13 min

マンションで雨漏りが起こる原因や責任の所在・修理費用の負担先を解説

マンションで雨漏りが起こる原因を知りたい人

マンションで雨漏りが起こる原因を知りたい人

マンションの雨漏り修理はどうすればいい?
マンションの雨漏りは誰が対応する?責任は?管理組合?
マンションの天井や壁から雨漏りが起こるのはなぜ?
マンションの雨漏りは誰が対応する?責任は?
マンションの壁から雨漏りが起こっている!
マンションの雨漏り修繕の費用はいくら?
マンションの雨漏りの応急処置を知りたい!
マンションの雨漏りは屋上や外壁が原因?

マンションの老朽化が進むと、雨漏りが発生することがあります。

しかしマンションの雨漏りは誰の責任なのか分かりづらいですよね。
そこで今回は、マンションの雨漏りの原因や対処方法、責任の所在について詳しく解説していきます。

対処方法が分かれば、いざという時に慌てずに済みますよ。

目次

マンションの雨漏りを放置するとどうなる?原因は?

マンションの雨漏りを放置すると、建物内部に入り込んだ水がコンクリート部分や床、天井などを腐食させていくなど様々な不具合が生じてしまいます。

ひび割れや防水塗装の剥がれ、コンクリートの経年劣化、業者の施工不良など、さまざまな原因で雨漏りが発生します。

ちょっとした雨漏りでも放置せず、適切な対処が必要です。

雨漏りを放置することで起こりうることや、原因について解説していきます。

雨漏りで建物内部に浸水被害が発生する

マンションの雨漏りを放置すると、建物内部への浸水被害が起こる可能性が高くなります。

一般財団法人日本確率情報機構による調査によると、2021年におけるマンション火災の原因の27%が漏水によるものでした。

この数値からもわかるように、雨漏りは軽視できない深刻な問題です。

浸水被害が発生すると、以下のような様々な被害が想定されます。

  • 内装材や設備機器の損傷
  • カビの発生によるアレルギー症状の悪化
  • 電気設備の故障やショートによる火災
  • 構造体の腐食による建物の劣化

結論として、雨漏りによる浸水被害はマンション資産価値の大幅な下落や、修繕費用の高騰にもつながる深刻な事態です。

適切な防水対策と定期的なメンテナンスが不可欠といえるでしょう。

ひび割れや劣化している場所は雨漏りが発生しやすい

マンションの雨漏りの主な原因は、建物の経年劣化による部位のひび割れや劣化です。

国土交通省の調査によると、マンションの雨漏りの発生箇所は以下の通りとなっています。

  • 屋上防水層の劣化: 38%
  • 外壁ひび割れ等: 18%
  • バルコニー床防水層の劣化: 14%
  • ジョイント部の劣化: 10%

この調査結果から、防水層やコンクリートの経年劣化が雨漏りの大きな要因となっていることがわかります。

具体的には、以下のようなメカニズムで雨漏りが発生します。

  1. 防水層の劣化・ひび割れ
  2. 雨水の浸入
  3. 鉄筋の腐食と膨張
  4. コンクリートのひび割れ拡大
  5. さらなる雨水浸入

このように、ひび割れや劣化した箇所から雨水が浸入することで、鉄筋の腐食やコンクリートの劣化が進行し、雨漏りリスクが高まるという悪循環に陥ります。

そのため、定期的な建物点検と適切な補修工事を行うことが、マンションの資産価値を維持する上で重要になります。

以上の点を踏まえ、結論としてマンションの雨漏りを防ぐためには、日頃からの点検と予防保全が不可欠であると言えるでしょう。

建物の経年劣化に注意を払い、早期に対策を講じることが大切です。

一戸建てとマンションの雨漏りの違い

一戸建て住宅とマンションでは、雨漏りが発生した場合の影響範囲が大きく異なります。

一戸建て住宅の雨漏りは、その住戸のみに影響が及びます。一方でマンションの場合、雨漏りの影響は建物全体に及ぶ可能性があります。

一般社団法人住宅リフォーム推進協議会によると、2021年の雨漏り修繕費用の平均は、一戸建ては約30万円でした。

しかしマンションの場合は、約250万円と一戸建ての8倍以上の費用がかかっています。

この違いは、マンションが共有部分を多く持つ集合住宅であることに起因します。

雨漏りの原因が共有の屋上防水層や外壁にある場合、多額の修繕費用が必要になるのです。

さらに、マンションの場合は共用部分の雨漏りによる被害が全戸に及ぶリスクがあります。

内装の損傷や設備の故障、カビ発生などから、居住者の健康被害にもつながりかねません。

結論として、マンションの雨漏りは、一戸建てに比べ被害範囲が広く、住環境や資産価値への影響も大きくなる可能性があります。

そのためマンションでは、定期的な点検と予防保全が不可欠となります。

マンションの雨漏りは定期点検が大事

マンションでは、共用部分の維持管理が住環境の維持や資産価値の保全において極めて重要です。

そのため、国土交通省はマンション管理適正化指針の中で「定期的な建物点検」を義務付けています。

点検は、雨漏りの早期発見と未然防止に役立ちます。経年劣化による劣化個所の特定や、雨漏りのサインを見逃さずに早期に補修を行えば、大規模修繕を避けることができます。

一方で、点検を怠れば雨漏りが深刻化し、大規模修繕が避けられなくなります。国土交通省によると、定期点検を実施していないマンションでは、50%以上が雨漏りなどの不備を抱えていると報告されています。

例えば、横浜市のマンションで2022年に起きた大規模雨漏りでは、点検が十分に行われていなかったため、防水層の劣化が放置され被害が拡大しました。

最終的に全戸の内装工事や設備機器の交換が必要となり、修繕費は数億円に上りました。

このように、定期点検を怠ると雨漏りリスクが高まり、結果として資産価値の下落や居住者への深刻な被害が生じかねません。

よって、マンションの雨漏り対策においては、専門家による定期的な点検が極めて重要になります。

マンションの定期点検の周期

マンションの定期点検は、建物の経年に応じて行う必要があります。

一般的には以下の周期で行われています。

  • 新築後3年以内:1年毎
  • 4年目〜12年目:2年毎
  • 13年目以降:3年毎

この周期は、国土交通省の「マンション修繕積立金に関する参考資料」に記載されています。

建物が新しい間は短い周期で、経年とともに長くなっていきます。

また、点検項目は建物の部位によって異なります。主な点検箇所と点検周期の目安は次の通りです。

  • 屋上防水層:3〜5年
  • 外壁、ジョイント部:3〜5年
  • バルコニー防水層:5〜8年
  • 給排水設備:8〜10年

このように、雨漏りの原因となりやすい部位は短い周期で点検を行う必要があります。

定期点検は、劣化の早期発見と補修計画の立案に役立ちます。

一方、点検が不十分だと雨漏りの深刻化を見逃す可能性があります。

国土交通省の調査では、全戸の30%以上が法定の点検を実施していないと報告されています。

つまり、マンション管理組合が適切な点検周期を設定し、着実に実施していくことが、雨漏り対策の基本となるのです。

雨漏りが起きる前に修繕するのがおすすめ

マンションの雨漏り対策としては、劣化個所を発見次第、速やかに補修工事を行うことが賢明です。

雨漏りが実際に発生してからでは、被害範囲の拡大や補修費用の高騰を招きかねません。

一般社団法人マンション管理業協会の調査によると、雨漏りを放置して補修を行わなかったケースでは、平均で約500万円の修繕費用がかかっています。

一方、早期に補修を行った場合は約150万円と、3分の1以下に抑えられています。

雨漏りが発生する前の補修は、以下のようなメリットがあります。

  • 被害の拡大防止
  • 費用の大幅削減
  • 入居者の健康被害回避
  • 資産価値の保全

たとえば東京都内のマンションでは、ひび割れが散見される状況で適切に補修工事を行ったことで、大規模雨漏りを未然に防げた事例があります。

一方、雨漏り発生後に補修した別のマンションでは、内壁の解体工事や電気設備の更新が必要となり、数千万円の費用がかかってしまいました。

このように、雨漏りが起きる前の予防保全型の対策が、被害の最小化と費用の大幅削減につながります。

建物の定期点検と早期補修が、マンション資産価値を守る鍵となるのです。

雨漏りの劣化症状例

マンションで雨漏りの兆候を見逃さないためには、劣化症状を知っておく必要があります。

主な劣化症状とその内容は以下の通りです。

【屋上防水層】

  • ひび割れの発生
  • 浮き・剥がれの発生
  • 排水勾配の不良

マンションの屋上防水層は、経年劣化により様々な劣化症状が現れます。

ひび割れが入ると、そこから雨水が浸入し内部の鉄筋を腐食させます。

また、防水層が浮いたり剥がれたりすると、そこから直接雨水が室内に侵入するリスクがあります。

さらに排水勾配が不良だと、雨水が溜まり防水層を劣化させてしまいます。

国土交通省の調査では、マンションの雨漏り発生箇所の38%が屋上防水層の劣化によるものでした。

適切なタイミングでの防水層の補修工事が重要になります。

【外壁】

  • ひび割れの発生
  • 剥離・剥落の発生
  • 遮水性の低下

外壁も同様に、ひび割れや剥離・剥落が生じると雨水の浸入経路となります。

国土交通省の調査では、18%の雨漏りの発生源が外壁のひび割れでした。

外壁の遮水性が低下すると、内壁への雨水浸入が避けられません。

特に雨が強い日などは外壁の状態に細心の注意を払う必要があります。

ひび割れから水が浸み込んでいる様子があれば、早急な補修が求められます。

【ジョイント部】

  • ひび割れの発生
  • 目地材の劣化
  • 充填不良

ジョイント部とは、異なる部材が接合される箇所のことです。

コンクリートと異種材料の境目が典型的なジョイント部で、ここにひび割れや目地材の劣化、充填不良が生じると雨水が浸入します。

上記の国土交通省調査によれば、10%の雨漏り発生源がジョイント部の劣化によるものでした。

マンションでは様々な部位が複雑に組み合わされているため、ジョイント部の点検が非常に重要になってきます。

【バルコニー床】

  • 防水層の劣化
  • ドレンの詰まり
  • 勾配不良

バルコニー床の防水層が劣化したり、ドレンが詰まって排水できなくなったりすると、そこに雨水が溜まり内部に浸入する可能性があります。

さらに勾配が適切でない場合も同様に、雨水が溜まりやすくなります。

国交省調査では、14%の雨漏りがバルコニー床防水層の劣化に起因していました。

バルコニー床は日々の生活で目にする部位なので、早期発見と対策が比較的容易です。

このように、マンションには様々な部位で雨漏りリスクが存在します。

建物の老朽化に伴い、これらの劣化症状が表れてくるため、定期的な点検と早期補修が不可欠になってきます。

雨漏りの兆候を見逃さず、適切なタイミングで補修工事を行うことで、大規模な被害や高額な修繕費用を抑えられます。

マンション管理組合として、入居者の安全と資産価値の保全に努める必要があるでしょう。

マンションの雨漏り修理の工事内容

マンションの雨漏り修理では、次のような工事を行います。

屋根

屋根全体が劣化しているなら、屋根材の張替えや、塗装の塗替えなどが必要です。

部分的な劣化であれば、ちょっとした張替えや釘の打ち直しで解決できる場合が多いです。

外壁

外壁の劣化による雨漏りは、ひび割れやタイルの剥がれなどを補修することで解決する場合があります。

大きなひび割れがある場合は、補修と一緒に外壁塗装も一緒に行います。

屋上

屋上の防水層の補修が必要です。

排水口の詰まりを解消することにより雨漏りが解消できないかもチェックします。

また専門業者に調査を依頼して、どの箇所を補修すれば良いのか確認することも大切です。

ベランダ

防水加工をし直します。

窓のサッシ周りの補修も行います。 

また工事の際は、足場の設置が必要な場合もあります。

足場の周囲には塗料が飛散するのを防ぐシートの設置も必要なので、その分の費用もかかります。

工事中はマンション住民がベランダを使えなくなるので、前々から住民へ工事の告知をしておくことが必要です。

マンションの雨漏り修理工事の費用相場

マンションの雨漏りの修理費用は、どの箇所から雨漏りをするかによっても異なります。

窓のシーリングの劣化部分から雨漏りした場合は約2~20万円、床材の取替えなど大規模な工事が必要な場合は500~1,000万円ほどの費用がかかる場合もあります。

またマンション側の責任による雨漏りが原因で家電製品などが壊れた場合は、その損害分がマンション住民に支払われます。

マンションの雨漏り修理工事の費用相場は以下のとおりです。

修理の種類費用相場
雨漏りの調査費用約20,000円〜50,000円/回
部分的な補修軽微な修理約100,000円〜/箇所
防水層の修理
防水シートの撤去
約8,000円〜9,000円/㎡
シーリングの補修約1,000円〜3,000円/㎡
屋根の補修約1,500円〜3,500円/㎡
外壁のクラック修理約30,000円〜50,000円/箇所
全面改修工事屋根の改修約3,000円〜6,000円/㎡
外壁の改修約4,000円〜10,000円/㎡

上記の価格は修理費用の相場です。実際の金額は修理内容や業者、使う資材によって異なるので、参考程度にご覧ください。

加えて、高所での作業が必要な場合は足場代もかかります。

修理する箇所の高さによって金額は変わり、低い足場でも3万円以上かかるので留意しておくとよいでしょう。

複数箇所の修理や塗装が必要な場合は、足場代や資材代、撤去代も考慮する必要があります。

マンションのオーナーや管理組合の方は修理費が修繕積立金の範囲内に収まるか、慎重に検討して実施しましょう。

予算オーバーの際は、修理の緊急性が高い箇所を先に直し、緊急性の低いところはあとに回すという手もあります。

マンションで雨漏りが起こった場合はどうする?

ここでは、マンションで雨漏りが起こった場合の対処法についてご紹介していきます。

水受けを設置する

雨漏りを見つけたら、まずは雨漏りをしている箇所にバケツなどを設置し、応急処置を施しましょう。
これで、さらに階下へ雨漏りが連鎖するのを防げます。

また、雨漏りをしている部分の周辺に家電製品などがあると漏電する危険性があります。
家電製品を濡れない場所へ移動することも大切です。
濡れた手でコンセントを抜いて感電しないように、最新の注意を払って行ないましょう。

管理組合や管理会社に連絡する

次に、購入したマンションの場合は管理組合に、賃貸の場合は管理会社に連絡をしましょう。

まずは修理する前に責任の所在を明確にする必要があります。
また管理組合や管理会社が雨漏りがある箇所を調査しに来る前に、その箇所を写真や動画で記録しておくことも大切です。

雨漏りの程度などを説明する際に役立つので、原因の調査がスムーズに進みやすくなります。

マンションの雨漏りは原因ごとに責任の所在が変わる

マンションの雨漏りは、原因の違いによって責任の所在が変わります。

マンション住民の過失による雨漏り

例えばマンション住民が窓を開けたままで出かけてから豪雨になって、部屋の中に大量の雨が入り込んだ場合や、お風呂の水を溢れさせたことが原因で水漏れをした場合。
これは、その部屋を借りているマンション住民の責任になります。

ちなみにベランダの排水溝の掃除も、マンション住民が行わなければなりません。
もし枯れ葉などが詰まって水漏れが発生すると、これもマンション住民の責任になります。

施工ミスによる雨漏り

シーリングの不具合など施工ミスによって雨漏りが発生した場合は、施工業者の責任になります。

コンクリートにひび割れが発生して、その部分から水が入り込んだ場合も、保証期間内なら施工業者に無料で補修工事を依頼できます。

マンション自体の老朽化

マンション自体の老朽化によって外壁にヒビが入り、そこから雨漏りした場合は、マンションの管理組合の責任になります。

一般的には築10年以上経過したマンションで雨漏りが起こりやすいです。

マンションの雨漏りの修理費用は誰が支払う?

マンションの雨漏りでは、管理組合や管理会社が修理費用を負担するケースが多いです。

分譲マンションの場合、通常はマンション住民からの積立金を使って修理します。

といってもマンション側は火災保険に入っていると思うので、基本的には保険会社が修理費用を支払うでしょう。

ただしマンション住民が原因で雨漏りした場合は、マンション住民に対して修理費用が請求される場合があります。
この場合は、その住民が加入している火災保険で修理費用をまかなうことになるでしょう。

台風や豪雨などの自然災害で雨漏りが発生した場合も、火災保険が適用されるケースがあります。
ただし老朽化による雨漏りには保険が適用されないので注意が必要です。

マンションの雨漏り修理はどの業者に依頼する?

雨漏りの修理はどんな業者に依頼すれば良いのでしょうか?

具体的に解説していきます。

アフターサービスが充実している業者を選ぶ

5年保証や10年保証のある業者を選ぶのがおすすめです。
一度雨漏りした箇所から、再び雨漏りが発生することもありますからね。

万が一のことを考えて、アフターサービスがしっかりしている業者を選びましょう。

すぐに対応してくれる業者を選ぶ

すぐに修理してくれない業者を選んでしまうと、雨漏りの箇所から時間経過と共にどんどん劣化が進んでいきます。

数日中に修理できる業者を探しましょう。

雨漏りの箇所に合わせた業者を選ぶ

「外壁からの雨漏りには外壁塗装業者」「窓からの雨漏りにはサッシ専門の業者」「天井の雨漏りには内装業者」というふうに、雨漏りしている箇所に合わせた業者を選ぶことも大切です。

相見積もりで選ぶ

複数の業者で相見積もりを取り、比較検討して業者を選ぶのがおすすめです。

ただし費用の安さだけで業者を選ぶのはNGです。
施工品質の低下を招きます。
値引きしすぎるのも品質低下に繋がるので良くありません。

見積もりの詳細や対応の丁寧さなどもチェックして、総合的に良い業者を選びましょう。

施工実績が豊富な業者に依頼する

マンションの雨漏りに関する施工実績が豊富な業者に、修理を依頼することも大切です。

施工実績が豊富な業者なら高い技術で施工してくれますし、原因の特定もスムーズな傾向がありますよ。

契約を急ぐ業者は避ける

必要以上に契約を急ぐ業者はよくありません。

こうした業者は高額の工事費用を請求してきたり、必要のない工事を行ったりする傾向があります。

他の施工業者と比較する時間を与えてくれるような、お客さんのことをしっかりと考えてくれる業者を選びたいですね。

マンションで雨漏りを起こしてしまった場合の対処方法

もし自分(マンション住民)が原因で雨漏りが起こってしまった場合は、次のように対処しましょう。

契約書を確認する

まずは賃貸契約書を確認しましょう。
管理会社との間で結んだ賃貸契約書には、雨漏りの際の取り決めも記載されてあります。

契約書の内容によっては、マンション住民が原因の雨漏りであっても、管理会社が費用を負担してくれる場合があります。

火災保険や個人賠償責任保険を確認する

全てのケースで適用されるわけではありませんが、火災保険や個人賠償責任保険で修理費用をまかなえる場合があります。

例えば水漏れが原因で階下の部屋の家電製品が壊れてしまった場合は、保険で補償されることも。

保険が適用されやすくするには、雨漏りの状況を写真や動画で撮影して保存しておくことが大切です。
保険の項目に雨漏りについても記載されてあるなら、ぜひ保険会社に電話してみましょう。

マンションの雨漏り予防法

マンションの雨漏りを防ぐには、次のような対策をとりましょう。

下水管を掃除する

こまめに下水管を掃除することで、下水管が詰まって水が溢れることを防げます。

共有部分の下水管もしっかりと掃除しておきたいですね。

定期的に外壁をチェックする

外壁のヒビや雨水によるシミ、タイルの剥がれ、シーリングの劣化、釘の浮きなどがないか、定期的にチェックすることも大切です。

こうした不具合を放置すると、その部分から雨水が入り込んできます。
雨漏りしそうな場所を事前に補修しておくことで、雨漏りの修理にかかる多額の費用を節約できます。

屋上は普段はなかなかチェックしにくい場所ですが、半年に1度は雨漏りの恐れがないかチェックすることをおすすめします。

防水性能をもつ塗料を選ぶ

防水性能を持つセラミックシリコン塗料やフッ素塗料を選ぶことで、ひび割れなどによる雨漏りを最小限に抑えることができます。

マンションで雨漏りしたときの応急処置

急な雨漏りに備え、自分でできる範囲の応急処置方法を紹介します。夜中に雨漏りが発覚しても、すぐに対応できる業者はそう多くはないでしょう。

業者の到着までに、できる範囲で対応しておきましょう。

ビニールシートを被せる

雨漏りが発生した際に、さらに雨漏りが進まないよう、ビニールシートを被せる方法があります。

雨漏りが発生した場合、どの場所から雨水が侵入して来たのか分からない場合がほとんどです。ビニールシートを被せると、広範囲での雨漏りを防ぐことが可能です。

ブルーシートを被せる手順を紹介します。

ブルーシートを被せる手順
  1. ブルーシート、土のう、防水テープを準備する
  2. ビニールシートを被せる
  3. 真ん中と両端にバランスよく土のうを置く

せっかく被せたブルーシートが風で飛ばされないよう、固定ができているか、確認してから場所を離れましょう。マンションの場合、屋上や屋根で、特に劣化が激しい場所にブルーシートを広範囲で被せると、効果が得られやすいでしょう。

高所での作業は、一人で行わず、滑りにくい靴を履いて行いましょう。

防水テープを貼る

雨漏りの原因が特定されている場合、防水テープを貼る、という方法があります。

シーリングを施すよりも簡単なので、おすすめの対処方法です。

防水テープを漏水箇所に貼る手順を紹介します。

防水テープを貼る手順
  1. 防水テープ・雑巾を用意する
  2. 漏水箇所の水気や汚れを拭き取る
  3. 補修箇所の大きさに合わせて防水テープを切る
  4. 補修箇所をしっかり覆うように防水テープを押さえながら貼り付ける

施工したい箇所に水気や汚れが付着したまま防水テープを貼り付けると、すぐに剥がれてしまう可能性があります。

雑巾で、しっかり拭き取ってから防水テープを貼りましょう。

バケツやタオルを置く

雨漏りが室内で発見された場合、畳やフローリングがそれ以上濡れないよう、対策が必要です。

なぜなら、濡れた状態が長く続き、床や室内に湿気が溜まると、カビが発生しやすくなったり、床下への漏水につながるからです。

雨漏りが2次災害を引き起こす前に、早めの対応が重要です。

バケツ、タオル以外のものでも対応は可能です。

漏水で被害が広がらないために準備するもの
  • バケツ
  • バスタオル
  • ブルーシート
  • 養生テープ

室内での漏水箇所への対策は、雨水の侵入をこれ以上拡大させないために行います。すでに広範囲にわたって雨水が侵入している際には、ブルーシートやビニールシートを使ってバケツに流し込むなど、対応が必要です。

また、雨漏りしている場所にタンスなど、動かせない家具がある場合には、ブルーシートを被せて雨水から守りましょう。できる限り湿気が室内に残らないように養生を施しましょう。

雑巾や吸水シートで水を吸い取る

窓やサッシのすき間から雨水がじわじわと浸水している場合、雑巾や給水シートなどで水気を吸い取ることをおすすめします。

頃合いをみて新しい雑巾、給水シートに交換しましょう。

窓際の漏水で気を付けるべき点は、カーテンに雨水が触れないようにする点です。

カーテンは壁と近い距離にあり、カーテンが湿った状態で壁に接触し続けると、カビの発生が心配されます。

室内でカビが発生すると、カビの胞子が浮遊するなど、健康面で悪影響を及ぼす可能性が考えられます。

カーテン以外にも、濡れる可能性のあるものはよけるなど、気を配りましょう。

漏水している部屋のブレーカーは切る

壁際で雨漏りが発生すると、気を付けるポイントは電気コンセントです。コンセント部分が水に触れると、漏電の可能性があるため、非常に危険です。

特に以下のような場合は部屋の電源ブレーカーを切り、対策を取りましょう。

  • 電源ケーブルの被膜が破れている
  • ケーブルやコンセントが濡れている

上記のような事態になった場合、落ち着いて行動し、漏電を防ぎましょう。

漏電が心配される際の手順
  1. ゴム手袋をはめる
  2. 漏電の恐れがある家電プラグを抜く
  3. 家電は、十分に乾燥させる

濡れた家電やプラグから煙が出ている場合はさらに注意が必要です。スイッチを入れずに、コンセントを抜いた状態で様子をみましょう。

間違っても、スイッチを入れないように気を付けましょう。心配な場合は、電気工事業者や、メーカーなど、電気に詳しい専門業者に問合せをしてみましょう。

マンションでやってはいけない雨漏りの応急処置

雨漏りが発生した際は、冷静に行動して適切な対応を取ることが大切です。

やってはいけない雨漏りの応急処置を一つずつ解説します。

高所はひとりで作業しない

雨漏りといえば屋根や上階のサッシなど、高所を確認したくなる人は多いでしょう。

しかし、高所での作業を1人で行うことは避けましょう。

慣れない高所での作業は、大きな危険を伴います。家族や、管理組合の人に声をかけるなど、高所でのひとりでの作業は避けましょう。

屋根が濡れている状態で作業しない

雨漏りが発生する時は、雨が降っているときや降った後の場合が多く、屋根や屋上が濡れている状態です。

濡れた屋根での作業は、滑りやすいので、素人が登って作業するのはとても危険です。プロでも危険を伴うこともあり、一歩間違えると命の危険に関わるほどの行為です。

必ず、屋根が乾いた状態で、滑りにくい靴を履いて、手伝ってくれる人を見つけてから屋根上の作業に取り掛かりましょう。

原因を特定せずに作業しない

雨漏りの最大の難点は原因の場所が特定できないことにあります。

原因の特定は、誰でも分かるような破損が原因ではない限り、実績を積んできた専門業者に見てもらうまでは分からない場合が多いでしょう。

外壁の細微なクラックから壁の内部を通ってサッシのすき間から雨漏りしている場合など、原因が複雑な場合は特に分かりにくいでしょう。

雨漏りの原因が分からない状態での作業は、費用と時間を無駄に使ってしまうことも考えられます。

専門業者が来るまでは養生や応急処置で対応しましょう。

マンションの最上階は雨漏りしやすいので要注意

マンションの最上階は人気がありますが、その反面、雨漏りしやすい場所でもあります。|
それは、最上階のすぐ上が屋上になっているからです。

屋上の防水層に不具合が発生した場合は管理組合に修理してもらえます。
しかし修理をする前に、他の部屋の住民の同意も必要なため、すぐ対応してもらえないケースがあるので注意しましょう。

まとめ

最後に、今回の記事の内容をまとめていきます。

  • 雨漏りを放置すると建物の腐食が進む
  • 雨漏りの原因によって責任の所在が変わる
  • 雨漏りが起こった場合は水受けを設置し、管理者に連絡をする
  • 修理業者選びは相見積もりで選ぶ
  • 保険で修理費用を負担できる場合がある
  • 定期的にメンテナンスをすると雨漏りを防げる

マンションで発生した雨漏りは、まずは責任の所在を確認し、早めに対処することが必要です。

日頃の心がけや点検で防げる雨漏りもあります。
外壁にひび割れなどが発生している場合は、雨漏りを見越した修理も検討してみることをおすすめします。

公式サイト
施工実績344件突破!WEB割キャンペーン実施中!