4 min

ワンルームマンション修繕費の相場はどのくらい?修繕時期の目安はいつ?実績や施工事例も紹介

マンションの修繕は、安全で快適な環境を整え、資産価値を維持向上させるために必要不可欠です。

近年では投資用にワンルームマンションの一室を購入される方も増えていますが、ご自身がお住まいでなくてもマンションの修繕は行わなくてはなりません。

副業的に不動産投資をしている方はのほとんどは、修繕を含めた不動産管理を賃貸管理会社に任せていると思いますが、月々支払いをしている管理費と修繕積立金はどのように使われているかを理解しておくことはオーナーとして大切なことです。

管理費や修繕積立金は占有面積によって決められることが多いため、ワンルームマンションの場合は家族向け分譲マンション等に比べれば、比較的安い金額に設定されています。

20平米のワンルームマンションであれば、管理費が6,000〜9,000円程度、修繕積立金が3,500円〜5,000円程度の場合が多いようです。

しかし、これらの金額は修繕費の不足があった場合には値上げされることも予想され、値上げされることによって利回りや売却金額にも影響を及ぼします。

利益をだすためには、ワンルームマンションの修繕といてあげられる大規模修繕・中規模修繕・小規模修繕についてもよく理解しておくことが大切です。

ここでは、投資用にワンルームマンションを購入した方や、購入を検討している方が気になる修繕費や修繕の時期、修繕の内容についてくわしく解説しています。

ワンルームマンション修繕の種類と内容と違い

ワンルームマンションの修繕にはどういった工事があるのでしょうか。

大まかにわけると大規模修繕・中規模修繕・小規模修繕に分類されます。

それぞれの修繕の目的や工事内容をまとめました。

ワンルームマンションの大規模修繕の内容

ワンルームマンションであっても、マンション全体の大規模修繕工事の費用は負担しなければなりません。

マンションの大規模修繕の目的は、劣化を防ぎ安全性と資産価値を維持することです。

きちんと大規模修繕を行うかどうかで、将来的な価値が大きく変わってきます。

工事を行うのはマンションの共有部分に限られます。

具体的な工事の内容としては、

  • 外壁補修・塗装
  • 屋上やバルコニーの防水工事
  • タイル補修
  • シーリング工事
  • エントランスや階段などの内部の修繕や塗装
  • エレベーターの部品交換や入替

などがあげられます。

大規模修繕の費用は月々の修繕積立金が充てられますが、費用が不足する場合には積立金の値上げや一時金を徴収されることもあります。

ワンルームマンションの中規模修繕の内容

中規模修繕は近年増えてきた修繕方法の考え方の一つです。

大規模修繕のタイミングに多額の費用がかかり、修繕費が足りないというマンションが出てきました。

そういった問題を解決する方法として、修繕のタイミングをよく検討し、大規模修繕を分散して行っていくという考え方です。

一度に多額の費用負担が難しい場合でも、分散させれば工事が可能になったり、積立期間が長くなり余裕をもって修繕費を準備できたりするようになります。

工事内容としては、大規模修繕と同様の内容となります。

大規模修繕の工事をすべて一度に行わず、必要なタイミングで何回かに分けて計画的に修繕していきます。

ワンルームマンションの小規模修繕の内容

大規模修繕・中規模修繕が長期の計画に基づいて行われるのに対して、小規模修繕は毎年のように行われています。

生活に不具合がでたり、著しく景観が損なわれたりする場合などに、その都度行われます。

小規模修繕も基本的には共有部に対して行われます。

具体的な工事内容としては、

  • 共有部の電球の交換
  • 雨漏りや水漏れの対応
  • 災害による破損等の修繕
  • エントランスや階段など共有部分の破損修繕
  • 火災設備の点検や交換
  • 自動ドアや給水ポンプ、その他設備の故障修理

などがあげられます。

小規模修繕は生活に不都合があるかどうかが、行うかどうかの一つの判断基準となります。

小さな傷まですべて修繕していたらきりがないからです。

マンションにもよりますが、小規模修繕の費用は月々支払っている管理費の中から捻出される場合が多いようです。

賃貸経営しているワンルームマンションであれば、マンション全体で行う修繕とは別で、原状回復のためにハウスクリーニングや壁紙の貼り替えなどの修繕工事が必要になります。

占有部分である室内のリフォームや設備交換などは、オーナーの判断で行っていくことになります。

ワンルームマンション修繕工事の時期と費用の目安

下記は一般的なマンションの修繕費の目安です。

5年〜10年ベランダ・廊下・階段の塗装
室内設備の修理
排水管の高圧洗浄
約9万円/ 1戸あたり
11年〜15年屋根、外壁の塗装
ベランダ・廊下・階段の塗装
室内設備の修理
排水管の高圧洗浄
約64万円/ 1戸あたり
16年〜20年ベランダ・廊下・階段の塗装
室内設備の修理
給排水管の高圧洗浄・交換
外構の修繕
約23万円/ 1戸あたり
合計約216万円/ 1戸あたり
出典:「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」国土交通省より

こちらの目安は5年程度で中規模修繕を行なった場合の費用目安となります。

中規模修繕を行わず大規模修繕を行った場合は、1戸あたり100万円程度かかると言われていますが、ワンルームマンションは占有面積が比較的小さいため、全体的にこれよりやや少ない金額となる可能性があります。

またワンルームマンションの場合には、入居者の入れ替わりが多く、退去のタイミングで頻繁に室内のクリーニング、壁紙・フローリングの修繕が必要になることが予想されるため、そういった費用の準備も必要です。

マンション規模や劣化状況、それまでの修繕によってもかかる費用は変わってきますので、建物の状態やこれまでの管理状況もあわせて確認することが大切です。

修繕にあてられる修繕積立金や管理費が値上げとなると、利回りが悪くなり販売価格にも影響してきます。

正当な修繕が行われているのか、正しく積立金が使われているか、なども購入時にはよく確認しましょう。

ワンルームマンション修繕工事の適した時期について

ワンルームの投資マンションではどういった時期に修繕工事を行うことが多いのでしょうか。

基本的にマンションの大規模修繕は12年周期と言われています。

12年周期と言われる根拠となっているのが国土交通省が発表している「長期修繕計画作成ガイドライン」です。

この資料の中で12年程度を周期としているのに倣って、12年周期で長期計画を作成するマンションが多いようです。

また足場を組む必要がある外壁をはじめとした塗装工事は、12年前後で再塗装をすることが理想とされており、それにあわせて大規模修繕を実施することが多くなっています。

ただ近年では耐久性に優れた塗料や、新しい機能を併せ持った建築資材が多数開発されています。

建築技術も10年前と比べて、はるかに向上しています。

そういったことを踏まえて、12年より長い周期で大規模修繕を考える流れもあります。

小規模修繕は不具合が出たり、著しく景観が損なわれる場合などに、管理組合を中心とした話し合いで修繕を行う時期が決められます。

毎年どこかしらの小規模修繕が行われていると考えていいでしょう。

ここで紹介した大規模・中規模・小規模修繕はマンションの共有部分に行う工事です。

占有部分のリフォームや設備交換を行う時期については、オーナーの一存に任されていますが、水回り設備の修繕や交換は、入居率に直結するため定期的にリフォームを行うことも安定した賃貸経営においては非常に重要です。

大規模修繕工事でよくある質問

Q

大規模修繕工事の期間はどのくらいかかりますか?

A

大規模修繕工事の規模や建物の状態によりますが、およそ3ヶ月〜4ヶ月程度かかることが多いです。

Q

工事中の生活にどんな影響がありますか?

A

足場の設置やメッシュシートで覆うため、室内が少し暗くなることがあります。また、塗装や防水作業時には洗濯物が干せないなどの制限があります。

Q

バルコニーやベランダの利用はどうなりますか?

A

バルコニーやベランダの壁面塗装や床面の防水作業時には、使用が制限されることがあります。

Q

工事期間中、エアコンは使えますか?

A

基本的には通常通り使用できますが、場合によっては一時的に使用が制限されることもあります。

Q

大規模修繕での工事の騒音や臭気はどうなりますか?

A

塗装の臭気やドリルの騒音、粉塵などが発生することがありますが、できるだけ負担を軽減するよう配慮しております。

Q

大規模修繕工事に対する費用が不足する場合はどうすればよいでしょうか?

A

できるだけ早い時期に長期修繕計画に基づき積立金を見直し、資金不足にならないようにするのが最善です。実際に資金が足りないことが判明した場合には、時期をずらしたり、工事の範囲を見直したり、一時金の徴収や借入の可能性を探ったりと、様々な方法で計画を調整できます。ご予算に応じて資産価値を損なわないベストなプランをご提案いたします。

Q

修繕工事の前に現地調査が必要なのはなぜですか。どういうことを行うのですか?

A

築年数、周囲の環境や場所によって劣化の度合いは異なりますので、各部の劣化状況を把握し、適切な修繕方法を見極めるためには現地調査が欠かせません。外壁タイルの浮きやコンクリートの中性化、鉄部の錆など、部位ごとに幅広くチェックします。

まとめ

ワンルームマンションの修繕について解説してきました。

  • ワンルームマンションでも修繕工事は必要
  • 修繕工事をきちんと行うことで売却時の金額が大きく変わってくる
  • 大規模修繕は12年に一度程度の周期で行われる
  • 近年は大規模修繕を分割して行う中規模修繕も検討されることがある
  • 小規模修繕は生活に不都合があったり、景観が著しく損なわれたりする際に、その都度行われる軽微な工事
  • 修繕費は20年間で1戸あたりおおよそ200万円前後の費用がかかる
  • 投資用ワンルームマンションの場合は、退去のタイミングで原状回復を行わなければならない

ワンルームマンションは、投資や賃貸目的で購入される方も多いと思います。

購入する際には長期修繕計画を確認し、これまでの修繕履歴や今後の予定も把握しておくようにしましょう。

関連記事
公式サイト
施工実績344件突破!WEB割キャンペーン実施中!