「どの業者に塗装工事を依頼すれば良いのか分からない」
「業者選びの基準になる資格などは無いの?」
こんな疑問やお悩みを持っているかたもいるようです。
塗装工事を行う施工業者に、資格保有者がいると安心できますよね。
特に一級塗装技能士といった国家資格を持っている業者だと、安心感が違います。
そこで今回は安心できる施工業者選びのコツや、業者選びでチェックすべき資格についてご紹介していきます。
目次
塗装工事を行う際に資格は必要ない
塗装工事は、実は資格を持っていなくても行うことができます。
もちろん資格の有無だけで、施工品質やサービスの質を判断できません。
職人全員が一級塗装技能士を持っているような業者は、基本的にありませんからね。
資格を持っていなくても腕の良い職人は数多くいます。
まずは「会社の代表が資格を持っているか」ということを確認するだけでも十分ですよ。
重要な資格は?
塗装工事において、最も重要なのが次の2つの資格です。
- 一級塗装技能士
- 県知事許可書
一級塗装技能士は最も有名な塗装関連の資格で、三級まである塗装技能士の中でも一番の信頼感があるでしょう。
塗装業で7年以上の実務経験、または二級塗装技能士を取得してから5年経過すると、一級塗装技能士の試験が受けられます。
この資格を持っている施工業者は信頼性が高い傾向がありますよ。
県知事許可書とは、塗装工事を行う会社に与えられる資格です。
- 500万円以上の自己資本
- 5年以上の経営経験
- 不正行為を行う可能性が低い
上記のような審査基準があるので、県知事許可書を持っている施工業者も信頼感があるでしょう。
塗装工事の資格色々
ここでは、一級塗装技能士や県知事許可書以外の資格についてご紹介していきます。
- 二級塗装技能士
- 職業訓練指導員(塗装科)
- 一級・二級施工管理技能士
- 外壁塗装診断士
- 有機溶剤作業主任者
- 足場の組み立て等作業主任者
- 1級色彩検定、1級カラーコーディネーター検定
二級塗装技能士
二級塗装技能士は2年以上の実務経験、または職業訓練校に通うことでも受験できます。
職業訓練指導員(塗装科)
厳密には職業訓練指導員は資格ではありませんが、職業訓練校で講師をできるくらいに塗装業のプロである必要があります。
塗装業で15年以上の実務経験があったり、一級塗装技能士の資格を持っていたりすると、職業訓練指導員になれる可能性があります。
といっても、この資格を持っている人は職業訓練校の教師になる人が多いので、資格保有者が施工業者に在籍していることは少ないでしょう。
一級・二級施工管理技能士
国土交通省が認定する資格です。取得すると工事の施工計画や工程管理、安全管理などを行えるようになります。
外壁塗装診断士
民間資格の外壁塗装診断士。
建築診断のプロを養成するための資格です。
5年以上の実務経験があると受験資格が得られます。
外壁塗装診断士の資格を持っていると、外壁塗装の時期などメンテナンス計画などを立てられます。
有機溶剤作業主任者
国家資格である有機溶剤作業主任者。
有機溶剤を使う現場の責任者が持っていると良い資格です。
有機溶剤による健康被害を防ぐための監督ができるようになります。
足場の組み立て等作業主任者
「足場の組み立て等作業主任者」も国家資格です。
塗装工事を始めるにあたっての、足場設置の指揮や監督ができるようになる資格です。
受講に際しては、塗装業の実務経験が必要です。
1級色彩検定、1級カラーコーディネーター検定
色彩検定やカラーコーディネーター検定の有資格者がいると、外壁塗装の色について詳しく相談できるでしょう。
外壁の色選びで悩む施主さんも多いので、これらの有資格者なら安心して相談できますよ。
安心できる業者選びのコツ
ここでは安心できる業者選びのコツを解説します。
資格の有無に関わらず、大事なポイントをご紹介していきますよ。
国土交通省が2010年に発表した『リフォーム工事における消費者・事業者のニーズ』という資料によると、多くの人が次のような基準で業者を選んでいることがわかります。
- 価格の透明性、明朗さ…39.4%
- 説明のわかりやすさ、丁寧さ…33.4%
- 価格の安さ…31.5%
- これまでの実績・施工事例の良さ…29.8%
- 気軽に相談できる…27.0%
価格の安さよりも、価格の透明性や丁寧さのほうが重視されていることが分かります。
上記以外にも、施工業者を判断するコツにはさまざまありますので、以下でご紹介していきましょう。
下請けに工事を依頼している業者は避ける
資格保有者をアピールしている施工業者でも、実際の工事は下請け業者に依頼しているケースがあります。
資格を持っている人が、実際に工事を行うのかどうかをチェックすることが必要です。
工事を担当する業者の社長が一級施工管理技能士の資格を持っていることを最低基準と考えます。
現場を管理する職長が一級施工管理技能士などの資格を持っていると、さらに安心です。
訪問販売で訪れた業者を安易に選ばない
施工品質やアフターサービスではなく、営業が上手いことで塗装工事の仕事を得ている業者もあり、「あなたの家に不具合がある」と訪問販売を持ちかけてくるケースが多いです。
こうした業者は、お客さんの数が安定していないために訪問販売を続けている可能性があります。
また初めに相場よりも高い金額をあえて提示し、その金額から大幅に割引するような販売戦略を行っている場合もあります。
10万円以上の値引きをする業者は要注意です。
もちろん営業が上手な業者の中には、適正価格でクオリティの高い施工を行う業者もあります。
業者の言いなりにならずに、自分で良い業者を判断できる目を養うことが大切です。
職人の腕を見極める
次のような特徴がある職人は、腕が良い可能性があります。
- 有資格者である
- 施工実績や経験年数が豊富
- お客さんとコミュニケーションが取れる
ベテランかつチームワークが得意な職人に任せれば、施工品質が高くなります。
またお客さんの疑問や質問にも丁寧に対応できる職人なら、納得できる工事になるでしょう。
相見積もりを取る
1社のみで見積もりを取るよりも、複数の業者で見積もりを出してもらうのがおすすめです。
これなら業者同士を比較できるので、適正価格やサービス内容を吟味できます。
多くの業者で見積もりを出してもらうと、その分だけ手間がかかりますが、最低でも3社に見積もりを出してもらうと安心感が違います。
業者の対応をチェックする
施工業者の担当者が親切に対応してくれる場合は、しっかり社員教育ができていると言えます。
新人のスキルアップにも積極的な業者の可能性もあるので、信頼できるでしょう。
また対応の丁寧さだけでなく、アフターサービスも充実しているかどうかも確認しておきましょう。
過去の施工実績をチェックする
過去の施工実績を積極的に開示している業者は、施工クオリティに自信があると言えます。
一方、過去の施工実績を開示したがらない業者は、お客さんとのトラブルが多い可能性があるので、避けたほうが良さそうです。
業者の種類で選ぶ
外壁塗装を行っているのは、主に次の3つの業者です。
- 大手のハウスメーカー
- 地元の外壁塗装業者
- リフォーム業者
これらの業者の特徴を紹介していきます。
大手のハウスメーカー
「ダイワハウス」「積水ハウス」といった大手のハウスメーカーは、技術力が高いので安心感があるでしょう。
ただしハウスメーカーは下請け業者に工事を委託するので、中間マージンが発生する分だけ施工費用は高くなります。
また利益の確保を優先しがちなため、お客さんの希望には柔軟に対応できない場合があります。
地元の外壁塗装業者
地元の外壁塗装業者は、外壁塗装を専門で行っているので、大手のハウスメーカーにも負けない技術力があるでしょう。
また中間マージンが発生しないので、ハウスメーカーよりもリーズナブルに施工してもらえます。
ただし大手のハウスメーカーよりもマイナーなので、安心感の面では劣るかもしれません。
リフォーム業者
リフォーム業者は施工費用が高くなりがちです。
お客さんの要望にある程度は柔軟に対応してくれますが、ハウスメーカーや地元の外壁塗装業者と比べると外壁塗装の経験が少なく、技術的なメリットは少ないかもしれません。
「外壁塗装と一緒に室内のリフォームもして欲しい」というかたには良いかも知れません。
目的で選ぶ
施工業者は目的で選ぶこともできます。
- 外壁塗装のみ
- 屋根塗装のみ
- 外壁塗装と屋根塗装
- 室内のリフォームもしたい
例えば外壁塗装は外壁塗装専門の業者に、室内のリフォームも行うならリフォーム業者、というように、施工業者の得意分野を調べてから依頼するのも良いでしょう。
まとめ
最後に、今回の記事の内容を簡単にまとめていきます。
- 施工業者が「一級塗装技能士」や「県知事許可書」を持っているかチェックする
- 業者選びでは「価格の透明性」「丁寧さ」などが大切
- 下請けに発注する業者や営業によって知り合った業者は避ける
- 相見積もりを取ることが大切
塗装工事を行う業者を選ぶ際は、まずは「一級塗装技能士」や「県知事許可書」を持っている業者かどうかを確認してみましょう。
優良業者を選ぶには、自分なりの「これだ!」という基準を持って判断するのがおすすめです。
この記事を参考に、ぜひ満足できる施工業者を見つけてみてくださいね。