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防水工事のコーキングとシーリング工事とは?補修のやり方や手順を紹介

コーキング防水処理工事を知りたい人

コーキング防水処理工事を知りたい人

防水工事で行うコーキングとは?どんな防水処理工事?
コーキングとシーリングの違いは?シーリングの意味とは?
コーキング防水処理工事の料金はいくら?
コーキング工事は防水業者に頼むべき?

この記事では、コーキングの基本知識から、料金の詳細、施工のステップバイステップの手順まで、分かりやすく解説します。

コーキング工事を検討中の方、またはこれから学びたいと考えている方に、役立つ情報が満載です。是非、チェックしてみてください!

コーキングとは?

コーキング工事とは、建物の外壁サイディングボードの継ぎ目や、建物の合わせ目、隙間などにコーキング材を充填して、気密性や防水性を高める防水処理工事の一種です。「シーリング工事」とも呼ばれており、外壁の劣化補修や雨漏り防止のために行われます。

コーキング工事を疎かにしてしまうと、外壁の劣化や雨漏りが発生しやすくなります。この防水処理工事を行うことで、これらのトラブルを未然に防ぐことができ、建物の長期的な保護につながります。

コーキング材には、ポリウレタンやシリコーンなどが使用されることが多いです。

コーキング工事とシーリング工事の違い

コーキング工事とシーリング工事は、建物の隙間を埋めるために行われる作業で、目的としては非常に似ています。しかし、用語の使い分けには若干の違いがあるようです。

コーキング工事…主に室内の窓やドア周りで利用されることが多く、建物の気密性や防水性を高めるために行われます。

シーリング工事…外部の屋根や外壁での使用が一般的であり、特に建物の外壁に使用されるサイディング材のひび割れを補修する際に用いられます。

具体的には、シーリングは建物の外側での作業を指すことが多く、コーキングは建物内での作業を指すことが多いようです。しかし、これらの用語はしばしば互換的に使用されるため、文脈によっては同じ意味で使われることもあります。

コーキング工事の種類

コーキング工事の種類は主に2つです。

  • 打ち替え工事
  • 打ち増し工事

どちらの工法を選択するかは、コーキング材の劣化具合、建物の構造、予算などによって異なります。

特に、水の侵入リスクが高い箇所や、外壁内の防水紙を傷つける恐れがある場所では、打ち増し工事がよく選ばれます。また、ALCのように目地が深い場合は、増し打ち工事で処理することが推奨されています。

以下では打ち替え工事と打ち増し工事、それぞれの特徴について紹介していきます。

打ち替え工事

打ち替え工事は、古いコーキング材を完全に撤去してから、新しいコーキング材を充填する工法です。

この工法は、劣化したコーキングを取り除き、新しい素材で補修するため、施工後の不具合が生じにくいというメリットがあります。しかし、既存の素材を撤去する必要があるため、費用と工期が増し打ちに比べて多くなる可能性があります。

打ち増し工事

打ち増し工事は、古いコーキング材をそのままにして、上から新しいコーキング材を充填する工法です。施工が簡単で費用を抑えることができますが、既存のコーキング材が劣化している場合、新しいコーキングの密着が不十分になり、早期に劣化する可能性があります。

コーキング工事による防水処理を行う箇所

コーキング工事は水や空気の侵入を防ぐために密封が必要な箇所に施します。具体的には以下のような場所にコーキング工事を行います。

施工箇所目的
外壁の目地サイディングやALCなどの外壁材の間の隙間を埋めるため
窓やドアの周り雨水や風の侵入を防ぎ、断熱や防音の効果を高めるため
部材の接合部や取り合い部異なる建材が接する部分で、隙間からの水漏れを防ぐため
開口部窓や換気口などの開口部の周囲に施工して防水性を確保するため
水まわりキッチンや浴室など、水を多く使う場所の周囲や接合部に施工し、水漏れを防止するため

これらの場所にコーキングを施工することで、建物の耐久性を高め、快適な居住環境を維持することができます。

コーキング材が劣化してきたら、適切なタイミングでメンテナンスや補修を行うことが重要です。

コーキング材の耐用年数と劣化症状

コーキング材の耐用年数は、使用環境や材質によって異なりますが、一般的には5年〜10年とされています。
しかし、近年ではより耐候性に優れた製品が開発されており、約10年〜15年以上持つ超耐久タイプのコーキング材もあります。

コーキング材は劣化してくると、主に以下のような症状が現れます。

  • 黒ズミ・汚れ…コーキング材に含まれる可塑剤が表面に浮き上がり、黒く汚れてしまう現象です。これはブリード現象とも呼ばれ、塗料との相性が悪い場合や長年紫外線や風雨に晒されることで発生します。
  • 目地からの剥離…経年劣化や施工不良によってシーリングが劣化し、目地から剥離してしまうことがあります。これにより防水性や気密性が低下します。
  • ひび割れ…細い線状のひび割れから大きな亀裂まで、さまざまな程度のひび割れがあります。これが大きくなると防水性が低下し、雨漏りの原因となります。
  • 肉やせ…シーリング材に含まれる可塑剤が経年劣化によって溶け出し、シーリング材の厚みが減少する現象です。これにより防水・気密性が低下します。
  • 破断…シーリング材のひび割れが原因で破断する可能性があり、断裂すると防水性が著しく低下します。
  • 欠落…シーリング材が下地から剥がれ落ちることで、外壁や窓枠の隙間から雨水が侵入し、雨漏りなどの原因となります。

劣化の原因としては、紫外線、風雨、温度変化、施工不良などが挙げられます。

これらの劣化症状は、雨漏りや建物の構造体の腐食、カビやシロアリの発生など、さまざまな問題を引き起こす可能性があります。そのため早めの対処が重要です。

コーキング工事に使う防水材の種類・主な用途

この工事ではコーキング材を使用します。コーキング材とは、樹脂を主成分としたペースト状の防水材です。固まると、ゴムのような弾力のある性質に変わるのが特徴です。

コーキング材を隙間などに充填することで水を弾きます。また、ゴムのような弾力性によって充填した箇所にピッタリと密着し、建物の揺れに追従して衝撃やズレを吸収する効果もあります。

コーキング材は、主に以下の種類があります。

コーキング材主な用途特性
シリコン系シーリング剤ガラス、タイルなど耐候性、柔軟性に優れ、塗装可能
変成シリコン系シーリング剤ALCボードの目地充填シリコン系とアクリル系の特性、塗装可能
ポリウレタン系シーリング剤多様な材料高強度、耐久性に優れる
アクリル系シーリング剤木材、コンクリートなど塗装可能、乾燥後に塗装できる

コーキング材の種類は使用する場所や目的に応じて選ぶことが重要です。適切に選ぶことで、建物の保護と寿命延長が期待できます。

コーキング工事の料金詳細

コーキング工事の単価相場は、使用する材料や施工範囲、工事の難易度により異なります。

具体的な防水処理工事の料金は業者によって異なるため、複数の見積もりを比較することが重要です。

また、足場費用など追加のコストも考慮する必要があります。

打ち替え工事の単価

打ち替え工事でコーキング材を充填する際のポイントを以下にまとめました。

要因説明影響
シーリング材シリコン:一般的、耐久性あり、安価
ウレタン:強度あり、高価
MSポリマー:高性能、耐候性・耐久性あり、高価
シーリング材の種類によって単価が異なる
工事範囲工事の範囲が広いほど、単価も高くなる。例:窓周りだけでなく、壁全体のシーリングを行う場合範囲の広さによって単価が異なる
施工面積施工面積が広いほど、単価は低くなる。大量の材料を購入することで、材料単価が低くなるため。面積の広さによって単価が異なる
施工難易度高所での作業や、アクセスが困難な場所での作業は、単価が高くなる。難易度によって単価が異なる
その他の要因施工業者の技術力や経験、地域差も影響を与える。業者や地域によって単価が異なる

打ち替え工事の単価は以下のようになります。

項目シリコン系ウレタン系MSポリマー系備考
打ち替え工事の単価約1,000円~1,500円/本※約1,500円~2,000円/本※約2,000円~2,500円/本※単価はシーリング材の種類や工事の規模、条件によって異なります。
※「本」とは、通常、シーリングやコーキングの際に使用される目地(ジョイント)の長さを指します。

具体的な長さは防水工事業者によって異なる可能性があるので、正確な長さや条件については、打ち合わせの際に業者に確認しましょう。

一戸建てやマンションのコーキング工事打ち替え単価

一戸建てやマンションのコーキング工事単価は以下になります。

外壁材単価(㎡あたり)特徴選定のポイント
サイディングボード約2,000円~4,000円軽量、デザインのバリエーション豊富耐久性、メンテナンス性
タイル約10,000円~20,000円重厚感、耐久性が高い重量、取り付けコスト
塗装約1,500円~3,000円コストが低い、色の選択肢が多い耐久性、塗り替えの頻度

打ち増し工事の単価

打ち増し工事でコーキング材を充填する際のポイントを以下にまとめました。

項目説明
打ち増し工事の単価 作業内容、使用材料、作業範囲によって異なる。具体的な単価の例がウェブサイトに示されている。
単価の決定要因作業の難易度、使用する材料の種類と量、作業時間など。
打ち増し工事の流れ事前調査、見積もり、作業計画、作業実施、仕上げ、検査。
見積もり例ウェブサイトに掲載されている、打ち増し工事の見積もり例。

打ち増し工事の単価は以下のようになります。

床面積単価(㎡あたり)合計
30㎡ 以下30,000円900,000円
50㎡28,000円1,400,000円
100㎡26,000円2,600,000円

コーキング工事の打ち増しは、打ち替えに比べて費用と工期を抑えられることがメリットです。しかし、既存コーキング材の影響を受けやすいため、早期に劣化することもあります。施工箇所の状況を考慮した上で、工法を選択することが重要です。

コーキング工事の施工手順とポイント

コーキング工事の施工手順について紹介していきます。
以下では、コーキング工事の打ち替え工事を取り上げています。

既存材の除去

以下は、既存材の除去についてのポイントを箇条書きにしたものです。

  1. 安全確認: 作業を始める前に、作業エリアの安全を確認し、必要に応じて安全対策を講じる。
  2. 適切な工具の選定: 既存材の除去には、適切な工具を使用することが重要である。
  3. 既存材の確認: 除去する材料の種類や特性を確認し、適切な方法で除去を行う。
  4. 作業領域の保護: 除去作業中に発生するダストやデブリから周囲のエリアを保護する。
  5. 除去作業: 既存材を慎重に除去し、ダメージを最小限に抑える。
  6. 清掃: 除去作業後は、作業エリアを適切に清掃し、残留物を取り除く。
  7. 廃材の処分: 除去した既存材は、適切に処分し、環境に配慮する。

これらのポイントは、既存材の除去作業を効率的かつ安全に進めるための基本的なガイドラインとなります。

適切な計画と実行により、作業の品質と安全性を確保できます。

清掃と養生

清掃と養生についてのポイントを以下に箇条書きでまとめました。

清掃

  1. 作業後の清掃: 作業が終わった後、作業エリアの清掃を念入りに行う。
  2. 残留物の除去: シーリング材やその他の残留物を丁寧に取り除く。
  3. 安全確認: 清掃後、作業エリアに異物が残っていないか確認する。

養生

  1. 周囲の保護: 作業エリア周辺を養生テープやシートで保護し、作業中のダメージを防ぐ。
  2. マスキング: シーリングを施す部分以外をマスキングテープで覆い、はみ出しを防ぐ。
  3. 環境の確認: 養生を行う前に、作業環境を確認し、適切な養生材を選定する。

清掃と養生は、コーキング工事において重要な工程です。

清掃は作業の完成度を高め、養生は作業中のトラブルを未然に防ぎます。

プライマーの塗布

プライマーとは「接着剤」のことです。

プライマーを塗布することにより、コーキングざいがより外壁の溝に密着に、雨水や空気の流入を防ぎます。

新材の充填

以下は、新材の充填についてのポイントを箇条書きにまとめたものです。

  1. 新材の選定: 適切な新材を選定することが重要です。
  2. 充填方法: 特定の技術や工程が必要とされる。
  3. コスト: コストがかかるため、予算内での計画が必要。
  4. 安全性: 新材の取り扱いには、安全性が重要で、適切な保護措置が必要。
  5. 環境への影響: 環境に配慮した新材の選定と、環境への影響を最小限に抑える方法が重要。

新材の充填に関する知識は、建築や製造業界での作業効率や品質向上に寄与します。

適切な新材の選定、充填方法の理解、コストの管理、安全性の確保、そして環境への影響の最小化は、新材の充填作業において考慮すべき重要なポイントです。

ヘラ押さえ

充填したコーキング材を仕上げます。

専用のヘラを使用し、外壁の溝に新材(コーキング材)を押し込みます。

以下にコーキング材をヘラで抑えるポイントをまとめました。

  1. コーキング材の中に空気がたまらないようにする
  2. コーキング材の中の空洞を押しつぶす
  3. 一定に尚且つ均一に力を加える
  4. 溝とコーキング材の密着性を高める密着性

コーキング工事の費用を抑えるコツ

コーキング工事の費用を抑えるコツは5つあります。以下のポイントを参考にしてください。

  • 工事の範囲を正確に把握する…必要な箇所だけに工事を行うことで、余計な費用をかけずに済みます。
  • 打ち増し工事を検討する…既存のコーキング材の上から新しい材料を充填する打ち増し工事は、打ち替え工事に比べて費用が抑えられることが多いです。
  • 複数の業者から見積もりを取る…複数の業者に見積もりを依頼して比較検討することで、最もコストパフォーマンスの良い業者を選ぶことができます。
  • 助成金や補助金の活用…地域によっては、コーキング工事に対する助成金や補助金が用意されている場合があります。自治体の情報を確認し、利用可能な制度があれば申請しましょう。
  • 適切な時期に工事を行う…コーキング材が劣化する前にメンテナンスを行うことで、大規模な修繕が必要になる前に済ませることができ、長期的に見てコストを抑えることができます。

これらの方法を組み合わせることで、コーキング工事の費用を節約することができます。

また、工事の種類や規模、使用する材料によっても費用は変動するため、事前にしっかりと計画を立てることが重要です。

コーキング工事における防水工事業者の選び方

コーキング工事を依頼する場合、専門の防水工事業者を選定する必要があります。しかし、その判断は難しいため、どのような方法で選べば良いか知っておくと安心です。以下では、その方法について解説します。

豊富な実績と経験があるか

コーキング工事は、業者の経験と技術力が大きく影響します。信頼できる業者を選ぶためには、まず過去の施工実績を確認することが重要です。実績写真や施工事例を見せてもらい、どのような建物で、どのような工事を行ったのかを具体的に説明してもらいましょう。また、業者の営業年数も重要な判断材料となります。長年営業を続けている業者は、技術の蓄積があり、様々な状況に対応できる能力を持っています。できれば、実際に施工を担当する職人の経験年数についても確認することをおすすめします。

見積もりの詳細がわかりやすい

良い業者は、見積もりの内容について分かりやすく丁寧な説明をしてくれます。使用するコーキング材の種類や特徴、なぜその材料を選んだのかという理由、工事期間など、細かな点まで説明を受けることが大切です。特に気を付けたいのは、見積り金額の内訳です。材料費・人件費・諸経費など、明確に分けて記載されているか確認しましょう。不明な点があればその場で質問し、納得のいく説明を求めることが重要です。

アフターフォローと保証内容の確認方法

工事後のサポート体制は、業者選びの重要なポイントです。施工後に問題が発生した場合の対応方法や、保証期間の長さ、保証の対象となる範囲について、しっかりと確認する必要があります。一般的なコーキング工事の保証期間は5年程度ですが、業者によって異なります。また、定期的な点検サービスを提供している業者もあります。これらのアフターフォロー内容を事前に確認し、工事後も安心できるサポート体制が整っているかどうかを判断しましょう。万が一の雨漏りや劣化に対して、どのような対応をしてくれるのかも確認しておくことが大切です。

コーキング工事のまとめと選定ポイント

この記事ではコーキング工事について紹介してきました。

以下はこの記事のまとめです。

  • コーキング工事とは、建物の外壁サイディングボードの継ぎ目や、建物の合わせ目、隙間などにコーキング材を充填して、気密性や防水性を高める防水処理工事の一種。「シーリング工事」とも呼ばれており、外壁の劣化補修や雨漏り防止のために行われる。
  • コーキング工事の種類は「打ち替え工事」と「打ち増し工事」の2種類がある。
  • 打ち替え工事とは、古いコーキング材を完全に撤去してから、新しいコーキング材を充填する工法。施工後の不具合が生じにくいというメリットがあるが、費用と工期は多くなる傾向がある。
  • 打ち増し工事とは、古いコーキング材をそのままにして、上から新しいコーキング材を充填する工法。打ち替え工事に比べ、費用を抑えることができるが、既存のコーキングが劣化している場合、早期に劣化する可能性がある。
  • コーキング工事の費用相場は打ち替え工事が1,000〜2,500円/㎡、打ち増し工事は5001,200円/㎡
  • コーキング工事の費用を抑えるコツは5つ
    • 工事の範囲を正確に把握する
    • 打ち増し工事を検討する
    • 複数の業者から見積もりを取る
    • 助成金や補助金の活用
    • 適切な時期に工事を行う

コーキング工事は建物を長持ちさせるために必要な防水処理工事です。 

既存のコーキング材が劣化している場合は早めにメンテナンス工事を行いましょう。早期に工事を行うことで、費用を抑えることができます。

料金や施工会社を選ぶ際は十分注意し、複数の見積もりを比較検討しましょう。

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