マンションの雨漏りはなぜ起きる?原因や起きやすい場所・対応を紹介

2025/07/24

「天井にシミがある」「雨漏りしているかも」など、マンションに住んでいて不安を感じたことはありませんか?戸建てと違い、マンションは構造も管理体制も複雑なため、雨漏りの原因を特定するのが難しいケースも少なくありません。しかも、放置すると建物の劣化や健康被害、修繕費用の増大にもつながります。
この記事では、マンションで雨漏りが起きる主な原因と、その対処法・修理の流れや注意点を詳しく解説します。早期発見・早期対処のために、ぜひ参考にしてみてください。

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目次

マンション雨漏りの主な原因

  • 屋上や屋根の防水層の劣化:長年の紫外線や風雨にさらされ、防水層がひび割れたり剥がれたりすることで、雨水が浸入します。
  • 外壁のひび割れや目地の劣化:外壁のクラック(ひび割れ)や、タイルの浮き・剥離、シーリング材の劣化から雨水が侵入することがあります。
  • 窓サッシやベランダのシーリング不良:窓枠やベランダの防水シールが劣化すると、隙間から雨水が入り込みやすくなります。
  • 排水設備の詰まり・故障:雨水を適切に排出できないと、溜まった水が建物内部に浸透することがあります。
  • 給排水管の漏水:雨漏りと間違われることもありますが、給排水設備の漏水も水漏れの原因になります。
  • 建物の構造的な欠陥:設計や施工時の不備、経年劣化による収縮やズレが雨漏りの原因になる場合があります。

マンションの雨漏りは見逃しやすいサインに注意

「まだ水は落ちてきてないから大丈夫」と思っていませんか。雨漏りには初期段階にしか見られないサインがいくつもあります。これらを見逃してしまうと、建物内部の腐食やカビの発生、他世帯への漏水被害などに発展する恐れがあります。気づいた時点で早めに対処することが大切です。

マンションの雨漏りサイン|クロスの浮き・変色

天井や壁のクロスが波打っていたり、部分的に黄ばんだように変色している場合は、内部で水分が浸入し始めているサインです。特に外壁に面した部分や、窓周りなどの変化は見逃さないよう注意しましょう。放置するとクロスの剥がれやカビの発生につながります。

マンションの雨漏りサイン|カビや異臭

一見、壁や天井に異常がなくても「カビ臭い」「湿った空気を感じる」といった症状が現れることがあります。これは室内の湿度が上がり、見えない場所で水分が滞留している証拠かもしれません。結露と誤認しやすいため、湿気の原因を見極めることが大切です。

マンションの雨漏りサイン|ポタポタ音がする

静かな時間帯に、壁の内側や天井からポタポタと水が滴る音がする場合、建物内部に水が溜まり始めている可能性があります。水は壁内の配管を伝ったり、天井裏で溜まってから徐々に漏れ出すことがあるため、音の出どころが分かりにくいケースもあります。音を聞いたらすぐに確認しましょう。

マンションの雨漏りサイン|エアコンや換気口からの水漏れ

雨の日やその直後にエアコン周辺が濡れていたり、水滴が落ちてくるような場合、防水層や配管まわりの不具合が原因となっている可能性があります。特に室外機のホースまわりからの逆流や、壁内の結露による影響にも注意が必要です

マンションで雨漏りが起きやすい場所は?

マンションは、戸建て住宅と異なり上下左右に住戸が隣接しているため、多方向からの水の侵入経路が存在することが特徴です。そのため、「防水」や「外壁」のメンテナンスは建物全体の寿命や快適性に直結します。以下の場所は特に雨漏りが発生しやすいとされており、定期的な点検・保守が欠かせません。

マンションで雨漏りが起きやすい場所|天井や壁

上階や屋上に問題がある場合、天井裏を伝って水が下階に漏れ出すことがあります。天井クロスの剥がれや、壁の浮き・変色などの症状が見られる場合は、早急な調査が必要です。特に最上階や角部屋は風雨にさらされやすく、雨漏りリスクが高まります。

マンションで雨漏りが起きやすい場所|サッシや窓まわり

窓枠やサッシのまわりは、風を伴う強い雨のときに水が侵入しやすい場所です。ゴムパッキンやコーキング材の経年劣化、取り付け部分の隙間からじわじわと水が入り込むこともあります。雨漏りと気づかず、結露や湿気と勘違いされやすいため注意が必要です。

マンションで雨漏りが起きやすい場所|ベランダ・バルコニー

ベランダは構造上、屋外と屋内をつなぐ開口部に近く、水が室内に侵入しやすい場所です。防水層のひび割れや膨れ・排水口の詰まり・ドレン周辺の劣化などが主な原因です。水が排水されずに溜まると、内側へと逆流することがあり、これが階下の漏水被害にもつながることがあります。

マンションで雨漏りが起きやすい場所|屋上

屋上は紫外線や雨風の影響を直接受けるため、最も早く劣化しやすい部分です。防水層のひび割れ・剥離・膨れなどが進行すると、そこから水が建物内部へ浸透します。防水層の寿命は10〜15年が目安とされ、定期的な点検・再施工が必要不可欠です。屋上防水が破られると、複数の住戸にまたがって雨漏り被害が拡大する恐れがあります。

マンションの雨漏りは誰が修理する?分譲・賃貸で異なる「責任区分」とは

マンションで雨漏りが発生したとき、「誰が修理費を負担するのか」は非常に重要なポイントです。分譲と賃貸では責任の所在が異なります。

分譲マンションの場合

雨漏りの原因が共用部分(屋上・防水層・外壁など)であれば、管理組合が修繕を行う必要があります。専有部分(室内の壁や天井)でも、共用部の不具合が原因なら管理組合が対応します。

賃貸マンションの場合

まずは管理会社や大家に連絡しましょう。原因や契約内容に応じて、貸主が修繕を手配するのが一般的です。勝手に業者を呼ぶとトラブルになることもあるので要注意です。

マンションの雨漏りの修理方法と費用の目安

マンションの雨漏りは、目視だけでは原因の特定が難しく、専門的な診断と修繕が不可欠です。ここでは代表的な調査方法と修理方法、そしてその費用相場を具体的にご紹介します。

調査方法の種類

雨漏りの原因を正確に突き止めるには、状況に応じた適切な調査手法が必要です。

調査方法内容の概要
散水調査水をかけて漏水箇所を再現する実地テスト
赤外線サーモグラフィ温度差により水の侵入経路を可視化できる非破壊調査
目視点検ひび割れや劣化の兆候を肉眼で確認(初期診断向け)

複数の調査を組み合わせて実施するケースも多く、被害が広範囲に及ぶ場合や原因不明な場合は精密な調査が推奨されます。

修繕方法と費用の目安

原因が特定できたら、必要に応じて修繕を行います。以下は主な修理内容とその費用相場です。

修繕方法内容の概要費用目安
シーリング打ち替え劣化したコーキング材を新しく打ち替える約1,000〜3,000円/㎡
屋上防水工事ウレタン・シート・アスファルトなどの防水工法を施工約8,000〜9,000円/㎡
外壁補修クラック(ひび割れ)の注入補修や塗り直しなど約30,000〜50,000円/箇所

※修理費用は建物の規模・症状の範囲・使用材料・工法の種類によって大きく変動します。

修理費用を抑えるポイント

  • 管理組合や大家と連携して対応する(分譲・賃貸の違いを確認)
  • 複数業者に相見積もりを依頼する
  • 保証内容(施工後の補償年数やアフターケア)を確認する

雨漏り工事は一時的に済めばいい、というものではありません。長期的な再発防止を前提に業者選定を行うことが重要です。

このように、施工の種類や調査内容に応じて、かかる費用には幅があります。安心して工事を進めるためにも、信頼できる業者との十分な打ち合わせと見積もり精査がカギになります。

マンションの雨漏りを放置するとどうなる?3つのリスク

雨漏りは自然に治ることはなく、放置すればするほど被害が拡大し、多大な損害につながる恐れがあります。以下のような重大なリスクがあるため、早期発見・早期対処が不可欠です。

建物の劣化が進行する

雨水がコンクリートの内部に浸透すると、鉄筋コンクリートの鉄筋部分が錆びる原因となり、構造強度が著しく低下します。錆によって膨張した鉄筋はコンクリートの剥離やひび割れを引き起こし、建物全体の耐久性を損なうことに。これが進行すると、耐震性能の低下や大規模修繕が必要になる場合もあり、マンションの寿命そのものに大きな影響を及ぼします。

カビや健康被害

雨漏りによる湿気の滞留は、カビやダニの繁殖を促進し、住民の健康被害を引き起こすリスクが高まります。特に喘息やアレルギー、アトピーなど呼吸器疾患を持つ方にとっては深刻な問題です。また、室内の空気が不快になるだけでなく、家具や衣類へのダメージも及び、生活の質を大きく損ないます。小さなお子様や高齢者がいる家庭では、特に注意が必要です。

損害賠償リスク

雨漏りが原因で階下の住戸や他人の所有物に損害が発生した場合、損害賠償請求が発生する可能性があります。これには修理費用だけでなく、家財の修理・買替費用、引越し費用、さらには精神的苦痛に対する慰謝料請求も含まれることがあります。特に分譲マンションでは管理組合が対応することが多いですが、賃貸の場合は貸主と借主間のトラブルに発展することもあるため、トラブル防止のためにも迅速な対応が求められます。

雨漏りは見た目の軽微な問題に見えても、実際は建物の安全性や住環境を根底から脅かす深刻な問題です。被害を拡大させないためにも、兆候を見つけたら早めに専門家に相談しましょう。

まず何をすべき?マンション雨漏り時の対応フロー

雨漏りが発生した場合、慌てずに適切な対応を進めることが被害の拡大防止につながります。以下のステップを順番に実施しましょう。

被害箇所の確認と写真撮影

まずは水漏れしている箇所の状況をしっかり把握することが重要です。天井や壁・床などの濡れている範囲を確認し、スマートフォンなどで写真や動画を撮影しましょう。これは後の修繕依頼や保険申請時に役立つ証拠となります。また、雨漏りの広がり具合や、漏れている時間帯の情報も記録しておくと、専門業者の調査時に役立ちます。

管理会社や大家へ速やかに連絡

雨漏りは建物全体の管理に関わる問題であるため、自己判断で勝手に修理を進めるのは避けましょう。まずはマンションの管理会社や大家さんに連絡し、状況を詳しく説明してください。管理者に報告することで、トラブルを未然に防ぎ、修理の手配もスムーズになります。連絡は電話だけでなく、メールや書面でも記録を残すのがおすすめです。

応急処置の実施で被害拡大を防ぐ

雨漏りが続いている場合、室内の家財や床の濡れを防ぐために、バケツやビニールシートで水を受け止めるなどの応急処置を行いましょう。また、水漏れによる感電リスクを避けるため、濡れた箇所付近の電気器具は使用を控え、場合によってはブレーカーを落とすことも検討してください。安全を最優先に行動することが大切です。

専門業者による調査・修繕依頼

被害の規模や原因を特定するために、信頼できる専門業者に調査を依頼しましょう。雨漏りは原因が特定しにくいため、経験豊富な業者に診断してもらうことが修理の成功につながります。また、複数の業者から見積もりを取り比較検討することで、適正価格で質の高い施工を受けられます。必要に応じて管理組合とも連携しながら、最善の対策を進めてください。

この対応フローを理解しておくことで、いざという時も冷静に行動でき、雨漏りによる二次被害を最小限に抑えることが可能です。住まいの安全を守るためにも、早めの行動を心がけましょう

実録!新東亜工業の施工事例|3階建てマンションの屋上防水工事

築38年の3階建てRC造マンションにて、屋上の防水工事をご依頼いただいた事例をご紹介します。
「屋上の防水塗装が剥がれてきて不安…」「ベランダや排水溝も気になる箇所がある」
そんな不安を抱えたお客様からメールにてお問い合わせをいただき、現地調査・見積・契約・施工・引き渡しまでを実際のやり取りと共にご紹介します。
途中で工法の変更が発生した点も含め、リアルな工事の流れがわかる内容です。

大規模修繕・防水工事・外壁塗装のご依頼やご相談は、メール・お電話からお受け致しております。

ご相談内容

お問い合わせはメールで始まりました。屋上やベランダの防水劣化、排水溝の錆、駐輪場のライン引きについてもご相談がありました。
お客様はメールでのやりとりを希望されており、現地調査と見積が無料であることを案内することで安心感を提供できました。

お客様:屋上やベランダの防水塗装が剥がれているようなので見積をお願いします。
通路の排水溝の金属蓋の交換もお願いしたいです。

担当者:現地調査・御見積は無料で行っておりますのでご安心ください。

お客様:12月12日 14時でお願いできますか? ついでに天窓と屋根の調査もお願いします。

工事の概要|工事金額と期間

屋上防水工事 施工前

屋上防水工事 施工後


建物種別 3階建てマンション(RC造)
所在地 東京都(詳細非公開)
工事内容 屋上・塔屋・庇の防水工事、排水溝蓋交換、駐輪場ライン引き
工法 通気緩衝工法(当初は密着工法予定)
その他特記事項 天窓・廊下清掃・駐輪場区画調整含む

工事金額:100万円

工期:5日間

 

現地調査で判明した劣化症状

屋上の防水層は部分的に切れ・膨れが見られ、塔屋屋根はより劣化が進んでいました。
一方でベランダや廊下の防水はまだ機能していると判断され、不要な工事は避ける形でご提案しました。

担当者:塔屋屋根の防水層は屋上よりも状態が悪く、以前の工事からかなり年数が経っていると思われます。

お客様:そうなんですね。やはり雨漏りしてからじゃ遅いので、防水お願いします。

担当者:防水層が生きている場所については、今回は工事しなくても大丈夫です。

施工中のやり取りと配慮

洗浄後の確認で、旧防水層の膨れが多数見つかり、急遽「通気緩衝工法」への変更を提案。
工法変更による追加費用やメリットを丁寧に説明し、納得を得て施工を進行。
室外機や物干し台の取り扱い、駐輪場ライン引きのスケジュールも調整されました。

担当者:古い防水層の膨れがあり、通気緩衝工法への変更をおすすめします。

お客様:金額によりますが、効果があるならお願いしたいです。

担当者:費用追加で対応可能です。支払いは完工時で結構です。

お問い合わせや工事のお見積もり無料!まずはメール・お電話からご相談ください!

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引き渡し時のご感想

駐輪場のライン引きを含めた全工程が完了。お客様には仕上がりをご確認いただき、満足のご感想をいただきました。
今後のトラブル時対応についても案内し、信頼関係を築いてお引き渡しとなりました。

担当者:駐輪場のライン引きも終わり、全ての工事が完了しました。

お客様:ありがとうございます。線がとてもきれいで満足です。

担当者:今後なにかあればいつでもご連絡ください。

本工事では、お客様のご要望を丁寧にヒアリングし、メール主体のやり取りにも柔軟に対応しました。
現地調査により劣化の状態を正確に把握し、必要な工事だけをご提案。
施工中には想定外の劣化が発見されましたが、最適な工法へ変更し、お客様の納得を得て対応。
お引き渡し後もフォロー体制を伝えることで、長期的な信頼関係を築くことができました。

マンションの雨漏りでよくある質問(FAQ)

マンションの雨漏りに関する、よくある質問をまとめました。

対応や不安の解消にお役立てください。

Q1. 雨漏りが起きたとき、まず何をすればいいですか?
A. まずは被害箇所の状態を詳細に確認し、スマートフォンなどで写真や動画を撮影しましょう。修理依頼や保険申請の際に重要な証拠となります。次に、管理会社や大家さんに連絡し、状況を正確に伝えます。

Q2. 共用部分の雨漏りでも自費で修理しないといけませんか?
A. 原則として、共用部分の修繕は管理組合や管理会社の責任範囲にあたります。ただし、個別の専有部分に起因する場合や、故意・過失による損害の場合は、修理費用を請求されることもあります。疑問があれば管理組合に相談しましょう。

Q3. 雨漏りは放置するとどうなりますか?
A. 雨漏りを放置すると、コンクリートの劣化や鉄筋の腐食が進み、建物の耐久性が大きく損なわれます。また、湿気によりカビやダニが繁殖し、喘息やアレルギーなどの健康被害を引き起こす恐れもあります。さらに、階下への漏水などで損害賠償請求のリスクも増大します。被害を最小限に抑えるために、早期の対応が不可欠です。

Q5. 雨漏りを防ぐための予防策はありますか?
A. はい、以下のような予防策が効果的です。

  • 屋上や外壁の定期的な点検・メンテナンスを行い、ひび割れや防水層の劣化を早期発見する
  • シーリング材の劣化状況を定期的にチェックし、必要に応じて打ち替えを行う
  • 防水工事後のアフターサービスや保証内容をしっかり確認し、必要に応じて早めの再施工を検討する
  • 排水溝やドレンの詰まりを防ぐための清掃を定期的に実施する

これらを継続的に行うことで、雨漏りのリスクを大幅に軽減できます。

マンションの雨漏りの原因に関するまとめ

マンションの雨漏りは、建物の耐久性や住環境の安全性に直結する非常に重要な問題です。主な原因としては、防水層やシーリング材の経年劣化が挙げられますが、これらは定期的な点検やメンテナンスで未然に防ぐことが可能です。

また、雨漏りの初期段階ではクロスの浮きや変色・カビの発生・異臭・音など、見逃しやすいサインが現れます。こうした兆候に早く気づくことで、被害の拡大を防ぐことができます。気になる症状を感じたら、まずは専門家による点検を依頼することを強くおすすめします。

マンションは所有形態によって、雨漏り修理の責任の所在は異なり、分譲マンションでは管理組合が主な責任者で、賃貸の場合は大家や管理会社が対応するケースが一般的です。まずは管理者に相談し、適切な対応を促すことがトラブル回避につながります。

雨漏り問題に対する正しい知識と迅速な行動こそが、マンションの資産価値と居住者の安全を長く守る秘訣です。日頃からの意識と定期的なメンテナンスを大切にしましょう。