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マンション大規模修繕工事の費用相場と目安について解説!管理組合と修繕積立金の役割とは

 

マンションの資産価値を維持し、快適な住環境を守るために欠かせないのが、大規模修繕工事です。しかし、工事費用は高額になることが多く、管理組合や修繕積立金の役割も重要になってきます。

今回はマンションの大規模修繕工事の費用相場や目安、2回目・3回目の修繕費用について解説します。また、管理組合や修繕積立金の役割についても詳しくご紹介します。

費用が払えない場合にどのような対処法があるのかについても解説します。マンションの大規模修繕に関する費用について理解を深めましょう。

マンションの大規模修繕工事についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

マンションの大規模修繕工事の意味とは?

マンションの大規模修繕工事とは、建物の経年劣化による損傷を補修し、建物の機能を回復させるための工事です。一般的には、築12年~15年程度を目安に実施されます。

大規模修繕工事では、外壁塗装や防水工事、屋上防水工事、バルコニー防水工事、共用部分の補修など、建物の内外をくまなく補修します。また、給水管や排水管などの設備更新や、耐震補強工事なども含まれる場合もあります。

実施時期は、建物の状態や管理組合の判断によって異なりますが、長期修繕計画に基づいて計画的に実施されることが望ましいです。計画的な修繕を行うことで、建物の寿命を延ばし、資産価値を維持することができます。

マンションの大規模修繕工事を行うタイミングや周期

マンションの大規模修繕工事は、建物の築年数や状態に応じて、定期的に実施する必要があります。築年数や建物の状態によって、工事を行うタイミングや周期は異なります。

一般的には、築20~30年を目安として、築12年~15年程度の間隔で実施すると良いとされています。

大規模修繕工事を行う前に、管理組合は専門家と相談して、工事の内容や費用、スケジュールなどを決める必要があります。また、住民への説明会や総会を開催して、工事の計画を承認してもらう必要があります。

大規模修繕工事は、建物の寿命を延ばし、安全性を確保するために重要な工事です。管理組合は計画的に工事を実施して、建物の価値を維持していくことが大切です。

大規模修繕工事で行う工事内容

マンションの大規模修繕工事では、建物の老朽化に伴い発生した様々な問題を解決するために、様々な工事が行われます。これらの工事は、大きく分けて以下のようなものがあります。

  • 外壁・屋根の塗装: 外壁と屋根は、常に雨や風、紫外線にさらされているため、経年劣化が最も目立ちやすい箇所です。大規模修繕では、塗装の塗り替えや防水工事を行い、建物の寿命を延ばします。
  • 防水工事: 外壁・屋根だけでなく、ベランダや屋上、バルコニーなどの防水層も劣化するため、防水工事が必要です。防水工事を行うことで、雨水の浸入を防ぎ、建物内部の腐食や漏水を防ぎます。
  • 躯体補修: コンクリート製の建物は、時間の経過とともにひび割れや剥離などが発生します。躯体補修では、これらの損傷箇所を補修することで、建物の耐震性や耐久性を向上させます。
  • 給排水管の交換: 給排水管は年数が経つと錆びたり腐食したりするため、交換が必要になります。大規模修繕では、鉄管から耐久性の高い塩化ビニル管などへの交換が行われます。
  • 電気設備の更新: 電気設備も経年劣化によって、ショートや漏電などの危険性が高まります。大規模修繕では、電気設備の点検・交換を行い、安全性を確保します。

これらの工事は、マンションの規模や築年数、劣化状況などによって異なります。大規模修繕工事を行う際には、専門業者に調査・診断を依頼し、適切な工事内容を決定する必要があります。

マンションの大規模修繕工事の費用相場について|費用目安はいくら?

マンションの規模や施工内容によって費用は大きく異なるものの、大規模修繕工事の費用は、1戸あたり 75万~125万円 が目安です。国土交通省の2021年の「マンション大規模修繕工事実態調査」によると、半数以上のマンションで1戸あたり75万円以上 の修繕費用がかかっていることが判明しています。

例えば、大規模修繕工事の費用が 1戸あたり100万円 の場合、50戸のマンション では総額で 約5,000万円 になります。

修繕内容には、外壁の塗装防水工事共用部分の設備更新 などが含まれます。これらの修繕は建物の老朽化を防ぎ、安全性や資産価値の維持に重要です。築年数が経過するほど修繕箇所が増え、費用が上昇するため、定期的な積立計画的な修繕計画 の策定が欠かせません。

ただし、あくまで目安であり、実際の費用は建物の規模や施工内容、修繕積立金の状況によって変動します。

2回目や3回目の大規模修繕工事の費用は、より多くの修繕箇所が発生するため1回目の工事よりも高額になる傾向にあります。一般的に2回目は1.5倍、3回目は2倍程度かかるとされています。

マンション大規模修繕工事の費用が払えない場合は、一時金の徴収や不足額の借り入れ、修繕積立金の増額、工事の延期などが考えられます。

参考:国土交通省「マンション大規模修繕工事実態調査」

2回目や3回目の大規模修繕の費用はどれくらいかかるのか?

マンションの大規模修繕は、築後12~15年を目安に初めて行われますが、その後も12~15年ごとに繰り返し行う必要があります。2回目以降の大規模修繕は、1回目よりも費用がかかる傾向にあります。

その理由は、経年劣化の進行により、修繕範囲が広がったり、修繕方法が複雑化したりするためです。1回目で部分的な補修だった箇所が、2回目以降は全面的な取り替えが必要になる場合もあります。

具体的な費用は、マンションの規模や建物の状態、修繕内容によって異なりますが、1回目と比べて1.5倍~2倍程度になるケースが多いようです。

2回目以降の大規模修繕は、高額な費用がかかるため、計画的な修繕積立金積み立てが重要です。管理組合では、将来の修繕費用を見積もり、適切な修繕積立金の額を決定する必要があります。

2回目以降の修繕費用が高額になる理由について

マンションの大規模修繕工事は、1回目よりも2回目以降の方が費用が高額になる傾向があります。

その理由は、経年劣化によって修繕箇所の増加や耐震基準の強化、物価の上昇などがあります。

2回目の修繕では、1回目の修繕から時間が経過するため、建物の老朽化が進みます。そのため、より多くの箇所を補修する必要があり、費用が高額になります。

また、近年は耐震基準が強化されており、2回目の修繕では、1回目の修繕時に実施されなかった耐震補強が必要になる場合があります。耐震補強は費用がかかるため、修繕費が高額になります。

その他の要因としては物価の高騰により材料費などが高くなっており、その結果費用の増加にもつながっています。

マンションの大規模修繕工事は管理組合が主体となり、計画立案から施工管理まで行います。将来の工事費用に充てるため、毎月修繕積立金を徴収します。

管理組合は、修繕積立金を計画的に積み立てておくことで、2回目以降の高額な修繕費にも対応できるようにしておく必要があります。

マンションの管理組合の役割について

マンションの大規模修繕工事には多額の費用がかかります。その費用は、管理組合が管理する修繕積立金から支払われます。修繕積立金とは、マンションの維持管理のために、各住戸から毎月積み立てられるお金のことです。

管理組合は、修繕積立金を適切に管理し、大規模修繕工事を円滑に進めるために重要な役割を担っています。具体的には、以下の役割があります。

  • 修繕計画の策定
  • 工事費用の見積もり
  • 工事の発注
  • 工事の監理
  • 修繕積立金の管理

管理組合は、これらの役割を適切に果たすことで、マンションの価値を維持し、住環境を向上させることができます。

なお、管理組合の役割は法律で定められているわけではありません。しかし、マンション管理適正化法では、管理組合が「マンションの管理に関する重要事項を決定する」とされています。また、マンション標準管理規約でも、管理組合の役割について定められています。

管理組合は、マンションの管理運営において重要な役割を担っています。管理組合の役割を理解し、積極的に活動することで、マンションの価値を維持し、住環境を向上させることができます。

修繕積立金とは

マンションの大規模修繕工事は、高額な費用がかかります。計画的に修繕積立金を積み立てることが重要です。修繕積立金とは、将来の大規模修繕工事に備えて、毎月一定額を積み立てる資金のことです。各戸の専有面積に応じて、毎月一定額を積み立てる方法が一般的です。

修繕積立金の額は、マンションの規模や築年数、修繕計画などによって異なります。一般的には、戸建て住宅の固定資産税の2倍程度が目安とされています。積立金が不足した場合には、一時金で補填する必要があります。

20階以上と未満での積立金の差について

マンションの規模によって、修繕積立金の金額は大きく異なります。特に大きな差が出るのが、20階以上と20階未満の場合です。

20階以上の大規模マンションは、一般的に設備や構造が複雑で、メンテナンス費用も高額になります。そのため、20階未満のマンションと比べて、修繕積立金が高く設定されていることがほとんどです。

20階以上のマンションでは、エレベーターや給排水設備、共用廊下などの維持管理に多額の費用がかかります。また、高層階であるため、足場の設置や資材の運搬などにもコストがかさむため、修繕積立金の金額が高くなるのは必然と言えるでしょう。

積立金が高く設定されていることで、いざという時に十分な修繕費用を確保できるメリットがあります。しかし、高額な積立金を払い続けるのは、住民にとっては負担となることも事実です。

そのため、20階以上のマンションを購入する際には、修繕積立金の金額をしっかりと確認し、将来的な負担を考慮した上で決断することが大切です。

機械式駐車場の修繕工事への追加費用について

マンションの大規模修繕工事において、機械式駐車場は高額な追加費用が発生する可能性があります。機械式駐車場は構造が複雑で、専門的な知識と技術が必要となるため、一般の駐車場よりも修繕費が高くなる傾向があります。

機械式駐車場の修繕費用は、以下の要素によって影響を受けます。

  • 規模:機械式駐車場の規模が大きいほど、修繕費用も高くなります。
  • 老朽化の程度:機械式駐車場が老朽化しているほど、修繕箇所が多くなり、費用も高くなります。
  • 修繕内容:機械式駐車場の修繕内容が複雑なほど、費用も高くなります。

管理組合は、機械式駐車場の修繕費用をあらかじめ予算に組み込んでおく必要があります。また、修繕積立金の積み増しや一時金の徴収などを検討する必要も出てくるでしょう。

マンション大規模修繕工事の費用が払えない場合の対処法とは?

マンションの大規模修繕工事は、多額の費用がかかるため、住民にとって大きな負担となります。しかし、修繕工事は建物の寿命を延ばし、資産価値を維持するためにも必要不可欠です。

もし、マンション大規模修繕工事の費用が払えない場合は、いくつかの対処法があります。

  • 一時金を徴収する
  • 不足額を借り入れる
  • 修繕積立金を増額する
  • 大規模修繕を延期する

これらの方法を検討する必要があります。

一時金を徴収する場合は、管理組合が総会で決議し、各戸に対して均等に負担してもらうことになります。不足額を借り入れる場合は、金融機関から融資を受けることになります。修繕積立金を増額する場合は、管理組合が総会で決議し、各戸の負担額を増やすことになります。大規模修繕を延期する場合は、建物の劣化が進むため、できるだけ避けたい方法です。

これらの方法以外にも、自治体や民間団体による補助金制度を利用できる場合もあります。

いずれの方法を選択するかは、管理組合の判断となりますが、住民の理解と協力が不可欠です。

一時金を徴収する

一時金を徴収する方法は、マンションの大規模修繕工事の費用を支払う方法の一つです。これは、修繕積立金とは別に、所有者から一時的にまとまったお金を集める方法です。

一時金を徴収するメリットとしては、まとまった資金を確保できるため、確実に修繕工事を進められることが挙げられます。また、修繕積立金の値上げを回避できるため、長期的な負担を軽減できる可能性もあります。

一方で、一時金を徴収する際には、所有者からの理解と協力が必要となります。多額の費用がかかるため、反対する所有者も出てくる可能性があります。また、一時金を集める時期や金額の設定など、慎重な検討が必要です。

一時金徴収を検討する際には、以下の点に注意する必要があります。

  • 所有者の理解と協力が得られるか
  • 適切な時期と金額の設定
  • 資金管理体制の整備

一時金を徴収することで、確実に修繕工事を進め、長期的な負担を軽減することができます。しかし、所有者からの理解と協力が不可欠であるため、慎重な検討が必要です。

不足額を借り入れる

マンション大規模修繕工事の費用を賄う方法の一つとして、不足額を借り入れるという方法があります。これは、金融機関から融資を受けることで、修繕費用を確保するものです。

不足額を借り入れるメリットとしては、一度に多額の資金を確保できることが挙げられます。修繕積立金だけでは不足する場合でも、借り入れによって必要な資金をすぐに用意することができます。

ただし、借り入れには金利が発生するため、返済時には借入額に加えて金利も支払う必要があります。また、借り入れを行う際には、返済計画を立てて無理のない返済をすることが大切です。

マンション大規模修繕工事の費用を借り入れる際には、上記の点に注意して、慎重に検討することが大切です。

修繕積立金を増額する

マンションの大規模修繕工事は多額の費用がかかるため、計画的に修繕積立金を積み立てることが重要です。しかし、様々な理由で修繕積立金が不足してしまうケースも少なくありません。

その場合の対処法の一つとして、修繕積立金の増額が挙げられます。修繕積立金の増額には、以下のメリットがあります。

  • 大規模修繕工事時の負担軽減
  • 将来の修繕費用の不足を防ぐ
  • 管理組合の財務基盤を強化

一方、修繕積立金の増額は、以下のデメリットもあります。

  • 住民の負担増
  • 積立金の滞納リスク
  • 管理コストの増加

修繕積立金の増額は、メリットとデメリットを慎重に検討した上で、管理組合の総会で決議する必要があります。

大規模修繕を延期する

マンションの大規模修繕は高額な費用がかかるため、管理組合にとって大きな負担となります。そのため、資金不足や住民の合意が得られないなどの理由で、修繕を延期せざるを得ないケースも少なくありません。

修繕を延期すると、建物の劣化が進むため、修繕費用がさらに高額になる可能性があります。また、老朽化が進むことで、住環境の悪化や安全性の低下にもつながるおそれがあります。

しかし、資金不足や住民の合意が得られない状況では、無理に修繕を行うことはできません。まずは、修繕を延期することによるリスクを住民に説明し、理解を得ることが大切です。

また、修繕を延期する場合は、以下の点に注意する必要があります。

  • 建物の状態を定期的に点検し、必要に応じて応急処置を行うこと
  • 修繕積立金を計画的に積み立て、修繕資金を確保すること
  • 住民への説明と合意形成を十分に行うこと

修繕を延期するのは、あくまでも最終手段です。できるだけ早期に修繕を行うことが、建物を長持ちさせ、住環境を維持するためには重要です。

まとめ

マンションの大規模修繕工事は、築12~15年程度を目安に実施する必要があり、費用はマンションの規模や築年数、修繕内容によって異なります。

2回目の大規模修繕工事では、1回目の工事よりも費用が高額になることが多く、修繕積立金が不足する場合には、一時金を徴収したり、不足額を借り入れたり、修繕積立金を増額したり、大規模修繕を延期したりするなどの対策が必要になります。

将来の財政負担を軽減するためにも、計画的な修繕積立金の積み立てと適切な管理組合の運営が重要です。

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