6 min

マンション大規模修繕で見積もりを取る方法・見積書のチェックポイントを解説

マンションの大規模修繕を行う際は、施工業者を選ぶ必要があります。

しかし初めて大規模修繕を行う場合、「施工業者が提示した金額が妥当かどうか」を判断するのも難しいかも知れません。

かといって費用が安いだけでも不安です。

特に初めて大規模修繕を行う際は、優良業者を見つけるのは簡単ではないでしょう。

そこでこの記事では、優良業者を見分けるチェックポイントについて解説していきます。

見積もり時のチェックポイントを押さえておけば、適正価格で施工品質の高い大規模修繕を行えるようになりますよ。

大規模修繕について解説

大規模修繕とは、マンションやビルなどの集合住宅において、外壁のひび割れや塗装の剥がれ、屋上の防水工事や設備の劣化など、建物全体の劣化を防ぎ、修繕するために行われます。建物全体の劣化を防ぎ、長期的な安全性と快適性を維持するために行われる大規模な修繕工事です。通常、10年から20年ごとに計画され、外観の美観を保つだけでなく、建物の構造や設備の性能を向上させることを目的としています。

新東亜工業の大規模修繕工事最大25%のコストカットを実現!

新東亜工業は修繕工事お客様満足度98%

大規模修繕は中間マージン0で全て自社施工の新東亜工業へ

マンション大規模修繕や中規模修繕では共用部分と専有部分を正しく理解しよう

マンション大規模修繕や中規模修繕を計画するためには、共用部分と専有部分の違いを理解しておくことが非常に重要です。これらの区別を明確にしておくことで、修繕の対象範囲や費用分担がスムーズになります。

共用部分と専有部分の違いとは?

まず、マンションにおける共用部分と専有部分の違いを確認しましょう。共用部分とはマンション全体の住民が利用するスペースを指し、管理組合がその維持管理を行います。一方、専有部分は各住戸の居住者が専属的に利用するスペースで、その管理や修繕は住民自身が行う責任があります。

以下の表で、共用部分と専有部分を比較してみましょう。

項目共用部分専有部分
定義住民全員が利用する共有スペース各住戸の住民が専属的に利用するスペース
具体例エントランス、廊下、階段、屋上、外壁、駐車場室内の床、壁、天井、窓枠内側、専用庭
管理責任管理組合が責任を負う各住民が責任を負う
修繕費用管理費・修繕積立金で賄う住民自身が負担
修繕対象の例外壁塗装、防水工事、エレベーター点検室内の壁紙の張り替え、設備の修理

マンションの大規模修繕・中規模修繕を行う際には管理側、住民側双方がしっかりと共用部分と専有部分を把握しておきましょう。

大規模修繕や中規模修繕におけるマンション共用部分と専有部分の関係

マンションの大規模修繕や中規模修繕では、主に共用部分が修繕対象となります。具体的には、外壁や屋上の防水工事、廊下や階段の補修が該当します。一方、専有部分については各住民が自費で修繕を行うことが原則です。

ただし、バルコニーや窓枠など、一部の専有部分が特例的に共用部分とみなされるケースもあります。管理規約によって異なるため、修繕計画を立てる際には必ず事前確認が必要です。住民全員で協力し、計画をスムーズに進めることが、マンションの快適な生活を守るポイントとなります。

大規模修繕の見積もりを取る前にすることは?

大規模修繕工事をスムーズに進め、適正な見積もりを取得するためには、事前の準備が欠かせません。準備が不足していると、内容が不明確な見積もりや予期せぬトラブルが発生する可能性があります。以下では、見積もりを取る前に行うべきポイントを解説します。

長期修繕計画を確認する

修繕計画を見直し、次回の修繕でどの部分を重点的に工事するかを明確にします。計画内容に基づいて、具体的な工事範囲や優先順位を把握しましょう。これにより、業者に適切な見積もり依頼が可能になります。

マンション住人へのアンケート・事前説明を行う

マンション住人に「修繕をして欲しい箇所はないか」といったアンケートを取ることも大切です。

マンション住人は目で見て確認できる劣化があると、大規模修繕に協力的になる傾向に。

また「セキュリティを強化して欲しい」といった機能を向上させる要望も、できる限り検討するようにしましょう。

建物診断

大規模修繕の見積もりを取る前に、まずは建物診断を行いましょう。建物診断では、建物の劣化状況や修繕箇所を把握できます。

建物診断はマンションの管理会社や工事の施工業者、建築士事務所に依頼できます。

無料で建物診断を行なってくれるところもありますが、無料の建築診断はその後の工事を受注するためのエサだったりします。

無料かどうかよりも、第三者の立場から客観的に建築診断してくれる業者に依頼することが大切です。

基本計画書の作成

どんな大規模修繕を行うのか、基本計画書を作成することも大切です。

基本計画書とは、工事項目や費用の概算などが書かれた書類のことを言います。

「どの箇所を優先して修繕すべきか」「どの時期に工事を行うか」など、建築診断の結果をもとに大規模修繕の計画をしっかり行ないましょう。

大規模修繕工事は誰が主体となって行う?

マンションの大規模修繕工事は、建物の資産価値を維持し、安全で快適な住環境を保つために欠かせない重要なプロジェクトです。しかし、実際に誰が主体となって工事を進めるべきかを明確にしておくことが成功の鍵です。以下では、大規模修繕工事の主体について解説します。

多くの場合工事の主体となるのは「管理組合」

マンションの大規模修繕工事を主体的に進めるのは、基本的に管理組合です。管理組合は、住民全員の共同体であり、建物の管理や維持を責任を持って行います。

  • 管理組合の役割
    1. 修繕計画の立案:長期修繕計画に基づき、工事の時期や範囲を決定します。
    2. 業者選定:信頼できる施工業者やコンサルタントを選定します。
    3. 予算管理:修繕積立金の範囲内で工事を行い、必要があれば住民から追加徴収を行います。
    4. 住民の意見集約:住民総会での合意形成や説明会を通じて、住民全員の理解と協力を得ます。

サポートを行う専門家やコンサルタント会社

大規模修繕工事は、専門知識が必要なため、管理組合だけでは進めるのが難しい場合があります。そのため、以下のような専門家や業者のサポートが重要です:

  1. 管理会社
    日常の管理業務を担当している場合、大規模修繕に関する経験や知識を持っているため、アドバイザーとしての役割を果たします。ただし、施工業者と同系列の場合は、中立性に注意が必要です。
  2. コンサルタント会社
    工事計画や業者選定の助言、工事の進行管理をサポートします。第三者として客観的な意見を提供できるのが強みです。
  3. 施工業者
    実際に修繕工事を行う主体です。管理組合やコンサルタントと密接に連携しながら、工事を進めます。

住民の協力も不可欠

大規模修繕工事は、住民全体の負担と協力が必要です。管理組合が主体となりますが、以下のような住民の協力が工事をスムーズに進めるために欠かせません:

  • 説明会への参加:工事内容や費用について理解を深めるために参加します。
  • 住民総会での意見表明:合意形成に向けて、意見や提案を行います。
  • 工事中の配慮:工事期間中の騒音や一時的な不便に理解を示します。

大規模修繕工事の主体は管理組合ですが、管理会社やコンサルタント会社、施工業者と連携し、住民の協力を得ながら進めることが重要です。これらの役割分担と連携を明確にすることで、工事の計画や実施がスムーズに進行し、マンション全体の資産価値を守ることができます。

大規模修繕見積もり依頼時の注意点

大規模修繕工事を依頼する際、見積もりを適切に依頼することは、適正価格や施工品質を確保するために重要です。以下に、見積もり依頼時の注意点を3つに絞って解説します。

1. 複数業者から見積もりを取得する

  • 理由:1社だけに依頼すると、相場や適正価格が分からないまま契約してしまうリスクがあります。3~5社程度から見積もりを取り、内容や価格を比較検討しましょう。
  • ポイント:同じ工事内容で依頼し、費用や施工内容の差異を確認します。業者による提案の違いを把握することも重要です。

2. 見積もりの内訳を明確にする

  • 理由:曖昧な表現(例:「工事一式」)が多い見積もりでは、実際の施工内容や費用の妥当性が判断できません。
  • ポイント:外壁補修、防水工事、足場設置など、項目ごとの数量や単価が明記されているか確認しましょう。不明点があれば業者に質問し、納得できるまで説明を受けます。

3. 工事後の保証やアフターフォローを確認する

  • 理由:大規模修繕は長期的な耐久性を求める工事であるため、工事後の保証内容やアフターフォローが明記されていることが重要です。
  • ポイント:保証期間や範囲(防水工事、外壁補修など)が具体的に記載されているか確認します。また、定期点検やトラブル時の対応についても業者に確認しておきましょう。

これらのポイントを押さえることで、大規模修繕の見積もり依頼をスムーズに進められ、適正価格と高品質な施工を実現できます。業者とのコミュニケーションを大切にし、不明点を解消したうえで契約することが成功への近道です。

大規模修繕工事の見積書例とその内容解説

以下は、大規模修繕工事の見積書例です。この見積書は、記事の読者にとって実際の見積もり内容をイメージしやすい形式で作成されています。見積書の構成やチェックすべきポイントを解説しながら、適切な業者選びや費用の把握に役立ててください。

大規模修繕工事の見積書例


見積書
宛先:株式会社◯◯ 様
発行日:2025年1月15日
案件名:大規模修繕工事
見積番号:EST-20230115-001


項目作業内容数量単価金額
外壁補修工事ひび割れ補修およびタイル張り替え200㎡4,000円/㎡800,000円
屋上防水工事ウレタン防水施工150㎡5,000円/㎡750,000円
バルコニー防水工事シート防水施工100㎡4,500円/㎡450,000円
外壁塗装工事外壁塗料の再塗装200㎡3,500円/㎡700,000円
仮設足場設置足場設置・撤去作業一式500,000円500,000円
諸経費現場管理・運搬費300,000円300,000円

合計金額:3,500,000円

※ 上記金額には消費税は含まれておりません。
※ 工事内容や条件により金額が変動する場合がございます。

見積書の内容解説とチェックポイント

  1. 基本情報の確認
    • 見積書には宛先、案件名、発行日、見積番号などの基本情報が記載されています。これにより、誤った案件との混同を防ぎます。
  2. 項目ごとの明細
    • 作業内容が具体的に記載されているかを確認しましょう。「一式」とだけ書かれている場合は、内容を業者に確認することが重要です。
  3. 数量と単価の適正性
    • 各項目の数量(㎡数)と単価が妥当かを確認します。市場相場と比較し、不明点があれば詳細を確認してください。
  4. 諸経費の内訳
    • 諸経費は総額の10~20%程度が一般的です。内訳が不明確な場合は、明細を業者に依頼してください。
  5. 保証内容と条件
    • 見積書の備考欄や別途資料で、工事後の保証期間や条件が明示されているかを確認します。

見積書の内容をしっかりと確認し、適切な業者選びと計画的な修繕工事を実現してください。必要に応じて複数の見積もりを取得し、比較検討することをおすすめします。

大規模修繕での相見積もりの重要性

マンションの大規模修繕工事では、複数の業者から相見積もりを取ることが、適正価格で質の高い施工を実現するために重要です。以下では、相見積もりを行うことの具体的なメリットと注意点について解説します。

適正価格を把握できる

相見積もりを取ることで、各業者の価格帯を比較でき、相場を把握することができます。同じ内容の工事でも業者によって価格が異なるため、相見積もりを行わないと、過剰なコストを支払うリスクがあります。また、見積もりが極端に安い場合は、品質に問題がある可能性があるため注意が必要です。

工事内容や提案の質を比較できる

相見積もりを通じて、業者ごとの工事内容や提案力の違いを確認できます。一つの課題に対して異なる解決方法が提示されることもあり、最適な工事プランを選ぶための判断材料になります。業者の説明が明確で、具体的な施工計画が提示されているかを重視しましょう。

談合や中間マージンを防ぐ

管理会社やコンサルティング会社と施工業者の談合によって、不当に工事費用が高くなるリスクを軽減できます。独立系の業者や信頼できる業者に個別で見積もりを依頼することで、価格や工事内容の透明性を高められます。

相見積もりの注意点

  • 同じ条件で見積もりを依頼する
    工事内容や仕様を統一して依頼することで、費用や内容を正確に比較できます。
  • 業者の信頼性を重視
    価格だけでなく、施工実績や保証内容、アフターフォローの有無も確認しましょう。
  • 建物診断の提案を確認する
    各業者が行う建物診断に基づき、適切な修繕内容が提案されているかをチェックします。

相見積もりは、大規模修繕を成功させるための第一歩です。マンション側が主体的に動き、適切な業者選定を行うことで、コストを抑えながら高品質な工事を実現できます。

大規模修繕工事において見積り以外で確認すべきこと

大規模修繕工事を依頼する前には、適切な準備を行い、確認事項を整理しておくことが成功の鍵となります。以下では、見積もり以外の面で工事依頼前に確認すべき重要な3つのポイントを解説します。

修繕計画と工事内容の明確化

長期修繕計画を基に、修繕が必要な箇所や優先度を明確にします。また、具体的な工事範囲や内容(外壁補修、防水工事、設備更新など)をリスト化し、漏れがないように確認しましょう。

曖昧な工事内容はトラブルの元になります。不明点は施工会社に確認したり、専門家に相談しながら計画を具体化すると良いでしょう。

予算と修繕積立金の確認

修繕積立金が計画通りに積み立てられているかを確認し、工事費用の予算を設定します。不足がある場合は、追加徴収や借入の検討が必要になるため、事前に住民総会で合意を得ることが重要です。

見積もり依頼時に、設定した予算を伝えることで、業者が適切な提案をしやすくなります。

助成金や補助金の活用可能性

大規模修繕工事が自治体や国の助成金・補助金制度の対象となるかを調べます。条件や手続きに関する情報を業者に共有することも重要です。

補助金が適用されれば、住民の費用負担を大幅に軽減できます。事前に担当窓口に相談して詳細を確認しましょう。

大規模修繕での見積もりについてまとめ

大規模修繕での見積もりを行う際は、さまざまなチェックポイントや注意点があります。

同じような工事でも業者によって価格にかなりの差が出る場合もあるので、複数の業者を比較検討することが大切です。

見積もりを丁寧に行なって、適正価格でクオリティの高い大規模修繕を目指しましょう。

公式サイト
施工実績344件突破!WEB割キャンペーン実施中!