徴 | 防水工事専門業者

  • 専門資格を持った職人が多く在籍
  • 工法や資材の知識が豊富で技術力が高い
  • 施工だけでなく診断や提案も的確

防水改修工事を請け負う業者のタイプと特徴 | リフォーム会社

  • 防水工事以外の外装・内装工事と並行して依頼可能
  • ワンストップで複合リフォームを希望する場合に向いている
  • 担当者の防水知識が浅いケースもある

防水改修工事を請け負う業者のタイプと特徴 | ゼネコン・工務店

  • 大規模施設や複雑な案件でも対応可
  • 工事管理のノウハウがあり安心感がある
  • 下請けに依頼することも多く、直接施工ではない場合も

それぞれにメリットがありますが、重要なのは「現場の状況を正確に診断し、適切な工法を提案・施工できるかどうか」です。

信頼できる請負業者の見極め方|6つのチェックポイント

防水改修工事を成功させるには、業者選びが何より重要です。ここでは信頼できる業者を見極めるために、押さえておくべき6つのポイントを紹介します。

信頼できる請負業者の見極め方 | 1. 施工実績と専門資格

これまでに手がけた現場の数や種類は、技術力と対応力を見極める大きなヒントになります。また「防水施工技能士」「建築施工管理技士」などの資格保有者が在籍しているかも確認しましょう。

信頼できる請負業者の見極め方 | 2. 明瞭な見積書の提示

材料費・人件費・諸経費などが明確に分かれて記載されているかをチェック。一式見積りは要注意です。

信頼できる請負業者の見極め方 | 3. 保証とアフター体制

10年保証などをうたう業者も多いですが、実際の内容(補修範囲・定期点検の有無)を契約前に確認しましょう。

信頼できる請負業者の見極め方 | 4. 現地調査の丁寧さ

調査が短時間で済む、質問にあいまいな回答しかしない業者は不安です。丁寧な診断をしてくれるかどうかを見極めましょう。

信頼できる請負業者の見極め方 | 5. 工事工程とスケジュールの説明力

依頼者にとって分かりやすく、納得できる形で工程表や工期を提示できる業者は信頼度が高いです。

信頼できる請負業者の見極め方 | 6. 口コミ・第三者評価

Googleレビューや建設業者評価サイトでの評判も参考にしましょう。知人の紹介も信頼材料になります。

屋上防水改修工事の流れと期間

工事の流れを把握しておくことで、スムーズな進行と予期せぬトラブルの回避につながります。特に集合住宅や商業施設では、近隣住民への配慮や管理組合との調整も必要となるため、あらかじめ全体の流れを把握しておくことが重要です。ここでは一般的な改修工事のステップと、それぞれの期間の目安を紹介します。

屋上防水改修工事の流れと期間 | 1. 現地調査・診断(1日)

まずは施工予定の屋上を業者が実際に訪れて調査し、防水層の劣化状況や下地の状態を確認します。写真撮影や測量、雨水排水の状況もチェックし、必要な補修範囲や適切な防水工法を提案します。ここでの診断精度が、その後の見積もりや施工の質に直結するため非常に重要です。

屋上防水改修工事の流れと期間 | 2. 見積提出・契約(1〜2週間)

診断結果をもとに詳細な見積書が提出されます。見積書には、工法、施工面積、使用資材、工程表、保証内容、支払い条件などが記載され、すべてに納得した上で契約を締結します。建物の管理組合などを通す場合には、合意形成や承認に時間を要することもあります。

屋上防水改修工事の流れと期間 | 3. 施工準備(数日)

工事開始前には、足場の設置や資材の搬入、近隣住民への工事案内などの準備作業を行います。マンションなどでは管理人や住民への説明会が開かれることもあります。準備の丁寧さは、その後の工事中のトラブル回避にもつながります。

屋上防水改修工事の流れと期間 | 4. 防水工事本体(5〜10日)

いよいよ本格的な施工フェーズに入ります。旧防水層の撤去、下地処理、防水層の塗布や貼り付けといった工程が順を追って実施されます。使用する防水材の種類や建物の構造によって工程が変わるため、工程表通りに進むよう日々の進捗管理が欠かせません。

屋上防水改修工事の流れと期間 | 5. 完了検査・引き渡し(1日)

施工完了後は、現場責任者や施主立ち会いのもと最終検査が行われます。不備がないかを確認し、問題がなければ保証書や報告書を発行して引き渡しとなります。

全体の所要期間はおおよそ1〜2週間程度が目安ですが、建物の規模・形状・天候などにより変動します。工期の見通しを立てる際は、雨天による中断なども想定して余裕をもたせましょう。

実録!新東亜工業の施工事例|3階建てマンションの屋上防水工事

築38年の3階建てRC造マンションにて、屋上の防水工事をご依頼いただいた事例をご紹介します。
「屋上の防水塗装が剥がれてきて不安…」「ベランダや排水溝も気になる箇所がある」
そんな不安を抱えたお客様からメールにてお問い合わせをいただき、現地調査・見積・契約・施工・引き渡しまでを実際のやり取りと共にご紹介します。
途中で工法の変更が発生した点も含め、リアルな工事の流れがわかる内容です。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

お問い合わせはメールで始まりました。屋上やベランダの防水劣化、排水溝の錆、駐輪場のライン引きについてもご相談がありました。
お客様はメールでのやりとりを希望されており、現地調査と見積が無料であることを案内することで安心感を提供できました。

お客様:屋上やベランダの防水塗装が剥がれているようなので見積をお願いします。
通路の排水溝の金属蓋の交換もお願いしたいです。

担当者:現地調査・御見積は無料で行っておりますのでご安心ください。

お客様:12月12日 14時でお願いできますか? ついでに天窓と屋根の調査もお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

屋上防水工事 施工前

屋上防水工事 施工後


建物種別 3階建てマンション(RC造)
所在地 東京都(詳細非公開)
工事内容 屋上・塔屋・庇の防水工事、排水溝蓋交換、駐輪場ライン引き
工法 通気緩衝工法(当初は密着工法予定)
その他特記事項 天窓・廊下清掃・駐輪場区画調整含む

工事金額:100万円

工期:5日間

 

現地調査で判明した劣化症状

屋上の防水層は部分的に切れ・膨れが見られ、塔屋屋根はより劣化が進んでいました。
一方でベランダや廊下の防水はまだ機能していると判断され、不要な工事は避ける形でご提案しました。

担当者:塔屋屋根の防水層は屋上よりも状態が悪く、以前の工事からかなり年数が経っていると思われます。

お客様:そうなんですね。やはり雨漏りしてからじゃ遅いので、防水お願いします。

担当者:防水層が生きている場所については、今回は工事しなくても大丈夫です。

施工中のやり取りと配慮

洗浄後の確認で、旧防水層の膨れが多数見つかり、急遽「通気緩衝工法」への変更を提案。
工法変更による追加費用やメリットを丁寧に説明し、納得を得て施工を進行。
室外機や物干し台の取り扱い、駐輪場ライン引きのスケジュールも調整されました。

担当者:古い防水層の膨れがあり、通気緩衝工法への変更をおすすめします。

お客様:金額によりますが、効果があるならお願いしたいです。

担当者:費用追加で対応可能です。支払いは完工時で結構です。

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

新東亜に相談する

引き渡し時のご感想

駐輪場のライン引きを含めた全工程が完了。お客様には仕上がりをご確認いただき、満足のご感想をいただきました。
今後のトラブル時対応についても案内し、信頼関係を築いてお引き渡しとなりました。

担当者:駐輪場のライン引きも終わり、全ての工事が完了しました。

お客様:ありがとうございます。線がとてもきれいで満足です。

担当者:今後なにかあればいつでもご連絡ください。

本工事では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、メール主体のやり取りにも柔軟に対応しました。
現地調査により劣化の状態を正確に把握し、必要な工事だけをご提案。
施工中には想定外の劣化が発見されましたが、最適な工法へ変更し、お客様の納得を得て対応。
お引き渡し後もフォロー体制を伝えることで、長期的な信頼関係を築くことができました。

費用相場と工事内容の比較

防水工事にかかる費用は、工法の種類や施工面積、建物の構造、作業環境によって異なります。目安となる単価を理解しておくことで、相見積もりの際に「高すぎる・安すぎる」の判断がしやすくなります。

工法㎡単価の目安耐用年数特徴
ウレタン防水約4,500〜7,500円約10〜12年複雑な形状にも対応しやすく継ぎ目がない
塩ビシート防水約5,000〜8,500円約13〜15年耐久性が高く、施工スピードも速い
アスファルト防水約6,000〜10,000円約15〜20年高耐久。厚みがあり重量が増す

※上記単価には材料費・施工費が含まれますが、足場設置費や廃材処理費、管理費などは別途必要となる場合があります。

その他の費用に影響する要素

実際の見積もりにおいては、以下のような条件も費用を左右する要因になります:

  • 建物の高さ・形状:高層階では足場の組み立てや作業の難易度が上がり、コストも上昇傾向にあります。
  • 周囲のアクセス状況:狭小地や交通量の多い地域では資材搬入・作業時間が制限され、追加費用が発生することもあります。
  • 下地補修の有無や劣化の度合い:劣化が進行している場合、下地の補修費用が加算されるケースがあります。

費用を抑えるためには、状態に応じた適正な工法を選び、必要以上の施工を避けることもポイントです。

防水改修工事でよくあるトラブルとその対策

防水工事は一見シンプルなようでいて、トラブルが発生しやすい工事でもあります。施工不良が起きた場合、雨漏りやカビ、建材の腐食など深刻な問題に発展するため、事前のリスク回避が大切です。以下に、実際によくあるトラブルとその回避策を紹介します。

防水改修工事のトラブル対策 | 契約内容と実際の工事が異なる

トラブル例:「契約したはずの工法とは別の材料を使われた」「施工面積が削られていた」など。

対策: 契約書に詳細な仕様・使用資材・工法名を明記しておくことが基本です。口頭説明や曖昧な文言ではなく、文書による確認と保管が重要です。

防水改修工事のトラブル対策 | 異常に安い見積もりで手抜き施工

トラブル例: 極端に安価な見積もりで契約した結果、必要な下地補修を省略された。

対策: 相場より極端に安い金額には必ず理由があります。工事項目ごとの内訳があるか、安さの理由に妥当性があるかを慎重に確認しましょう。

防水改修工事のトラブル対策 | 工期の大幅な遅延

トラブル例: 工事が1週間以上延び、居住者や業務に支障が出た。

対策: 工期と予備日を含めたスケジュールを契約時に明示し、遅延時の対応(報告義務・損害補償等)も記載しておくことでトラブルを防げます。

防水改修工事のトラブル対策 | 施工不良や保証未対応

トラブル例: 施工後すぐに雨漏りが再発したが、保証を理由に対応を断られた。

対策: 保証内容の口頭説明ではなく、文書で保証書を発行してもらいましょう。範囲・期間・対応手順などを明確にしておくことが大切です。

屋上防水改修工事の請負業者選びでよくある質問(FAQ)

屋上防水改修工事の請負業者選びでよくある質問について紹介します。参考にしてみてください。

Q1. 防水改修工事はどの季節に行うのが最適ですか?

A. 一般的には「梅雨を避けた春や秋」が最適とされています。気温や湿度が安定しているため、防水材が乾燥・硬化しやすく、工期も予定通り進みやすくなります。ただし、信頼できる業者であれば夏や冬でも適切な施工が可能です。天候リスクも加味してスケジュールを組むのがポイントです。

Q2. 工事中は建物の屋上や室内に入れなくなりますか?

A. 屋上には原則として立ち入りできなくなりますが、建物の室内部分には通常通り立ち入ることができます。ただし、騒音やにおい、資材の搬入作業などで一時的に不便を感じることもあるため、事前に施工会社と生活への影響範囲を共有し、必要に応じて配慮してもらうことが重要です。

Q3. 見積書を見ても素人にはわかりにくいのですが、どう比較すればいいですか?

A. 各業者の見積書では「工事項目の内訳が細かく記載されているか」をチェックしましょう。特に、材料費・人件費・保証費・足場費用などが明記されているかがポイントです。不明点は遠慮せず質問し、説明力のある業者を選ぶことで安心して工事を任せることができます。

屋上防水改修工事を成功させるためのポイント | まとめ

屋上防水改修工事は、建物の寿命や快適性、資産価値に直結する重要な工事です。費用も手間もかかる分、失敗したくないという方が多いはず。ここで紹介するポイントをおさえておけば、安心して工事を進めることができます。

  • 建物の状況に適した工法を選定する:現地調査を丁寧に行い、現状に合った最適な工法を提案できる業者を選びましょう。
  • 複数社から見積もりを取得し、内容と価格を比較する:相見積もりは適正価格を知る基本です。価格差の理由を理解することも大切です。
  • 見積・契約内容・保証書の明細をきちんと確認する:記載内容が不明瞭な場合は遠慮せず質問し、文書での交付を求めましょう。
  • 工事期間中の連絡体制や対応方針もチェックしておく:現場担当者との連絡がスムーズか、報告体制が整っているかを事前に確認しましょう。
  • 信頼できる業者選びが最も重要な成功要因になる:過去の実績・口コミ・資格・説明力など、多面的に評価することが成功の近道です。

一つひとつのステップを丁寧に進めることで、安心・納得・高品質な防水工事が実現できます。