マンションの外壁塗装の費用相場は?見積もり単価や適正価格について
「マンションの外壁塗装に、いくらかかるの?」
「前回の塗装から10年以上経過しているけど、塗装の耐久性は大丈夫?」
こんな疑問をお持ちのかたは多いようです。
マンションで外壁塗装工事を行うと、場合によっては1,000万円以上の見積もりになることもあります。
また施工業者によっても費用は変わるので施工業者選びも重要です。
そこでこの記事では外壁塗装の見積もり単価や適正価格、注意点などについて解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
外壁塗装の必要性
マンションも一般住宅と同じように、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスを怠ると汚れで見た目が悪くなるだけでなく、外壁が劣化していきます。
ひび割れが発生して雨漏りが起こったり、構造部分が腐食したりする可能性があります。
建物自体の寿命が短くなり資産価値も下がるので、マンションの外壁塗装が大切なのです。
外壁塗装のペースは?
外壁塗装は10年前後を目安に行うと良いと言われています。
工事期間について
マンションの外壁塗装には1~3か月ほどかかるのが一般的です。(シーリングや防水工事も含む)
ただしマンションの規模によっても異なります。
50戸以上のマンションなら4~5か月かかることもありますし、さらに大規模になると半年以上かかるケースもあります。
部位別の耐用年数
マンションでは、部位別に塗装の耐用年数が異なります。
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外壁塗装の費用相場は?
マンションの外壁塗装は、次のような費用がかかります。
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「3階建ては300万円前後」「5階建ては500万円前後」といったふうに、大まかに計算することもできますよ。
もちろん上記の金額はあくまでも目安です。
マンションの規模や塗料の種類によっても費用は変わるでしょう。
塗料の種類で価格が変わる
外壁塗装に使われる塗料の種類によって、費用は変わってきます。
耐用年数や特徴も異なるので、ここでご紹介していきましょう。
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ちなみにアクリル系塗料やウレタン系塗料は、大規模修繕工事の周期よりも短い期間で寿命が来てしまいます。
基本的にはシリコン系塗料を中心に考え、それでも希望にそぐわない場合はフッ素系塗料などを使うのが良いでしょう。
足場の設置費用は?
マンションなど2m以上の高さで外壁塗装工事をする場合、必ず足場を設置しなくてはなりません。
足場の設置には1㎡あたり600~800円ほどの費用がかかります。
ただし最近では足場を使わずに外壁塗装を行う「無足場工法」を行う業者も増えてきています。
無足場工法を使うと費用が割安になるので、見積もりの際に無足場工法を使えるかどうかも確認しておくと良いでしょう。
外壁塗装の工程は?
マンションの外壁塗装は、次のような工程で行われます。
- 足場の設置
- 養生
- 高圧洗浄
- 下地処理
- 塗装
- 足場の撤去
1、足場の設置
まずは作業を行うための足場を、マンションの周囲に設置します。
マンションの規模にもよりますが、足場の設置には1~2日ほどかかります。
ちなみに足場設置のための費用は、大規模修繕全体の2~3割になるとも言われています。
2、養生
塗装工事では塗料が飛び散るので、塗装する箇所以外をビニールシートやマスキングテープなどで養生(保護)します。
養生の単価は1㎡あたり300円前後です。
また近隣住宅や道路へ塗料が飛び散るのを防ぐため、足場の周囲に飛散防止シートも設置します。
飛散防止シートの単価は1㎡あたり100円前後です。
3、高圧洗浄
外壁を高圧洗浄機を使って洗います。
この際にきちんと汚れや古い塗装を落としておかないと塗料が上手く付着せず、外壁塗装の寿命が低下してしまいます。
高圧洗浄には1㎡あたり100~300円ほどの費用がかかります。
また高圧洗浄には、1~3万円ほどの水道代もかかります。
4、下地処理
高圧洗浄でも取り切れなかった古い塗装を、電動機器などを使って取り除きます。
外壁にひび割れやシーリング※の劣化がある場合は補修します。
下地処理を行わずに塗装すると、外壁の劣化を上手く食い止められません。
シーリングの打ち替えには1㎡あたり1,000円前後の費用がかかります。
※シーリング…外壁のパネル同士の隙間を埋める充填剤
5、塗装
いよいよ塗装に入ります。
外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3回行われるのが一般的です。
ただし外壁の状態によっては、下塗りや上塗りの回数を増やすケースもあります。
ちなみに下塗りは、下地と塗料の密着力を高めるために行います。
下塗り剤のことを「プライマー」「シーラー」と呼びます。
中塗りと上塗りには同じ塗料が使われます。
塗料を塗り重ねることで、塗料の実力が十分に発揮されます。
塗装は1層塗る度に乾燥させることが必要ですよ。
6、足場の撤去
塗装終了後は、養生を剥がしてから足場を撤去します。
足場撤去後は仕上がりの確認が難しくなるので、しっかりと施工できたかをチェックしてから足場を撤去します。
外壁塗装の注意点
外壁塗装をご検討中のかたは、次のことにも気を付けましょう。
費用の安さのみで施工業者を選ばない
工事費用のみで施工業者を選ぶのはおすすめできません。
極端に安い見積もりを出す業者は、値段が安く耐用年数が短い塗料を使うことが多く、結局は塗り替えペースが早くなるのでお得感がありません。
もちろん、それを知った上で施工をするのは問題ありませんが、耐用年数と費用を見比べながら、どの塗料を使うのが良いのか判断することをおすすめします。
ちなみに最もコスパと性能のバランスが良いのが、シリコン系塗料だと言われています。
塗装中はベランダで洗濯物が干せなくなる
外壁塗装中は、マンション住民がベランダで洗濯物を干せなくなります。
塗料の臭いやホコリなども発生するため、窓が開けられなくなることもあります。
塗料は数日で乾燥するので、長いあいだ窓が開けられないケースは少ないです。
しかしクレームを避けるために、事前にマンション住民に工事の告知をしておくことが大切です。
塗装中は騒音なども発生するので、近隣住民への配慮も必要でしょう。
日当たりが悪くなる
外壁塗装を行う際には、足場の周囲にシートを張るので日当たりも悪くなります。
洗濯物が干せないことについてもそうですが、事前の説明会などで十分に住民の理解をが得られるよう配慮しましょう。
2色以上で塗装すると費用が高くなる
2色以上で塗装すると、その分だけ手間が増えるので工事費用が高くなります。
塗装業者に2色の塗装を勧められても、「1色でも良いのではないか」と検討することをおすすめします。
もちろんデザインにこだわりたい場合は、2色以上の塗装を選ぶのも良いでしょう。
施工業者の選び方
施工業者を選ぶ際にも注意点があります。
施工業者によって費用も施工クオリティも変わってくるので、ぜひ業者選びにこだわってみましょう。
相見積もりを取る
良い施工業者を選ぶには、複数の施工業者で相見積もりを取るのがおすすめです。
見積り価格や見積内容の比較もできますし、対応の丁寧さもチェックできます。
アフターサービスが充実しているかどうかも比較できればバッチリですね。
直に施工業者に依頼する
ハウスメーカーを通さず、直に施工業者に依頼するのもおすすめです。
大手のハウスメーカーに外壁塗装を依頼すると、ハウスメーカーは下請け会社に工事を依頼します。
大手のハウスメーカーは安心感がありますが、この下請け業者に依頼する際に発生する「中間マージン」が、工事費用を高くする原因になります。
場合によっては5次下請けまであるので、工事費用を安くしたいなら、直に施工業者に外壁塗装を依頼しましょう。
中間マージンがなければ、場合によっては3~4割ほどの費用を節約できます。
まとめ
最後に、今回の記事内容をまとめてみましょう。
- 外壁塗装の費用の概算は「階数×100万円」で計算できる
- 塗料の種類で費用が変わる。シリコン系塗料が一般的
- 工事費用のみで施工業者を選ばない
- 複数の施工業者で相見積もりを取る
- マンション住民への告知を十分に行うとクレームを減らせる
予算と相談しながら塗料選びや施工業者選びを徹底し、ぜひ納得できる外壁塗装を行なってみてくださいね!